女性の円形脱毛症は、多くの方が悩みを抱える症状の一つです。髪の健康は日々の食事と深く関わっており、特定の栄養素を意識して摂取することが、健やかな髪を育む上で重要になります。

この記事では、円形脱毛症に悩む女性のために、食事を通じて取り入れたい栄養素や食材について、分かりやすく解説します。

バランスの取れた食事を心がけ、専門医のアドバイスも参考にしながら、髪と体の健康を目指しましょう。

円形脱毛症とは何か 女性特有の原因も解説

円形脱毛症は、頭部やその他の体毛に円形または楕円形の脱毛斑が突然現れる自己免疫疾患の一種です。多くの場合、自覚症状がないまま進行し、ある日突然、コイン大の脱毛に気づくことがあります。

円形脱毛症の主な症状と特徴

円形脱毛症の最も一般的な症状は、境界がはっきりとした円形または楕円形の脱毛斑です。

大きさは数ミリ程度の小さなものから、頭部全体に広がるものまで様々で、脱毛斑は1箇所だけでなく、複数箇所に現れることもあります。初期には軽いかゆみや違和感を伴うこともありますが、多くは無症状です。

脱毛した部分の毛穴は残っており、毛髪が再生する可能性は十分にあります。

しかし、症状の進行や回復の程度には個人差が大きく、数ヶ月で自然に治るケースもあれば、長期間にわたって脱毛と再生を繰り返すケース、あるいは広範囲に脱毛が進行するケースも見られます。

女性における円形脱毛症の一般的な原因

円形脱毛症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫系の異常が関与しているという説が有力です。

免疫細胞が誤って自身の毛包(毛を作り出す器官)を攻撃してしまうことで、毛髪の成長が阻害され、脱毛が起きると考えられています。

免疫系の誤作動の誘因は、遺伝的素因、精神的ストレス、アトピー素因などです。

女性の場合、妊娠や出産に伴うホルモンバランスの急激な変化、過度なダイエットによる栄養不足、甲状腺疾患などが関与する可能性も指摘されています。

ストレスと円形脱毛症の関係

精神的ストレスは、円形脱毛症の発症や悪化の引き金の一つとして広く認識されています。強いストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、免疫機能にも影響を与える可能性があります。

また、ストレスは血管を収縮させ、頭皮への血流を悪化させることも考えられ、毛包への栄養供給が滞り、健康な髪の成長が妨げられることがあります。

ただし、ストレスが直接的な原因となるわけではなく、あくまで発症のきっかけの一つであり、ストレスを感じる全ての人が円形脱毛症になるわけではありません。

ホルモンバランスと髪への影響

女性の体は、月経周期、妊娠、出産、更年期など、生涯を通じてホルモンバランスが大きく変動します。特に女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、髪の成長を促進し、ハリやコシを保つ働きがあります。

妊娠中はエストロゲンの分泌量が増加するため、髪が豊かになる傾向がありますが、出産後には急激に減少し、一時的に抜け毛が増えることがあります(産後脱毛)。

また、更年期に入りエストロゲンが減少すると、髪が細くなったり、全体的に薄くなったりする変化が見られることがあります。

円形脱毛症との直接的な因果関係は明確ではありませんが、ホルモンバランスの乱れが免疫系や頭皮環境に影響を与え、間接的に発症や症状の進行に関わる可能性は否定できません。

髪の成長に必要な基本的な栄養素

私たちの髪の毛は、日々の食事から摂取する栄養素を基に作られています。健康な髪を育むためには、特定の栄養素だけを摂取するのではなく、様々な栄養素をバランス良く摂ることが大切です。

タンパク質 髪の主成分

髪の毛の約80~90%は、「ケラチン」というタンパク質で構成されていて、タンパク質は、肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品などに豊富に含まれています。

タンパク質が不足すると、髪の毛を作る材料が足りなくなり、髪が細くなったり、弱くなったり、成長が遅れたりする原因となります。

良質なタンパク質を毎日の食事で十分に摂取することは、健康な髪を維持するための基本です。

ビタミン群 髪の健康を支える

ビタミン群は、体の機能を正常に保つために微量ながらも重要な働きをする栄養素です。髪の健康においても、多くのビタミンが関与しています。

ビタミンAは頭皮の新陳代謝を促し、健康な頭皮環境を保つのに役立ちます。

ビタミンB群(特にB2、B6、ビオチン、葉酸、パントテン酸など)は、タンパク質の代謝を助けたり、頭皮の血行を促進したり、皮脂の分泌を調整したりする働きがあります。

ビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、頭皮の血管を丈夫にするほか、鉄分の吸収を高める効果もあります。ビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、血行を促進して毛母細胞の働きを活発にします。

このようなビタミンが多く含まれている食品は、緑黄色野菜、果物、肉類、魚介類、ナッツ類などです。

ミネラル 健やかな髪に必要

ミネラルもまた、髪の健康に欠かせない栄養素で、特に重要なのが亜鉛と鉄分です。亜鉛は、タンパク質の合成や細胞分裂に深く関わっており、新しい髪の毛が作られる際に重要な役割を果たします。

不足すると、髪の成長が遅れたり、抜け毛が増えたりすることがあり、鉄分は、血液中のヘモグロビンの成分となり、全身に酸素を運ぶ働きをします。

頭皮にも酸素が十分に供給されることで、毛母細胞が活発に働き、健康な髪が育ち、鉄分が不足すると、髪が細くなったり、ツヤがなくなったりすることがあります。

レバー、赤身の肉、魚介類、大豆製品、海藻類などと摂ることが大切です。

炭水化物と脂質 エネルギー源として

炭水化物と脂質は、主に体のエネルギー源となる栄養素です。不足すると、体はタンパク質を分解してエネルギーを作り出そうとするため、髪の材料となるタンパク質が不足してしまう可能性があります。

適度な炭水化物と脂質の摂取は、髪の健康を維持するためにも大切です。炭水化物はご飯、パン、麺類など、脂質は植物油、魚油、ナッツ類などに含まれています。

ただし、脂質の摂りすぎは皮脂の過剰分泌につながり、頭皮環境を悪化させる可能性もあるため、バランスを考えて摂取することが重要です。

良質な脂質とされる不飽和脂肪酸(オメガ3系脂肪酸など)を意識して摂ると良いでしょう。

円形脱毛症と特に関連が深い栄養素

円形脱毛症は自己免疫疾患としての側面が強いため、特定の栄養素を摂取すれば必ず治るというものではありません。

しかし、免疫機能の正常化や毛髪の再生をサポートする観点から、いくつかの栄養素が注目されています。

亜鉛 免疫機能と細胞分裂のサポート

亜鉛は、免疫細胞の働きを正常に保つために重要なミネラルです。免疫バランスの乱れが関与するとされる円形脱毛症において、亜鉛の役割は無視できません。

また、亜鉛は細胞分裂やタンパク質の合成にも深く関わっており、新しい髪の毛が作られる過程で必要とされ、亜鉛が不足すると、免疫機能の低下や皮膚・毛髪の異常が起こりやすいです。

味覚障害も亜鉛不足のサインの一つで、円形脱毛症の方の中には、血中の亜鉛濃度が低い場合があるという報告も見られます。

鉄分 頭皮への酸素供給

鉄分は、赤血球のヘモグロビンの主成分であり、全身の細胞に酸素を運搬する重要な役割を担っています。毛母細胞も活発に細胞分裂を繰り返して髪の毛を作り出すため、十分な酸素供給が必要です。

鉄分が不足すると、頭皮への酸素供給が滞り、毛母細胞の働きが低下して、髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。

特に女性は月経により鉄分を失いやすいため、鉄欠乏性貧血になりやすい傾向があります。

ビオチン ケラチン生成を助ける

ビオチンはビタミンB群の一種で、皮膚や粘膜、そして髪の毛の健康維持に深く関わっていて、髪の主成分であるケラチンというタンパク質の生成をサポートする働きがあります。

ビオチンが不足すると、皮膚炎や脱毛、白髪などの症状が現れることがあり、ビオチンは腸内細菌によっても合成されますが、食事からの摂取も重要です。

円形脱毛症の治療の一環としてビオチンが処方されることもあり、毛髪の再生を促す効果が期待されています。ただし、ビオチン単独で円形脱毛症が治癒するわけではなく、あくまで補助的な役割です。

ビタミンD 免疫調整と毛包の健康

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けることで骨の健康に寄与するだけでなく、免疫機能を調整する働きがあることが注目されています。

自己免疫疾患である円形脱毛症との関連も研究されており、ビタミンDが不足している人に円形脱毛症が多いという報告や、ビタミンDの補充が症状改善に役立ったという研究結果もあります。

ビタミンDは毛包の成長サイクルにも関与していると考えられており、健康な毛髪の維持に影響を与える可能性があります。

食事から摂取するほか、日光を浴びることで皮膚でも生成されますが、現代人は不足しがちな栄養素の一つです。

これらの栄養素を多く含む具体的な食べ物

円形脱毛症の改善をサポートする可能性のある栄養素について理解を深めたところで、次に栄養素をどのような食べ物から摂取できるのかを具体的に見ていきましょう。

亜鉛が豊富な食材

亜鉛は、新しい細胞が作られる際に必要で、髪の主成分であるケラチンの合成にも関わっていて、免疫機能を正常に保つためにも重要なミネラルです。

亜鉛は、特に牡蠣やレバー、赤身の肉などに多く含まれています。また、種実類や穀類にも含まれますが、植物性食品に含まれる亜鉛は吸収率が動物性食品に比べて低いです。

ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂ることで吸収率が高まります。

亜鉛を多く含む食品

食品群主な食材ポイント
魚介類牡蠣、うなぎ、いわし牡蠣は特に含有量が多い
肉類牛肉(赤身)、豚レバー、鶏レバーレバー類も豊富
種実類カシューナッツ、アーモンド、ごま間食にも取り入れやすい

鉄分を効率よく摂取できる食材

鉄分は、頭皮に酸素を運ぶヘモグロビンの材料となり、毛母細胞の働きを活発にし、鉄分は、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と、野菜や穀物に含まれる「非ヘム鉄」の2種類です。

ヘム鉄の方が吸収率が高いですが、非ヘム鉄もビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂ることで吸収率を高められます。

レバーや赤身の肉、カツオやマグロなどの赤身魚、あさりやしじみなどの貝類に豊富で、大豆製品や緑黄色野菜にも含まれています。

鉄分の種類と吸収を助ける栄養素

鉄分の種類多く含む食品吸収を助ける栄養素
ヘム鉄レバー、赤身の肉、魚(カツオ、マグロなど)比較的吸収されやすい
非ヘム鉄ほうれん草、小松菜、ひじき、大豆製品ビタミンC、動物性タンパク質

ビオチンを含む身近な食べ物

ビオチンは、皮膚や髪の健康を保つために重要なビタミンB群の一種です。ケラチンの生成を助ける働きがあります。

ビオチンは多くの食品に含まれており、通常の食生活で極端に不足することは稀ですが、意識して摂取することで髪の健康をサポートできます。

レバー、卵黄、ナッツ類、大豆、きのこ類などに多く含まれています。卵白に含まれるアビジンというタンパク質はビオチンの吸収を阻害するため、卵白を生で大量に摂取するのは避けた方が良いでしょう。

加熱すればアビジンの影響はなくなります。

ビオチンを多く含む食品

食品群主な食材ポイント
肉類・卵豚レバー、鶏レバー、卵黄レバー類は特に豊富
種実類アーモンド、ピーナッツ、くるみ手軽に摂取可能
その他大豆、きのこ類(まいたけ等)、酵母多様な食品に含まれる

ビタミンD源となる食材と日光浴

ビタミンDは、免疫機能の調整や毛包の健康に関与すると考えられていて、食品から摂取するほか、日光(紫外線)を浴びることで皮膚でも生成されます。

ビタミンDを多く含む食品は、魚介類(特にサケ、サンマ、イワシなどの青魚)、きのこ類(特にきくらげ、干ししいたけ)、卵黄などです。

現代人は屋内で過ごす時間が長く、日焼け対策も徹底しているため、ビタミンDが不足しがちになります。

適度な日光浴(1日に15分~30分程度、手のひらサイズで十分)を心がけることも、ビタミンDを補う上で大切です。

ビタミンDを多く含む食品

食品群主な食材ポイント
魚介類サケ、サンマ、マグロ、イワシ特に脂ののった魚に多い
きのこ類きくらげ(乾燥)、干ししいたけ天日干しで増加
卵類卵黄手軽な供給源

食生活で注意したい点と避けるべきもの

健康な髪を育み、円形脱毛症のケアをサポートするためには、積極的に摂りたい栄養素や食材がある一方で、摂取を控えたいものや注意が必要な食習慣もあります。

過度な食事制限のリスク

体重を気にして極端な食事制限を行うと、体に必要な栄養素が不足し、髪の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

特に、タンパク質、ビタミン、ミネラルは髪の成長に直接関わるため、これらが不足すると髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。

円形脱毛症の誘因の一つに栄養不足が挙げられることもあります。健康的なダイエットはバランスの取れた食事と適度な運動が基本です。

無理な食事制限は避け、必要な栄養素はしっかりと摂取するように心がけましょう。

加工食品やインスタント食品との付き合い方

加工食品やインスタント食品は、手軽で便利な反面、塩分、脂質、糖質が多く含まれていたり、食品添加物が使用されていたりすることがあります。

過剰な摂取は、栄養バランスの乱れや、腸内環境の悪化を招く可能性があります。腸内環境が悪化すると、栄養素の吸収が悪くなったり、免疫機能に影響が出たりすることもあり、注意が必要です。

完全に避ける必要はありませんが、利用する頻度や量には注意し、できるだけ栄養成分表示を確認する習慣をつけましょう。野菜やタンパク質源をプラスするなど、工夫して栄養バランスを補うことも大切です。

注意したい食品添加物

添加物の種類(例)含まれる可能性のある食品過剰摂取による懸念
リン酸塩加工肉、インスタント麺、清涼飲料水ミネラルの吸収阻害
保存料(ソルビン酸など)ハム、ソーセージ、パン、菓子腸内環境への影響
人工甘味料ダイエット飲料、菓子腸内フローラへの影響、味覚の鈍化

糖質や脂質の過剰摂取が与える影響

糖質や脂質は体に必要なエネルギー源ですが、過剰に摂取すると肥満の原因になるだけでなく、頭皮環境にも悪影響を与えることがあります。

糖質を摂りすぎると、体内でタンパク質と結びついて糖化(AGEsの生成)を起こし、細胞の老化を促進し、頭皮や毛母細胞にも影響し、髪のハリやコシを失わせる原因です。

また、脂質の摂りすぎ、特に動物性脂肪やトランス脂肪酸の多い食事は、皮脂の過剰分泌を招き、毛穴の詰まりや頭皮の炎症を起こすことがあります。

アルコールやカフェインの摂取について

アルコールの過剰摂取は、肝臓での栄養素の代謝を妨げたり、ビタミンB群などの栄養素を消耗させたりします。

また、睡眠の質を低下させることもあり、間接的に髪の健康に影響を与える可能性があり、適量を守ることが大切です。

カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれ、適量であれば覚醒作用や利尿作用がありますが、摂りすぎると鉄分の吸収を妨げたり、睡眠の質を低下させたりします。

食事以外の生活習慣と円形脱毛症

円形脱毛症のケアにおいては、食事だけでなく、日々の生活習慣全体を見直すことも重要です。

質の高い睡眠の重要性

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が活発に行われます。これには頭皮や毛母細胞も含まれており、質の高い睡眠は健康な髪を育むために不可欠です。

睡眠不足や睡眠の質の低下は、成長ホルモンの分泌を妨げ、自律神経のバランスを乱し、免疫機能にも悪影響を与える可能性があります。

毎日同じ時間に寝起きする、寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を控える、カフェイン摂取を避けるなど、睡眠環境を整える工夫をしましょう。

適度な運動がもたらす効果

適度な運動は、全身の血行を促進し、頭皮への栄養供給をスムーズにする効果が期待でき、また、ストレス解消や自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。

ウォーキング、ジョギング、ヨガ、水泳など、自分が楽しめる運動を継続的に行うことが大切です。運動不足は血行不良や代謝の低下を招き、髪の成長に必要な栄養が頭皮に届きにくくなる可能性があります。

ストレスマネジメントの方法

ストレスは円形脱毛症の誘因や悪化要因の一つと考えられています。現代社会においてストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に付き合い、コントロールする方法を見つけることが重要です。

趣味に没頭する時間を作る、リラックスできる音楽を聴く、アロマテラピーを取り入れる、親しい人と話す、瞑想や深呼吸を行うなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

頭皮ケアの基本と注意点

健康な髪は健康な頭皮から育ち、適切な頭皮ケアは、円形脱毛症のケアにおいても大切な要素です。

シャンプーは、自分の頭皮タイプに合ったものを選び、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗ってください。

洗い残しやすすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、しっかりとすすぐことが重要で、洗髪後は、ドライヤーで頭皮と髪をきちんと乾かします。濡れたまま放置すると雑菌が繁殖しやすくなります。

また、頭皮マッサージは血行を促進し、リラックス効果も期待できますが、強くこすりすぎると頭皮を傷つける可能性があるので注意が必要です。

よくある質問

円形脱毛症と食事に関する疑問や不安について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。ただし、個々の状況によって異なる場合があるため、最終的には専門の医療機関にご相談ください。

Q
サプリメントだけで栄養を補給しても良いですか
A

サプリメントは、食事だけでは不足しがちな特定の栄養素を手軽に補給できる便利なものですが、基本的には食事からの栄養摂取を優先させましょう。

食事は、様々な栄養素をバランス良く含んでいるだけでなく、食物繊維やファイトケミカルなど、サプリメントでは得られない成分も摂取できます。

Q
特定の食べ物を食べ続ければ円形脱毛症は治りますか
A

残念ながら、特定の食べ物を食べ続けるだけで円形脱毛症が確実に治るという科学的根拠はありません。円形脱毛症は自己免疫疾患であり、その発症には様々な要因が複雑に関与しています。

食事は、髪の健康を支える土台作りや、免疫機能のバランスを整える一助となる可能性がありますが、治療の代わりにはなりません

Q
食事改善で効果が出るまでどのくらいかかりますか
A

食事改善による髪への効果は、すぐには現れにくいものです。

髪の毛には成長サイクル(毛周期)があり、新しい髪が成長し、目に見える変化として実感できるまでには、通常数ヶ月から半年程度の時間が必要です。

また、効果の現れ方には個人差が大きく、体質や症状の程度、生活習慣全体によっても異なります。

参考文献

Pham CT, Romero K, Almohanna HM, Griggs J, Ahmed A, Tosti A. The role of diet as an adjuvant treatment in scarring and nonscarring alopecia. Skin appendage disorders. 2020 Jan 7;6(2):88-96.

Yan A, Drake L, Hadsall S, Gaurav A, Xia E, Mostaghimi A. Evaluating the sources and types of dietary and nutritional advice for patients with alopecia areata. Archives of Dermatological Research. 2024 May 25;316(6):283.

Thompson JM, Mirza MA, Park MK, Qureshi AA, Cho E. The role of micronutrients in alopecia areata: a review. American journal of clinical dermatology. 2017 Oct;18:663-79.

Hagino T, Okazaki S, Serizawa N, Suzuki K, Kaga M, Otsuka Y, Mikami E, Hoashi T, Saeki H, Matsuda H, Mitsui H. Dietary habits in Japanese patients with alopecia areata. Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology. 2021 Oct 28:1579-91.

Rinaldi F, Pinto D, Giuliani G, Sorbellini E. Diet and microbiome influence on alopecia areata: experience from case reports. J Nutr Med Diet Care. 2019;5(37):10-23937.

Minokawa Y, Sawada Y, Nakamura M. Lifestyle factors involved in the pathogenesis of alopecia areata. International Journal of Molecular Sciences. 2022 Jan 18;23(3):1038.

Gokce N, Basgoz N, Kenanoglu S, Akalin H, Ozkul Y, Ergoren MC, Beccari T, Bertelli M, Dundar M. An overview of the genetic aspects of hair loss and its connection with nutrition. Journal of preventive medicine and hygiene. 2022 Oct 17;63(2 Suppl 3):E228.