サクセンダとマンジャロを比較!効果・費用・注射頻度の違い

サクセンダとマンジャロを比較!効果・費用・注射頻度の違い

サクセンダとマンジャロは同じGLP-1関連の注射薬でありながら、減量効果・投与頻度・費用のいずれも大きく異なります。臨床試験のデータではマンジャロのほうが体重減少率は高く、注射も週1回で済むため負担が軽い傾向です。

一方サクセンダは、0.6mg刻みで用量を細かく調整できるため副作用への対応が柔軟であり、毎日のルーティンに組み込みやすい方には向いています。

この記事では両剤の有効成分・減量データ・料金・副作用・向いている人の違いを網羅的に比較し、薬選びに迷ったときの判断材料を整理しました。

目次 Outline

サクセンダとマンジャロはどちらが痩せる?減量効果を数字で比較

マンジャロのほうがサクセンダよりも大きな体重減少をもたらすことが、複数の臨床試験で繰り返し示されています。ただし、効果の出方には個人差があり、薬だけでなく食事や運動などの生活習慣も結果を左右します。

サクセンダ(リラグルチド)で報告された体重減少率

サクセンダの有効成分であるリラグルチドは、GLP-1受容体作動薬として開発され、体重管理目的では1日1回3.0mgを皮下注射します。大規模臨床試験であるSCALE試験では、56週間の投与で参加者の平均体重が約8.0%減少しました。プラセボ群の約2.6%減と比べると、約5ポイント上回る数値です。

体重の5%以上を減らせた人の割合は約63%にのぼり、3人に2人近くが臨床的に意味のある減量を達成しています。効果は投与開始後4〜8週目あたりから実感しやすく、半年ほどかけてゆるやかにピークに向かう傾向です。

マンジャロ(チルゼパチド)が臨床試験で示した減量幅

マンジャロの有効成分チルゼパチドは、GLP-1とGIPという2つのインクレチンホルモンの受容体に同時に作用する「二重受容体作動薬」です。SURMOUNT-1試験では、72週間の投与で用量に応じて体重が平均15.0〜20.9%減少しました。

もっとも高用量の15mgを使用した群では、参加者の約57%が20%以上もの体重減少を達成しています。プラセボ群の体重減少率は約2.4%にとどまったため、その差は歴然でしょう。SURMOUNT-1試験の3年間追跡データでは、減量効果が長期にわたって持続することも確認されました。

直接比較の研究データから見える効果の差

リラグルチドとチルゼパチドを直接比較した実臨床データでは、36週時点でチルゼパチド群のほうがリラグルチド群よりも統計的に有意に大きな体重減少を達成しています。12か月の追跡では、チルゼパチドの体重減少率が約10.9%であったのに対し、リラグルチドは約7.1%でした。

比較項目サクセンダマンジャロ
平均体重減少率約5〜8%約15〜21%
5%以上減量達成率約63%約85〜91%
効果のピーク時期約6か月約12〜18か月

数値だけを見ればマンジャロが優位ですが、サクセンダでも十分な減量に成功している方は多くいます。大切なのは自分の体質や目標に合った薬を選ぶことであり、数字の大小だけで判断しないほうが賢明です。

食欲を抑える仕組みから違う、サクセンダとマンジャロの有効成分を比較

サクセンダはGLP-1受容体のみに、マンジャロはGLP-1とGIPの2つの受容体に作用し、この作用経路の違いが減量効果の差に直結しています。

GLP-1受容体だけに働くサクセンダ

サクセンダの有効成分リラグルチドは、ヒトのGLP-1と97%同一のアミノ酸配列を持つ合成ペプチドです。食後に小腸から分泌されるGLP-1の働きを模倣することで、脳の視床下部にある満腹中枢に作用し、食欲を自然に抑えます。

胃の内容物の排出を遅らせる効果もあるため、食事のあとに満腹感が長く続きやすくなります。こうした二つの作用が組み合わさることで、1日の摂取カロリーが減り、体重が落ちるという流れです。

GLP-1とGIPの二重受容体に働くマンジャロ

マンジャロの有効成分チルゼパチドは、GLP-1だけでなくGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)の受容体にも結合します。GIPはもともと脂肪組織や脳にも受容体が存在し、エネルギー代謝に関わるホルモンです。

GIPとGLP-1が同時に刺激されると、食欲抑制に加えて脂肪の燃焼やインスリン感受性の改善も促進され、単剤では得られない相乗的な体重減少につながると考えられています。前臨床研究の段階から、GIPの追加がGLP-1単独を上回るエネルギー消費をもたらすことが報告されていました。

作用の違いが体重と代謝に及ぼす影響

GLP-1のみに作用するサクセンダでも、体重減少に伴い血圧やコレステロール値の改善が見込めます。一方、マンジャロはGIPを介した作用により、中性脂肪の低下幅がサクセンダよりも大きいという報告があります。

マンジャロでは、体重減少のうち約75%が脂肪量の減少であったとするデータもあり、筋肉量の過度な低下を抑えつつ脂肪を優先的に減らせる可能性が示唆されています。こうした代謝面の違いは、ダイエットだけでなく血糖値や脂質異常が気になる方にとって見逃せないポイントです。

  • サクセンダ:GLP-1受容体のみに作用し、食欲抑制と胃排出遅延で減量
  • マンジャロ:GLP-1+GIP受容体の二重作用で、食欲抑制に加え脂肪燃焼の促進も期待できる

毎日か週1回か、サクセンダとマンジャロの注射頻度と投与方法の違い

注射の頻度はサクセンダが毎日、マンジャロが週1回です。生活リズムや自己管理の負担に直結するため、薬の効果と同じくらい慎重に比較してください。

サクセンダは毎日1回の皮下注射

サクセンダは1日1回、決まった時間帯に皮下注射を行います。投与量は0.6mgから始めて、1週間ごとに0.6mgずつ増やし、最終的に3.0mgまで引き上げるのが標準的な用量調節スケジュールです。

毎日注射が必要というのは手間に感じる方もいるかもしれません。しかし、0.6mg刻みで段階的に量を増やせるため、吐き気などの消化器症状が出た場合に柔軟な用量調整がしやすいという利点もあります。注射部位はお腹・太もも・上腕のいずれかを日ごとに変えるのが推奨されています。

マンジャロは週1回の投与で手間が少ない

マンジャロは週に1回、同じ曜日に皮下注射するだけで済みます。開始用量は2.5mgで、4週ごとに5mg → 7.5mg → 10mg → 12.5mg → 15mgと段階的に増量していきます。忙しい方や注射の回数を減らしたい方にとって、週1回は大きなメリットでしょう。

曜日さえ覚えておけば注射のし忘れが起きにくく、旅行や出張のスケジュールにも合わせやすい点が好まれています。ただし用量の刻みがサクセンダよりも大きいため、副作用が出たときの微調整はやや限られることがあります。

比較項目サクセンダマンジャロ
投与頻度毎日1回週1回
開始用量0.6mg2.5mg
維持用量3.0mg5〜15mg
増量ペース週ごとに0.6mg4週ごと

ペン型注射器の使いやすさと保管の注意点

サクセンダもマンジャロも、使い捨てまたはカートリッジ交換式のペン型デバイスで投与します。針の付け替えやダイヤル操作はどちらもシンプルで、医療者から指導を受ければ初めてでも問題なく扱えるでしょう。

保管はいずれも冷蔵庫(2〜8℃)が基本です。サクセンダは使用開始後30日以内に使い切る必要があり、マンジャロは使い切りのシングルドーズペンなので保管期限をあまり気にせず済みます。旅行などで持ち運ぶ際は、保冷バッグや保冷剤を使って温度管理を徹底してください。

費用はいくらかかる?サクセンダとマンジャロの料金相場を比較

「効果が高くても、続けられないほど高額では意味がない」——これは多くの方が抱く当然の心配です。日本では両剤とも肥満治療目的の場合は自由診療扱いが一般的で、クリニックごとに価格が異なります。

サクセンダの1か月あたりの目安費用

サクセンダは1本あたりおよそ2万〜3万円で販売しているクリニックが多く、維持用量の3.0mgで使用した場合、月に2〜3本が必要になります。そのため1か月あたりの薬剤費は約4万〜8万円程度が目安です。

初回のカウンセリング料や血液検査の費用が別途かかることもあるため、総額はもう少し上振れする可能性があります。通院頻度はクリニックにより異なりますが、毎月〜2か月ごとの受診が一般的でしょう。

マンジャロの1か月あたりの目安費用

マンジャロは週1回の使い切りペンで、低用量(2.5〜5mg)の場合は1本あたり約1.5万〜2万円、高用量(10〜15mg)では約3万〜4万円が相場です。月4回分として計算すると、低用量期で約6万〜8万円、高用量期で約12万〜16万円になるケースもあります。

サクセンダと比べると高用量になるほど費用が上がりやすい傾向があるものの、減量幅が大きいぶん治療期間を短縮できる可能性があり、トータルで見た費用対効果は単純比較できません。

長期治療で考えるコストパフォーマンス

費用対効果の研究では、チルゼパチド(マンジャロ)はリラグルチド(サクセンダ)と比較して短期的なQALY(質調整生存年)あたりのコスト効率が良好であったと報告されています。月額の単価だけで判断せず、どの程度の減量が何か月で達成できるかという視点が欠かせません。

比較項目サクセンダマンジャロ
月額費用の目安約4万〜8万円約6万〜16万円
治療期間の目安6〜12か月以上6〜12か月以上

クリニックによっては、初回割引や定期プランを設けている場合もあります。費用は治療を続けるモチベーションに直結するため、事前に複数のクリニックで見積もりを取ることをおすすめします。

副作用と安全性で比較するサクセンダとマンジャロの注意点

サクセンダとマンジャロのどちらを選んでも、消化器系の副作用はある程度覚悟が必要です。ただし症状の種類や頻度には違いがあり、事前に知っておくことで冷静に対処できます。

共通する消化器系の副作用

吐き気・嘔吐・下痢・便秘は、サクセンダにもマンジャロにも共通して報告される代表的な副作用です。いずれも投与初期や増量のタイミングで出やすく、多くの場合は軽度〜中等度にとどまり、体が慣れるにつれて徐々に軽減します。

症状が出た場合は無理をせず、食事を少量ずつ分けて取る、脂っこい食事を控えるといった対策で和らぐことが多いでしょう。それでも改善しないときは、担当医に相談して用量の調整を検討してください。

サクセンダで気をつけたいリスク

サクセンダ特有の注意点として、低血糖のリスクが挙げられます。単独使用ではまれですが、他の糖尿病治療薬と併用している場合は血糖値が下がりすぎることがあるため、注意が必要です。また、膵炎のリスクについても添付文書で言及されており、激しい腹痛が続く場合はすぐに医療機関を受診してください。

実臨床のデータでは、消化器系の副作用がマンジャロよりもサクセンダのほうがやや頻度が高かったという報告もあります。これは毎日投与のため薬剤への暴露頻度が多いことが一因と考えられています。

マンジャロの副作用と中断率

マンジャロの臨床試験では、副作用による治療中断率は4〜7%程度と報告されています。消化器症状のほとんどは用量を段階的に引き上げている期間に集中し、維持用量に到達した後は落ち着く傾向です。

重篤な副作用として、急性膵炎や胆嚢関連の問題がまれに報告されていますが、頻度は低く、臨床的に大きな問題にはなっていません。甲状腺髄様がんの家族歴がある方やMEN2(多発性内分泌腫瘍症2型)の方は使用できないため、事前のスクリーニングが大切です。

  • 消化器症状はどちらの薬でも起こりうるが、多くは一過性で生活に支障をきたすほどではない
  • 持病や併用薬によってリスクが変わるため、自己判断での開始・中止は避ける

サクセンダとマンジャロ、自分に合う薬はどちらか

どちらが「正解」ということはなく、ライフスタイル・減量目標・体質によって向いている薬は異なります。以下のポイントを参考に、医師と一緒に判断してください。

注射回数の負担を減らしたいならマンジャロ

仕事や家事で忙しく、毎日の注射を習慣にする自信がない方には、週1回で済むマンジャロが適しているかもしれません。投与を忘れにくいことは治療の継続率を高め、結果として減量効果を引き出すことにもつながります。

逆に「毎日のルーティンに組み込むほうが忘れない」というタイプの方もいます。自分の性格や生活パターンに合わせて判断しましょう。

細やかな用量調整を求めるならサクセンダ

副作用に敏感な方や、過去にGLP-1関連の薬で吐き気が強く出た経験がある方は、0.6mg刻みで増減できるサクセンダのほうが安心感があるでしょう。用量をゆっくり上げていけるため、体への負担を最小限にしながら治療を進められます。

また、すでに他のクリニックでサクセンダの使用実績がある場合は、切り替えのリスクを取らずそのまま継続するのも一つの選択です。

医師との相談で確認しておきたいこと

薬を決める前に、現在の体重・BMI・持病(糖尿病・甲状腺疾患・膵臓の病気など)・服用中の薬をすべて医師に伝えてください。これらの情報がそろって初めて、安全に使える薬を絞り込めます。

減量目標と治療期間の見通しを立てることも大切です。「何キロ落としたいのか」「いつまでに達成したいのか」を具体的に共有することで、医師は用量や治療スケジュールの提案がしやすくなります。費用についても遠慮なく聞いておきましょう。

判断ポイントサクセンダ向きマンジャロ向き
注射頻度毎日のルーティンが得意週1回で済ませたい
用量調整細かく調整したい大幅な減量を狙いたい
予算月額を抑えたい短期集中で効果を求める

よくある質問

サクセンダとマンジャロの減量効果にはどのくらいの差がありますか?

臨床試験のデータでは、サクセンダの平均体重減少率が約5〜8%であるのに対し、マンジャロは約15〜21%と報告されています。実臨床の直接比較でも、12か月時点でマンジャロ(チルゼパチド)群のほうが約3〜4ポイント大きい減量を示しました。

ただし、効果の出方は体質や食事・運動の状況によって個人差があります。数値だけで優劣を判断するのではなく、生活習慣の改善とセットで取り組むことが、どちらの薬を使う場合にも大切です。

マンジャロの注射は痛みを感じやすいですか?

マンジャロの注射針は非常に細く短いため、痛みはほとんど感じない方が多いです。使い切りのオートインジェクター型ペンは、ボタンを押すだけで薬液が自動的に注入される設計になっており、初めての方でも操作しやすくなっています。

注射部位をお腹・太もも・上腕の中でローテーションすると、同じ場所に繰り返し注射することによる皮膚の硬結を防げます。注射に強い不安がある場合は、初回にクリニックで実際の手順を見せてもらうと安心でしょう。

サクセンダからマンジャロへ途中で切り替えることはできますか?

医師の判断のもとであれば、サクセンダからマンジャロへの切り替えは可能です。切り替えのタイミングや休薬期間については、現在の用量や副作用の状態、体重の推移を総合的に評価した上で決定します。

自己判断で突然やめたり、同時に両方を使用したりすることは安全上のリスクがあるため避けてください。切り替えを希望する場合は、現在処方を受けている医療機関で相談するのが確実です。

サクセンダやマンジャロの使用中に食事制限は必要ですか?

サクセンダもマンジャロも、食事療法と運動療法を併用することで減量効果が高まります。薬の作用で食欲が自然に抑えられるため、極端なカロリー制限は必要ありませんが、栄養バランスのとれた食事を意識することは欠かせません。

たんぱく質を十分に摂りながら、脂質や糖質の過剰摂取を控えるのが基本的な方針です。飲酒は薬の効果を弱める可能性があるため、控えめにするのが望ましいでしょう。具体的な食事プランは、担当の医師や管理栄養士に相談して決めてください。

サクセンダとマンジャロの副作用で治療を中断する人はどのくらいいますか?

臨床試験のデータによると、副作用を理由に治療を中断した割合は、サクセンダで約6〜10%、マンジャロで約4〜7%と報告されています。中断の原因で最も多いのは吐き気や嘔吐などの消化器症状で、とくに増量期に起こりやすい傾向です。

多くの場合、用量を一段階戻すか増量のペースをゆっくりにすることで症状が改善し、治療を継続できます。副作用が出たからといってすぐに中止するのではなく、まず医師に相談して対策を検討することが大切です。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会