マンジャロの臨床試験まとめ|SURPASS試験の主要結果を解説

マンジャロの臨床試験まとめ|SURPASS試験の主要結果を解説

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIPとGLP-1の2つの受容体に同時に作用する世界初の薬剤として、大規模な臨床試験プログラム「SURPASS試験」で有効性と安全性が検証されました。

SURPASS-1からSURPASS-5まで合計6000人以上が参加した試験では、血糖値の大幅な改善に加え、体重減少についても注目すべきデータが報告されています。

この記事では、各SURPASS試験の比較対象や投与期間、HbA1c低下幅、体重変化、副作用の傾向まで、臨床データをもとにわかりやすく整理しました。マンジャロの実力を客観的な数字で把握したい方はぜひ読み進めてください。

目次 Outline

マンジャロの臨床試験「SURPASS」とは何か|GIP/GLP-1受容体作動薬の全体像

SURPASS試験は、マンジャロ(チルゼパチド)の有効性と安全性を多角的に検証するために設計された、第3相(Phase 3)の大規模臨床試験プログラムです。合計5つの主要試験(SURPASS-1〜5)で6000名以上の2型糖尿病患者を対象に実施されました。

マンジャロが「世界初のGIP/GLP-1受容体作動薬」と呼ばれる理由

マンジャロの有効成分であるチルゼパチドは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)という2つのホルモン受容体に同時に働きかけます。従来のGLP-1受容体作動薬がGLP-1のみに作用するのに対し、チルゼパチドはGIPの作用も組み合わせた単一分子の薬剤です。

この「デュアルアゴニスト」の仕組みにより、血糖コントロールだけでなく食欲抑制やエネルギー消費の増加も期待できます。2022年5月にアメリカFDAで2型糖尿病治療薬として承認され、日本でも承認済みです。

SURPASS試験プログラムの全体構成と参加者数

SURPASS試験は試験ごとに比較対象を変え、マンジャロの効果を多面的に検証しました。SURPASS-1はプラセボ(偽薬)との比較、SURPASS-2はセマグルチド(オゼンピック)との直接比較など、それぞれ異なるデザインで計画されています。

SURPASS試験プログラムの概要

試験名比較対象参加者数
SURPASS-1プラセボ478名
SURPASS-2セマグルチド1mg1879名
SURPASS-3インスリン デグルデク1444名
SURPASS-4インスリン グラルギン2002名
SURPASS-5プラセボ+インスリン グラルギン475名

チルゼパチドの用量設定と投与スケジュール

すべてのSURPASS試験で、チルゼパチドは週1回の皮下注射として投与されました。開始用量は2.5mgで、4週間ごとに2.5mgずつ段階的に増量し、最終的な維持用量は5mg、10mg、15mgの3段階に設定されています。

この段階的な増量は、消化器系の副作用を和らげるために工夫された投与設計で、臨床試験でも急激な用量増加を避けることで忍容性(体の受け入れやすさ)が高まったと報告されています。

SURPASS-1試験でマンジャロの単独投与は血糖値をどこまで下げたのか

SURPASS-1では、食事・運動療法だけでは血糖管理が不十分な2型糖尿病患者478名を対象に、マンジャロ単独投与の効果がプラセボと比較されました。結論として、15mg投与群ではHbA1cが平均2.07%低下し、体重も約9.5kgの減少が確認されています。

プラセボ比較で明らかになったHbA1c低下の実力

40週間の投与終了時点で、チルゼパチド5mg群はHbA1cが-1.87%、10mg群は-1.89%、15mg群は-2.07%の低下を達成しました。一方、プラセボ群はほぼ変化なし(+0.04%)という結果です。

HbA1c 7.0%未満を達成した参加者の割合は、チルゼパチド投与群で87〜92%に達しました。プラセボ群の20%と比べると、その差は歴然といえるでしょう。さらに糖尿病でない人と同等の5.7%未満まで到達した参加者も31〜52%にのぼり、単独投与でもこれほどの効果が得られた点は臨床的に大きな意味を持ちます。

体重減少効果|15mg群で平均9.5kgの減量に成功

SURPASS-1の参加者は平均体重85.9kgからスタートし、15mg群では平均9.5kg(約11.0%)の体重減少が認められました。10mg群は7.8kg、5mg群でも7.0kg前後の減量です。

プラセボ群ではほぼ体重に変化がなかったため、この減量効果は薬剤の作用によるものと判断できます。15%以上の体重減少を達成した参加者は15mg群で27%に達しており、食事・運動療法に加えた単剤治療としては大きなインパクトといえます。

安全性と副作用の傾向|消化器症状が中心

SURPASS-1で報告された主な副作用は、吐き気、下痢、食欲低下といった消化器症状でした。いずれも軽度から中等度で、用量の増量期に集中して発生し、継続投与とともに軽減する傾向が見られています。

重篤な低血糖(血糖値54mg/dL未満)はチルゼパチド投与群で報告されておらず、単独使用時の低血糖リスクが低い点も注目に値します。

評価項目15mg群プラセボ群
HbA1c変化-2.07%+0.04%
体重変化-9.5kg変化なし
HbA1c 7%未満達成率92%20%
重篤な低血糖報告なし報告なし

SURPASS-2でマンジャロはセマグルチドに勝てたのか|直接比較の結果

SURPASS-2は、GLP-1受容体作動薬として広く使用されているセマグルチド(1mg)との直接比較試験で、1879名が参加した大規模な試験です。結果として、マンジャロはすべての用量でHbA1c低下と体重減少の両方においてセマグルチドを上回りました。

HbA1c低下幅でセマグルチドに対する優越性を証明

40週間後のHbA1c低下幅は、チルゼパチド5mgで-2.01%、10mgで-2.24%、15mgで-2.30%でした。セマグルチド1mgの-1.86%と比べると、10mg群と15mg群では統計的に有意な差が認められています(ともにP<0.001)。

HbA1c 7.0%未満の達成率もチルゼパチド群が優勢で、15mg群では約92%が目標値に到達しました。セマグルチド群の達成率を上回るこの結果は、チルゼパチドの血糖改善力が従来のGLP-1受容体作動薬をしのぐことを示しています。

体重減少の差は最大5.5kg|ダイエット効果も上回る

体重減少についても、チルゼパチドはセマグルチドを大幅に上回りました。セマグルチド1mgの-5.7kgに対して、チルゼパチド5mgは-7.6kg、10mgは-9.3kg、15mgは-11.2kgという結果です。

SURPASS-2における体重減少の比較

投与群体重変化差(vs セマグルチド)
チルゼパチド 5mg-7.6kg-1.9kg
チルゼパチド 10mg-9.3kg-3.6kg
チルゼパチド 15mg-11.2kg-5.5kg
セマグルチド 1mg-5.7kg

複合エンドポイントで際立つマンジャロの総合力

SURPASS-2では、HbA1c 6.5%以下かつ体重10%以上減少を同時に達成し、なおかつ臨床的に重大な低血糖を起こさなかった参加者の割合も評価されました。この複合指標で、チルゼパチド15mg群は60%が目標を達成しています。

セマグルチド1mg群の22%と比較すると約3倍の達成率であり、血糖管理と体重管理を両立させたいという多くの患者さんのニーズに応えうる結果だといえるでしょう。

SURPASS-3とSURPASS-4で確認されたマンジャロのインスリン製剤に対する優位性

SURPASS-3とSURPASS-4では、実臨床で広く使われているインスリン製剤との比較が行われ、マンジャロがHbA1cの改善と体重減少の両面でインスリンを上回ることが実証されました。とりわけインスリンでは避けられない体重増加が、マンジャロでは逆に減少に転じた点は大きな違いです。

SURPASS-3|インスリン デグルデクとの52週間比較

SURPASS-3は52週間にわたり、メトホルミン単独またはSGLT2阻害薬との併用で血糖管理が不十分な1444名を対象にした試験です。比較対象のインスリン デグルデク(商品名:トレシーバ)は、1日1回投与の持効型インスリンとして実績のある薬剤にあたります。

チルゼパチド15mg群のHbA1c低下幅は-2.37%で、インスリン デグルデクの-1.34%を大きく上回りました。体重変化は、インスリン デグルデク群が+2.3kgの増加だったのに対し、チルゼパチド15mg群は-12.9kg(約13.9%)の減少です。インスリン治療では体重が増えやすいという課題を考えると、このデータは非常に注目されるポイントといえます。

SURPASS-4|心血管リスクの高い患者でのインスリン グラルギンとの比較

SURPASS-4はSURPASS試験プログラムのなかでも対象者の条件が厳しく、心血管疾患の既往がある、または心血管リスクの高い2型糖尿病患者2002名が参加しました。比較対象は1日1回投与のインスリン グラルギン(商品名:ランタス)です。

52週時点のHbA1c低下幅は、チルゼパチド15mgで-2.58%、インスリン グラルギンで-1.44%でした。体重はチルゼパチド15mg群が-11.7kgの減少だったのに対し、インスリン グラルギン群は+1.9kgの増加を示しています。

心血管安全性データ|MACE-4のリスク増加は認められず

SURPASS-4では、心血管死亡・心筋梗塞・脳卒中・不安定狭心症による入院を合わせた「MACE-4」も評価されました。ハザード比は0.74(95%信頼区間 0.51〜1.08)で、チルゼパチドで心血管リスクが増加しないことが確認されています。

中央値85週間というSURPASS試験中で最長の追跡でも効果と安全性が維持されており、長期使用を考える上でも心強い材料です。

評価項目チルゼパチド15mgインスリン グラルギン
HbA1c変化(52週)-2.58%-1.44%
体重変化(52週)-11.7kg+1.9kg
低血糖発生率6〜9%19%
MACE-4ハザード比0.74(95%CI: 0.51〜1.08)

SURPASS-5試験|インスリン治療中でもマンジャロの上乗せ効果はあるのか

SURPASS-5は、インスリン グラルギンによる治療を受けていても血糖管理が不十分な475名を対象にした、プラセボ対照の二重盲検試験です。結果として、インスリンに加えてマンジャロを追加した群では、HbA1cと体重のいずれもプラセボ群を大幅に上回る改善が得られました。

インスリンとの併用で得られたHbA1cのさらなる改善

参加者の平均罹病期間は13.3年と長く、ベースラインのHbA1cは8.31%とコントロールが難しい層が多く含まれていました。40週後のHbA1c低下幅は、チルゼパチド5mgで-2.11%、10mgで-2.40%、15mgで-2.34%と報告されています。

プラセボ群の-0.86%と比べて約1.2〜1.5%の上乗せ効果があり、HbA1c 7.0%未満を達成した割合は85〜90%に達しました。長年にわたり血糖管理に苦労してきた患者さんにとって、このデータは大きな希望になるかもしれません。

体重減少効果はインスリン併用時でも健在

インスリン治療は体重増加を伴いやすいことが知られていますが、SURPASS-5ではチルゼパチドの追加によって体重減少が認められました。15mg群では平均-8.8kg、10mg群で-7.5kg、5mg群でも-5.4kgの減少です。

SURPASS-5の主要結果(40週時点)

  • チルゼパチド15mg群のHbA1c低下幅: -2.34%(プラセボ群: -0.86%)
  • チルゼパチド15mg群の体重変化: -8.8kg(プラセボ群: +1.6kg)
  • HbA1c 5.7%未満達成率(15mg群): 62.4%

糖尿病歴が長い患者でも効果が出たという事実

SURPASS-5の参加者は平均13.3年という長い糖尿病歴を持ち、インスリンを使用していても十分な血糖改善が得られていない方々でした。それにもかかわらず、15mg群では62.4%がHbA1c 5.7%未満——つまり糖尿病がない人と同等の水準にまで到達しています。

長期罹病者は膵臓のインスリン分泌能が低下しているケースが多く、こうした集団でも効果が確認されたことは、チルゼパチドの作用が単なるインスリン分泌促進にとどまらないことを裏付ける結果です。

マンジャロの臨床試験で報告された副作用と安全性プロファイル

SURPASS試験全体を通じて報告されたマンジャロの副作用は、既存のGLP-1受容体作動薬と同様に消化器症状が中心でした。多くが軽度から中等度であり、用量を段階的に増やす期間中に発生し、投与を継続するにつれて落ち着いていく傾向が確認されています。

消化器系の副作用が出やすい時期とその対処

吐き気、下痢、嘔吐、食欲低下がチルゼパチドで多く見られた副作用です。とくに吐き気はSURPASS-2で12〜23%、下痢は13〜22%の発生率でした。これらの症状は用量増量の序盤に集中しやすく、維持用量に到達した後は頻度が大幅に下がります。

2.5mgから段階的に増量するプロトコルが、消化器症状の軽減に寄与しています。投与初期に不快な症状が出ても、多くの場合は数週間で落ち着くため、主治医と相談しながら継続するかどうかを判断することが大切です。

低血糖リスクはインスリンより低い

SURPASS試験を通じて、チルゼパチドによる重篤な低血糖の発生率は非常に低いことがわかっています。SURPASS-1の単独投与では重篤な低血糖はゼロでした。SURPASS-4ではインスリン グラルギン群の低血糖発生率が19%だったのに対し、チルゼパチド群は6〜9%にとどまっています。

スルホニルウレア系薬剤を併用していない参加者に限ると、チルゼパチド群の低血糖発生率は1〜3%まで下がりました。血糖をしっかり下げつつも低血糖のリスクを抑えられるのは、日常生活の安全面で大きなメリットだといえるでしょう。

投与を中止した場合のリバウンドについて

SURPASS-1の追跡データでは、40週の投与終了後4週間でHbA1cが0.2〜0.3%程度上昇し、体重もわずかに増加したことが報告されています。ただし、4週間の中断では劇的なリバウンドは起きておらず、大部分の参加者で血糖値と体重は「安定」または「わずかな変動」にとどまりました。

薬剤を急にやめることへの不安は当然ですが、短期間であれば治療効果が完全に失われるわけではありません。それでも自己判断で中止するのではなく、必ず担当医に相談してください。

主な副作用発生率(チルゼパチド群)特徴
吐き気12〜23%増量期に多く、継続で軽減
下痢13〜22%軽度〜中等度が大半
嘔吐5〜9%一過性の場合が多い
食欲低下9〜11%体重減少に関連

SURPASS-CVOT試験が示したマンジャロの心血管アウトカム|大規模長期データを読み解く

2025年に結果が発表されたSURPASS-CVOTは、13299名が参加し約4年間追跡された大規模心血管アウトカム試験で、マンジャロが心血管系に対して安全であることが確認されました。比較対象は心血管保護効果が実証済みのデュラグルチド(トルリシティ)です。

13000人以上が参加した大規模心血管試験の設計

SURPASS-CVOTは、30カ国640施設で実施されたイベント駆動型のランダム化二重盲検試験です。2型糖尿病で動脈硬化性心血管疾患を持つ成人が対象となり、チルゼパチド群とデュラグルチド1.5mg群に1対1で割り付けられました。

SURPASS-CVOT試験の主要データ

項目チルゼパチド群デュラグルチド群
MACE-3発生率12.2%13.1%
ハザード比0.92(95%CI: 0.83〜1.01)
体重変化-11.6%-4.5%
HbA1c変化-1.66%-0.88%

主要評価項目MACE-3で非劣性を達成

主要評価項目のMACE-3(心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合指標)において、チルゼパチド群の発生率は12.2%、デュラグルチド群は13.1%で、非劣性の基準を満たしました(P=0.003)。ハザード比は0.92で、チルゼパチドの方が数値上は8%低い結果です。

優越性の検定では統計的有意差に至りませんでしたが(P=0.09)、比較対象が心血管保護効果の確立されたデュラグルチドであることを踏まえると、この結果は非常に心強いものだといえます。

全死亡率の16%低下と腎機能保護の兆し

副次評価項目として、チルゼパチド群は全死亡率のハザード比が0.84(95%CI: 0.75〜0.94)と、16%の低下が報告されました。腎機能についてもチルゼパチド群で良好な傾向が見られており、4ポイントMACE(冠動脈血行再建を含む拡大指標)でも有意な改善が認められています。

体重変化においては、チルゼパチド群が-11.6%の減少であったのに対し、デュラグルチド群は-4.5%でした。HbA1cの低下幅もチルゼパチド群が上回っており、心血管安全性だけでなく代謝面の改善でもチルゼパチドの優位が示されています。

よくある質問

マンジャロのSURPASS試験で確認された体重減少効果はどの程度か?

SURPASS試験全体を通じて、チルゼパチド15mg群では約9.5kg(SURPASS-1)から最大12.9kg(SURPASS-3)の体重減少が報告されました。比較対象がセマグルチドだったSURPASS-2では、15mg群で-11.2kgとセマグルチドの-5.7kgを約5.5kg上回っています。

インスリン治療と併用したSURPASS-5でも15mg群で-8.8kgの減量が確認されており、さまざまな治療背景の患者さんで一貫した体重減少効果が得られています。ただし、効果の程度には個人差がありますので、必ず担当の医師と相談のうえ治療方針をご検討ください。

マンジャロとセマグルチドを直接比較した臨床試験の結果は?

SURPASS-2試験で、チルゼパチド(マンジャロ)とセマグルチド1mg(オゼンピック)の直接比較が行われました。40週後のHbA1c低下幅は、チルゼパチド15mgで-2.30%、セマグルチドで-1.86%であり、すべての用量で非劣性と優越性の両方が確認されています。

体重減少も、チルゼパチド15mg群が-11.2kgに対してセマグルチド群は-5.7kgでした。血糖管理と体重管理の双方でチルゼパチドがセマグルチドを上回った試験として注目されています。

マンジャロの臨床試験で報告された主な副作用にはどんなものがあるか?

SURPASS試験で報告された主な副作用は、吐き気(12〜23%)、下痢(13〜22%)、嘔吐(5〜9%)、食欲低下(9〜11%)といった消化器症状です。これらの症状は軽度から中等度のものが大半で、用量を段階的に増やす期間に出やすいと報告されています。

投与を継続するにつれて症状は軽減する傾向にあり、重篤な低血糖の発生率も非常に低い結果でした。単独投与のSURPASS-1では重篤な低血糖はゼロ、インスリンとの比較試験であるSURPASS-4でもインスリン群(19%)に対してチルゼパチド群は6〜9%にとどまっています。

マンジャロの心血管安全性はSURPASS試験でどのように評価されたか?

SURPASS-4では心血管リスクの高い2002名を対象に、最長104週間にわたってMACE-4(心血管死亡・心筋梗塞・脳卒中・不安定狭心症による入院)が評価されました。チルゼパチドとインスリン グラルギンを比較したハザード比は0.74で、心血管リスクの増加は認められていません。

さらに2025年に発表されたSURPASS-CVOTでは、13299名を約4年間追跡し、心血管保護効果が実証済みのデュラグルチドとの比較でMACE-3の非劣性が確認されました。全死亡率についてはハザード比0.84と16%の低下も報告されています。

マンジャロの5mg・10mg・15mgで効果にどのくらい差があるのか?

SURPASS試験全体を通じて、用量が高いほどHbA1c低下と体重減少の効果は大きくなる傾向が見られました。たとえばSURPASS-2のHbA1c低下幅は5mgで-2.01%、10mgで-2.24%、15mgで-2.30%です。体重減少も5mgの-7.6kgに対して15mgは-11.2kgと用量依存的に増大しています。

一方で、高用量になるほど消化器系の副作用が出やすくなる傾向もあります。5mgでも十分な効果を実感できる方もいらっしゃるため、効果と忍容性のバランスを見ながら、医師と一緒に適切な用量を決めていくことが大切です。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会