薄毛に悩む女性にとって、髪のボリュームを取り戻す方法は大きな関心事です。

特に20代から50代前半の女性では、年齢やホルモンバランスの変化などで髪が薄くなり始め、40代前半から薄毛を気にする人が増え、50代前半でピークに達する傾向があります。

こうした薄毛の悩みに対し、「ウィッグ(かつら)」や「人工毛増毛」といった即効性のある対策が注目されています。

ウィッグ・かつら・人工毛増毛は、それぞれ薄毛をカバーする方法ですが、仕組みや特徴、費用も異なるため、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

本記事ではウィッグ(かつら)と人工毛増毛に焦点を当て、違いや選び方、各方法の特徴やメリット・デメリット、使用時の注意点までを詳しく解説します。

専門クリニック監修の記事にふさわしい信頼性と分かりやすさを心がけていますので、薄毛に悩む皆さんが安心して自分に合う対策を見つけられるようお手伝いいたします。


目次

ウィッグ・かつら・人工毛増毛とは?違いを解説

まず初めに、ウィッグ(かつら)と人工毛増毛という二つの方法の基本を整理します。それぞれ何を指し、どのように薄毛をカバーするのか、仕組みと違いを見ていきましょう。

ウィッグ・ヘアピース・人工毛増毛という3つの対策に思いを巡らせている女性(30代前半)のイラスト。女性の頭の周りにフルウィッグ、部分ウィッグ(ヘアピース)、増毛施術のそれぞれを象徴するアイコンが浮かび、「どれにしよう?」と悩んでいる様子。

ウィッグ・かつらとは何か?その定義と用途

ウィッグ(かつら)とは、人毛や人工毛で作られた「つけ毛」のことで、頭に被せて装着し、薄毛や抜け毛をカバーするアイテムです。

一般的に男性用は「かつら」、女性用やおしゃれ用途のものは「ウィッグ」と呼ばれることが多いですが、基本的な構造や役割に大きな差はありません。ウィッグには以下のような特徴があります。

  • カバー範囲: 頭全体を覆うフルウィッグと、頭頂部や生え際など部分的に装着する部分ウィッグ(トップピースなど)があります。薄毛の範囲や目的に応じて使い分けが可能です。
  • 装着方法: ウィッグは内側にネットや人工皮膚があり、そこに植え込まれた毛髪でできています。装着時はヘアピンやクリップ、テープなどで自分の髪や頭皮に固定します。取り外しは簡単で、自宅で装着・取り外しができます。
  • 用途: 薄毛隠しの医療用から、おしゃれ用、コスプレ用まで用途は様々です。薄毛対策としてのウィッグは、「つけるだけで今すぐ薄毛をカバーできる」手軽さが魅力で、特に頭頂部の薄さ対策に部分ウィッグは人気があります。

なお、「医療用ウィッグ」と市販のおしゃれ用ウィッグの違いについて補足します。

医療用ウィッグは抗がん剤治療などで髪を失った方向けに作られたものですが、公的な明確な基準はなく、一般的には装着時の頭皮への負担が少ない素材・設計になっている点が特徴です。

保険適用は基本的になく、自治体によっては助成金がある場合がありますが、公的医療保険の対象外である点は通常のウィッグと同じです。

フルウィッグ(全頭かつら)を頭にかぶろうとしている女性(30代)のイラスト。女性はウィッグを両手で持ち、自分の頭に丁寧にかぶせている最中。ウィッグの裏側のネット部分が少し見えており、鏡を見ながら位置を調整している。

人工毛増毛とは何か?仕組みと特徴

人工毛増毛(ぞうもう)とは、自分自身の髪の毛を利用し、そこに人工毛(ファイバー毛)を結びつけるなどして髪のボリュームを増やす技術です。

植毛(毛根を移植する手術)ではなく、美容施術として髪に人工毛を追加する方法であり、以下のような特徴があります。

  • 施術方法: 代表的な方法は、自分の生えている髪1本に対し2~4本程度の極細人工毛を結びつけて増やす結毛式増毛です。その他に、人工毛が付いた極薄の人工皮膚シートを頭皮に貼り付けるシート式(接着式)増毛、あるいは細いネットに人工毛を植毛したものを自毛に編み込む編み込み式増毛などがあります。施術方法によって仕上がりやメンテナンス頻度が異なりますが、いずれも外科手術ではなく、美容師や増毛技術者が行う施術です。
  • 装着と維持: 人工毛増毛では、増毛した人工毛は基本的につけたまま生活するのが前提です。ウィッグのように毎日取り外す必要はなく、24時間自分の髪の一部のように扱えます。月に1~2回程度、増毛した箇所のメンテナンス(結び目の付け直しや、新しく髪を足す施術)が必要です。
  • 用途と効果: 主に自分の髪が細くなったり少なくなった部分にボリュームを足す目的で使われます。生え際やつむじ周りも自然にカバーでき、近くで見られても結び目が目立たない高度な技術もあります。周囲に気付かれにくく自然に増やしたい人向けの方法です。

人工毛増毛と自毛植毛の違いも確認しておきましょう。自毛植毛は自分の後頭部などから毛根を採取し、薄毛部分に移植する外科的治療です。一方、人工毛増毛は手術ではなく今ある髪に人工毛を追加する方法です。

人工毛を頭皮に直接植え込む「人工毛植毛」という手術もかつて存在しましたが、異物拒絶反応や炎症のリスクが高いため安全性に課題があり、現在アメリカでは人工毛植毛はFDA(食品医薬品局)により使用が禁止されています。

日本国内でも医療行為としての人工毛植毛は一般的ではなく、安全性と自然さを両立できる非手術の人工毛増毛が主流となっています。

美容サロンで人工毛増毛の施術を受けている女性(30代後半)のイラスト。サロンの椅子に座った女性に対し、女性スタッフが専用の器具で女性の自髪に人工毛を結び付けている場面。女性はリラックスした表情でスタッフと会話しており、施術が丁寧に行われている様子。

以下にウィッグとかつら、人工毛増毛それぞれの概要を表にまとめます。

方法ウィッグ(かつら)人工毛増毛
カバー範囲頭全体または部分的にカバー(製品により異なる)薄毛部分(自毛がある部分のみ対象)
装着方法ウィッグを被り、ピン・テープで固定(自宅で着脱可)自毛に人工毛を結び付ける・貼り付ける(施術者が処置)
効果発現装着すれば即時にボリュームアップ施術後すぐボリュームアップ(徐々に増やすことも可能)
自然な見た目製品の品質や装着方法による(オーダーメイドなら自然)非常に自然(生え際も違和感が少ない)
維持管理日々の着脱・手入れが必要(洗浄・ブラッシング等)定期メンテナンスが必要(月1~2回サロンで調整)
長期間の使用耐用年数あり:毛質次第で買い替え(半年~数年)継続利用可:自毛の伸びに合わせて付け替え・追加
運動・入浴激しい動きや入浴時は外すのが無難装着したままOK(ズレない構造)
薄毛以外の用途ファッション用途(髪型チェンジ)にも使用可薄毛対策のみ(ファッション用途にはしない)
対応できる状態自毛が全く無い場合でも使用可能自毛がある程度残っている場合に有効(自毛ゼロの場合不可)

それでは、ウィッグとかつらの具体的な種類や選び方、人工毛増毛の具体的な方法について、さらに詳しく見ていきましょう。

ウィッグ(かつら)の種類と選び方

ウィッグは種類が豊富で、自分の薄毛の状態や用途に合わせて最適なものを選ぶことができます。この章ではウィッグ(かつら)の種類と素材の違い、そして選び方のポイントについて解説します。

ウィッグ初心者の方でも安心して選べるよう、基本をしっかり押さえておきましょう。

ウィッグの種類:フルウィッグと部分ウィッグ

ウィッグは大きく分けて2種類のタイプがあります。

フルウィッグ

頭部全体を覆うタイプのかつらです。自毛をすべてネットの中に入れ込んで被るため、自分の髪型や色に関係なく装着できます。頭全体のヘアスタイルを一新できるので、薄毛隠しだけでなくイメージチェンジにも使われます。

医療用ウィッグの多くはフルウィッグタイプで、脱毛範囲が広い場合や、手軽に全体のボリュームアップをしたい場合に適しています。

部分ウィッグ(トップピース、カバーピース)

頭頂部に小さなヘアピースを装着している女性(40代)のイラスト。女性は自宅の鏡の前で、自分の分け目が目立つ頭頂部に部分ウィッグをクリップで留め終えたところ。装着後、地肌が隠れて髪にボリュームが出ており、女性は安心したようにほほ笑んでいる。

頭頂部や分け目、生え際など気になる部分だけをカバーする小型のウィッグです。薄毛や白髪隠しに便利で、クリップで自毛に簡単に留められるため着脱も容易です。

頭頂部のボリュームを出すタイプや、前髪の量感を増やすタイプなど様々な形状があります。必要な部分だけ隠せるので、薄毛範囲が部分的な方や、フルウィッグに抵抗がある方に向いています。

その他にも、自毛に編み込んで留めるタイプや、エクステンション(部分的な付け毛でボリュームアップする方法)などもあります。

ただしエクステンションは装着に美容師の技術が必要であったり、自毛への負荷もあるため、薄毛隠しとしては上記のフルウィッグ・部分ウィッグが一般的です。

表:ウィッグの主な種類と特徴

種類特徴と用途メリットデメリット
フルウィッグ頭全体を覆うかつら。全頭脱毛や大胆なイメージチェンジに使用。薄毛範囲に関わらず使用可。髪型を一新できる。装着時に蒸れやすい場合あり。価格が高め(人毛オーダー品など)。
部分ウィッグ頭頂部・前髪など一部分を覆う小型ウィッグ。必要な部分のみ手軽にカバー。装着が簡単。カバー範囲が限定的。広範囲の薄毛には複数箇所必要。
エクステ・編み込み系自毛に編み込んだり結び付けて増毛する付け毛。比較的自然にボリューム追加。部分ウィッグより固定感あり。専門技術が必要。自毛や頭皮への負担がやや大きい。

それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の薄毛の広がり方やライフスタイルに合ったタイプを選ぶことが大切です。

例えば、「広範囲に髪が薄い場合はフルウィッグ」、「つむじ周りだけ気になる場合は部分ウィッグ」など、状況に応じて選択しましょう。

フルウィッグと小さな部分ウィッグを手に持ち比べている女性(30代)のイラスト。片手にフルウィッグ、もう片手にヘアピースを持った女性が、その重さや大きさの違いに驚いている様子。ヘアピースを持つ手は軽々として笑顔、一方フルウィッグを持つ手は少し重たそうで「ずっしりするな」といった表情。

ウィッグの毛髪素材:人毛・人工毛・ミックス毛の違い

ウィッグに使われる毛髪の素材は主に3種類あり、それぞれ特徴があります。

人毛ウィッグ

人間の毛髪を使用したウィッグです。見た目の自然さは抜群で、手触りも自毛に近く、ツヤ感も自然です。パーマやヘアカラーにも対応できるので、購入後に美容院で好みのスタイルにアレンジすることも可能です。

ただし湿気や水分で癖がつきやすく、スタイル維持に手間がかかる点や、時間とともに退色する(明るく色が抜けてくる)点は注意が必要です。お手入れは自毛と同様にブラッシングやシャンプーが必要で、価格は比較的高価になります。

人工毛ウィッグ

合成繊維(ファイバー)で作られた人工毛を使用したウィッグです。形状記憶の素材で作られていることが多く、洗ったあと自然乾燥させるだけで元のスタイルに戻るなど、セットが楽なものが多いです。また耐熱性の人工毛であればドライヤーやヘアアイロンも使用可能です。

人工毛は色落ちしにくく、耐久性もありますが、パーマやカラーリングができない点と、素材によってはテカリが強く不自然な光沢が出る場合がある点がデメリットです。価格は人毛よりも安価なものが多く、手頃に試せる製品も豊富です。

ミックス毛ウィッグ

人毛と人工毛を混合して作られたウィッグです。それぞれの良いとこ取りを狙ったもので、自然な見た目とスタイル維持のしやすさを両立させています。

人毛の割合が多いほど自然ですが価格が上がり、人工毛の割合が多いと安価になります。ミックス毛は製品によって品質に差があるため、信頼できるメーカーのものを選ぶと良いでしょう。

表:ウィッグの毛髪素材比較

素材自然さスタイリング価格帯メンテナンス
人毛★★★★★ 非常に自然パーマ・カラー自由(要美容師)高価(数万円~数十万円)洗髪・ブロー必要。使用ごとに手入れ。
人工毛★★☆☆☆ やや人工感(光沢に注意)形状記憶でセット簡単手頃(千円台~数万円)洗って乾かすだけ。熱に注意(一部耐熱可)。
ミックス★★★★☆ 自然+適度な形状保持程度による(比較的扱いやすい)中間(数万円程度が中心)基本は人工毛同様+部分的に人毛ケア。
※星の数は一般的な傾向で、製品品質によって変わります。

素材選びは見た目の自然さとお手入れの手間のバランスになります。普段使いで毎日着用したい場合、形状保持しやすい人工毛やミックス毛が便利です。

一方で、人と至近距離で接する機会が多く自然さを最優先したい場合や、美容師と相談して自分好みのスタイルに仕上げたい場合は人毛ウィッグが適しています。

ウィッグ選びのポイント:サイズ・色・デザインなど

様々なウィッグでヘアスタイルを楽しんでいる若い女性(20代後半)のイラスト。鏡の前で女性がロングヘアのウィッグとショートヘアのウィッグを次々と試着している場面。それぞれ雰囲気の異なる髪型に変えてみて、女性は楽しそうに笑顔を見せている。

自分に合ったウィッグを選ぶ際には、次のポイントに注意しましょう。

サイズ・フィット感

ウィッグにはS・M・Lなどサイズがあります。特にフルウィッグの場合、頭のサイズに合ったものを選ばないと「浮き」やズレの原因になります。調整アジャスター付きのものや、試着サービスを利用してフィット感を確かめると安心です。部分ウィッグの場合もクリップの位置や数が自分の薄毛部分に合っているか確認しましょう。

髪色のマッチ

地毛や肌の色と馴染むカラーを選ぶことが大切です。あまり明るすぎたり暗すぎたりすると不自然に見えます。カラーバリエーションが豊富なメーカーも多いので、ウィッグ専門店で自分の瞳や肌の色に合うものを相談すると良いでしょう。また白髪が気になる方は白髪混じりの色を選ぶと自然です。

毛量・デザイン

ウィッグの毛量が自分の年齢や顔立ちに合っているかも重要です。あまりボリュームが多すぎると不自然なので、適度な密度のものを選びます。前髪や生え際のデザインも確認しましょう。最近は人工肌でつむじや分け目がリアルに再現された製品もあります。試着時には前後左右から見て不自然な箇所がないか確認してください。

装着の安定性

ライフスタイルによってはウィッグがズレないか心配な方もいるでしょう。ウィッグネット(自毛をまとめるネット)を使ったり、両面テープで固定できるタイプもあります。運動をする機会が多い場合は、クリップの数が多めでしっかり留まる部分ウィッグや、医療用両面テープで固定できるフルウィッグを検討すると良いでしょう。

メーカーとアフターサービス

信頼できるメーカーや店から購入することも大切です。高額なオーダーメイドウィッグの場合、アフターカット(購入後の調整カット)やメンテナンスサービスが付いている場合があります。通販で安価なものを買う場合も、口コミや評判を確認し、不良品時の返品対応などをチェックしましょう。

以上のポイントを踏まえて選べば、初めてウィッグを購入する場合でも失敗が少なくなります。特に初めての方は専門店で試着・相談しながら選ぶと、自分では気づかない似合うスタイルを提案してもらえることもあります。

人工毛増毛の種類と方法・選び方

次に、人工毛増毛の方法や種類、その選び方について詳しく解説します。人工毛増毛は高度な技術ですが、いくつかの方式があり、どの方法が自分に適しているか理解することが重要です。

この章では増毛の施術方法の種類や施術の流れ、費用とメンテナンス、さらに増毛に向いている人の特徴についてまとめます。

人工毛増毛の主な施術方法(増毛法)の種類

人工毛増毛と一口に言っても、実施しているサロンやメーカーによって手法に違いがあります。主な増毛法には次のような種類があります。

結毛式増毛

自毛1本に対して数本の人工毛を結び付けるオーソドックスな方法です。

増毛施術の仕組みを拡大図で示したイラスト。人の髪の毛1本に対して2~3本の人工毛を結び付けている様子を簡略化して描写。ピンセットを持った手元が映り、一本の自毛の根元付近に小さな結び目で人工毛の束を括り付けている拡大イメージ。

特殊な極細の人工毛を、抜け毛予防のため根元から少し離した位置で自毛に結びます。自毛が伸びて結び目が上がってきたら、根元に結び直すメンテナンスを行います。

結び目は小さく透明な糸などで行うため目立ちにくく、仕上がりが自然です。結ぶ人工毛の本数を調節することで、増やす密度をコントロールできます。

編み込み式増毛

自毛で作った細かい三つ編みや編み込みに、人工毛が植え込まれたネットを固定する方法です。

極小のネット状ベースを自毛に編み付けて土台とし、そのネットに人工毛が密集して植えられているため、一度に広い範囲のボリュームを増やせます。

編み込み部分が多少厚みを持つため、触るとわかる場合がありますが、密度が高く短時間でボリュームアップできるのが利点です。プロピアではこの編み込み式のような方式は「かつら」に分類しています(ネットを被せる要素が強いため)。各社で呼称が異なるので注意が必要です。

シート式増毛(接着式増毛)

人工毛が植え込まれた薄いシート(人工皮膚)を頭皮に貼り付ける方法です。

シート裏面は肌に優しい医療用接着剤等で貼り付けるため、頭皮に密着し自然な見た目になります。生え際などにも使え、至近距離で見られてもシートが極薄のためわかりにくいのが特徴です。

シートは数週間~1ヶ月程度で付け替えが必要になりますが、その際に新しい人工毛を補充できます。円形脱毛症など自毛がない部分にも利用できる増毛法です。

着脱式増毛

一見シート式と似ていますが、シートやネットで装着する増毛用の毛束を自分で着脱できるようにした方法です。テープやクリップで装着する部分かつらに近い増毛ピースを使用し、必要に応じて自分で外せます。

例えばお風呂や就寝時に外して手入れできるため衛生的ですが、基本的には常時つけっぱなしで自然に過ごしたい方には不向きです。手軽さと自然さのバランスを求める方向けの方式と言えます。

これらの方法は、サロンやメーカーによって名称や細部は異なります。増毛を検討する際は、施術内容が自分の希望に合っているか、事前に無料体験やカウンセリングで確認することをおすすめします。

購入したウィッグやヘアピースを自分の髪型に合わせてカット調整してもらっている女性(40代)のイラスト。女性が美容院の椅子に座り、装着中のウィッグの毛先を美容師(女性)がハサミで丁寧に整えている場面。

増毛法ごとの違いを以下の表にまとめます。

表:主な人工毛増毛法の比較

増毛法手法の概要特徴(メリット)注意点(デメリット)
結毛式増毛自毛1本に複数本の人工毛を結ぶ仕上がりが自然。徐々に増やせる。施術に時間がかかる。月1回程度結び直し必要。
編み込み式増毛自毛にネット状の毛束を編み付ける短時間でボリュームアップ。広範囲に有効。編み込み部分がやや厚い。手触りでわかる可能性。
シート式増毛人工皮膚シートを頭皮に貼り付ける生え際も自然。自毛ゼロ部位も可。定期的な貼り替え必要。皮膚が敏感な場合は注意。
着脱式増毛増毛用ヘアピースを自分で脱着可能に外して洗浄でき衛生的。コストを抑えやすい。基本は部分ウィッグに近く、常時装着の安心感は低い。

増毛施術の流れとメンテナンス

人工毛増毛を始める際の一般的な流れと、その後のメンテナンスについて説明します。

1
カウンセリングと試験施術

まず増毛サロンやクリニックでカウンセリングを受け、どの増毛法が適しているか相談します。
多くのサロンで無料体験やお試し増毛(少量の増毛を実際に施術)を行っており、仕上がりや装着感を確認できます。その上で希望の毛量や予算、増毛ペースを決めていきます。

2
初回施術

専門スタッフが増毛施術を行います。施術時間は増毛法と増やす本数によりますが、結毛式で数百本増やす場合は1~2時間程度が目安です。施術自体の痛みはほとんど無く、リラックスして受けられることが多いです。
施術後はすぐ見た目のボリュームアップを実感できます。

3
日常の過ごし方

増毛した後は基本的に24時間装着したまま生活します。ドライヤーやヘアアイロンも自毛と同じように使用可能で、パーマやカラーも施術者と相談すれば可能です。
運動や入浴も支障なく行え、増毛した髪が急に外れる心配もありません。日常的なシャンプーも普段通り可能ですが、強い力でゴシゴシ洗うと結び目に負担がかかるため、やさしく洗うようにします。

4
定期メンテナンス

増毛後しばらくすると自毛が成長し、結び目や接着部分が浮いてきます。約4週間に1度のペースでサロンに行き、増毛した毛の付け直し(結び目を根元に移動する等)や、新たな人工毛の追加を行います。
このメンテナンスを怠ると、せっかく増毛した毛が不自然な位置にずれて目立ってしまったり、最悪の場合絡まりや皮膚トラブルにつながることがあります。定期ケアを継続することで常に自然な状態を保てます。

5
追加増毛や調整

薄毛が進行する場合には、必要に応じて徐々に増やすことも可能です。逆に、ボリュームが多すぎると感じれば減らすこともできます。
増毛は自由度が高いため、自毛の状態や希望に合わせて柔軟に調整できる点も利点です。

以上が一連の流れです。初回の施術である程度満足のいくボリュームにし、その後は維持しつつ必要に応じて増やす、といった形が一般的です。

大切なのは定期メンテナンスをしっかり受けることで、これにより増毛した髪を常にベストな状態に保てます。

人工毛増毛の費用と維持費用の目安

人工毛増毛の費用と維持費用の目安を計算している女性のイラスト

気になる費用についてですが、人工毛増毛の料金体系は少し複雑です。多くの場合、「◯本増やすプラン」といった形で本数に応じて料金が設定されています。

また、初回お試し価格や定額制プランなどを用意しているサロンもあります。

費用の一例として、大手増毛サービスの価格設定を見ると、例えば1,500本増毛するプランで約13万円程度(人毛の人工毛を使用した場合)というケースがあります。人工毛1本あたりに換算すると50~100円前後が相場です。

ただし、必要本数は薄毛の範囲や希望のボリュームによって大きく異なり、数千本単位の増毛では数十万円から100万円超の費用となることもあります。

また、月々のメンテナンス費用も考慮する必要があります。

メンテナンスでは、伸びて浮いた人工毛を下げたり、新しい人工毛を追加したりしますが、その際に都度料金が発生したり、定額のメンテナンスパックを契約する場合があります。例えば、月に1回300本の付け直しを行う場合に数千円~1万円程度の費用がかかるケースがあります。

増毛費用はサロンごとに異なり、公式サイトでも具体的な料金を明示していない場合もあります。無料相談で見積もりをもらい、他社と比較検討することが大切です。

予算に合わせて無理のない範囲で本数を調整することも可能ですので、遠慮なく相談しましょう。

表:ウィッグとかつら・人工毛増毛の費用目安比較

項目ウィッグ(かつら)人工毛増毛
初期費用部分ウィッグ:数千円~数万円フルウィッグ:数万円~数十万円(オーダーメイドは高額)増毛施術料:お試し数百本で数万円~本格的に数千本増やすと数十万~100万超 ([増毛費用を徹底解説!メンテナンス費用と植毛との違いを比較
ランニング費用ウィッグケア用品(シャンプー等)数百円~年に1回程度新品購入(消耗に応じて)メンテナンス料金:月1回数千~1万円程度×12回※本数やプランにより変動
合計費用イメージ低~中(品質と買い替え頻度による)中~高(増やす量と期間による)
補足安価な既製品で抑えることも、高級品で上質を求めることも可能。初期費用を抑える定額プランや体験割引あり。継続期間で総額が増える傾向。

個人差が大きいため、実際の費用は専門サロンで見積もってもらうのが確実です。費用面が不安な場合は複数社でカウンセリングを受け比較すると良いでしょう。

人工毛増毛に向いている人・選び方のポイント

人工毛増毛は非常に魅力的な方法ですが、万人に適しているわけではありません。以下のような特徴やニーズを持つ方に向いている傾向があります。

  • 自毛がある程度残っている人: 増毛は自毛を土台にするため、全く髪の無い部分には通常できません(その場合はシート式増毛かウィッグが必要)。現在自分の髪が細くなってきた、分け目が透ける、といった状態であれば増毛でボリュームアップしやすいです。びまん性脱毛症で全体的に髪が少なくなった方にも有効です。
  • できるだけ自然に増やしたい人: 近しい人にも薄毛を気づかれたくない、風で髪が乱れても人工的なものは見られたくない、という方には増毛が適しています。「生え際などに違和感のない方法を」と考える方におすすめで、シート式なら至近距離でもばれにくい自然さがあります。徐々に本数を増やしていけば周囲に気づかれず少しずつボリュームアップすることも可能です。
  • ウィッグを外す煩わしさを避けたい人: ウィッグは毎日の着脱やお手入れがありますが、増毛は常に髪がある状態で過ごせます。スポーツジムや温泉でも「外れてしまうかも…」という不安がないため、アクティブな生活を送りたい方には快適です。睡眠時も装着したままで問題ないので、夜急な来客があっても慌てる必要もありません。
増毛した髪でアクティブに運動を楽しんでいる女性(30代)のイラスト。女性はジムでランニングマシンで走っており、ポニーテールにまとめた髪が揺れている。汗をかいても増毛した髪はしっかり馴染んでおり、女性は髪が乱れる心配なく爽快な笑顔を見せている。
  • 髪型やカラーを楽しみたい人: 増毛した髪は自毛と一体化しているので、ドライヤーやヘアアイロンはもちろんパーマやカラーリングも可能です。人工毛自体にも様々な色がありますが、増毛後に自毛ごとカラーリングすればより統一感のある色味にできます。ウィッグだと髪型が固定されがちですが、増毛なら美容院でのカットやスタイリングも自由です。
  • ある程度コストをかけても良い人: 増毛は継続サービスのため、ウィッグと比べ長期的に見ると費用がかさむ傾向があります。髪が増える喜びと引き換えに、それなりのコストと時間をかけてメンテナンスを続ける意思がある方に向いています。逆に、「費用を極力抑えたい」「手間なく済ませたい」という場合は、ウィッグで手軽に隠す方が負担が少ないかもしれません。

これらを踏まえ、自分が増毛に向いているかどうか判断すると良いでしょう。

選び方のポイントとして、サロン選びも重要です。技術力や人工毛の品質によって仕上がりが左右されるため、実績のある専門店を選びましょう。

無料相談でスタッフの対応や増毛の提案内容を確認し、信頼できると感じたところに任せると安心です。

ウィッグ(かつら)と人工毛増毛のメリット・デメリット

ここまでウィッグとかつら、人工毛増毛の仕組みや特徴について説明しました。次に、それぞれのメリット(長所)とデメリット(短所)を整理して比較してみましょう。

両者とも薄毛を目立たなくする有効な方法ですが、一長一短があります。理解しておくことで、自身の優先事項に合った手段を選択しやすくなります。

ウィッグ(かつら)のメリット

ウィッグで薄毛を隠し終えて安心している女性(50代)のイラスト。女性はフルウィッグを着用し終えて鏡を見つめており、地肌が見えていた頭頂部がふんわりとした髪で覆われたことにほっとした表情を浮かべている。
  • 即効性があり確実にボリュームアップできる: ウィッグの最大のメリットは、装着すれば誰でもその日から薄毛をカバーできる即効性です。髪が無い部分でもカバーできますし、必要なときだけ付け外しできるため、明日大事なイベントがあるといった場合にもすぐ対応できます。
  • 手軽で初心者でも扱いやすい: ウィッグは自分で簡単に着脱できます。専門サロンに通う必要もなく、家で好きなときに付けられます。専用のリムーバー等も不要で、セルフメンテナンスがしやすいのもメリットです。ウィッグ初心者向けの商品も多く、説明書を見ながら装着するだけで誰でも扱えます。
  • 費用を抑えられる場合がある: 薄毛対策の中では比較的初期費用が抑えられるケースが多いです。特に既製品の部分ウィッグなどは数千円程度から購入可能です。自毛植毛のような高額医療行為や、増毛のような継続費用と比べ、一度購入すればしばらく使えるウィッグは経済的な面もあります(もちろん高級品は高価ですが)。
  • スタイルのバリエーションを楽しめる: ウィッグは髪型や髪色を自由に選べるため、おしゃれを楽しむこともできます。ファッションウィッグとして複数持ち、シーンによって使い分ける女性も少なくありません。髪が薄い部分を隠しつつ、ロングヘアやボブなど普段とは違う髪型にも挑戦できるのはウィッグならではの魅力です。
  • 薄毛以外の用途にも役立つ: 抗がん剤治療中の一時的な脱毛や、円形脱毛症で部分的に髪がない場合など、医療用途でもウィッグは活用されています。その場合は肌に優しい素材の医療用ウィッグが用いられます。また加齢による髪痩せでボリュームダウンした髪にハリを出す目的で、あえてウィッグでなくヘアピース感覚で使う人もいます。

ウィッグ(かつら)のデメリット

風の強い日にウィッグが飛ばされないか心配している女性(40代)のイラスト。屋外で突風が吹き、女性は片手で帽子を押さえつつもう一方の手で自分のウィッグもしっかり押さえている。髪が風になびく中、ウィッグがずれないか周囲を気にしてソワソワしている表情。
  • ズレや脱落のリスクがある: ウィッグはクリップやテープで固定するとはいえ、激しい運動や強風などでずれる可能性がゼロではありません。特にプールや温泉では外さねばならず、その際に周囲の目が気になるという声もあります。自分で着脱できる手軽さの反面、「外れてしまわないか」という不安を感じる場面があるのはデメリットです。
  • 蒸れやすさ・装着時の不快感: 頭に被るため、夏場などは蒸れやすく感じることがあります。通気性の良い製品もありますが、長時間つけていると汗ばむ、痒くなるといった声は少なくありません。また重たいフルウィッグだと肩こりを感じる人もいます。快適さの面で地毛には及ばない点は否めません。
真夏にウィッグ着用で蒸れて暑がっている女性(30代)のイラスト。炎天下の屋外、女性は額に汗を浮かべながらウィッグのずれを直すようにそっと手を当てている。表情は少し困った様子で「暑くてムレる…」と感じている雰囲気。
  • 不自然に見えることがある: 安価なウィッグや毛質の人工感が強いものだと、光沢がテカテカしていたり、つむじ部分が不自然だったりしてバレてしまう場合があります。また自分の頭にフィットしていないと生え際が浮いて見えることもあります。品質や装着方法次第ではありますが、「かつらを被っている」と周囲に気づかれてしまうリスクはゼロではありません。
  • お手入れや保管の手間: ウィッグは使用後にブラッシングしたり、定期的にシャンプーで洗浄して清潔に保つ必要があります。特に人毛ウィッグはお手入れを怠ると痛みやすく、スタイルも崩れてしまいます。また使用しないときはホコリが付かないよう保管するなど、メンテナンスの手間は多少かかります。
  • 長期間使用による劣化: 永久に使えるわけではなく、毛が抜けたり絡まったり、人工皮膚部分が劣化したりします。使用頻度によりますが、毎日使用する場合は部分ウィッグでも1年前後、フルウィッグでも2~3年で買い替えた方が良いと言われます。定期的な出費となる点は留意が必要です。
ウィッグをお手入れしている女性(30代)のイラスト。自宅の洗面台で女性がウィッグを専用シャンプーで優しく洗っている場面。洗い終えたウィッグはウィッグスタンドにセットされ、女性はブラシでとかしながら乾燥させている。穏やかな笑顔でケアに取り組んでおり、パステル調のアニメタッチでウィッグ維持に手間がかかる様子を描いている。

ウィッグはこんな人におすすめ

上述のメリット・デメリットを踏まえると、ウィッグ(かつら)は次のような方に向いていると言えます。

  • 「今すぐ」薄毛を隠したい人: 急な薄毛対策が必要な場合や、とにかく早く見た目を変えたい場合に最適です。例えば結婚式や面接などイベントに備えてすぐボリュームアップしたい場合、ウィッグなら装着するだけで間に合います。
  • 薄毛の範囲が広い人・自毛がほとんどない人: 極端に髪が少ない場合や、円形脱毛症などで部分的に地肌が露出している場合、ウィッグならその部分を確実にカバーできます。自毛がなくても使える手段はウィッグしかありません。
  • 費用を抑えつつ試してみたい人: 最初から大金をかけるのは不安という方でも、安価なウィッグであれば気軽に試せます。自宅で鏡を見ながら装着練習することもでき、納得できなければ他の製品に買い替える柔軟性もあります。
  • 色々な髪型を楽しみたい人: 薄毛を隠すことに加え、ファッションとして髪型チェンジもしたい方にはウィッグが向いています。ウィッグをコレクションしておしゃれを楽しんでいる女性も多く、気分によってヘアスタイルを変えられるのはメリットです。
  • 定期メンテナンスに通えない人: 増毛のようにサロン通いが難しい、忙しくて時間が取れない方にもウィッグが適しています。自宅で完結できる対策なので、自分のペースでケアできます。

人工毛増毛のメリット・デメリット

続いて人工毛増毛のメリット・デメリットを整理します。ウィッグにはない増毛ならではの利点がある一方で、注意すべき点もあります。ウィッグとの対比を意識しながら確認しましょう。

人工毛増毛のメリット

  • 常に自然な状態で過ごせる: 増毛後は24時間自分の髪が増えた状態になるため、就寝時も入浴時も髪がある安心感があります。周囲から見てもウィッグのような不自然な境目がなく、一体感が高いです。特にシート式増毛では、生え際を間近で見られても気づかれないほど自然な仕上がりになります。家族やパートナーにも「増毛した」と言わずに済むほど馴染むケースも多く、バレにくさではピカイチです。
増毛によって髪が自然に見えている女性(30代後半)のイラスト。カフェで女友達とお茶をしている場面で、友人は目の前の女性が増毛しているとは気づかず、髪型を褒めたり普通に会話したりしている。
  • アクティブな行動も問題なし: 増毛は自毛に固定されているため、激しい運動や風で取れる心配がまずありません。ジムで汗をかいてもズレることなく、プールや温泉でも人目を気にせず髪を洗えます。ウィッグ装着時に感じがちな「これはできるかな?」という不安から解放され、趣味やレジャーを存分に楽しめます。
  • ヘアスタイルの自由度が高い: 増毛した髪は自毛と同じように扱えるため、ドライヤーやセットでアレンジが自由自在です。パーマをかけてふんわりさせたり、カラーリングで他の髪色に合わせたりすることも可能です。増毛用の人工毛自体も様々なカラーに対応しているので、白髪が混じっている人には白髪に合わせた人工毛を結ぶこともできます。つまり、美容院でのスタイリングを引き続き楽しめるのが大きなメリットです。
  • 徐々に増やして慣れることができる: 増毛は一度にたくさん増やすこともできますが、あえて段階的に本数を増やすことで周囲に気づかれず変化させることも可能です。例えば初月は少しだけ増やし、髪型に慣れてきたら翌月にもう少し足す、といったプランも立てられます。自分自身も鏡の中の変化に徐々に順応できるため、心理的負担が少ないです。
  • 最新技術で経済的負担が軽減されつつある: かつては増毛は高額な施術でしたが、最近では使い回し可能な人工毛の開発などにより、以前より経済的になってきています。例えば一度外した人工毛を洗浄して再利用できるサービスや、定額で一定量まで増毛できるプランなども登場しています。各社の企業努力により、増毛のコストパフォーマンスは改善されてきている点も見逃せないメリットです。

人工毛増毛のデメリット

  • 定期的なメンテナンスが必須: 増毛最大のデメリットは、維持のために定期メンテナンスが欠かせないことです。自毛が伸びる限り、結び目や装着部を調整する必要があります。メンテナンスを怠ると理想の髪型が崩れたり、薄毛に逆戻りするだけでなく、絡まりによる頭皮トラブルにつながる恐れもあります。つまり、増毛を選んだら長期的にサロンに通い続ける覚悟が必要です。
定期的に増毛メンテナンスに通う女性(40代)のイラスト。女性が増毛サロンのカウンターで予約帳を見ながらスタッフと次回の施術日を相談している場面。カレンダーに次回予約日が丸印されており、女性は「また来月お願いします」というように穏やかに微笑んでいる。
  • 費用がかかる: 前述したように、増毛は初期費用+継続費用がかかります。特に広範囲に多くの本数を増やす場合は相応の出費となり、ウィッグと比べ長期間では総額が上回りがちです。費用対効果に見合うかどうかは人それぞれですが、「続けられるか」不安な場合は注意が必要です。費用負担が原因で途中でやめてしまうと、それまで増やした毛が減っていくことになります。
  • 施術時間と予約の手間: 一度増毛すればそのまま生活できる反面、施術自体は細かな作業のため時間がかかります。例えば結毛式で数百本増やすのに数時間かかることもあり、忙しい人には負担です。さらに定期的にサロン予約を取る手間もあります。仕事や家庭の都合で通いにくい時期があるとメンテナンスが滞る恐れもあるため、自分の生活サイクルに組み込めるか検討が必要です。
  • 技術や仕上がりの品質に差が出る: 増毛は高度な技術を要する施術であり、スタッフの腕や人工毛の品質によって仕上がりが左右されます。残念ながら中には技術不足で不自然に見える増毛を行うケースもゼロではありません。信頼できるサロンを選ばないと、「結んだ部分がゴワついて不快」「増毛した部分だけ色が浮いている」といった不満が残る可能性があります。
  • 自毛のコンディションに左右される: 増毛は自分の髪が土台ですから、自毛の健康状態が悪いと十分な効果が得られません。極端に細くコシのない髪だと結び目が滑りやすかったり、抜け毛が多いと結んだ髪ごと抜けてしまうことも考えられます。また頭皮に炎症や疾患がある場合、増毛施術自体ができないことがあります。増毛を開始するにはまず自毛・頭皮が増毛に耐えうる状態であることが前提になります。
自分の髪が少なすぎて増毛では対応しきれないかも…と悩む女性(50代)のイラスト。女性は鏡の前で、自身の薄くなった頭頂部に手を当てて深刻そうな表情をしている。地肌がかなり目立っており、「この状態では増毛は難しい?」と考え込んでいる様子。

人工毛増毛はこんな人におすすめ

人工毛増毛の特徴を踏まえると、以下のような方に特におすすめできます。

「自然さ」と「快適さ」を最重視する人

周囲に絶対気づかれたくない、日常生活で髪を気にせず過ごしたいという方に増毛はうってつけです。入浴中やスポーツ中も含めて常に自然な見た目を維持できることに価値を感じる方に向いています。

髪型へのこだわりが強い人

ヘアアレンジを楽しみたい、美容室にも普通に通いたいという方には増毛が適しています。自毛の延長線上でボリュームが増えるので、自分の髪として好きなスタイルを追求できます。

「ウィッグだと髪型が限られるのが嫌」という方には増毛の自由さが魅力でしょう。

薄毛を徐々にカバーしていきたい人

じっくり時間をかけて薄毛対策をしたい場合も増毛がおすすめです。

ウィッグで急にフサフサになると周囲に「何かした?」と思われる心配がありますが、増毛なら少しずつ増やして変化に馴染ませることができます。周囲に悟られず薄毛を解消したい人にピッタリです。

ウィッグでは満足できなかった人

既にウィッグを試したものの「不便さが気になる」「不自然に感じる」と不満があった方は、増毛に切り替えることで悩みが解消する場合があります。

実際、50代以上の女性で「ウィッグから増毛に乗り換えたら快適だった」という声もあるようです(※参考:専門家がウィッグより増毛を勧めるケースもある)。

ウィッグのデメリットを感じている人にとって増毛は有力な次の一手です。

経済的・時間的に余裕がある人

やはり継続サービスゆえ、ある程度のコストと時間をかけられる方に向いています。

定期的な通院・ケアも「自分への投資」と考えられる方であれば、長期にわたり良好な状態を維持できるでしょう。逆に言えば、途中で止める可能性がある人にはおすすめしにくい面もあります。

ウィッグと増毛のコストを比較検討している女性(30代)

以上がウィッグとかつら・人工毛増毛それぞれのメリットとデメリット、おすすめできる人の像になります。この内容を踏まえ、自分にはどちらが向いていそうかイメージできてきたのではないでしょうか。

ウィッグとかつら・人工毛増毛はどちらを選ぶべき?(選択のポイント)

ウィッグとかつら、人工毛増毛にはそれぞれ良い点・悪い点があることが分かりました。それでは最終的に、どちらを選べば良いのか判断するためのポイントを整理してみましょう。

人によって状況や優先事項は異なりますので、以下の観点から自分に合う方法を見極めてください。

選択のポイント1:ライフスタイルと装着時の安心感

あなたの日常生活の中で、髪の扱いに関するニーズを考えてみましょう。

スポーツや外出が多い

アクティブに動く趣味や仕事があるなら、人工毛増毛の方がストレスなく過ごせます。ウィッグだと激しく動くたびに気にする必要がありますが、増毛ならどんな場面でも自毛同様に安心です。旅行や温泉など、場所を選ばずに楽しめるのも増毛の強みです。

家と職場の往復が中心

あまり外で活動せず、人前に出る機会もそこまで多くないという方は、ウィッグでも十分対応可能でしょう。デスクワーク中心で汗をかきにくい環境なら、ウィッグの蒸れもさほど問題にならないかもしれません。普段の生活圏で不便を感じなければウィッグでOKです。

ウィッグ使用と増毛使用の日常の違いを対比したイラスト(横長の画面を左右2コマに分割)。左側はウィッグ利用者の夜の場面で、50代の女性が就寝前に鏡の前でウィッグを外し、スタンドに置こうとしている。

人と接する仕事・冠婚葬祭

接客業や営業職など、人の目を意識する場面が多い方は、見た目の自然さが重要です。近距離でよく見られる場合、精巧なウィッグでないと不安かもしれません。その点、増毛はどんな距離でも自然なので、仕事上どうしても気になるなら増毛が安心です。

ただし最近の高品質ウィッグもかなり自然ですから、まずはウィッグを試してみて周囲の反応を見てから判断するのも手です。

選択のポイント2:薄毛の範囲と進行度

あなたの薄毛の状態も選択に影響します。

薄毛範囲が狭い or 初期段階

若い女性の薄毛対策例を示すイラスト。20代後半の新米ママが赤ちゃんを抱えながら、自分の抜け毛に気づいて困っている場面。産後の抜け毛で分け目が薄くなっているが、彼女はヘアピースを使って分け目をふんわりカバーしている。鏡に映る自分の姿を見て「これなら大丈夫」と少し安心した表情。

頭頂部の一部だけ、分け目だけなど範囲が小さい場合は、部分ウィッグや少量の増毛で対処できます。どちらでも効果は出るので、手軽さ重視ならウィッグ、自然さ重視なら増毛、と好みで決めて良いでしょう。

薄毛範囲が広い・重度

頭部全体に及ぶ薄毛や、自毛が非常に細く少ない場合、フルウィッグが確実な解決策です。増毛は自毛あってこそなので、広範囲かつ密度が薄い場合は必要本数も膨大になり現実的でないこともあります。

そうした場合は無理に増毛にこだわらず、自然に見えるオーダーメイドウィッグなどを検討しましょう。

中高年女性の薄毛対策例を示すイラスト。50代くらいの上品な女性がウィッグ専門店でショートスタイルの医療用ウィッグを試着している場面。

薄毛が進行する可能性

現在進行中の薄毛(例えば出産後の脱毛や、更年期によるびまん性脱毛症など)の場合、将来的に薄毛範囲が変わるかもしれません。変化に柔軟に対応しやすいのは増毛です。増毛なら後から本数を増やしたり範囲を広げたりしやすいので、将来を見据えて選ぶ価値があります。

一方、ウィッグも買い替えれば対応できますが、その都度費用がかかりますので、長い目で見て判断しましょう。

選択のポイント3:予算とコスト感

経済的な側面から考えるポイントです。

初期費用を抑えたい

できるだけお金をかけずに始めたいならウィッグが無難です。数万円以内で大抵の薄毛はカバーできます。一方、増毛は数万円でできることは限られ、広範囲なら初期からそれなりの額になります。

まずウィッグで様子を見るのも一策です。

長期的な投資をいとわない

自分の満足のために費用がかかっても構わない、という方は増毛の継続も視野に入ります。年間のランニングコストを計算し、数年間続けた場合の総額をシミュレーションしてみましょう。

それに見合うだけの価値(自然さや快適さ)を得られると思えば、増毛を選ぶ意義は大きいです。

コストパフォーマンス重視

コストと効果のバランスを重んじるなら、部分ウィッグ+育毛ケアなどの組み合わせも検討できます。例えばウィッグで見た目をカバーしつつ、並行して女性専門の育毛クリニックで治療を受け、自毛を増やす努力をする方法です。

時間はかかりますが、将来的にウィッグ不要になる可能性もあります(ただし確実ではありません)。増毛ももちろん育毛治療と並行できますが、育毛がうまくいって自毛が増えると、結んだ人工毛が目立つという逆転現象も起こり得ます。

この点も踏まえて、費用対効果を考えると良いでしょう。

選択のポイント4:心理的な面・継続意欲

最後に、自分の性格や継続できる自信についても考えてみましょう。

面倒くさがりな性格

こまめな手入れやサロン通いが苦になりそうな場合、ウィッグの方が向いています。ウィッグもケアは必要ですが、自分のタイミングでできる分まだ楽です。

増毛は半強制的に通わなければいけないプレッシャーがあるので、飽きっぽい人は注意です。

几帳面でケアを欠かさない

髪に手間暇かけるのを厭わないタイプなら、増毛でもしっかり維持できるでしょう。日々のシャンプーやブラッシング、定期メンテナンスにも積極的に取り組める人は、増毛を続けるのに向いています。

増毛した髪を優しくシャンプーしている女性(30代)のイラスト。シャワー中に女性が自分の増毛後の髪を丁寧に洗っている場面。爪を立てず指の腹で地肌をマッサージするようにシャンプーし、コンディショナーをなじませている。

人知れず薄毛を克服したい

家族にも秘密にしたい、本当に自然に改善したいという強い思いがある場合は、増毛+育毛治療など本格的なアプローチが合うかもしれません。

ウィッグはどうしても「着脱するもの」として自分で実感してしまいますが、増毛なら自分の髪のように錯覚するほど自然に過ごせます。

それに育毛治療で自毛が増えれば、本物の髪として克服したことにもなります。ただし治療は効果が出ない可能性もあるためリスクも理解しておきましょう。

以上のポイントを総合的に検討し、自分に合った選択をしてみてください。どちらが「絶対に良い」ということはなく、優先したい価値によって最適解が変わるということです。

迷ったときは、ウィッグと増毛の両方を経験した人の体験談を参考にしたり、専門家に両方のメリット・デメリットを率直に聞いてみるのも良いでしょう。

ウィッグと増毛の向き不向きを生活場面で比較したイラスト(左右2シーン)。左側はプールサイドで、水泳前にウィッグが濡れたり外れたりしないか心配して立ち尽くす30代女性の姿。

表:こんな人にはウィッグ?増毛?

あなたの希望や状況おすすめの対策補足説明
すぐに薄毛を隠したい、大事な予定が近いウィッグが◎即時に見た目を変えられるのはウィッグ
自然さ最優先で周囲に絶対バレたくない人工毛増毛が◎増毛なら生え際も自然で気づかれにくい。
髪が全くない部分がある、広範囲に薄毛ウィッグ(フルウィッグ)が◎自毛がないと増毛不可。ウィッグなら全カバー可能。
アクティブに動く趣味・仕事がある人工毛増毛が◎ずれる心配なく運動や入浴もOK。
コストを抑えて手軽に試したいウィッグが◎既製品なら安価。増毛は本数によって高額になりがち。
美容院で髪型をいろいろ楽しみたい人工毛増毛が◎パーマやカラーも自由。
人前に出る仕事で常に見られる人工毛増毛が○ウィッグでも高品質なら◎だが、増毛の安心感大。
おしゃれウィッグ感覚で気分を変えたいウィッグ+複数持ちファッション用途ならウィッグが適。増毛は不向き。
ケアや通院を続けるのが苦にならない人工毛増毛が○メンテを楽しめるならOK。逆ならウィッグを。

この表はあくまで一般的な目安です。実際には個人の状況によって異なりますので、自分の優先事項に照らして判断してください。

その他の選択肢にも目を向けよう

ウィッグとかつら、人工毛増毛以外にも、女性の薄毛対策には育毛治療や自毛植毛といった選択肢があります。

根本的に髪を増やしたいのであれば、皮膚科や専門クリニックで薬物治療を受けたり、自分の毛根を移植する自毛植毛手術を検討する方法もあります。

ただし、育毛治療は効果が出るまで時間がかかりますし、確実に発毛する保証もありません。

自毛植毛は費用が高額で手術の負担もあります。一長一短ではありますが、「薄毛を隠す」のではなく「治したい・改善したい」という思いが強い方は、ウィッグ・増毛によるカバーと並行してそうした治療を受けることも選択肢に入れて良いでしょう。

専門医に相談すれば、ウィッグや増毛との併用についてアドバイスをもらえるはずです。

大切なのは、自分が納得できる方法で前向きになることです。髪型が決まればおしゃれも楽しめますし、自信を取り戻すことができます。ウィッグであれ増毛であれ、うまく活用していきましょう。

利用時の注意点とお手入れ方法

ウィッグや人工毛増毛を実際に使う際には、快適に長く使うための注意点やお手入れ(ケア)方法があります。

この章では、ウィッグ利用時と人工毛増毛利用時、それぞれで気を付けたいポイントを解説します。正しいケアを行い、トラブルを防ぎましょう。

ウィッグ使用時の注意点とケア

自宅でウィッグを洗浄・乾燥させている女性(30代)のイラスト。洗面台にぬるま湯を張り、女性はウィッグを優しく押し洗いしている。
  1. 装着前の下準備: フルウィッグを被る前は、自毛をなるべくフラットにまとめておきます。ロングヘアの方は低い位置でお団子にしたり、編み込んで広げるなどして頭の形を滑らかにしましょう。
    ウィッグ用ネットを被ると髪が収まり、ズレ防止にも役立ちます。部分ウィッグの場合は留める位置の地毛をとかし整えておきます。
  2. 正しい装着とフィット調整: ウィッグを装着したら、鏡を見て傾きやずれがないか確認します。耳の位置の目印が左右対称になっているか、前髪の生え際部分が自毛ラインと合っているかチェックしましょう。
    きつすぎると頭痛の原因になるので、サイズ調整ベルトで適度な締め具合に調節します。緩いときはウィッグ用両面テープを額やこめかみに貼って固定すると安心です。
  3. 日常の扱い: ウィッグをつけたまま眠るのは避けましょう。就寝中の摩擦で絡まりや痛みの原因になります。お風呂やプールでも外すのが基本です(水に濡れると劣化しやすい上、乾かすのが大変です)。
    どうしても濡れた場合は、優しくタオルドライしてからウィッグ専用スタンドに被せ、陰干しして乾燥させます。
  4. 定期的な洗浄: 人工毛ウィッグは2週間に1回程度、人毛ウィッグは1週間に1回程度を目安にシャンプーします(使用頻度によります)。ウィッグ専用のシャンプー&コンディショナーをぬるま湯に溶かし、ウィッグを浸して押し洗いします。
    揉んだりこすったりせず、優しく汚れを落としましょう。すすぎも十分行い、タオルで水気を取ったら自然乾燥させます。
    ドライヤーは人工毛の場合低温か送風で軽く乾かす程度にします(耐熱性か確認のこと)。
  5. ブラッシング: ウィッグ専用ブラシ(先丸のピンブラシ)で毛先からゆっくりとかします。毛根部分(植え込み部分)は強く引っ張らないよう注意します。
    スプレー等整髪料は人工毛には基本不要です(ホコリを呼ぶ原因になるため)。静電気防止スプレー程度にとどめます。
  6. 保管方法: 使用しないときはホコリを避け、型崩れしないよう保管します。ウィッグスタンドや発泡スチロール製のマネキン頭部に被せておくのが理想です。
    直射日光や湿気の多い場所は避け、クローゼット内など風通しの良いところに置きます。長期間使わない場合でも、月に一度は取り出してブラッシングし、状態を確認すると良いでしょう。
  7. 頭皮ケア: ウィッグを常用する方は、自分の頭皮も清潔に保つことが重要です。蒸れによるかゆみや臭いを防ぐため、毎日しっかりシャンプーし、乾かしてからウィッグを装着しましょう。
    長時間装着でかゆみを感じる場合は、一旦外して頭皮を休ませることも必要です。

人工毛増毛の注意点とメンテナンス

人工毛を増毛した髪の毛が痛まないよう丁寧にドライヤーしている様子の女性のイラスト。
  1. シャンプー・洗髪時の注意: 増毛後も通常通りシャンプーできますが、洗い方に注意が必要です。爪を立ててゴシゴシ洗うのは厳禁で、指の腹で頭皮をマッサージするように優しく洗いましょう。
    特に結毛式増毛では結び目に負担をかけないことが大切です。シャンプー前に粗めのブラシで髪をとかし、ほこりを落としておくと絡みにくくなります。
    リンスやコンディショナーは頭皮につけず毛先中心に使い、しっかりすすいでください。
  2. ドライヤーでの乾燥: 濡れたまま放置すると雑菌繁殖の原因になるため、洗髪後は速やかに乾かします。タオルドライした後、ドライヤーで根元から乾かしましょう。
    増毛部分も自毛と同様に乾かしてOKですが、あまり長時間高熱を当て続けると人工毛が痛む場合があります。乾いたらブラシで整えながら、結び目や装着部が清潔に保たれているか確認します。
  3. 整髪料の使用: ヘアワックスやヘアスプレーも基本的には使えますが、ハードスプレーを毎日大量に使うと人工毛がベタついてしまうことがあります。
    スタイリングは控えめにし、必要に応じて増毛サロンでシャンプーサービスなどを受けると良いでしょう。アイロンやコテも耐熱人工毛なら使用可能ですが、高温設定は避け短時間でセットします。
  4. 定期メンテナンスを忘れずに: 増毛は前述のとおり、定期メンテは必須です。調子が良いからといって間隔を延ばしすぎると、結び目が上がって不自然になったり、編み込み部分が緩んで絡まったりします。
    サロンから指示された周期を守りましょう。万一予定が合わず遅れてしまう場合でも、相談すれば早めの予約や応急処置のアドバイスをもらえることがあります。
  5. 自毛・頭皮の健康管理: 増毛を続ける上で大切なのは、土台である自毛と頭皮を健康に保つことです。栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、ストレスケアなど基本的な健康管理が髪にも影響します。
    頭皮マッサージや育毛剤の併用などもサロンと相談してみましょう。
    ただし、育毛剤によっては結び目が滑りやすくなる成分が含まれる場合もあるため、使用前に増毛業者に確認することをおすすめします。
  6. トラブルがあればすぐ相談: もし、増毛した箇所の頭皮に赤み・かゆみなどの異常を感じたら、すぐに施術先に相談してください。
    結び方がきつすぎたり、接着剤が肌に合わなかったりするケースも稀にあります。その場合、方法を変えるか一旦外すなど対処が必要です。我慢せずプロの判断を仰ぎましょう。
    皮膚科と連携しているクリニック型の増毛サービスもありますので、必要に応じて受診も検討します。

トラブル事例と対策

最後に、ウィッグ・増毛利用者によくあるトラブル例とその対策を簡単にまとめます。

ウィッグのクリップで地毛が抜けた

同じ箇所に繰り返しクリップを留めると、そこだけ負担がかかり地毛が切れたり抜けたりすることがあります。

対策として、クリップ位置を日によって微妙にずらす、クッションになるあて布をかませる、あるいはクリップではなく医療用テープで留める方法も検討しましょう。

ウィッグのニオイが気になる

ウィッグの匂いが気になってる女性のイラスト

汗をかいたウィッグを放置するとニオイの原因に。夏場は特にこまめに洗浄し、洗えない場合は消臭スプレー(ウィッグ用)を使います。ウィッグスタンドに被せて陰干しし、完全に乾燥させることも重要です。

抗菌防臭加工されたウィッグキャップやインナーを使用するのも効果的です。

増毛した毛が絡まる

結毛式増毛で髪同士が絡まると、自分で解こうとすると余計に絡む恐れがあります。無理に引っ張らず、サロンで解きほぐしてもらいましょう。

日頃から寝ぐせがつかないようナイトキャップを被る、長い髪はゆるく束ねて寝るなどして絡みにくくする工夫を。

頭皮がかゆくなった(ウィッグ・増毛共通)

蒸れや雑菌が原因の場合、清潔を保つことで改善します。ウィッグは締め付けすぎていないか確認し、増毛は洗浄不足がないか見直します。

脂漏性皮膚炎など皮膚疾患の可能性もあるため、症状がひどい場合は皮膚科を受診してください。

周囲に指摘された

「髪増えた?」など周囲に言われた場合、気になるようなら事前に理由を用意しておくと良いでしょう。

ウィッグの場合「ボリューム出るシャンプーを使い始めた」とか「美容院で分け目変えてもらった」など、増毛の場合は「エクステをちょっと足してみた」などで乗り切る人もいます。

本当のことを言う必要はありませんので、自信を持って対応しましょう。

適切なケアと早めの対処で、ウィッグや増毛は安全に使い続けられます。毎日の髪のおしゃれと同じ感覚で、愛情を持ってお手入れしてください。

よくある質問

最後に、ウィッグ・かつらや人工毛増毛に関してユーザーから寄せられるよくある質問とその回答をQ&A形式でまとめます。疑問や不安を解消し、安心して薄毛カバーを検討しましょう。

Q
ウィッグとかつらに違いはありますか?女性用と男性用で呼び方が違うだけですか?
A

基本的にウィッグもかつらも同じものです。違いは呼称のニュアンスで、男性は「かつら」、女性は「ウィッグ」と呼ぶことが多い傾向があります。また、「ウィッグ」という言葉にはファッション用途のイメージがあり、おしゃれ用も含めて幅広く使われます。

製品としての構造や機能に明確な違いはありません。したがって、薄毛対策としては女性でも男性でもどちらを使っても問題ありませんし、最近では男性用でも「ウィッグ」という言い方をすることもあります。

Q
ウィッグや増毛をしているのが周りにバレないか心配です。
A

高品質な製品や施術を選び、適切に装着・ケアすればかなりバレにくくなります。ウィッグの場合、オーダーメイドで自分の髪色や頭の形に合わせたものは特に自然で、身内にも気づかれなかった例があります。

自宅でウィッグを洗浄・乾燥させている女性(30代)のイラスト。

ただし強風で浮いてしまったり、安価なウィッグで不自然さがあるとバレるリスクはあります。

増毛の場合は、至近距離でもまず分からないほど自然と言われています。生え際や分け目も地毛と見分けがつかないため、同居の家族にも気づかれなかったというケースが多いです。

どうしても不安な場合、徐々に変化させる方法を取るとさらにバレにくくなります(ウィッグなら薄手のものから使い始める、増毛なら少ない本数から始める等)。

周囲に指摘された際の言い訳(「美容院でボリューム出してもらった」等)を用意しておくと安心かもしれません。

Q
人工毛増毛は自分の髪や頭皮に悪影響はありませんか?
A

適切に行われていれば基本的に問題ありません。増毛自体は自毛に人工毛を結ぶか貼り付けるだけなので、自毛や毛根を傷つけることはほとんどありません。

ただし、メンテナンスを怠ると結び目が絡まって自毛を引っ張り脱毛を招く可能性や、衛生状態が悪化して頭皮トラブルの恐れがあります。

また、施術時に強引に結びすぎると自毛に負担がかかりますが、熟練した技術者であれば力加減も適切なので心配いりません。むしろ増毛をすることで紫外線や外部刺激から頭皮が守られるメリットもあります。

頭皮に直接人工毛を植え込む「人工毛植毛」は炎症リスクが高いため安全とは言えませんが、当記事で紹介している非手術の人工毛増毛は安全性が確立されています。

心配な場合は事前にパッチテストや試し増毛をして、肌に異常が出ないか確認すると良いでしょう。

Q
ウィッグと人工毛増毛では、どちらが費用が安く済みますか?
A

一概には言えませんが、短期間ならウィッグの方が安く、長期間では増毛の方が費用が嵩む傾向があります。ウィッグは初期費用のみ(+消耗による買い替え費用)ですが、増毛は継続的な費用が発生するためです。

例えば1~2年程度のスパンで見れば、ウィッグ購入費数万円+ケア用品代程度で済む場合が多いです。一方、増毛は初期に数十万円かかった上、毎月のメンテ費用がかかるため、年単位で積み重なるとトータルはウィッグより高額になりやすいです。

ただし、ウィッグも高級人毛オーダー品をいくつも揃えればそれなりの出費になりますし、増毛も少量であれば月々数千円程度で維持できる場合もあります。個人のケースによりますので、見積もりを取って比較することをおすすめします。

費用面が心配な場合、ウィッグと増毛の両方の業者から話を聞いてみて、無理のない範囲を判断するとよいでしょう。

ウィッグ・増毛の専門店でスタッフに相談している女性(30代)のイラスト
Q
Q5. 増毛した人工毛はどのくらい持ちますか?ずっとつけっぱなしでいいのでしょうか?
A

A. 増毛した人工毛自体は、素材にもよりますが数ヶ月~半年程度はきれいな状態を保てます。最近の人工毛は耐久性も高く、丁寧に扱えばもっと長持ちする場合もあります。ただし、自毛が伸びて結び目や装着部分が上がってくるため、ずっと付けっぱなしというわけにはいきません。通常は1ヶ月に1回程度メンテナンス時に付け直しをします。この際、抜けたり劣化した人工毛があれば交換・補充します。シート式増毛の場合も、接着力の維持期間が数週間~1ヶ月ほどなので、それを過ぎる前に貼り替えます。つまり、**定期的に「付け替えながら使い続けていく」**イメージです。適切に付け替えていけば何年でも増毛状態をキープできます。逆にメンテをしないと徐々に人工毛が取れて本数が減ったり、不自然な見た目になってしまいます。なお、自毛植毛と違って一度付けた人工毛が生着して伸びてくることはありませんので、そこは誤解のないようにしてください。

Q
Q6. 医療用ウィッグは保険が効きますか?自治体の助成金はありますか?
A

A. 現状、日本では医療用ウィッグに公的医療保険は適用されません。よって購入費用は全額自己負担になります。また、医療費控除の対象にも基本的にはなりません。ただし、自治体によっては抗がん剤治療等で脱毛した方に対し、医療用ウィッグ購入費の一部を助成する制度を設けている場合があります。例えば〇〇市では2万円まで補助、といった具合です。対象となる条件(がん治療中であること、領収書提出など)は自治体ごとに異なりますので、お住まいの市区町村の制度を確認してみてください。民間の医療保険で、がん治療時のウィッグ購入費を給付する特約などもありますので、加入されている方は保険会社に問い合わせてみる価値があります。

Q
Q7. 自毛植毛と増毛ならどちらが良いでしょうか?迷っています。
A

A. 目的が異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。自毛植毛は自分の毛を薄毛部に移植する外科手術で、時間はかかりますが定着すれば自分の生える髪として半永久的に生え続けます。一方、増毛はあくまで人工毛による「かさ増し」で、継続利用が前提です。植毛は「髪を再び生やす根本治療」、増毛は「髪型を整える対症療法」と捉えることができます。お金と時間がかかっても自分の髪を取り戻したい人には植毛が魅力ですが、女性のびまん性脱毛症の場合、後頭部から採取するドナー毛自体が細く少ないことも多く、女性には植毛が適さないケースも多々あります。植毛は傷跡も残りますし、術後に生着しないリスクもあります。対して増毛は傷もなく確実にボリュームアップできますが、生え際の後退など広範囲の重度な薄毛には限界があります。もし迷われているなら、専門クリニックで薄毛の原因や進行度を診断してもらうと良いでしょう。女性の薄毛治療に詳しい医師なら、植毛が有効かどうか、増毛やウィッグでカバーすべきか、適切なアドバイスをしてくれるはずです。


以上、ウィッグ・かつらおよび人工毛増毛に関する疑問点についてQ&A形式でお答えしました。薄毛の悩みは人それぞれですが、適した方法できちんと対処すれば、必ず見た目の不安は解消できます。

まずはできることから一歩踏み出し、自分に自信を取り戻していきましょう。髪のボリュームが増えることで、おしゃれや外出を楽しめるようになる方も多いです。

専門家の力も借りながら、ぜひ前向きに薄毛対策に取り組んでみてください。

薄毛の悩みを克服し、自信を取り戻した女性(30代後半)のイラスト。