ある日突然、お風呂の排水溝やブラシに絡みつく髪の毛の量が明らかに増えていることに気づき、強い不安を感じていませんか。
急に増えた女性の抜け毛は単なる季節の変わり目の影響だけでなく、体からの何らかのサインである可能性があります。
原因は、ホルモンバランスの変化や生活習慣、ストレス、場合によっては病気が隠れていることもあり、多岐にわたります。
この記事では、急な抜け毛に悩む女性が、まず何を確認し、どう対処すれば良いのかを詳しく解説します。
正常な抜け毛と危険な抜け毛の違い
急に抜け毛が増えたと感じるとすぐに深刻な事態を想像してしまいがちですが、まずは落ち着いて、本当に異常な状態なのかどうかを確認することが大切です。
ヘアサイクルと1日の正常な抜け毛本数
私たちの髪の毛は1本1本が独立した寿命を持ち、絶えず生え変わっていて、この周期をヘアサイクルと呼びます。
ヘアサイクルは主に3つの期間から構成され、髪が活発に成長する成長期(2〜6年)、成長が止まり毛根が退縮していく退行期(約2週間)、完全に成長が止まり抜け落ちるのを待つ休止期(約3〜4ヶ月)です。
健康な頭皮では約90%の髪が成長期にあり、残りの約10%が退行期や休止期にあるとされています。
このため休止期を終えた髪が自然に抜け落ちるのは生理的な現象であり、1日に50本から100本程度の抜け毛は正常な範囲内です。
特に洗髪時には、すでに抜け落ちる準備ができていた休止期の髪が物理的な刺激でまとめて抜けるため、多く感じることがあります。
危険な抜け毛のサインとは?
正常な範囲を超える抜け毛や、特定のサインが見られる場合は注意が必要です。
1日に抜ける本数が150本を超える状態が2週間以上続く、髪全体のボリュームが目に見えて減ってきた、分け目が地肌までくっきり見えるようになったといった場合は、何らかの異常が起きている可能性があります。
また、抜けた毛の状態を確認するのも一つの方法です。
正常な休止期の抜け毛の毛根は、白っぽく丸みを帯びた棍棒のような形(棍毛)をしています。
細く尖っていたり黒くベタついた皮脂が付着していたりする毛根は、成長期の髪が何らかのダメージを受けて無理やり抜けてしまった可能性を示唆しており、ヘアサイクルが乱れているサインかもしれません。
正常な抜け毛と注意すべき抜け毛の特徴
項目 | 正常な抜け毛 | 注意すべき抜け毛 |
---|---|---|
本数(1日あたり) | 50本〜100本程度 | 150本以上が毎日続く、または従来の倍以上になったと感じる |
毛根の状態 | 白くふっくらと丸みがある(棍毛) | 細く尖っている、黒い、ベタついている、毛根自体がない |
抜け方の特徴 | 全体からまんべんなく抜ける | 特定の場所だけが集中して抜ける、全体的に著しく減る |
びまん性脱毛症と休止期脱毛症
女性の急な抜け毛でよく見られるのが休止期脱毛症で、何らかの身体的・精神的なきっかけにより、多くの成長期の髪が一斉に休止期へと移行してしまうことで起こります。
きっかけから2〜3ヶ月後に、大量の抜け毛として自覚されるのが特徴です。また、特定の部位ではなく頭部全体の髪が均一に薄くなる状態を、びまん性脱毛症と呼びます。
女性特有のライフステージの変化
女性の体は一生を通じてホルモンバランスが大きく変動し、ホルモンの波が、髪の毛の健康に直接的な影響を及ぼし、急な抜け毛の大きな原因となることがあります。
産後脱毛症(分娩後脱毛症)
妊娠中は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が非常に高くなります。
エストロゲンには髪の毛の成長期を長く維持する働きがあるため、妊娠中は本来抜けるはずの髪が抜けにくくなり、毛量が増えたように感じることさえあります。
出産を終えるとホルモンバランスは急激に妊娠前の状態に戻り、高かったエストロゲン値が急降下します。
成長期を維持されていた髪が一斉に休止期へと移行し、産後2ヶ月から3ヶ月頃をピークに、シャンプーのたびにごっそりと髪が抜けることがあり、分娩後脱毛症と呼ばれる生理的な現象です。
多くの場合、産後半年から1年ほどで自然に回復に向かいますが、育児の疲れや睡眠不足、栄養の偏りなどが重なると、回復が遅れることもあります。
更年期における女性ホルモンの減少
40代後半から50代にかけて迎える更年期も、女性ホルモンが大きく揺らぐ時期です。卵巣機能の低下に伴い、閉経に向けてエストロゲンの分泌量が徐々に持続的に減少していきます。
髪の成長を支えていたエストロゲンが減ることでヘアサイクルにおける成長期が短くなり、髪が十分に成長しきらないうちに抜け落ちてしまいます。
また、相対的に男性ホルモンの影響が強まることで、髪そのものが細くなる(軟毛化)傾向も見られ。抜け毛が増えるだけでなく、髪全体のボリュームが失われ地肌が透けて見えやすくなります。
これはFAGA(女性男性型脱毛症)の発症や進行と深く関連しています。
ライフステージごとのホルモン変動と抜け毛の関係
ライフステージ | 主なホルモンの変化 | 髪への影響 |
---|---|---|
妊娠中 | エストロゲンが非常に高いレベルで維持される | 髪の成長期が延長され、抜け毛が減る。髪にツヤやハリが出る。 |
出産後 | エストロゲンが急激に減少し、プロラクチンが増加する | 多くの髪が一斉に休止期に入り、大量に抜ける(休止期脱毛)。 |
更年期 | エストロゲンが長期的に減少し続け、男性ホルモンの影響が相対的に増す | 髪が細くなり、成長期が短縮。抜け毛が増え、薄毛が進行しやすくなる。 |
ピルの服用開始・中止による影響
経口避妊薬(ピル)の服用は、体内のホルモンバランスを人為的にコントロールし、ピルの服用を始めると、体は擬似的な妊娠状態となりホルモン環境が変化します。
逆に長期間服用していたピルをやめると抑えられていた排卵が再開し、ホルモンバランスが大きく変動し、一時的にヘアサイクルに影響を与え、抜け毛が増える原因となることがあります。
通常は体が新しいホルモンバランスに慣れるにつれて、3〜6ヶ月程度で落ち着くことが多いです。
生活習慣に潜む抜け毛の原因
日々の何気ない生活習慣が、知らず知らずのうちに髪の健康を損ない、抜け毛を増やす原因となっていることがあります。最近の生活を振り返り、思い当たる点がないかチェックしてみましょう。
精神的ストレスと髪のヘアサイクルの関係
仕事や家庭、人間関係などで強いストレスを感じると、交感神経が優位になり自律神経のバランスが乱れます。
交感神経には血管を収縮させる働きがあるため、頭皮の毛細血管が収縮し、血行不良を起こします。
頭皮の血行が悪くなると、髪の毛の成長に必要な栄養や酸素が毛根の毛母細胞まで十分に行き渡らなくなくなることで健康な髪が育たなくなり、髪が細くなったり、成長途中で抜けてしまいます。
また、慢性的なストレスは、ストレスホルモンであるコルチゾールを過剰に分泌させ、ヘアサイクルを直接的に乱し休止期脱毛症の引き金です。
過度なダイエットによる栄養不足
美しい髪を育てるためには、バランスの取れた栄養が不可欠です。
髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)、タンパク質の合成を助ける亜鉛、血液を作り酸素を運ぶ鉄分、頭皮の健康を保つビタミンB群などが不足すると、髪は深刻な栄養不足に陥ります。
食事量を極端に減らす無理なダイエットは重要な栄養素の欠乏を招きやすく、体が生命維持に必要な臓器へ優先的に栄養を送るため、髪への供給は後回しになり、髪がやせ細り抜け毛が急激に増える大きな原因となります。
髪の健康に重要な栄養素
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分(ケラチン)の材料となる | 肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
亜鉛 | タンパク質の合成を助け、ヘアサイクルを正常に保つ。新しい細胞の生成に必須。 | 牡蠣、レバー、牛肉、チーズ、ナッツ類 |
鉄分 | 血液中のヘモグロビンの材料となり、頭皮へ酸素を運ぶ。不足すると毛母細胞が酸欠になる。 | レバー、赤身肉、あさり、ほうれん草、ひじき |
睡眠不足がもたらす成長ホルモンへの影響
髪の毛の細胞分裂や修復は、主に睡眠中に行われます。
入眠後最初の深い眠りの時間帯(ノンレム睡眠中)に多く分泌される成長ホルモンは、毛母細胞の分裂を促進し、髪の成長を促す上で非常に重要な役割を果たします。
睡眠不足が続いたり眠りが浅いと、成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長が妨げられてしまいます。健康な髪を育てるためには、毎日6〜7時間程度の質の良い睡眠を確保することが大切です。
間違ったヘアケアによる頭皮へのダメージ
良かれと思って行っているヘアケアが実は頭皮にダメージを与え、抜け毛の原因になっていることがあります。
洗浄力の強すぎるシャンプーで頭皮の必要な皮脂まで奪ってしまい、バリア機能の低下や乾燥を招いたり、逆に十分にすすげておらず毛穴を詰まらせたりすることは、頭皮環境の悪化に繋がります。
また、ポニーテールやきついお団子ヘアなど毎日同じ髪型で髪を強く引っ張る習慣は、毛根に継続的な負担をかけ、その部分の血行を悪化させ、これが牽引性脱毛症を起こす原因です。
注意すべき病気のサインとしての抜け毛
急に増えた抜け毛は単なるライフスタイルの問題だけでなく、体の内部に潜む病気のサインである可能性も考えなくてはなりません。抜け毛以外にも体調の変化がある場合は、注意が必要です。
甲状腺機能の異常(亢進症・低下症)
甲状腺は、体の新陳代謝をコントロールするホルモンを分泌する器官です。
甲状腺の働きが活発になりすぎる甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)でも、逆に働きが低下する甲状腺機能低下症(橋本病など)でも、ヘアサイクルに異常が生じ、びまん性の抜け毛の症状が現れます。
甲状腺疾患の場合抜け毛の他に、異常な疲労感、体重の急激な増減、動悸、むくみ、暑がりや寒がり、気分の落ち込みといった全身症状を伴うため、思い当たる場合は内科や内分泌内科の受診してください。
鉄欠乏性貧血
月経のある女性に多いのが鉄欠乏性貧血で、血液中の鉄分が不足すると、全身に酸素を運ぶヘモグロビンが十分に作られなくなります。
体の主要な臓器への酸素供給が優先されるため、頭皮などの末端組織は後回しにされがちになり、毛根が酸欠・栄養不足状態に陥り、健康な髪を作れなくなり抜け毛が増加します。
めまいや立ちくらみ、息切れ、動悸、頭痛、爪がもろくなるなどの症状があれば、貧血を疑うことが必要です。
自覚症状がない場合でも、血液検査で体内の貯蔵鉄を示すフェリチンの値が低い隠れ貧血の方も多くいます。
円形脱毛症(自己免疫疾患)
円形脱毛症は、10円玉サイズの脱毛斑ができる病気として知られていますが、時には頭全体の髪が抜けるびまん性の脱毛(全頭型)として発症することもあります。
円形脱毛症は、免疫システムの異常により、自身の成長期の毛根を異物とみなしてリンパ球が攻撃してしまう自己免疫疾患の一種と考えられています。
アトピー性皮膚炎や甲状腺疾患などの自己免疫疾患に合併することもあり、急に広範囲の抜け毛が起きた場合は、皮膚科での正確な診断が重要です。
薬剤性の脱毛
特定の治療薬の副作用として、抜け毛が起こることがあります。
抗がん剤がよく知られていますが、それ以外にも、一部の抗うつ薬、高血圧の治療薬(β遮断薬など)、脂質異常症の治療薬、抗凝固薬など、様々な薬が原因となる可能性があります。
もし、新しい薬を飲み始めてから2〜3ヶ月後に抜け毛が増え始めた場合は薬剤性の脱毛を疑い、処方した医師や薬剤師に相談することが大切です。自己判断で薬を中止することは絶対にしないでください。
抜け毛を伴う主な疾患・要因
疾患・要因名 | 抜け毛以外の主な症状 | 相談すべき診療科 |
---|---|---|
甲状腺機能異常 | 体重の増減、動悸、極度の疲労感、むくみ、発汗異常 | 内科、内分泌内科 |
鉄欠乏性貧血 | めまい、立ちくらみ、息切れ、疲労感、頭痛、顔色が悪い | 内科、婦人科 |
円形脱毛症 | 突然の脱毛斑(円形とは限らない)、爪の点状のへこみなど | 皮膚科 |
セルフケアでできることと限界
急な抜け毛に気づいたときすぐに自分で取り組めることもたくさんあり、生活習慣を見直すことは、髪の健康を取り戻すための土台作りです。
バランスの取れた食事への見直し
まずは日々の食事内容を見直し、髪の成長に必要な栄養素を意識的に摂取することが基本です。
髪の主成分であるタンパク質、その吸収を助けるビタミンC、血行を促進するビタミンE、そして鉄分や亜鉛などのミネラルをバランス良く摂ることが大切です。
特定の食品だけを食べるのではなく、主食・主菜・副菜をそろえ、多様な食材を組み合わせることを心がけましょう。加工食品やインスタント食品に偏りがちな方は、注意が必要です。
- タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品
- ビタミン類:緑黄色野菜、果物、ナッツ類
- ミネラル類:海藻、レバー、貝類
質の高い睡眠を確保する工夫
髪の成長に欠かせない成長ホルモンは深い眠りの間に最も多く分泌され、単に長く寝るだけでなく、睡眠の質を高めることが重要です。
就寝1〜2時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控え、ブルーライトを避けてください。
リラックスできる音楽を聴いたりぬるめのお湯にゆっくり浸かったりして、心身をリラックスモードに切り替えましょう。
寝室の温度や湿度を快適に保ち自分に合った寝具を選ぶことも、質の高い睡眠に繋がります。
自分に合ったストレス解消法を見つける
ストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に発散する方法を見つけることは可能で、軽い運動(ウォーキングやヨガなど)は、血行を促進し気分転換にもなるため特にお勧めです。
趣味に没頭する時間を作る、信頼できる友人と話す、アロマテラピーを取り入れるなど、自分が心からリラックスできると感じる時間を持つことが、自律神経のバランスを整え、頭皮の血行改善に役立ちます。
セルフケアの限界と医療機関の役割
セルフケアはあくまで育毛の環境を整えるためのものであり、それ自体が直接の治療になるわけではありません。
抜け毛の原因がホルモンバランスの大きな乱れや、甲状腺疾患、重度の貧血といった内科的な疾患にある場合、セルフケアだけで改善することは困難です。
生活習慣を改善しても抜け毛が減らない、あるいは悪化する一方である場合は、ためらわずに専門の医療機関を受診し、医学的な診断と治療を受けることが重要です。
専門の医療機関での原因究明と治療
自己判断でのケアに限界を感じたら、専門家の力を借りることが解決への近道です。医療機関では、科学的な根拠に基づいた検査で原因を特定し、一人ひとりに合った治療法を提案します。
専門的な検査で原因を特定
クリニックではまず詳細な問診で生活背景を探り、視診やマイクロスコープで頭皮の状態を精密に観察し、最も重要なのが血液検査です。
ホルモンバランスの乱れや、鉄分・亜鉛といった栄養素の不足、甲状腺機能の異常など、抜け毛の根本原因となっている可能性のある内的な要因を客観的なデータで評価します。
検査結果を総合的に分析することで初めて正確な診断が可能になり、原因が分からなければ効果的な治療は始められません。
クリニックで行われる主な検査
検査の種類 | 目的 |
---|---|
問診・視診 | 症状の経過、生活習慣、既往歴、家族歴などを詳細に把握する |
マイクロスコープ検査 | 頭皮の色、炎症、毛穴の状態、髪の密度や太さを詳細に観察する |
血液検査 | ホルモン値、鉄・フェリチン、亜鉛、ビタミン、甲状腺機能などを評価する |
原因に応じた治療法の選択肢
診断の結果に基づき、治療方針を決定します。
鉄欠乏が原因であれば鉄剤の処方、FAGA(女性男性型脱毛症)であればミノキシジル外用薬やスピロノラクトンなどの内服薬による治療、頭皮環境の悪化が見られれば、それに合わせた外用薬や注入治療(メソセラピー)などが選択肢です。
多くの場合治療法を単独で行うのではなく、複合的に組み合わせ、さらに生活習慣の改善指導も並行して行うことで総合的に抜け毛の改善を目指します。
よくある質問
最後に、急な抜け毛に関して多くの方が抱く疑問についてお答えします。
- Q抜け毛はまた生えてきますか
- A
原因によりますが、多くの場合、適切な対処を行えば再び生えてくる可能性は十分にあります。
産後脱毛症のように一時的なものであれば多くは自然に回復しますし、栄養不足やストレスが原因であれば、要因を取り除くことで改善が期待できます。
FAGAや病気が原因の場合でも早期に治療を開始することで進行を食い止め、発毛を促すことは可能です。
- Q何科を受診すれば良いですか
- A
急な抜け毛で最初に相談するのに適しているのは皮膚科で、円形脱毛症など、皮膚疾患が原因の場合の診断と治療ができます。
ただし、より詳細な血液検査や多様な治療法を望む場合は、女性の薄毛治療を専門に行っているクリニックを受診するのが良いでしょう。
専門クリニックでは、内科的、婦人科的な視点も持って総合的に診察を行うことが多いです。
また、抜け毛以外に明らかな全身症状(体重の急激な変化、極度の疲労感など)がある場合は、まず内科を受診することも選択肢になります。
- Q市販の育毛剤は使っても良いですか
- A
市販の育毛剤には、頭皮の血行を促進したり、保湿したり、炎症を抑えたりする成分が含まれており、頭皮環境を整えるという点では一定の役割を果たします。
しかし、医薬部外品であり医薬品ではないので、発毛を促す直接的な効果は限定的です。また、抜け毛の原因が内科的な疾患にある場合、育毛剤を使っても根本的な解決にはなりません。
まずは医療機関で原因を特定し医師の指導のもとで適切な治療を行いながら、補助的に使用するのが望ましいです。
参考文献
Shrivastava SB. Diffuse hair loss in an adult female: approach to diagnosis and management. Indian Journal of Dermatology, Venereology and Leprology. 2009 Jan 1;75:20.
Herskovitz I, Tosti A. Female pattern hair loss. International Journal of Endocrinology and Metabolism. 2013 Oct 21;11(4):e9860.
Sadick N, Arruda S. Understanding causes of hair loss in women. Dermatologic clinics. 2021 Jul 1;39(3):371-4.
Mounsey AL, Reed SW. Diagnosing and treating hair loss. American family physician. 2009 Aug 15;80(4):356-62.
Phillips TG, Slomiany WP, Allison R. Hair loss: common causes and treatment. American family physician. 2017 Sep 15;96(6):371-8.
Lin RL, Garibyan L, Kimball AB, Drake LA. Systemic causes of hair loss. Annals of medicine. 2016 Aug 17;48(6):393-402.
Trüeb RM. Systematic approach to hair loss in women. JDDG: Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft. 2010 Apr;8(4):284-97.