近年、薄毛や抜け毛の悩みを抱える人が増えている印象を受けます。はげる人には生活習慣や頭皮環境、食生活などにいくつかの共通した特徴が見られる場合があります。

これらの特徴を理解し、早期に対策を講じることが、健康な髪を維持する上で非常に重要です。

この記事では、薄毛につながる可能性のある様々な特徴を医学的な観点から詳しく解説し、今日から実践できる予防のポイントを紹介します。

はげる人に共通する生活習慣の特徴

はげる人には、睡眠不足や過度なストレス、運動不足といった血行不良を招く生活習慣が共通して見られます。これらの習慣は髪の成長を妨げ、薄毛の直接的な原因となり得ます。

睡眠不足と不規則な生活リズム

髪の毛は、毛母細胞が分裂を繰り返して成長します。この細胞分裂を促す成長ホルモンは、主に睡眠中に分泌されます。

眠り始めてから最初の3時間に訪れる「ノンレム睡眠(深い眠り)」の間に最も多く分泌されるため、睡眠の質と量は髪の健康に直結します。

睡眠不足が続いたり、夜更かしなどで生活リズムが乱れたりすると、成長ホルモンの分泌が減少して毛母細胞の活動が低下します。その結果、髪の成長が妨げられ、抜け毛や薄毛の原因となるのです。

睡眠の質を高めるためのポイント

項目内容理由
就寝前のスマホ操作を控える就寝1〜2時間前には使用をやめるブルーライトが脳を覚醒させ、入眠を妨げるため
カフェイン・アルコールの制限夕方以降は摂取を控える利尿作用や覚醒作用が睡眠の質を低下させるため
快適な寝室環境適切な温度・湿度、静かな環境を整える心身がリラックスし、深い眠りに入りやすくなるため

過度なストレスと心身への影響

ストレスは万病のもとと言われますが、髪にも深刻な影響を与えます。

強いストレスを感じると自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になります。交感神経が活発になると血管が収縮するため、頭皮の血行が悪化します。

頭皮の血行不良は、髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛根に届きにくくなる原因となり、抜け毛を引き起こします。

また、ストレスはホルモンバランスの乱れも引き起こし、男性ホルモンの影響を強めてしまう可能性も指摘されています。

運動不足による血行不良

デスクワークが中心で日常的に運動する機会が少ない方は、全身の血行が悪化しがちです。心臓から最も遠い頭部は、特に血行不良の影響を受けやすい部位です。

血行が悪くなると髪の成長に必要な栄養が毛乳頭や毛母細胞に行き渡らなくなり、髪が細くなったり、抜けやすくなったりします。

定期的な運動は血行を促進し、ストレス解消にもつながるため、健康な髪を育む上で重要な役割を果たします。

はげる人に共通する頭皮環境の特徴

はげる人に共通する頭皮環境には、皮脂の過剰分泌または乾燥、間違ったヘアケアによる負担、そして血行不良による頭皮の硬化が見られます。これらは健康な髪が育つ土壌を損なう直接的な原因です。

頭皮の皮脂が多い、または乾燥している

頭皮の皮脂分泌が過剰になると、毛穴が詰まりやすくなります。

詰まった毛穴では雑菌が繁殖し、炎症(脂漏性皮膚炎など)を引き起こす場合があります。この炎症が毛根にダメージを与え、抜け毛の原因となります。

一方で、頭皮が乾燥しすぎている場合も問題です。乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなります。

フケやかゆみが発生しやすくなり、頭皮を掻きむしると毛根を傷つけてしまう危険性があります。

頭皮タイプ別ケア方法

頭皮タイプ特徴推奨されるケア
脂性肌タイプベタつき、ニオイ、毛穴の詰まり洗浄力の適度なシャンプーで余分な皮脂を落とす
乾燥肌タイプフケ、かゆみ、つっぱり感保湿成分配合のシャンプーや頭皮用ローションで潤いを補う
混合肌タイプ部分的にベタつきと乾燥が混在刺激の少ないアミノ酸系シャンプーで優しく洗う

間違ったヘアケアによる頭皮への負担

良かれと思って行っているヘアケアが、実は頭皮に負担をかけているケースは少なくありません。

例えば、洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥を招きます。逆に、すすぎが不十分でシャンプーやコンディショナーが頭皮に残ると、毛穴詰まりや炎症の原因になります。

また、1日に何度もシャンプーをしたり、爪を立ててゴシゴシ洗ったりする行為も、頭皮を傷つけバリア機能を低下させるため避けるべきです。髪や頭皮の状態に合った正しいヘアケアを実践しましょう。

頭皮の硬さや血行の状態

健康な頭皮はある程度の弾力があり、指で動かすと柔らかく動きます。しかし、血行不良やストレスなどによって頭皮が硬くなっている人は注意が必要です。

頭皮の硬さはその下にある筋肉が凝り固まり、血流が滞っているサインです。このような状態では、髪の毛を作る毛母細胞に十分な栄養が届かず、健康な髪が育ちにくくなります。

セルフチェックとして、両手の指の腹で頭皮全体を動かしてみてください。前後左右にスムーズに動かない場合は、頭皮が硬くなっている可能性があります。

はげる人に共通する食生活の特徴

はげる人には、髪の主成分となるタンパク質やその生成を助ける栄養素が不足している、栄養バランスの偏った食生活が共通して見られます。また、高脂肪食や過度なダイエットも薄毛の要因となります。

栄養バランスの偏り

髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質です。そのため、タンパク質の摂取量が不足すると髪が細くなったり、弱くなったりします。

しかし、タンパク質だけを摂取すれば良いわけではありません。摂取したタンパク質を髪の毛として合成する過程では、亜鉛やビタミン類などの栄養素が重要な役割を果たします。

これらの栄養素が一つでも不足すると、髪の生成はスムーズに行われません。バランスの取れた食事が、健康な髪を育む基本です。

髪の成長を助ける主な栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
タンパク質髪の主成分であるケラチンを構成肉、魚、卵、大豆製品
亜鉛タンパク質の合成を助ける牡蠣、レバー、牛肉(赤身)
ビタミンB群頭皮の新陳代謝を促進し、皮脂分泌を調整豚肉、うなぎ、マグロ、納豆

高脂肪・高カロリーな食事

揚げ物やジャンクフード、脂質の多い肉類など、高脂肪・高カロリーな食事は、皮脂の過剰分泌を招きます。

頭皮の皮脂が増えると毛穴が詰まりやすくなり、脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルを引き起こすリスクが高まります。

また、血液中のコレステロールや中性脂肪が増加し、血液がドロドロになるため血行不良を招く一因ともなります。その結果、髪に必要な栄養が届きにくくなり、薄毛の進行を助長する可能性があります。

過度なダイエットによる栄養不足

急激な体重減少を目的とした過度な食事制限は、体に必要な栄養素が全体的に不足する状態を引き起こします。

体は生命維持に重要な臓器へ優先的に栄養を送るため、髪や爪など生命維持との関連が低い末端部分への栄養供給は後回しにされます。

結果として髪の毛を作るための栄養が不足し、抜け毛が急増する場合があります。これを「休止期脱毛」と呼びます。健康的に痩せるためにも、栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。

はげる人に共通する身体的な特徴

はげる人の身体には、AGA(男性型脱毛症)特有の生え際の後退や頭頂部の薄毛、髪質の軟毛化(細く柔らかくなる)、頭皮の炎症といったサインが現れるケースが多くあります。

これらは薄毛が進行していることを示す重要な兆候です。

AGA(男性型脱毛症)のサイン

成人男性の薄毛の多くはAGAが原因です。

AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きによって、より強力なジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるために発症します。

このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合すると、髪の成長期が短縮され、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。

このため、髪の毛が全体的に軟毛化(細く短い毛)し、地肌が透けて見えるようになります。

AGAの主な進行パターン

タイプ特徴進行の仕方
M字型額の生え際が両サイドから後退するアルファベットの「M」のように見える
O字型頭頂部(つむじ周り)から薄くなる上から見るとアルファベットの「O」のように見える
U字型額の生え際全体が後退するM字型が進行してつながった状態

髪質の変化(細くなる・柔らかくなる)

「昔に比べて髪にハリやコシがなくなった」「髪が細く、柔らかくなった」と感じる場合、それは薄毛の初期サインかもしれません。

これは、AGAや血行不良、栄養不足などによってヘアサイクル(毛周期)が乱れ、髪の毛が十分に成長しきれていない状態を示しています。

通常、髪の毛は2〜6年の成長期を経て太く長く育ちますが、ヘアサイクルが乱れるとこの成長期が数ヶ月〜1年に短縮されてしまいます。

その結果、細く短い「軟毛」の割合が増え、全体のボリュームがダウンして見えるのです。

頭皮のかゆみやフケ、赤み

頭皮のかゆみやフケ、赤みといった症状は、頭皮環境が悪化しているサインです。これらの症状は、乾燥や皮脂の過剰分泌、アレルギーや間違ったヘアケアなど、様々な原因で起こる皮膚炎の兆候と考えられます。

頭皮に炎症が起きている状態が続くと毛根にダメージが及び、健康な髪の育成が妨げられます。

特に、ベタベタとした湿ったフケが出る場合は、皮脂の過剰分泌による脂漏性皮膚炎の可能性があり、抜け毛を伴うケースも多いため注意が必要です。

遺伝と薄毛の関係性 – 親がはげていると自分もはげるのか

「父親や祖父が薄毛だから、自分も将来はげるのでは」と心配される方は多いでしょう。

薄毛、特にAGA(男性型脱毛症)の発症には、遺伝が深く関与していることが分かっています。

AGAの発症に関わる遺伝子

AGAの発症には、主に2つの遺伝的要素が関係していると考えられています。

一つは、男性ホルモンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する「5αリダクターゼの活性度」です。この酵素の活性度が高い体質は遺伝します。

もう一つは、DHTを受け取る「男性ホルモン受容体の感受性」です。この受容体の感受性が高いとDHTの影響を受けやすく、薄毛が進行しやすくなります。

この感受性の高さも遺伝による影響が大きいことが知られています。

遺伝子は母方から受け継がれやすい?

男性ホルモン受容体の感受性に関する遺伝子は、性染色体であるX染色体上に存在します。

男性は母親からX染色体、父親からY染色体を受け継ぐため、この男性ホルモン受容体の感受性については、母方の家系の影響を強く受けることになります。

つまり、母方の祖父や叔父に薄毛の人がいる場合、自分も薄毛になる可能性が高まる、という説の根拠はここにあります。

しかし、5αリダクターゼの活性度など他の遺伝要素も関わるため、一概に母方の遺伝だけで決まるわけではありません。

遺伝リスクのセルフチェック

チェック項目父方の家系母方の家系
祖父は薄毛ですか?はい / いいえはい / いいえ
父親は薄毛ですか?はい / いいえ
叔父(伯父)は薄毛ですか?はい / いいえはい / いいえ

上記に「はい」が多いほど、AGAを発症する遺伝的素因を持っている可能性が高いと考えられますが、あくまで目安です。

遺伝だけが原因ではない

薄毛の要因が遺伝だけにあるわけではありません。遺伝的な素因を持っていたとしても、必ずしも薄毛が発症・進行するとは限りません。

先述したような、生活習慣や食生活、ストレスや頭皮環境といった後天的な要因が複雑に絡み合って、薄毛が進行します。

遺伝的リスクが高い方ほど、これらの後天的な要因に気を配り、早期からの予防開始が健康な髪を長く維持するために重要になります。

今すぐ始められる薄毛予防のポイント

薄毛予防の基本は、髪の成長に必要な栄養を摂る「バランスの取れた食事」、成長ホルモンの分泌を促す「質の高い睡眠」、そして頭皮環境を清潔に保つ「正しいシャンプー方法」の3つの実践です。

バランスの取れた食事を意識する

髪の健康を維持するためには、特定の食品だけを食べるのではなく、多様な食材から栄養をバランス良く摂取するのが基本です。

なかでも髪の主成分であるタンパク質、その合成を助ける亜鉛、頭皮の健康を保つビタミン類は積極的に摂りたい栄養素です。

外食やコンビニ食が多くなりがちな方は、意識して野菜や大豆製品、海藻類などを食事に加える工夫をしましょう。

食事で意識したいこと

  • 1日3食を基本とする
  • 主食・主菜・副菜を揃える
  • 加工食品やインスタント食品を控える
  • 様々な色の食材を取り入れる

質の高い睡眠を確保する

髪の成長に欠かせない成長ホルモンは睡眠中に分泌されます。毎日7時間程度の睡眠時間を確保することを目標にしましょう。

時間だけでなく、睡眠の質も重要です。就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えましょう。

ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、軽いストレッチをしたりするのも、質の高い睡眠につながります。

正しいシャンプー方法を身につける

毎日行うシャンプーは、頭皮環境を左右する重要なケアです。正しい方法を実践すると、頭皮を清潔に保ち、健やかな状態を維持できます。

以下の手順を参考に、今日から見直してみてください。

正しいシャンプーの基本手順

手順ポイント目的
1. ブラッシングシャンプー前に髪のもつれをほどくホコリや汚れを浮かせ、シャンプーの泡立ちを良くする
2. 予洗いぬるま湯で1〜2分、頭皮と髪をしっかり濡らす髪の汚れの約7割を落とし、シャンプーの使用量を減らす
3. 洗う・すすぐ指の腹で頭皮をマッサージするように洗い、十分にすすぐ頭皮の血行促進と、洗浄成分の残留を防ぐ

薄毛治療を検討するタイミング

セルフケアで改善が見られない場合や、抜け毛の増加・髪質の変化が明らかに感じられるようになった時が、専門クリニックでの薄毛治療を検討するタイミングです。特にAGAは早期治療が効果的です。

抜け毛の量や髪質の変化が気になるとき

「シャンプーやドライヤーの後の抜け毛が明らかに増えた」「髪が細くなり、地肌が透けて見えるようになってきた」など、客観的に見て変化を感じるようになったら、それは専門家へ相談するサインです。

薄毛は早期に治療を開始するほど、改善の効果を実感しやすくなります。

自己判断で様子を見ている間に、症状が進行してしまうケースも多いため、少しでも気になったら早めに受診を検討しましょう。

セルフケアで効果を感じられないとき

市販の育毛剤やサプリメント、頭皮マッサージなどを一定期間試してみても抜け毛が減らなかったり、むしろ薄毛が進行しているように感じたりする場合は、AGAなど医学的な治療が必要な状態である可能性が高いです。

市販の製品には、AGAの進行を直接的に抑制する効果を持つ成分は含まれていません。

原因に合った適切な取り組みを行うためにも、専門のクリニックで診断を受けることが重要です。

専門クリニックでの治療とは

AGA・薄毛治療クリニックでは医師による診察のもと、医学的根拠に基づいた治療を行います。

主に、AGAの原因であるDHTの生成を抑制する内服薬や、頭皮の血行を促進して発毛を促す外用薬などが用いられます。

患者さん一人ひとりの症状や進行度、体質に合わせて治療法を提案します。自分だけで悩まず、まずは専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。

はげる人の特徴に関するよくある質問

さいごに、薄毛や抜け毛に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q
ワックスやスプレーなどの整髪料は薄毛の原因になりますか
A

整髪料自体が直接的に薄毛を引き起こすことは稀です。

しかし、整髪料が毛穴に詰まったり、頭皮に残ったままになったりすると炎症やかぶれを引き起こし、頭皮環境を悪化させる原因となります。

結果として、抜け毛につながる可能性はあります。整髪料を使用した日は、その日のうちにシャンプーでしっかりと洗い流し、頭皮を清潔に保ちましょう。

Q
帽子をかぶるとはげやすくなりますか
A

帽子自体が、はげる直接的な原因にはなりません。紫外線から頭皮を守るなど、むしろ良い面もあります。

ただし、長時間帽子をかぶり続けると頭皮が蒸れ、雑菌が繁殖しやすい環境になるのは問題です。

汗をかいたらこまめに拭き、通気性の良い帽子を選ぶ、室内では脱ぐなどの工夫をしましょう。

また、サイズの合わないきつい帽子は頭皮の血行を妨げる可能性があるので避けるべきです。清潔さを保ち、適切に使用すれば、帽子が悪影響を及ぼす心配は少ないでしょう。

Q
海藻類を食べると髪が増えるというのは本当ですか
A

「ワカメや昆布を食べると髪が生える」という話をよく聞きますが、これは俗説の域を出ません。

海藻類にはミネラルや食物繊維が豊富に含まれており、髪の健康にとって良い食材であるのは事実です。

しかし、海藻類だけを大量に摂取しても、それだけで髪が増えたり、薄毛が治ったりするわけではありません。

髪の成長にはタンパク質やビタミン、亜鉛など様々な栄養素が必要です。海藻類もバランスの取れた食事の一部として取り入れる、という考え方が正しいです。

Q
AGAは一度発症したら治らないのですか
A

AGAは進行性の脱毛症であり、残念ながら「完治」するという概念はありません。治療を完全にやめてしまうと、再び薄毛は進行し始めます。

しかし、適切な治療を継続すれば、薄毛の進行を抑制し、髪の毛の量を改善・維持できます。治療によってヘアサイクルを正常に近づけ、太く健康な髪を育てていくことが治療の目的です。

高血圧や糖尿病などの慢性疾患と同様に、長期的に症状をコントロールしていく、という考え方が近いでしょう。

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