マンジャロの最大用量は15mg?日本国内で処方可能な用量と段階的な増やし方

マンジャロの最大用量は15mg?日本国内で処方可能な用量と段階的な増やし方

マンジャロは日本国内で最大15mgまで使用できる肥満症・糖尿病治療薬です。副作用を抑えるために最初は2.5mgの少量から使い始めます。

原則として4週間以上の間隔を空けながら、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mgへと段階的に増やしていくことがルールです。

最大用量は高い効果が期待できる一方、体調に合わせた慎重な判断が必要です。各用量の役割や適切なタイミングを詳しく確認しましょう。

日本国内で承認されているマンジャロの用量ラインナップ

国内で認められている用量は2.5mgから15mgまでの合計6種類です。治療は必ず最小の2.5mgから開始し、体調を見ながら維持量へと調整します。

マンジャロは使い切り型のオートインジェクター「アテオス」に充填されています。各用量はキャップやラベルの色で区別されており、間違いを防ぎます。

用量とデバイスカラーの対応

用量規格主な役割識別カラー
2.5mg導入(慣らし)ライトブルー
5.0mg標準的な維持量パープル
7.5mg増量の調整用ピンク

最大用量の15mgは、10mgまでの使用で十分な効果が得られない場合や、より強力な体重減少を目指す際の選択肢として用意されています。

臨床データでは用量に比例して高い効果が示されています。しかし、5mgや7.5mgで目標を達成できるなら、その量を使い続けることが一般的です。

自己注射における安全性の配慮

全ての用量で「アテオス」を採用しているため、針が露出しておらずボタン一つで正確に打てます。この仕様がスムーズな移行を支えています。

用量が増えても使い方は変わりません。こうした一貫した仕組みが、長期的な治療を継続する上での大きな安心材料となっています。

治療開始時に2.5mgからスタートする理由

2.5mgから開始する目的は、消化器系の副反応を最小限に抑えることです。この量は治療としての効果よりも、体を慣らす準備期間の役割を担います。

チルゼパチドという成分は、胃腸の動きを緩やかにします。初めて導入する際は消化器が驚かないよう、少しずつ濃度を高めることが大切です。

2.5mgを4週間続けることで体が成分に順応します。この土台があってこそ、次の5mgへ安全に移行できる状態が整うわけです。

導入期に確認すべき体調のチェック項目

  • 吐き気や胃もたれが続いていないか
  • 便通が極端に悪くなっていないか
  • 日常生活に支障が出るほどの倦怠感はないか

初期段階で意識すべき生活の変化

導入期は効果を急ぐ時期ではありません。食欲の変化が少なくても焦らず、4週間は2.5mgを継続して重大な副作用が出ないかを見守ります。

胃腸への負担を減らすため、油っこい食事や一度に大量の摂取は避けてください。よく噛んで食べる習慣が、後の増量期の成功を左右します。

維持量5mgへの増量と効果の現れ方

2.5mgの期間を終えると維持量である5mgへ移行します。ここから本格的な治療が始まり、多くの人が目に見える体重の変化を実感し始めます。

5mgに増えると、血糖値の安定化やインスリン分泌の適正化が強まります。脳の満腹中枢への働きかけも増し、少ない食事で満足できるようになります。

胃からの排出速度が低下するため、腹持ちの良さを強く感じるはずです。こうした変化の積み重ねが、自然な減量を後押ししてくれます。

5mg継続時における変化の目安

評価項目期待される変化実感の時期
食欲減退自然に食欲が落ちる増量後1週目〜
体重減少緩やかな右肩下がり継続2ヶ月目〜
満腹感食後の満足が続く増量直後から

5mgで維持するか増量するかの判断

多くの医療機関では、5mgで安定して体重が落ちているならそのまま維持します。無理に増やさず、生活の質が保たれる量を見極めるのが賢明です。

増量直後に吐き気が出ることもありますが、多くは1週間ほどで落ち着きます。症状が重い場合は医師と相談し、投与間隔を調整しましょう。

7.5mgおよび10mgへの増量が必要となるケース

5mgを続けても体重減少が停滞した場合や、目標に届かない時に増量を検討します。段階的に上げることで、停滞期を打破する新たな刺激を与えられます。

人間の体には同じ刺激が続くと慣れてしまう性質があります。この調整を行うことで、再び減少曲線を下向きに動かすことが期待できるわけです。

増量を検討する具体的な場面

  • 5mgを1ヶ月続けても体重に変化がないとき
  • 以前よりも空腹感を強く感じるようになったとき
  • 内臓脂肪の減少をさらに加速させたいとき

高用量で得られるさらなるメリット

10mgまで増えると内臓脂肪の減少が顕著になります。特に高度肥満の方にとって、この段階への到達は健康リスクを下げる大きな転換点です。

数値上の改善だけでなく、食べ物への執着がなくなる精神的な余裕も生まれます。こうした心の変化が、無理のない食生活の定着を支えます。

意志の力に頼らずに済むため、ストレスが溜まりにくいのも特徴です。その結果、リバウンドしにくい体質作りへと自然に繋がっていきます。

最大用量15mgを目指す際の注意点

最大用量の15mgはマンジャロの能力を最大限に引き出す量ですが、副作用のリスクも考慮すべきです。全員が到達すべきゴールではありません。

臨床試験では、15mgの使用で20%を超える劇的な減量効果が示されました。これは内科的な治療としては、極めて高い成果と言えます。

高度肥満に伴う合併症のリスクを大幅に減らせる可能性があります。一方で、胃の動きが非常に遅くなるため、食事の摂り方には工夫が要ります。

用量別・体重変化の傾向比較

用量減少の傾向主な対象者
5mg緩やかな減少軽度肥満の方
10mg強力な減少中等度肥満の方
15mg劇的な減少高度肥満の方

身体への負担を軽減する対策

高用量期は脂肪だけでなく筋肉量も減りやすくなります。これを防ぐには、タンパク質の摂取と適度な筋トレを組み合わせることが大切です。

薬の力だけに頼りすぎると、健康的な美しさを損なう恐れがあります。食事の質を高め、体の土台を維持する意識を常に持っておきましょう。

増量スケジュールを守る重要性

増量は「4週間以上の間隔を空ける」という鉄則があります。このルールを無視して早めることは、深刻な体調不良を招くため絶対に避けてください。

薬の濃度が血中で安定するまでには、一定の時間がかかります。1回投与しただけでは、その量が本当に合っているか正確に判断できないからです。

4週間にわたり毎週打つことで、ようやく体がその濃度に慣れます。この安定を確認せずに増やすと、想定外の副作用が出る恐れが高まります。

ルールを守るべき明確な理由

  • 激しい嘔吐による脱水症状を防ぐため
  • 膵臓などへの過度な負担を軽減するため
  • 最小限の量で最大の成果が出る点を探るため

投与を忘れた際の正しい対応

万が一忘れた場合は、気づいたのが4日以内ならすぐに打ちます。それ以上過ぎたならその週は休み、次の予定日に1回分だけを投与してください。

遅れを取り戻そうとして、2倍の量を打つことは禁物です。こうした急激な血中濃度の変化が、体に大きなストレスを与えてしまいます。

高用量における期待できる変化と副作用対策

10mg以上の高用量期は、体重以外の健康指標も大きく改善します。ただし、それに見合ったセルフケアを徹底することが快適に過ごすコツです。

脂肪肝の改善や慢性炎症の抑制など、目に見えない部分で体が若返っていきます。血圧の安定を感じる人も多く、多角的な恩恵がある時期です。

胃腸症状が出やすい高用量期は、食事を小分けにするのが有効です。1回の量を減らすことで、胃の負担を和らげながら必要な栄養を摂れます。

高用量期に実践したいセルフケア

項目具体的な内容目的
水分1日2リットル目安便秘の予防
食事少量で高栄養なもの栄養不足の回避
休息質の良い睡眠代謝効率の維持

リバウンドを防ぐ出口戦略

目標達成後は、少しずつ量を減らすか間隔を空けていきます。いきなりやめると食欲が急に戻るため、体が新しい体重に慣れるまでサポートを続けます。

高用量で抑えていた食欲を、今度は自制心と習慣でコントロールする準備期間です。この調整が、長期的な成功を確かなものにしてくれます。

マンジャロの最大用量である15mgまで必ず増やさないといけませんか?

いいえ、必ずしも15mgまで増やす必要はありません。治療の目的は適切な体重減少と健康状態の改善です。5mgや10mgの段階で十分な効果が得られ、目標体重に達したのであれば、その量を維持、あるいは継続することが一般的です。

増量は現在の量で効果が足りない場合や、体重の変化が止まった時にのみ、医師の判断で行うものと考えてください。

増量のスケジュールを早めて2週間ごとに用量を上げることは可能ですか?

いいえ、それは認められていません。国内のルールでは各用量を少なくとも4週間以上続けることが定められています。この期間は、血中の薬の濃度を安定させ、体が新しい量に馴染むのを待つために欠かせない時間です。

無理に急ぐと、激しい吐き気や腹痛といった強い副作用が出るリスクが非常に高まるため、決められたペースを守りましょう。

15mgまで増やしても体重が減らなくなった場合はどうすればいいですか?

まずは食事の内容や運動習慣を見直してみましょう。食欲が抑えられていても、摂取エネルギーが過剰な場合があります。また、筋肉量が減ることで基礎代謝が落ち、体重が減りにくくなっている可能性も考えられます。

薬の量を変えるのではなく、タンパク質を意識した食事や筋トレを強化することで、再び減少が始まるケースも多くあります。

副作用が辛いので一度上げた用量を下げることはできますか?

はい、医師の判断で用量を下げる調整はよく行われます。体調が悪くては治療を続けることが難しくなります。一旦下げて体調が落ち着くのを待ち、数週間後に再挑戦する、あるいは低い量でじっくり続けるという選択も有効です。

無理に高用量を維持することよりも、安全に長く続けられるペースを見つけることが最終的な成功への近道です。

副作用が辛いので一度上げた用量を下げることはできますか?

はい、医師の判断で用量を下げる調整はよく行われます。体調が悪くては治療を続けることが難しくなります。一旦下げて体調が落ち着くのを待ち、数週間後に再挑戦する、あるいは低い量でじっくり続けるという選択も有効です。

無理に高用量を維持することよりも、安全に長く続けられるペースを見つけることが最終的な成功への近道です。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会