オゼンピックとマンジャロの副作用比較!強さや症状の違いを調査

オゼンピックとマンジャロの副作用比較!強さや症状の違いを調査

オゼンピック(セマグルチド)とマンジャロ(チルゼパチド)は、体重減少に効果が期待される注射薬ですが、副作用の種類や頻度には違いがあります。どちらも消化器症状が中心で、多くは軽度から中等度にとどまります。

マンジャロはGLP-1とGIPの2つの受容体に作用する薬で、オゼンピックはGLP-1のみに作用します。この違いが副作用の出方や強さにも影響を与えるため、自分の体質に合った選択が大切です。

両薬の副作用を症状別・用量別に比較し、消化器症状への対処法から薬の選び方まで、わかりやすく解説します。

目次 Outline

オゼンピックとマンジャロの副作用はどちらが強い?臨床データで比べる

結論から述べると、両薬の副作用の発生率はほぼ同等で、約50%の使用者が何らかの副作用を経験します。ただし、副作用の出方や種類には微妙な違いがあるため、自分の体質に合った選択が大切です。

比較項目オゼンピックマンジャロ
有効成分セマグルチドチルゼパチド
作用する受容体GLP-1のみGLP-1とGIP
副作用発生率約50.9%約51.0%
主な副作用消化器系消化器系

セマグルチドとチルゼパチドでは薬の作用経路が異なる

オゼンピックの有効成分であるセマグルチドは、GLP-1受容体のみを刺激して食欲を抑え、胃の動きを遅くする働きを持ちます。一方、マンジャロのチルゼパチドはGLP-1に加えてGIPという別のホルモン受容体にも作用する二重作用薬です。

この作用経路の違いが、副作用の出方にも影響を与えます。動物実験では、GIP受容体への作用が嘔吐を抑える方向に働く可能性が示唆されており、マンジャロのほうが吐き気を感じにくいケースもあるとの報告があります。

臨床試験で報告された副作用の発生率に大きな差はない

大規模な実地調査では、オゼンピック群で50.9%、マンジャロ群で51.0%の患者が何らかの副作用を経験しており、統計的に有意な差はみられませんでした。消化器症状が最も多く報告されている点も共通しています。

ただし、マンジャロ群では筋骨格系の症状やアレルギー反応がやや多く報告される一方、膵臓関連の副作用はオゼンピック群でやや高い頻度を示しました。個々の薬に特有の傾向が存在するため、副作用の「総量」だけでなく「内訳」にも注目する必要があります。

副作用の発現時期にも違いがみられる

マンジャロでは消化器症状や神経精神症状がより早い段階で出現する傾向があると報告されています。オゼンピックでは用量を段階的に増やしていく過程で症状が現れるケースが多く、増量期が終わると症状が落ち着く人も少なくありません。

副作用の出現時期を知っておくことで、症状が出たときに過度な不安を抱かずに済むでしょう。

副作用が原因で治療を中断する割合は同程度

副作用が原因で投薬を中止した割合も、両薬でほぼ同じ水準にとどまります。SURPASS-2試験ではマンジャロの中止率が5〜8%、オゼンピックが約4%と報告されており、大きな開きはありません。

どちらの薬でも重篤な副作用はまれであり、軽度から中等度の症状が大半を占めています。主治医と連携しながら用量を調整すれば、多くの方が治療を継続できます。

オゼンピック(セマグルチド)で多い副作用と特徴的な症状

オゼンピックで最も多い副作用は吐き気で、使用者のおよそ18%が経験します。消化器系の不調が中心ですが、用量の増加に伴い発生率も高まる傾向にあります。

吐き気・下痢・嘔吐が上位を占める消化器症状

SUSTAIN試験およびPIONEER試験の統合解析によると、皮下注射のオゼンピック使用者の約41.9%が何らかの消化器症状を報告しています。なかでも吐き気、下痢、嘔吐の3症状が目立ち、投与開始直後や増量時に出やすいのが特徴です。

ほとんどの症状は一過性で、数日から数週間で軽減します。しかし、なかには長引く方もいるため、症状が2週間以上続く場合は早めに担当医に相談することが大切です。

症状発生頻度
吐き気約17〜18%
下痢約11〜12%
嘔吐約8%
便秘約5〜6%
腹痛約5%

低血糖のリスクは単独使用なら低い

オゼンピック単独で使用した場合、重度の低血糖が起こるリスクは非常に低いとされています。ただし、SU薬やインスリンと併用する場合には低血糖のリスクが上がるため、他の薬を使っている方は担当医に必ず伝えてください。

低血糖の兆候には、冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感などがあります。これらの症状が出た場合はすぐにブドウ糖を摂取し、医師に報告しましょう。

膵炎や胆のう疾患の報告はまれだが注意が必要

オゼンピックの使用者で急性膵炎が報告される頻度は1%未満と低い水準です。胆石症や胆のう炎についても同様にまれですが、上腹部の強い痛みや背中に広がる痛みが生じた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

膵炎や甲状腺髄様がんの既往歴、あるいは家族歴のある方は使用できないケースがあります。治療を始める前に、担当医へこれらの情報を必ず伝えましょう。

マンジャロ(チルゼパチド)の副作用で注意したい症状と傾向

マンジャロもオゼンピックと同様に消化器系の副作用が中心ですが、GIPへの作用が加わることで、嘔吐がやや抑えられる一方、高用量での副作用が増える傾向が指摘されています。

二重受容体への作用がもたらす副作用パターン

マンジャロはGLP-1とGIPの両方に作用するため、食欲抑制とインスリン分泌促進の両面から効果を発揮します。GIP受容体への作用が嘔吐中枢を抑制する方向に働くという研究報告もあり、同等の減量効果をもたらしながら消化器系の副作用がやや軽い可能性も示唆されています。

もちろん個人差はありますが、この二重作用がマンジャロの副作用プロファイルをオゼンピックとは少し異なるものにしています。

用量が増えるほど消化器症状も増加する

メタアナリシスの結果では、マンジャロの消化器系副作用は用量依存的に増加することが明らかになっています。5mg投与群で約39%だった発生率が、15mg群では約49%に上昇しました。

  • 5mg群の吐き気:約17%、15mg群では約22%に上昇
  • 5mg群の下痢:約13%、15mg群でも約14%と横ばい
  • 嘔吐は5mg群で約6%、15mg群で約10%に増加

このように、特に吐き気と嘔吐は高用量で増える傾向があります。段階的に増量するスケジュールを守ることが、副作用を和らげるうえで欠かせません。

マンジャロ特有の筋骨格系症状やアレルギー反応

実地調査では、マンジャロ群でオゼンピック群より筋骨格系の症状やアレルギー反応がわずかに多い傾向が確認されています。筋肉痛や関節の違和感は一過性であることが多いものの、日常生活に支障が出る場合は用量の調整を検討する余地があります。

アレルギー症状としては注射部位の発赤やかゆみが代表的です。全身性の重篤なアレルギー反応は非常にまれですが、呼吸困難や顔の腫れが出た場合はただちに救急を受診してください。

オゼンピックとマンジャロの消化器系副作用を症状別に比較

2つの薬で最も共通する副作用は消化器症状です。吐き気、下痢、嘔吐、便秘、腹痛がいずれの薬でも上位を占めますが、発生率には微妙な差があります。

症状オゼンピックマンジャロ(15mg)
吐き気約18%約22%
下痢約12%約14%
嘔吐約8%約10%
便秘約6%約5%
腹痛約5%約5%

吐き気と嘔吐はマンジャロのほうがやや高い数値を示す

SURPASS-2試験の直接比較では、マンジャロ15mg群の吐き気が約22%に対し、オゼンピック1mg群は約18%でした。嘔吐もマンジャロ15mg群が約10%で、オゼンピックの約8%をやや上回っています。

一方で低用量のマンジャロ5mg群では吐き気が約17%とオゼンピックとほぼ同等です。高用量で差が広がる傾向があるため、用量調整が副作用のコントロールに直結するといえるでしょう。

下痢と便秘はどちらの薬でも同程度

下痢の発生率はオゼンピックで約12%、マンジャロ15mg群で約14%と、大きな差はありません。便秘についてもオゼンピックが約6%、マンジャロが約5%で、臨床的に意味のある差とまではいえない水準です。

消化器系の症状は胃腸の動きが変化することで生じるため、食事のとり方を工夫するだけでも軽減できる場合があります。

重篤な消化器系副作用のリスクは両薬とも低い

急性膵炎や腸閉塞といった重篤な消化器系副作用は、オゼンピックでもマンジャロでもごくまれにしか起こりません。両薬とも重篤な有害事象の発生率は3〜7%程度で、生命にかかわるような事態にはほとんど至らないとされています。

ただし、激しい腹痛が続く場合や嘔吐が止まらない場合は、膵炎の可能性を考えて速やかに医療機関へ相談してください。

副作用による投薬中止率は両薬とも一桁台にとどまる

副作用がつらくて薬をやめてしまう方の割合は、オゼンピックが約4%、マンジャロが5〜8%程度と報告されています。マンジャロはやや高い数値ですが、高用量群での中止が多いためであり、低用量群ではオゼンピックと同程度です。

副作用を理由に自己判断で中断すると、血糖コントロールや体重管理に悪影響が出る恐れがあります。中止を検討する前に、まず担当医へ相談しましょう。

副作用が出やすい人の特徴と用量調節の工夫

副作用の出やすさには個人差があり、体質や持病、投与量の上げ方によって大きく変わります。リスクを把握しておくことで、安心して治療を続けやすくなるでしょう。

消化器疾患の既往がある方は副作用リスクが高まる

もともと胃腸が弱い方や、過去に胃潰瘍・逆流性食道炎などの治療歴がある方は、吐き気や腹痛が出やすい傾向にあります。また、膵炎の既往がある方はGLP-1受容体作動薬の使用自体に制限がかかる場合があります。

糖尿病の合併症として糖尿病性胃不全麻痺がある方は、もともと胃の動きが低下しているため、さらに胃腸症状が強く出る可能性があるでしょう。治療開始前に現在の消化器の状態を担当医と共有してください。

段階的な増量で消化器症状は和らぐ

オゼンピックもマンジャロも、低用量から開始し、4週間ごとに段階的に増やしていく処方が一般的です。この段階的増量を守ることで、体が薬に慣れる時間を確保でき、消化器症状を軽減できると報告されています。

増量のペースを主治医が判断し、副作用の程度に応じて維持量を調整することが治療を長く続けるための鍵です。急いで高用量にすると副作用が強まるリスクがあるため、焦りは禁物でしょう。

日常生活で取り入れたい副作用軽減の工夫

消化器系の副作用を和らげるためには、食事と生活習慣の見直しが効果的です。少量ずつ分けて食べる、脂っこい食事を避ける、食後すぐに横にならないといった工夫で、胃腸への負担を減らせます。

  • 1回の食事量を減らして回数を増やす(1日4〜5回に分割)
  • 揚げ物や高脂肪食はなるべく控える
  • 水分をこまめに補給し、脱水を予防する
  • 食後30分は上半身をやや起こした姿勢を保つ

これらの工夫を取り入れても症状が改善しない場合は、制吐薬などの併用も選択肢に入ります。担当医に遠慮なく症状を伝えましょう。

副作用と減量効果のバランスでオゼンピックとマンジャロを選ぶ

薬選びでは副作用の強さだけに目を向けず、体重減少効果とのバランスを総合的に判断することが大切です。マンジャロのほうがやや強い減量効果を示す一方、副作用の傾向も異なります。

マンジャロはオゼンピックより減量幅が大きい

SURMOUNT-5試験では、72週時点でマンジャロ群が平均20.2%、オゼンピック群が平均13.7%の体重減少を達成しました。その差は6.5ポイントに及び、統計的にも有意な結果が得られています。

体重が10%以上減った人の割合も、マンジャロ群で81.6%に対してオゼンピック群では60.5%でした。より大きな減量を目指す場合、マンジャロが有力な候補となるでしょう。

減量達成率オゼンピックマンジャロ
10%以上減量60.5%81.6%
15%以上減量40.1%64.6%
20%以上減量27.3%48.4%

副作用と効果のバランスは主治医と一緒に判断する

「副作用が少ない薬=良い薬」とは限りません。効果が高い薬ほど体への作用も大きくなり、副作用が出やすくなる傾向は避けられない部分があります。

自分にとって最善の選択をするには、減量の目標値、持病やアレルギーの有無、副作用へのとらえ方などを担当医と率直に話し合うことが欠かせません。臨床データを参考にしつつ、自分の体質に合った薬を見つけていきましょう。

自己判断での中断や薬の切り替えは避ける

副作用がつらいからといって突然やめてしまうと、体重がリバウンドしたり血糖値が急上昇したりする恐れがあります。薬を中止した後の薬の中止後に体重が戻る可能性を複数の臨床試験が示しており、慎重な判断が必要です。

オゼンピックからマンジャロへの切り替え、あるいはその逆についても、医師の管理のもとで行うことが原則です。副作用を感じた際は、まず用量の調整で改善できないかを相談してみてください。

よくある質問

オゼンピックの副作用で最も報告が多い症状は何ですか?

オゼンピック(セマグルチド)の副作用で最も多く報告されている症状は吐き気です。臨床試験では使用者の約17〜18%が吐き気を経験しており、次いで下痢(約12%)、嘔吐(約8%)の順に多くなっています。

これらの消化器症状は投与開始時や増量時に出やすく、体が薬に慣れるにつれて軽減するケースがほとんどです。症状が長く続く場合は担当医に相談し、用量の調整を検討してもらいましょう。

マンジャロの副作用はオゼンピックより強いのですか?

マンジャロの副作用がオゼンピックより強いとは一概にいえません。大規模調査では、両薬の副作用発生率はともに約50〜51%でほぼ同等です。マンジャロは高用量になると吐き気や嘔吐がやや増える傾向がありますが、低用量ではオゼンピックと同程度にとどまります。

GIP受容体への作用が嘔吐を抑制する方向に働くとの研究報告もあり、副作用の「強さ」は用量や個人の体質によって大きく変わります。どちらが自分に合うかは主治医と相談して判断してください。

オゼンピックやマンジャロの消化器系副作用はいつ頃おさまりますか?

消化器系の副作用は、多くの場合、投与開始から数日〜数週間で徐々に軽くなります。臨床試験でも、吐き気や下痢などの症状は投与初期や増量時に集中しており、維持量に到達したあとは落ち着く傾向が報告されています。

ただし、個人差があるため、2週間以上症状が改善しない場合や日常生活に支障をきたすほど強い場合は、我慢せずに担当医へ相談することを強くおすすめします。用量の一時的な引き下げや制吐薬の併用で対応できる場合があります。

オゼンピックとマンジャロを同時に使用することはできますか?

オゼンピックとマンジャロの同時使用は、一般的に推奨されていません。両薬はGLP-1受容体に作用する点で共通しており、併用すると消化器系の副作用が増強されるリスクが高まります。

通常、いずれか一方の薬を選択し、効果と副作用のバランスを見ながら用量を調整するのが標準的な治療方針です。現在の薬で十分な効果が得られない場合は、自己判断で追加せず、必ず主治医と次の治療戦略を話し合ってください。

マンジャロの副作用による体重減少は薬の効果と別のものですか?

マンジャロの体重減少は、消化器系の副作用ではなく、主に食欲抑制やインスリン分泌調整といった薬理作用そのものによるものと考えられています。SURPASS試験の分析では、吐き気や下痢を経験しなかった患者群でも有意な体重減少が確認されており、副作用と減量効果は別の経路で生じていることが示されました。

副作用で食事量が減って一時的に体重が落ちることはあっても、薬による本質的な減量効果とは区別して捉える必要があります。副作用がない状態でも安定した体重減少が期待できるのが、これらの薬の大きな特徴です。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会