「産後の抜け毛は一時的なもの」と聞いていたのに、1年以上経っても一向に収まる気配がないと、次第に大きな不安を感じるようになります。
この記事では、産後1年以上続く抜け毛に悩む女性のために、その原因や考えられる背景、ご自身でできるケアの方法、そして専門家への相談や治療を検討すべきタイミングについて、詳しく解説していきます。
産後1年以上続く抜け毛は特別なことではありません
「自分だけなのでは」と孤独を感じてしまうかもしれませんが、産後1年以上抜け毛が続くという悩みは、決して珍しいものではありません。
多くの女性が経験する分娩後脱毛症
分娩後脱毛症は、産後に見られる一時的な抜け毛の増加を指すもので、多くの産後女性が経験する生理現象です。
妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が高いレベルで維持され、髪の毛の成長期を維持し、抜けにくくする働きがあります。
そのため、妊娠中は本来抜けるはずだった髪の毛が抜けずに留まり、髪全体にボリュームが出たと感じる方もいますが、出産を終えると、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。
すると、これまで維持されていた髪の毛が一斉に休止期に入り、産後2か月から6か月頃をピークに、ごっそりと抜け落ちてしまうのです。
通常の産後脱毛との違い
通常の分娩後脱毛症であれば、産後半年から1年ほどでホルモンバランスが元に戻るにつれて、抜け毛は自然と落ち着き、新しい髪の毛が生え始めます。
しかし、1年以上経過しても抜け毛が減らない、あるいは薄毛が進行しているように感じる場合は、単なる分娩後脱毛症の延長ではない可能性を考えることが必要です。
通常の分娩後脱毛症と長引く抜け毛の比較
項目 | 通常の分娩後脱毛症 | 1年以上続く抜け毛 |
---|---|---|
ピーク時期 | 産後2か月から6か月 | 産後1年以降も継続 |
期間 | 産後約1年で落ち着く | 1年以上改善が見られない |
考えられる要因 | ホルモンバランスの急変 | ホルモン、生活習慣、栄養、ストレスなど複合的 |
なぜ1年以上も抜け毛が続くのか
産後1年を過ぎても抜け毛が続く背景には、身体的な要因だけでなく、環境的な要因も大きく影響します。
出産によって急激に変化したホルモンバランスが、育児による不規則な生活や睡眠不足、精神的なストレスなどによって、なかなか元に戻らないことがあります。
また、授乳による栄養不足や、自分の食事を後回しにしがちな生活が、髪の毛の成長に必要な栄養素の欠乏を招くことも少なくありません。
1年以上続く抜け毛の主な原因を探る
産後1年以上という長い期間にわたって抜け毛が続く場合、原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていると考えられます。
ホルモンバランスの乱れとその影響
出産による女性ホルモンの急激な減少が、産後脱毛の直接的な引き金です。
通常、ホルモンバランスは時間とともに回復しますが、育児のストレスや睡眠不足などが原因で、自律神経が乱れ、ホルモンバランスの回復が遅れることがあります。
さらに、エストロゲンだけでなく、髪の健康に関わる他のホルモンのバランスも崩れやすくなり、ヘアサイクルが正常に戻るのを妨げてしまうのです。
髪の健康に関わる主なホルモン
ホルモン名 | 主な働き | 髪への影響 |
---|---|---|
エストロゲン | 女性らしさを作る、自律神経を整える | 髪の成長期を維持し、ハリとツヤを与える |
プロゲステロン | 妊娠を維持する | エストロゲンの働きを助ける |
甲状腺ホルモン | 全身の代謝を活発にする | 不足すると髪が抜けやすくなる |
育児による生活習慣の変化
特に最初の1年は、赤ちゃんのペースに合わせた生活が中心となり、お母さん自身の生活リズムは大きく乱れがちです。
髪の健康に影響を与える変化
- 夜間の頻回な授乳や夜泣きによる睡眠不足
- 自分の食事をゆっくりとる時間がないことによる栄養の偏り
- 運動不足による血行不良
生活習慣の乱れは、髪の毛を育てるための土台である頭皮環境の悪化に直結します。十分な睡眠がとれないと、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌が減少し、血行不良は頭皮に栄養を届けるのを妨げます。
栄養不足が髪に与える影響
髪の毛は、そのほとんどがケラチンというタンパク質でできています。そのため、健康な髪を育てるには、タンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルといった栄養素をバランス良く摂取することが重要です。
しかし、産後のお母さんは、育児に追われて自分の食事がおろそかになったり、授乳によって多くの栄養素が母乳に移行したりするため、栄養不足に陥りやすい状態です。
髪の生成に重要なタンパク質、亜鉛、鉄分などが不足すると、髪が細くなったり、抜けやすくなる原因となります。
健康な髪の成長に必要な栄養素
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分であるケラチンの材料 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
亜鉛 | ケラチンの合成を助ける | 牡蠣、レバー、牛肉、チーズ |
鉄分 | 頭皮への酸素供給を助ける | レバー、赤身肉、ほうれん草 |
産後の抜け毛と他の脱毛症との見分け方
産後1年以上続く抜け毛は、単なる分娩後脱毛症の長期化だけでなく、別の脱毛症が原因である可能性も考慮する必要があります。
女性男性型脱毛症(FAGA)の可能性
女性男性型脱毛症(FAGA: Female Androgenetic Alopecia)は、びまん性脱毛症とも呼ばれ、男性のAGA(男性型脱毛症)とは異なり、頭部全体が均一に薄くなるのが特徴です。
特に頭頂部の分け目が広がるように感じる方が多いです。加齢やホルモンバランスの乱れが主な原因とされ、産後のホルモンバランスの変化が引き金となって発症、または進行することがあります。
分娩後脱毛症のように一気に抜けるのではなく、髪の毛が細く、弱々しくなり、徐々に地肌が透けて見えるようになります。
1年以上経っても髪のボリュームが戻らない、分け目が目立つといった場合は、FAGAの可能性を考えてもよいかもしれません。
円形脱毛症やその他の皮膚疾患
円形脱毛症は、自己免疫疾患の一種と考えられており、コインのような円形や楕円形に髪が突然抜けるのが特徴です。産後のストレスや疲労が引き金となることもあります。
多くは単発ですが、多発したり、頭部全体に広がったりすることもあります。また、脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎など、頭皮の炎症を伴う皮膚疾患が原因で抜け毛が増えることもあります。
抜け毛だけでなく、かゆみ、フケ、赤みといった症状を伴うことが多いため、頭皮の状態をよく観察することが大切です。
甲状腺機能の異常が隠れている場合も
甲状腺は、のどぼとけの下にある蝶のような形をした臓器で、全身の代謝をコントロールする甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺の機能に異常が起こる病気も、抜け毛の原因となることがあります。
産後の女性に発症しやすい橋本病に代表される甲状腺機能低下症では、全身の代謝が低下するため、抜け毛のほかに、疲労感、むくみ、冷え、体重増加といった症状が現れます。
逆に、甲状腺機能が過剰になる甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)でも、新陳代謝が活発になりすぎて、髪が抜けやすくなることがあります。抜け毛以外に思い当たる体調不良がある場合は、注意が必要です。
主な脱毛症の種類と特徴
脱毛症の種類 | 抜け方の特徴 | 他の主な症状 |
---|---|---|
FAGA | 頭頂部を中心に全体的に薄くなる | 髪が細くなる、ハリ・コシがなくなる |
円形脱毛症 | 円形・楕円形に突然抜ける | 爪に小さな凹みができることがある |
甲状腺疾患 | 髪全体がまんべんなく抜ける | 疲労感、体重変動、動悸など |
自宅でできるヘアケアと生活習慣の見直し
医療機関への相談を検討しつつも、まずはご自身でできることから始めたい、と考える方も多いでしょう。ここでは、髪と頭皮の健康を取り戻すために、今日から始められるセルフケアについて紹介します。
頭皮に優しいシャンプーの選び方と洗い方
毎日のシャンプーは、頭皮環境を整える基本です。
産後のデリケートな頭皮には、洗浄力が強すぎるシャンプーは避け、アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のものを選ぶのがよいでしょう。また、洗い方にも注意が必要です。
- シャンプー前にブラッシングで髪のもつれをほどき、汚れを浮かす
- お湯で十分に予洗いし、頭皮の汚れを洗い流す
- シャンプーは手のひらでよく泡立ててから、髪ではなく頭皮を洗う
- 指の腹を使って、マッサージするように優しく洗う
- すすぎ残しがないよう、時間をかけて丁寧に洗い流す
ゴシゴシと強くこすることは、頭皮を傷つけ、抜け毛を助長する原因になるため避けましょう。
髪の成長を助ける食事と栄養素
健康な髪は、健康な体から作られるので、バランスの取れた食事は、髪の成長にとって非常に重要です。育児で忙しい中でも、少しだけ食事内容を意識してください。
髪の主成分であるタンパク質を毎食取り入れることを基本に、ケラチンの生成を助ける亜鉛、頭皮の血行を促進するビタミンE、コラーゲンの生成を助けるビタミンCなどを積極的に摂取するとよいでしょう。
また、産後の女性は鉄分が不足しがちです。鉄分は血液中で酸素を運ぶ役割を担っており、不足すると頭皮に十分な酸素が届かなくなります。
生活習慣の見直しポイント
項目 | 見直しのポイント | 具体的なアクション |
---|---|---|
食事 | バランスの取れた栄養摂取 | タンパク質、亜鉛、鉄分を意識する |
睡眠 | 質の良い睡眠の確保 | 子供と一緒に早めに就寝する、寝る前のスマホを控える |
運動 | 適度な運動で血行促進 | ベビーカーでの散歩、ストレッチなど無理のない範囲で |
質の良い睡眠を確保するための工夫
睡眠不足が髪に悪いとわかっていても、乳幼児の育児中はまとまった睡眠時間を確保するのが難しいのが現実です。
しかし、髪の成長を促す成長ホルモンは、深い眠りの間に最も多く分泌されるので、睡眠時間が短くても、眠りの質を高める工夫をしましょう。
寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのをやめる、温かい飲み物でリラックスする、アロマを焚くなど、心身がリラックスできる環境を整えることが大切です。
上手なストレスとの付き合い方
育児中のストレスをゼロにすることはできません。大切なのは、ストレスを溜め込まず、上手に発散する方法を見つけることです。
家族に協力してもらい、少しでも自分のための時間を作る、子供を持つ友人と話をして気持ちを共有する、好きな音楽を聴いたり、短い時間でも趣味に没頭したりするなど、いろいろな方法があります。
医療機関での治療を検討するタイミング
セルフケアを続けてもなかなか改善が見られない場合、どのタイミングで医療機関に相談すればいいのでしょうか。ここでは、受診を検討すべき具体的なサインについて解説します。
セルフケアを続けても改善が見られないとき
食事や睡眠、ヘアケアなど、ご自身でできる対策を3か月から半年ほど続けてみても、抜け毛の量が減らない、あるいは髪の毛のボリュームに変化が見られない場合は、一度専門家に相談してください。
セルフケアだけでは改善が難しい、何らかの医学的な要因が隠れている可能性があります。
地肌が透けて見えるなど、薄毛が目立つようになった場合
抜け毛の量だけでなく、見た目の変化も重要な判断基準です。
以前と比べて分け目が明らかに広がってきた、髪全体のボリュームが減って地肌が透けて見える、髪の毛が細く弱々しくなり、セットがうまくいかない、症状が現れた場合は、FAGAなどが進行しているかもしれません。
放置するとさらに薄毛が進行することもあるため、早めの受診が望ましいです。
治療を検討するサイン
サインの分類 | 具体的な状態 |
---|---|
抜け毛の量 | シャンプーやブラッシング時の抜け毛が数か月以上減らない |
見た目の変化 | 分け目が目立つ、頭頂部の地肌が透ける |
髪質の変化 | 髪が細くなり、ハリやコシがなくなった |
抜け毛以外の症状(かゆみ、フケなど)があるとき
抜け毛に加えて、頭皮に強いかゆみ、フケ、赤み、湿疹、痛みといった症状がある場合は、脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎などの皮膚疾患が原因である可能性が高いです。
皮膚疾患は、放置すると頭皮環境をさらに悪化させ、抜け毛を増やす原因となります。まずは皮膚科を受診し、頭皮の炎症を抑える治療を優先することが大切です。
薄毛治療の選択肢と内容について
実際に医療機関を受診した場合、女性の薄毛治療の一般的な流れと選択肢について、概要を紹介します。
医療機関で行うカウンセリングと診察
まず、専門の医師やカウンセラーが、抜け毛が始まった時期、生活習慣、食事内容、既往歴、出産や授乳の状況などについて、詳しく問診を行います。
その後、マイクロスコープなどを用いて頭皮や毛髪の状態を視診し、抜け毛の原因を探ります。
必要に応じて、血液検査を行い、ホルモンバランスや甲状腺機能、栄養状態(特に鉄や亜鉛など)に異常がないかを確認することもあります。
主な治療薬の種類と働き
女性の薄毛治療では、内服薬や外用薬が中心です。原因や症状に応じて、これらの薬を単独または組み合わせて使用します。
女性の薄毛治療に用いられる主な治療薬
薬の種類 | 主な成分 | 期待される働き |
---|---|---|
内服薬 | スピロノラクトンなど | ヘアサイクルを乱す男性ホルモンの影響を抑制する |
外用薬 | ミノキシジル | 頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させる |
サプリメント | ビタミン、ミネラル、アミノ酸 | 髪の成長に必要な栄養素を補給する |
ミノキシジル外用薬は、日本皮膚科学会のガイドラインでも女性の薄毛治療に推奨されている成分です。頭皮の血管を拡張して血流を改善し、髪の成長に必要な栄養を毛根に届けやすくします。
内服薬としては、男性ホルモンの働きを抑制する作用のあるスピロノラクトンなどが用いられることがあります。
また、血液検査で栄養不足が明らかになった場合は、鉄剤や亜鉛、ビタミンなどのサプリメントが処方されることもあります。
投薬以外の治療法の概要
薬物治療に抵抗がある方や、より積極的な治療を望む方のために、投薬以外の治療法もあります。
例えば、髪の成長に有効な成分(成長因子やミノキシジルなど)を、注射器や特殊な機器を使って頭皮に直接注入する治療法があり、有効成分を毛根に直接届けることが可能です。
また、LEDの光を頭皮に照射して毛母細胞を活性化させる治療法などもあり、内服薬や外用薬と組み合わせて行うことで、より高い効果が期待できる場合があります。
治療にかかる期間と費用の目安
薄毛治療は、ヘアサイクルに合わせて効果が現れるため、ある程度の期間継続することが必要です。効果を実感し始めるまでに、少なくとも3か月から6か月はかかると考えておくとよいでしょう。
保険が適用される皮膚疾患の治療(脂漏性皮膚炎など)もありますが、FAGAのように自由診療となる場合がほとんどで、月々の費用は数万円程度になることが一般的です。
治療期間と費用の目安(自由診療の場合)
治療内容 | 期間の目安 | 費用の目安(月額) |
---|---|---|
内服薬・外用薬 | 6か月以上 | 15,000円~30,000円 |
注入治療など | 6か月以上(併用) | 上記に加えて30,000円~ |
※上記の費用はあくまで一般的な目安であり、医療機関や治療内容によって異なります。
よくある質問
最後に、産後1年以上続く抜け毛に関して、多くの方が抱く疑問についてお答えします。
- Q授乳中でも治療は受けられますか
- A
授乳中に使用できる治療薬は限られます。特に内服薬は、母乳に成分が移行し、赤ちゃんに影響を与える可能性があるため、処方されないことがほとんどです。
ミノキシジル外用薬についても、授乳中の安全性は確立されていないため、使用は慎重に判断する必要があります。
まずは、授乳中であることを必ず医師に伝え、安全に使用できる治療法(例えば、栄養指導やサプリメント、頭皮ケアなど)について相談してください。
- Q治療を始めるとすぐに効果は出ますか
- A
残念ながら、薄毛治療はすぐに効果が出るものではありません。
髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクルがあり、治療はこの乱れたサイクルを正常に戻すことを目的とします。
休止期に入った毛根が再び成長期に入るまでには時間がかかるため、目に見える効果を実感するまでには、一般的に最低でも3か月から6か月程度の期間が必要です。
- Q市販の育毛剤では効果がありませんか
- A
市販の育毛剤や発毛剤は主に頭皮環境を整え、血行を促進することで、今ある髪を健康に保ち、抜け毛を予防することを目的とした製品が多いです。
分娩後脱毛症のように一時的な抜け毛や、軽度の薄毛であれば、こうしたセルフケアで改善が期待できる場合もあります。
しかし、1年以上続く抜け毛や、FAGAのように進行性の脱毛症が疑われる場合は、市販の製品だけでは根本的な解決が難しいことが多いです。
医療機関で処方される医薬品は、市販品よりも有効成分の濃度が高い、あるいは医学的根拠に基づいた作用を持つものが多いため、より高い効果が期待できます。
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