薄毛治療を検討する中で「HARG療法」という言葉を初めて目にした方も多いのではないでしょうか。
HARG療法は、毛髪の再生を促すための有効成分を頭皮に直接届ける先進的な治療法です。
この記事では、HARG療法の具体的な仕組みや期待できる効果、多くの方が心配される安全性や副作用の危険性について、専門的な観点から詳しく解説します。
HARG療法とは?基本的な知識
HARG療法は、薄毛や抜け毛に悩む部位の頭皮に、毛髪の再生を促す成分を直接注入する治療法です。
内服薬や外用薬とは異なる働きかけで、発毛力の低下した頭皮環境の改善を目指します。
まずは、この治療法の基本的な特徴から見ていきましょう。
毛髪再生を促す治療法
HARG療法の中心となるのは「成長因子」です。
私たちの体内にもともと存在するこの成分は、細胞の活動を活発にする働きを持ちます。
この成長因子を含む薬剤(HARGカクテル)を頭皮に補給して、毛髪を作り出す毛母細胞の働きを助け、休止してしまった毛根を再び活動期へと導きます。
こんな薄毛の悩みに対応
この治療法は、男性型脱毛症(AGA)や女性のびまん性脱毛症など、幅広い薄毛の症状に対応します。
頭皮の血行不良や栄養不足が原因で髪の毛が細くなったり、全体のボリュームが減ってきたりした場合に、その効果を発揮しやすいと考えられています。
HARG療法が対応する薄毛の状態
悩み・症状 | 主な特徴 | HARG療法のアプローチ |
---|---|---|
AGA(男性型脱毛症) | 生え際の後退、頭頂部の薄毛 | 毛周期を正常化し発毛を促進 |
びまん性脱毛症 | 髪全体のボリューム低下 | 頭皮全体に栄養を供給し毛髪を強化 |
髪のハリ・コシ低下 | 髪の毛が細く、弱々しい | 毛母細胞を活性化し太く強い毛を育てる |
誰でも受けられるわけではない?
多くの薄毛の悩みに対応できるHARG療法ですが、誰でもすぐに受けられるわけではありません。
治療前には医師によるカウンセリングと頭皮診断が必須です。頭皮に重度の炎症があるときや、特定の疾患を持つ方、妊娠中・授乳中の方などは、治療を受けられない場合があります。
安全に治療を進めるために、事前の診察がとても重要です。
HARG療法の具体的な仕組み – 成長因子が頭皮に与える影響
HARG療法の効果の根幹をなすのが、独自に配合された「HARGカクテル」です。
このカクテルに含まれる様々な成分が互いに連携して頭皮環境を整え、発毛をサポートします。
HARGカクテルの主要成分
HARGカクテルの主役は、複数の成長因子です。
これらは毛髪の成長に直接的に働きかける重要な成分であり、毛母細胞の活性化や血管の新生などを促します。
HARGカクテルに含まれる成長因子
成長因子 | 主な働き |
---|---|
KGF(ケラチノサイト成長因子) | 髪の毛の主成分であるケラチンの生成を促す毛母細胞を活性化させる |
VEGF(血管内皮細胞増殖因子) | 頭皮の血管を新たに作り、血流を改善して栄養を届けやすくする |
IGF-1(インスリン様成長因子) | 毛髪の成長をサポートし、毛母細胞の働きを力強く後押しする |
頭皮環境を整えるその他の栄養素
成長因子に加えて、髪の毛の材料となるビタミンやアミノ酸などもバランス良く含まれています。
- ビタミンB群
- ブフロメジル
- システイン
頭皮の細胞を活性化させる働き
HARGカクテルを頭皮に注入すると、有効成分が毛根の奥深くまで直接浸透します。
これにより活動を休止していた毛母細胞が刺激され、再び細胞分裂を始めるようになります。
この細胞レベルでの活性化が、新たな髪の毛を生み出す原動力となるのです。
毛周期(ヘアサイクル)への働きかけ
薄毛は、髪の毛が生え変わる周期(毛周期)が乱れるために進行します。
成長期が短くなり、休止期が長くなるため、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまうのです。
HARG療法はこの乱れた毛周期に働きかけ、休止期にある毛根を成長期へと誘導し、正常なサイクルへと戻すことを目指します。
注入方法の種類と特徴
HARGカクテルを頭皮に届ける方法には、いくつかの種類があります。
どの方法を選択するかは、患者さんの痛みの感じやすさや頭皮の状態などを考慮して、医師が判断します。
それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります。
主な注入方法の比較
注入方法 | 特徴 | メリット・デメリット |
---|---|---|
パピュール法 | 注射器で薬剤を細かく注入 | 効果が高いが、点状の痛みや出血を伴うことがある |
ナパージュ法 | 皮膚の浅い層に広範囲に注入 | 痛みは少ないが、薬剤の浸透度がやや浅くなる |
ダーマローラー法 | 極細針のローラーで皮膚に穴を開け薬剤を塗布 | 広範囲に均一に浸透させやすいが、施術後の赤みが出やすい |
期待できる効果と実感までの期間
治療を受ける上で最も気になるのが「いつから効果が出るのか」という点でしょう。
HARG療法の効果の現れ方には個人差がありますが、一般的な目安を知っておくと、治療を続ける上でのモチベーション維持に繋がります。
効果が現れるまでの目安
多くの場合、治療を開始してから3~4ヶ月ほどで、抜け毛の減少や髪質の変化といった初期の効果を感じ始めます。
そして、約6ヶ月後には産毛が増え、見た目にも発毛を実感できるようになるのが一般的です。
毛髪の成長には時間がかかるため、焦らずに治療を継続することが大切です。
効果実感までの期間と治療回数の目安
期間・回数 | 期待できる変化 |
---|---|
約3ヶ月(3回目頃) | 抜け毛の減少、髪にハリ・コシが出てくる |
約6ヶ月(6回目頃) | 産毛の発毛、頭皮の透け感が改善される |
1年以降 | 髪の毛が太く長く成長し、密度が高まる |
治療を継続する重要性
HARG療法は1回の治療で完了するものではありません。通常、1クールを6回とし、月1回のペースで治療を継続します。
この定期的な治療により頭皮環境が安定し、持続的な発毛効果が期待できるのです。
自己判断で治療を中断すると、十分な効果が得られない可能性があります。
産毛から太い毛への変化
治療効果は、まず細くて短い産毛が生えてくることから始まります。
治療を続けると産毛が徐々に太く、長く、色味の濃い「硬毛」へと成長していきます。
この変化は、毛母細胞が本来の力を取り戻している証拠です。
HARG療法の安全性 – 医療機関でのみ提供される理由
HARG療法は、その専門性の高さから、誰もがどこでも行える治療ではありません。認定を受けた医療機関でのみ提供が許可されています。
これは治療の安全性を確保するための重要な仕組みです。なぜ医療機関での提供に限定されるのか、その理由を解説します。
日本医療毛髪再生研究会による認定
HARG療法は、「日本医療毛髪再生研究会」が定める厳しい基準を満たした医療機関だけが実施できます。
この研究会はHARG療法の技術的な指導や安全管理、情報の共有を行っており、常に質の高い治療が提供される体制を整えています。
衛生管理の徹底
頭皮に直接薬剤を注入するため、徹底した衛生管理が求められます。
使用する器具の滅菌はもちろん、感染症のリスクを限りなくゼロにするための環境整備が不可欠です。
こうした医療レベルの衛生管理は、専門の医療機関でなければ実現できません。
医師による適切な診断と施術
安全な治療の前提として、医師による正確な診断があります。
患者さんの薄毛の原因が本当にHARG療法の適応となるのか、アレルギーの有無はどうか、といった医学的な判断が重要です。
そして、解剖学的な知識に基づき、適切な深さ・部位に正確に薬剤を注入する技術も、医師だからこそ可能です。
気になる副作用と危険性 – 事前に知っておくべきこと
「HARG療法は危険ではないか」という不安を持つ方も少なくないでしょう。
どのような医療行為でも、副作用のリスクはゼロではありません。しかし、HARG療法におけるリスクは比較的軽微なものがほとんどです。
事前に正しい知識を持つと、過度な不安を解消できます。
施術に伴う一般的な症状
治療では注射針などを使用するため、施術中や施術後にいくつかの症状が現れる場合があります。
これらは一時的なものであり、通常は数時間から数日で自然に治まります。過度に心配する必要はありません。
施術後に起こりうる軽微な症状
症状 | 原因 | 一般的な経過 |
---|---|---|
施術部位の赤み・腫れ | 針による刺激、薬剤の注入 | 数時間~1日程度で軽快 |
軽い痛み・かゆみ | 皮膚への物理的な刺激 | 当日~翌日には治まることが多い |
点状の内出血 | 針が毛細血管に触れた場合 | 数日~1週間程度で吸収され消える |
重篤な副作用の報告は?
HARG療法で使用する薬剤は、もともと体内に存在する成分やアレルギー反応を起こしにくいものをベースにしています。
そのため、AGA治療薬に見られるような性機能障害や、全身に影響を及ぼすような重篤な副作用の報告は、現時点ではありません。
この安全性の高さが、HARG療法が選ばれる理由の一つです。
アレルギー反応の可能性
極めて稀ですが、薬剤に含まれる成分に対してアレルギー反応を示す可能性は否定できません。
カウンセリング時に、過去のアレルギー歴などを必ず医師に伝えましょう。必要に応じて、事前にアレルギーテストを行う場合もあります。
施術後の注意点
施術当日は、頭皮がデリケートな状態になっています。
血行が良くなる行為や、頭皮への刺激は避けるように心がけましょう。
施術当日に避けるべきこと
- 激しい運動
- 飲酒
- 長時間の入浴やサウナ
- 施術部位へのマッサージ
これらの注意点を守ると、副作用のリスクをさらに低減できます。
「治療が効かない」と感じる人の共通点 – HARG療法を受ける前の心構え
多くの実績があるHARG療法ですが、残念ながら「期待したほどの効果が出なかった」と感じる方がいるのも事実です。
しかしその背景には、治療法そのものの問題だけでなく、患者さん側の要因が関係しているケースも少なくありません。
効果への過度な期待と現実
HARG療法は毛髪再生を促す優れた治療ですが、失われた毛根をゼロから作り出す魔法ではありません。
毛髪を産生する能力が完全になくなってしまった毛穴からは、発毛させるのは困難です。
また、効果の現れ方には個人差があり、数ヶ月で劇的に変化するものではないことを理解しておく必要があります。
現実的な目標設定が、治療を続ける上での鍵となります。
自己判断で治療を中断してしまう
治療効果が目に見え始めるまでには、数ヶ月の期間が必要です。
その間、不安になって「本当に効いているのだろうか」と感じ、推奨された回数を終える前に治療をやめてしまう方がいます。
HARG療法は、継続することで頭皮環境を根本から改善していく治療です。医師と決めた治療計画を最後までやり遂げることが、結果に繋がります。
生活習慣が頭皮環境を悪化させている
せっかく高価な治療を受けても、日々の生活習慣が乱れていては効果は半減してしまいます。
睡眠不足や栄養バランスの偏った食事、過度なストレスや喫煙などは頭皮の血行を悪化させ、髪の成長を妨げる大きな要因です。
治療効果を高めるには、クリニックでの治療と並行して生活習慣の見直しに取り組む姿勢が大切です。
発毛を妨げる生活習慣
- 慢性的な睡眠不足(6時間未満)
- インスタント食品や脂っこい食事中心の食生活
- 日常的な喫煙習慣
- 過度なストレスを溜め込むこと
他の脱毛症が隠れている可能性
薄毛の原因はAGAだけではありません。
自己免疫疾患である「円形脱毛症」や、特定の薬剤が原因の脱毛症など、HARG療法の適応とならない、あるいは効果が出にくい脱毛症もあります。
治療前に医師がしっかりと診断を行いますが、治療の経過が思わしくないときは別の原因が隠れていないか再評価するのも重要です。
HARG療法と他の薄毛治療との比較
薄毛治療には、HARG療法の他にも様々な選択肢があります。
それぞれの治療法の特徴を理解し、自分の症状や生活スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
AGA内服薬・外用薬との違い
AGA治療で最も一般的なのが、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬と、ミノキシジル外用薬です。
これらは主にAGAの進行を抑制したり、血行を促進したりする働きを持ちます。
一方、HARG療法は成長因子を直接補給して、より積極的に「発毛」を促す方法です。これらを併用すると相乗効果も期待できます。
主な治療法の比較
治療法 | 方法 | 主な対象 |
---|---|---|
HARG療法 | 成長因子を直接注入し、発毛を促す | 男女の様々な薄毛 |
AGA内服薬 | AGAの原因物質の生成を抑え、抜け毛を防ぐ | 男性のAGA |
ミノキシジル外用薬 | 頭皮の血行を促進し、発毛をサポートする | 男女のAGA、壮年性脱毛症 |
メソセラピーとの相違点
頭皮に直接薬剤を注入する「メソセラピー」という治療法もあります。
HARG療法も広義のメソセラピーの一種ですが、大きな違いは使用する薬剤にあります。
一般的なメソセラピーは、ビタミンやミノキシジルなどをクリニック独自に配合するのに対し、HARG療法は日本医療毛髪再生研究会が認定した、成長因子が豊富に含まれる標準化された薬剤(HARGカクテル)を使用する点に特徴があります。
自毛植毛との役割分担
自毛植毛は、後頭部など自分の元気な髪の毛を、毛根ごと薄毛の部分に移植する外科手術です。
毛根が完全に失われた部位にも髪の毛を蘇らせられるのが最大のメリットです。
HARG療法は既存の毛根を活性化させる治療、植毛は毛根を新たに配置する治療と、役割が異なります。
植毛後の定着率を高めるためにHARG療法を併用する方もいます。
治療の流れと費用について
実際に治療を受ける際の具体的な流れと、気になる費用について解説します。
事前に全体像を把握しておくと、安心して治療の第一歩を踏み出せるでしょう。
初回カウンセリングから施術まで
まずは専門の医師によるカウンセリングから始まります。
ここで頭皮や毛髪の状態を詳しく診察し、悩みをヒアリングした上で、HARG療法が適しているかを判断します。
治療方針に納得できれば、同意書を作成し、初回の治療日を決定します。
治療開始までの流れ
段階 | 内容 | 所要時間(目安) |
---|---|---|
1. 予約・来院 | ウェブサイトや電話でカウンセリングを予約 | – |
2. 問診・カウンセリング | 医師が悩みや既往歴などをヒアリング | 30分~60分 |
3. 頭皮診断 | マイクロスコープなどで頭皮の状態を詳細に確認 | 15分程度 |
4. 治療計画の提案 | 診断結果に基づき、治療法と費用を説明 | 15分程度 |
5. 施術(初回) | 同意後、頭皮の消毒を行い薬剤を注入 | 30分程度 |
治療間隔と回数の目安
HARG療法は、一般的に4~6週間に1回のペースで治療を行います。これを1クール(通常6回)継続することを基本とします。
1クール終了後は、医師と相談の上、効果を維持するためのメンテナンス治療(数ヶ月~1年に1回)に移行する方が多いです。
費用の内訳と相場
HARG療法は自由診療のため、費用はクリニックによって異なります。
費用は、注入する範囲によって変動するのが一般的です。カウンセリング時に、治療費総額や支払い方法について、明確な説明を受けましょう。
HARG療法の費用相場(1回あたり)
注入範囲 | 費用相場 | 主な対象 |
---|---|---|
頭部の3分の1 | 8万円~12万円 | 生え際、M字部分など |
頭部の3分の2 | 12万円~15万円 | 頭頂部、つむじ周りなど |
頭部全体 | 15万円~20万円 | 全体のボリュームアップ |
HARG療法に関するよくある質問
さいごに、HARG療法に関してよくいただく質問をまとめます。
- Q治療中の痛みはありますか?
- A
注射針を使用するため、チクッとした痛みを感じる場合があります。
痛みの感じ方には個人差がありますが、多くのクリニックでは冷却装置や極細の針を使用するなど、痛みを最小限に抑える工夫をしています。
痛みが心配な方には、表面麻酔のオプションを用意しているクリニックもありますので、カウンセリング時にご相談ください。
- Q治療後、すぐに日常生活に戻れますか?
- A
治療後すぐに普段通りの生活が可能です。ダウンタイムがほとんどないのがHARG療法の利点です。
ただし、施術当日は頭皮への刺激を避けるため、洗髪は翌日からにしていただくようお願いしています。
また、激しい運動や飲酒、サウナなども当日はお控えください。
- Q女性でも治療を受けられますか?
- A
女性でも受けられます。HARG療法は男性のAGAだけでなく、女性特有のびまん性脱毛症や分娩後脱毛症などにも効果が期待できます。
ホルモンバランスに影響を与える治療ではないため、女性の方も安心して受けられるのが特徴です。
- Q治療効果は永続しますか?
- A
HARG療法によって改善された頭皮環境や発毛効果は、治療を終了してもしばらく持続します。
しかし、薄毛の原因となる生活習慣や加齢による影響が続けば、再び薄毛が進行する可能性があります。
そのため、1クール終了後も良好な状態を維持するために、数ヶ月から1年に1回程度のメンテナンス治療を推奨しています。
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