抜け毛の量が増えると、髪のボリュームが落ちたように感じるだけでなく、「このまま進行してしまうのではないか」という不安を抱く人も多いでしょう。
とくにシャンプー時に抜け毛がどれくらいあるかは気になりやすいポイントで、適切な目安を知って対策に取り組めば、髪の健康を守る大きな一歩になります。
本記事では、シャンプー時に気づきやすい抜け毛の本数や、正常値の考え方について詳しく解説しつつ、治療の選択肢も紹介します。
抜け毛の目安と正常値の考え方
抜け毛の本数は1日あたりで考えた場合、ある程度の幅があり、洗髪後の排水口を見て「多いかも?」と感じても、実際には通常範囲内というケースも珍しくありません。
まずは一般的な抜け毛の目安を理解し、過度に心配しすぎないための知識を身につけることが大切です。
シャンプー時に抜け毛が増える理由
シャンプー時に抜け毛が目立つのは、髪を洗うプロセスで頭皮をマッサージするように触れたり、髪全体を泡で包んだりするためです。
普段は落ちかけていた髪が、洗髪によってまとめて抜け落ちることがあります。
つまりシャンプー時に集中して抜けているように見えますが、すでに寿命を迎えていた髪が一気に排水口に集まり、目につきやすい状態になっているのです。
とくに長めの髪だと余計に多く感じることがあり、実数以上に抜け毛を多く認識しやすい点も注意が必要です。
人によって異なる正常値とは
個人差は大きいものの、1日あたりの抜け毛が50本~100本程度であれば、一般的には正常範囲と考えられています。
これはあくまでも目安であり、髪の長さや太さ、ヘアスタイル、日々のブラッシング頻度などによっても異なります。
過度に心配するのではなく、まずは自分の髪の状態を定期的に観察して、どのくらい抜けているのかをおおまかに把握するとよいでしょう。
季節や体調によっても変動しやすいので、短期的ではなく長期的な視点で判断することが大切です。
抜け毛と髪の太さの目安
指標 | 状態の例 | 抜け毛本数の傾向 |
---|---|---|
細い髪が多い | 全体的にコシがなく柔らかい | やや多めに見えることがある |
太い髪が多い | 一本一本がしっかりしている | 抜け毛が少なく感じる傾向 |
混合タイプ | 細い髪と太い髪が混在 | 一概に言えず個人差が大きい |
正常な範囲を超えたら疑うべき原因
正常な抜け毛の範囲を超えると、何らかの原因が潜んでいる可能性が高まり、ホルモンバランスの乱れや、頭皮環境の悪化、栄養不足など、多角的な視点で原因を探ることが大切です。
とくに女性は妊娠・出産や更年期などのライフステージでホルモンの変動が顕著に起こるため、抜け毛の本数に大きな影響を与えます。
異常を感じたときは、まず日々の生活習慣から見直してみることがおすすめです。
抜け毛が気になるときにチェックするポイント
洗髪時の抜け毛が多いと感じたときは、次のような観点をチェックしましょう。髪や頭皮だけでなく、全身の健康状態が影響を及ぼしている可能性も考慮すると、より良い対処が期待できます。
- 生活リズムの乱れ(睡眠不足やストレスの有無)
- 食事内容の偏りや栄養状態
- 頭皮に合わないシャンプーの使用有無
- パーマやカラーリングなどの刺激
ホルモンバランスと女性の抜け毛の関係
女性の抜け毛はホルモンバランスの影響を受けやすく、女性ホルモンは髪の成長サイクルを左右し、乱れると抜け毛が増えることがあります。
年齢やライフステージによって変化が生じやすいので、自分の身体の変化を把握し、必要に応じてケアを行うことが重要です。
女性ホルモンが与える髪への影響
女性ホルモンであるエストロゲンは、髪を健康に保ち、成長期を長く維持する作用があり、女性ホルモンが安定して分泌されていると、頭皮の血行が促進され、健やかな髪が育ちやすくなります。
反対にホルモンバランスが乱れると、髪の成長期が短くなったり休止期が早まったりする可能性が高まり、結果として抜け毛が増える要因になります。
また、女性ホルモンの分泌低下は、髪質の変化(ハリやコシの低下)とも密接に関係します。
生理周期と抜け毛の増減
生理周期にあわせて女性ホルモンの分泌量は変動し、生理前はホルモンのバランスが崩れやすく、排卵日を過ぎた時期はむくみや肌荒れなどとともに抜け毛が増えると感じる場合があります。
しかし、生理終了後から排卵までの間はエストロゲンが比較的安定しているため、その時期には抜け毛が減少するケースもみられます。
自分の生理周期のタイミングと抜け毛量の変化を観察すると、ホルモンの影響をある程度把握しやすいです。
年代別ホルモンバランスの特徴
年代 | ホルモン変化 | 抜け毛傾向 |
---|---|---|
10代後半~20代 | ホルモン分泌が安定し始める | 髪の成長力が高く、抜け毛はあまり目立たない |
30代~40代前半 | 仕事や出産など環境変化が多い | ストレスなどで抜け毛が一時的に増える可能性 |
40代後半~50代 | 更年期に向けてエストロゲンが減少 | 抜け毛が増え、髪が細くなる兆候が表れやすい |
60代以降 | ホルモン分泌が大きく低下 | 髪が痩せやすくなり、全体的なボリューム減を感じやすい |
ストレスとホルモン変動
ストレスを強く感じると自律神経のバランスが崩れ、ホルモン分泌にも影響が及びます。
イライラや不眠、食欲不振などが長引くと、頭皮に十分な栄養が行き渡りにくくなり、髪の成長力が衰えてしまうことがあります。
ストレスを日常的に溜め込んでしまうライフスタイルは、女性特有のホルモンバランスの乱れを助長する要因にもなり得るため、適度に息抜きをする習慣が重要です。
更年期における抜け毛リスク
更年期はエストロゲンの分泌量が顕著に低下する時期で、髪の成長周期を支えるホルモンが減少すると、抜け毛が多く感じられたり、髪が細くやせたように見えることが増えます。
さらに頭皮環境が不安定になり、乾燥やかゆみが生じやすくなることも少なくありません。
更年期の段階で抜け毛が進行していると感じたら、女性向けのヘアケア製品を活用したり、専門クリニックで相談したりするなど、早めの対策が望まれます。
ホルモン乱れをケアするための工夫
- 規則正しい睡眠時間の確保
- 軽めの運動やストレッチで血行促進
- バランスのよい食生活(たんぱく質やビタミンの摂取)
- 深呼吸や趣味を活用したリラックス法
負担を一気に減らすことは難しくても、少しずつストレスを緩和する取り組みを実践すると、ホルモンバランスを整える効果が期待できます。
洗髪のタイミングと注意点
忙しい日常の中で、洗髪のタイミングは後回しになりがちですが、頭皮環境を整えて抜け毛を軽減するためには、シャンプーをおろそかにするわけにはいきません。
シャンプー前後のひと工夫だけでも、抜け毛を防ぎやすくなることがあります。
シャンプー前のブラッシングが重要な理由
洗髪前にブラッシングを行うと、髪に付着した汚れやホコリを落としやすくなり、また、ブラシが頭皮を刺激して血行を促進するので、後のシャンプー効果を高める上でも大切です。
ブラッシングによってからまった髪をほどいておけば、抜け毛予防にもつながり、髪の毛先から根元に向かってやさしくとかすことで、不要な力を加えずにスムーズに汚れを落とせます。
洗髪前と洗髪後の行動
タイミング | 望ましい行動 | 注意すべきこと |
---|---|---|
洗髪前 | ブラッシング、軽い頭皮マッサージ | 強く引っ張らない |
洗髪後 | タオルドライ、低温ドライヤー | ゴシゴシ拭かずに優しく吸水 |
洗い方と泡立て方のコツ
まず、シャンプーを手に取ったらしっかりと泡立ててから髪に塗布し、頭皮全体を指の腹で優しくこすり、汚れを浮かせるイメージで洗うと、頭皮を傷つけにくくなります。
熱すぎるお湯は頭皮の乾燥を招くため、ぬるめのお湯(38℃前後)で洗うのが理想的で、泡で包み込むように洗うと髪への負担を軽減できるため、抜け毛を気にする方には特におすすめです。
頭皮を傷めないすすぎと乾かし方
頭皮にシャンプー成分が残らないよう、念入りにすすぐことが大切で、すすぎ残しがあると頭皮トラブルの原因になります。
さらに、洗髪後はタオルでポンポンと押さえるように水分を取り、ドライヤーを使うときは低温かつ頭皮から少し離して使用するのが望ましい方法です。
過度に近い位置で高温の風を当てると、キューティクルがダメージを受けて、髪のパサつきや切れ毛につながる可能性があります。
シャンプー選びで差がつく抜け毛対策
洗髪の手順を見直すことも重要ですが、自分に合ったシャンプーを選ぶことも大きな意味を持ち、洗浄成分の種類によって頭皮と髪への刺激が変わるため、慎重な選択が求められます。
とくに女性の場合はカラーやパーマ、ホルモンバランスの変動など、髪と頭皮が受ける負担が複雑です。
洗浄成分が与える影響
シャンプーは主に洗浄成分がベースで、高級アルコール系、石けん系、アミノ酸系など、多岐にわたる洗浄成分の違いが髪へのアプローチを左右します。
脱脂力の強い高級アルコール系はさっぱり洗える反面、乾燥や刺激を感じやすい人もいるため注意が必要です。
一方、アミノ酸系は比較的マイルドな洗浄力を持つとされ、頭皮が敏感な人やダメージヘアの方に選ばれやすい傾向があります。
アミノ酸系シャンプーが注目される理由
髪と頭皮に対して優しく洗い上げることを目的に、アミノ酸の洗浄成分を配合したシャンプーが注目されることが増えてきました
。髪の主成分であるケラチンもアミノ酸から構成されているため、相性のよさが期待され、洗浄力が比較的穏やかな分、過度に皮脂を奪わずに頭皮環境を整えやすい点が特長です。
女性に多いカラーリング後のダメージや加齢による乾燥が気になる方からは、選択肢のひとつとして好評を得やすい存在です。
女性向けシャンプーに含まれる成分と特徴
女性の髪は男性に比べてヘアカラーやパーマをする割合が高く、スタイリング剤も複数使用することが多いため、保湿成分やダメージケア成分が配合されたシャンプーが数多く市販されています。
また、女性シャンプーの成分は香りや使用感にもこだわる商品が多く、ヘアケアそのものを楽しめるというメリットがあります。
ただし、香りが強すぎるものは頭皮がデリケートな方には刺激になる場合もあるため、自分の髪質や頭皮状態に合ったタイプを選びたいところです。
種類別のシャンプー成分の特徴
種類 | 主な洗浄成分 | 特徴 |
---|---|---|
高級アルコール系 | ラウレス硫酸Naなど | 洗浄力が強いが刺激を感じやすい場合も |
石けん系 | 脂肪酸ナトリウムなど | 天然由来成分だがアルカリ性で軋みを感じることがある |
アミノ酸系 | ココイルグルタミン酸Naなど | マイルドな洗浄力で髪や頭皮をやさしく洗いやすい |
自分に合ったシャンプーの見極め方
シャンプーを選ぶときには、成分表示に注目して洗浄成分のタイプを確認し、自分の頭皮や髪質に合うかどうかを考慮します。
使い始めてから頭皮にかゆみや赤みが出た場合は、シャンプーが合わない可能性があるため早めに見直すことが必要です。
抜け毛が気になる方は、洗浄力の強すぎるタイプで皮脂を必要以上に落としていないか、保湿成分が不足していないかなどをチェックしながら慎重に選択するとよいでしょう。
- シャンプー後の頭皮のツッパリ感
- 髪がキシキシする度合い
- 洗浄後の髪のまとまりやすさ
- 香料の強さと頭皮の反応
生活習慣が髪に与えるダメージ
洗髪やヘアケアアイテムだけでなく、日常生活そのものが髪の状態に大きく関係していて、睡眠不足や栄養バランスの乱れは、体の内側から髪を弱らせる原因になりかねません。
頭皮や髪だけをケアするのではなく、身体全体の健康管理が重要です。
睡眠不足による頭皮環境の悪化
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や新陳代謝が活発になり、睡眠不足が続くと、髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増えやすい状態になってしまいます。
夜更かしや不規則な生活が習慣化している場合は、まずは睡眠時間を確保する努力をしてみることが大事です。
寝具や枕カバーを定期的に洗濯するなど、睡眠環境を整えることも頭皮を清潔に保つ工夫につながります。
食事内容の偏りと抜け毛
髪の主成分であるケラチンはたんぱく質から合成されるため、たんぱく質をしっかりと摂ることが必要です。
また、亜鉛や鉄分などのミネラル、ビタミンB群など、髪の成長を助ける栄養素が不足していると抜け毛が増える可能性があります。
朝食を抜いたり、ファストフードやジャンクフードが中心の食事を続けたりすると、頭皮や髪に必要な栄養が不足しがちです。バランスのとれた食事を意識しながら、髪を育む土台を整えましょう。
髪に良いとされる栄養素
栄養素 | 働き | 多く含まれる食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪や筋肉の主要成分 | 肉、魚、大豆製品 |
亜鉛 | 細胞分裂の活性化に寄与 | 牡蠣、牛肉、ナッツ類 |
鉄分 | 血液中のヘモグロビンを増やす | レバー、赤身の肉、ほうれん草 |
ビタミンB群 | エネルギー代謝をサポート | 豚肉、卵、納豆、玄米 |
過度なダイエットによる栄養不足
短期間で体重を落とそうと極端な食事制限を行うと、髪に届く栄養素が明らかに不足してしまうおそれがあります。
ダイエット中に抜け毛が増えたと感じる場合、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが足りているかをチェックしてみましょう。
極端な炭水化物制限やカロリー制限は、体脂肪だけでなく髪の成長にも悪影響を及ぼしやすいため注意が必要です。
日常でできる予防とケア方法
頭皮や髪を保護するためには、日常生活の中で手軽に取り入れられるケア方法がいくつかあります。
生活習慣の改善や簡単なマッサージ、アイテムの使い方を少し工夫するだけでも、抜け毛のリスクを下げることが可能です。
適度な頭皮マッサージのメリット
頭皮マッサージを行うと、血行が促されて毛根に栄養が運ばれやすくなり、お風呂上がりや就寝前に指の腹で頭皮を押し、円を描くようにマッサージすると、リラックス効果も得られます。
また、頭皮のコリがほぐれることで、顔のむくみの軽減にもつながるといった嬉しい側面もあり、力加減を間違えると頭皮を傷める恐れがあるため、やさしくもみほぐすイメージで行うとよいでしょう。
ヘアケア製品の上手な活用
洗い流さないトリートメントやヘアオイルなどのヘアケア製品を上手に使うと、髪の乾燥を防ぎ、ダメージを抑えることに役立ちます。
ただし、頭皮に直接塗るタイプのものは、毛穴を詰まらせることがないように適量を守る必要があります。
髪全体がパサついてツヤがないと感じるときは、コンディショナーの使い方やヘアマスクの頻度を見直し、効果を実感できるように調整してみるのがおすすめです。
ヘアケア製品の種類と効果
製品の種類 | 主な目的 | 使用のタイミング |
---|---|---|
洗い流さないトリートメント | 潤いを保ち髪を保護 | タオルドライ後やスタイリング前 |
ヘアオイル | 乾燥や広がりを抑える | 髪がパサつきやすい時や仕上げに |
ヘアマスク | 集中的に栄養を補給 | 週1回~2回程度でシャンプー後に使用 |
生活リズムの整え方
健康な髪を保つためには、早寝早起きや規則正しい食生活など生活リズムの安定が欠かせません。毎日同じ時間に寝起きするだけでも自律神経が整いやすくなり、ホルモン分泌も安定しやすくなります。
また、適度な運動は体の巡りを活性化し、頭皮への血流も促し、ジム通いが難しくても、自宅でストレッチや軽いエクササイズを続ければ効果が期待できます。
髪をいたわるブラッシング習慣
髪がもつれている状態で無理やりブラシを通すと、髪に負荷がかかって切れ毛や抜け毛の原因になります。
外出先から帰宅したタイミングや就寝前など、こまめにブラッシングして髪を整える習慣を心がけましょう。
ポイントは、毛先から少しずつとかして絡まりをほどくことで、根元から一気にとかそうとすると、余計な力が加わり頭皮にもダメージが及びます。
静電気の発生を防ぐために、天然素材のブラシや、オイルをほんの少量なじませる方法も有効です。
- 地肌を直接ゴシゴシこすらない
- 毛先からゆっくりほどく
- ブラッシング後はホコリを落としてブラシを清潔に保つ
- 定期的にブラシの目詰まりをチェックし、洗浄する
クリニックでの女性の薄毛治療
自分でできるケアを実践しても抜け毛の量が著しく減らない場合や、薄毛が進行していると感じる場合は、専門のクリニックで相談することも視野に入れてください。
薬を使った治療の概要
女性の薄毛には、ホルモン調整を目的とした内服薬や頭皮環境を整える外用薬などが使用される場合があります。医師の診察を通じて抜け毛の原因を特定し、その原因に合った薬剤を選択するのが一般的です。
無闇に市販薬を試すよりも、専門家の指示を仰ぐほうが安全性や効果の面で望ましく、服用期間や使用方法を守らないと副作用のリスクもあるため、通院しながら状態を観察することが推奨されます。
代表的な治療薬と特徴
治療薬 | 主な作用 | 注意点 |
---|---|---|
外用タイプの育毛剤 | 頭皮の血行促進・発毛促進 | 定期的な塗布が必要 |
内服薬 | ホルモンバランスや栄養補給 | 副作用や禁忌事項を医師と相談 |
注目される医療機器によるアプローチ
育毛メソセラピーやLED照射など、頭皮に直接アプローチする医療機器を活用した治療を行うクリニックも増えています。
頭皮下に有効成分を注入したり、光エネルギーで血行を促進したりする方法で、従来の投薬や外用薬と併用すると効果の相乗が期待できる場合があります。
施術内容によって費用や期間が異なるため、クリニック選びの際はカウンセリングで詳しく聞いてみるのがおすすめです。
メソセラピーや注射治療
メソセラピーは、医師が頭皮に美容成分や育毛成分を直接注入して栄養を届ける方法です。
注射を使うため痛みがある程度予想されますが、クリニックによっては麻酔クリームなどを用いて対策を行うところもあります。
一般的には数週間から数カ月の間隔で継続的に行い、その都度頭皮の状態をチェックしながら成分の種類や量を調整していく方式が取られています。
カウンセリングとアフターケアの重要性
女性の薄毛治療では、発毛効果だけでなく日常生活の指導も含む総合的なサポートが求められます。
治療に踏み切る前に、医師やスタッフとのカウンセリングを通じて自分の症状や不安点をしっかりと相談することが大切です。
治療後も定期検診を受けて頭皮の状態をチェックし、そのときどきの状況に合わせたアドバイスをもらうと安心感があります。
治療とホームケアを並行して行うことで、より安定した結果につながりやすくなります。
よくある質問
シャンプー時の抜け毛や女性特有の薄毛に関しては、日々の生活の中でも疑問が湧きやすいテーマです。以下の質問と回答を参考にして、基本的な知識を深めてみるのはいかがでしょうか。
- Qシャンプー時に髪がゴッソリ抜けるとハゲる?
- A
シャンプー時に抜け落ちる髪は、すでに寿命を迎えている可能性が高いので、即座に「ハゲる」状態になるわけではありません。
ただし、シャンプー後の排水口にまとまった髪が溜まっていると、精神的なショックが大きいでしょう。
あまりに多いと感じるときは、洗い方に問題がないか見直しつつ、日常生活やホルモンバランスにも気を配ることが有効です。
定期的に本数をチェックし、短期間で急増しているようであれば専門家の診断を受けるのがおすすめです。
- Q抜け毛が多い日は洗髪を控えるべき?
- A
抜け毛が気になると洗髪を控えたくなる気持ちもありますが、頭皮に汚れや皮脂が溜まると逆に抜け毛が増える場合があります。
むしろ余分な皮脂を溜めないためにも、適度な頻度で洗髪して頭皮を清潔に保つことが大切です。
ただし、1日に何回も洗ったり熱いお湯でゴシゴシ洗ったりすると、必要な皮脂まで奪われて頭皮の乾燥を招く恐れがあるため注意しましょう。
- Qアミノ酸シャンプーは男性でも使える?
- A
アミノ酸シャンプーは女性だけでなく、男性にも合うタイプがあり、髪や頭皮をやさしく洗いたい場合には有効な選択肢になります。
男性の場合、皮脂分泌量が多い傾向がありますが、脱脂力が強すぎるシャンプーを使うと逆に皮脂の過剰分泌を招くことがあるので要注意です。
アミノ酸の洗浄成分を使ったシャンプーは、皮脂汚れをある程度落としつつも必要以上に奪わないバランスが特徴なので、頭皮のコンディションが整いやすいと感じる人もいます。
- Qクリニック受診の目安はどのくらい?
- A
抜け毛が明らかに増えた、頭皮にトラブルがある、日常ケアを見直しても改善しないなどのケースでは、早めにクリニックを受診するとよいでしょう。
短期間に薄毛が進んでいると感じたときも要注意で、女性の髪はホルモンの影響を強く受けるため、根本的な対策を行うには内面からのケアも視野に入れた診断が効果的だと考えられます。
受診の時期が早ければ早いほど、治療による改善が見込みやすくなる傾向があるので、迷ったら相談してください。
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