中学生という多感な時期に、髪の毛が薄くなる「はげ」の悩みを抱えるのは、ご本人にとってもご家族にとっても非常につらいことです。

しかし、適切な知識を持ち、早期から正しいケアを行うと、進行を遅らせたり改善したりする可能性は十分にあります。

この記事では、中学生の薄毛の原因を多角的に解説し、今日から始められる対策、そして専門的な治療について分かりやすくお伝えします。

目次

中学生で髪が薄くなる主な原因

中学生の薄毛は、大人とは異なる原因が潜んでいる場合があります。

一概には言えませんが、いくつかの要因が複雑に絡み合っているケースが多いです。

遺伝的要因の影響

薄毛には遺伝が関係すると知られています。特に男性型脱毛症(AGA)は、遺伝的素因が大きく影響します。

ご家族に薄毛の方がいる場合、体質的に薄毛になりやすい可能性を考慮する必要があります。

ただし、遺伝的要因があるからといって必ず薄毛になるわけではなく、他の要因との組み合わせで発症するのが一般的です。

ホルモンバランスの乱れ

思春期は第二次性徴期にあたり、体内でホルモンバランスが大きく変動する時期です。特に男子の場合、男性ホルモンであるテストステロンの分泌が活発になります。

このテストステロンが特定の酵素と結びつくと、薄毛の原因となるジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。

女子でも、生活習慣の乱れなどからホルモンバランスが崩れると、髪の成長に影響が出るケースがあります。

生活習慣の乱れとその影響

中学生の生活は勉強や部活動、友人関係など多忙を極めます。この時期の生活習慣の乱れは、髪の健康に直接的な影響を与えやすいです。

睡眠不足や偏った食事、運動不足などは、血行不良や栄養不足を引き起こし、毛髪の成長を妨げる要因となります。

生活習慣と髪への影響

乱れた生活習慣髪への主な影響対策のポイント
睡眠不足成長ホルモンの分泌低下、血行不良質の高い睡眠を7-8時間確保する
偏った食事髪に必要な栄養素の不足バランスの取れた食事を心がける
運動不足血行不良、ストレス蓄積適度な運動を習慣化する

ストレスによる影響

中学生は学業や進路、友人関係や家庭環境などさまざまなストレスにさらされやすい時期です。

過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮への血流を悪化させます。

この血行不良が毛根への栄養供給を滞らせ、抜け毛や薄毛を引き起こす一因となります。

中学生の薄毛に関連する可能性のある皮膚疾患

薄毛の原因は生活習慣やホルモンバランスだけでなく、特定の皮膚疾患が関わっている場合もあります。

自己判断せずに、気になる症状があれば皮膚科専門医に相談すると良いです。

円形脱毛症

円形脱毛症は、頭部に円形や楕円形の脱毛斑が突然現れる疾患です。

自己免疫疾患の一つと考えられており、毛髪を作る毛包組織が誤って攻撃されるために発症します。ストレスやアトピー素因などが誘因となる場合もあります。

中学生でも発症する可能性があり、脱毛斑が一つだけでなく複数現れる子もいます。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い頭皮や顔などに起こりやすい皮膚炎です。

頭皮に発症すると、フケやかゆみ、赤みなどの症状が現れ、炎症が続くと抜け毛が増えやすくなります。

皮脂の過剰な分泌や、皮膚に常在するマラセチアというカビ(真菌)の一種が関与していると考えられています。

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は、ポニーテールや三つ編みなどの髪を強く引っ張る髪型を長時間続けて毛根に負担がかかり、髪が抜けやすくなる状態です。

特に髪の生え際や分け目などに起こりやすい特徴があります。

部活動などで特定の髪型を継続する必要がある場合は注意が必要です。

牽引性脱毛症の主な原因と対策

原因となる髪型・行為症状が出やすい部位対策
きついポニーテール、お団子ヘア生え際、こめかみ髪型を頻繁に変える、緩めに結ぶ
エクステンションエクステを付けている部分の周辺長期間の使用を避ける、定期的に休ませる
毎日同じ分け目分け目部分分け目を定期的に変える

頭部白癬(しらくも)

頭部白癬は、白癬菌というカビ(真菌)の一種が頭皮や毛髪に感染して起こる疾患です。

感染するとフケやかゆみ、脱毛や毛が折れるなどの症状が現れます。

特に格闘技などで頭部が接触する機会が多いときや、ペットから感染する例もあります。診断には真菌検査が必要です。

自分でできる薄毛対策と日常ケア

専門的な治療も重要ですが、まずは日常生活の中でできることから始めてみましょう。

正しいヘアケアや生活習慣の見直しは頭皮環境を整え、髪の健康をサポートします。

正しいシャンプー方法と頭皮ケア

毎日のシャンプーは頭皮を清潔に保つために大切ですが、洗いすぎや間違った方法は逆効果になるときもあります。

自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選び、優しく丁寧な洗髪を心がけましょう。

爪を立てずに指の腹でマッサージするように洗い、すすぎ残しがないように十分洗い流します。

シャンプー選びのポイント

頭皮タイプ主な特徴シャンプー選びの目安
乾燥肌フケが出やすい、かゆみを感じやすい保湿成分配合、アミノ酸系など低刺激性のもの
脂性肌ベタつきやすい、毛穴が詰まりやすい皮脂を適度に洗浄できるもの、さっぱりタイプ
敏感肌刺激に弱い、赤みが出やすい無添加、弱酸性など、特に刺激の少ないもの

バランスの取れた食事と栄養摂取

髪の毛は主にタンパク質(ケラチン)からできています。健康な髪を育むためには、タンパク質はもちろん、ビタミンやミネラルなどバランスの取れた栄養摂取が必要です。

なかでも亜鉛や鉄分、ビタミンB群やビタミンC、ビタミンEなどは髪の成長に重要な役割を果たします。

  • タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)
  • 亜鉛(牡蠣、レバー、牛肉)
  • ビタミンB群(緑黄色野菜、魚介類、ナッツ類)

質の高い睡眠の確保

髪の成長には成長ホルモンが深く関わっています。成長ホルモンは、主に睡眠中に分泌されるため、質の高い睡眠を十分に取る工夫が重要です。

夜更かしを避けて毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい睡眠習慣を身につけましょう。

寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は、睡眠の質を低下させる可能性があるため控えると良いです。

適度な運動とストレス解消

適度な運動は血行を促進し、頭皮への栄養供給をスムーズにします。また、ストレス解消にも効果的です。

ウォーキングやジョギング、ストレッチなど、自分に合った運動を無理のない範囲で続けることが大切です。

趣味に没頭する時間を作るなど、自分なりのストレス解消法を見つけると、心身の健康、ひいては髪の健康につながります。

思春期の心と髪の悩み|親子で向き合う薄毛問題

中学生という時期は、外見に対する意識が非常に高まる年代です。

薄毛の悩みは単に見た目の問題だけでなく、自己肯定感の低下や精神的なストレスにもつながりやすく、学校生活や友人関係にも影響を及ぼすケースがあります。

この問題に対して、本人だけでなく保護者の方も一緒に向き合い、サポートしていく姿勢が何よりも重要です。

薄毛が中学生の心理に与える影響

「友達にからかわれるのではないか」「異性の目が気になる」といった不安は、中学生にとって深刻な悩みです。

これらの悩みは内向的な性格を助長したり、学校へ行くのが苦痛になったりする原因にもなり得ます。

また、一人で抱え込んでしまい、誰にも相談できずに孤立感を深めてしまうケースも見られます。

髪の変化に気づいたら、まずは本人の気持ちに寄り添い、安心して話せる環境を作る工夫が大切です。

保護者ができる精神的サポート

保護者の方は、まずお子さんの悩みを真摯に受け止め、共感する姿勢を示しましょう。

「気にしすぎだ」「そのうち治る」といった言葉は、本人をさらに追い詰めてしまう可能性があります。「つらいね」「一緒に考えよう」と寄り添い、安心感を与えるのが第一です。

そして、薄毛は決して恥ずかしいことではなく、適切な対処法があると伝え、前向きな気持ちになれるよう励ましましょう。

サポートの際の心がけ

心がけたいこと具体的な言葉かけ・行動の例
共感と受容「髪のことで悩んでいるんだね、つらい気持ち、よくわかるよ」
安心感の提供「一人で悩まないで、いつでも相談してね。一緒に解決策を探そう」
正しい情報提供「専門の先生に相談してみようか。きっと良い方法が見つかるよ」

学校生活での配慮と周囲の理解

学校の先生や養護教諭に相談し、理解と協力を得るのが有効な場合があります。例えば、体育の授業での帽子の着用許可や、からかいなどがあった場合の適切な対応をお願いするなどです。

本人のプライバシーに配慮しつつ、安心して学校生活を送れる環境づくりをサポートする必要があります。

周囲の正しい理解と配慮は、本人の精神的な負担を大きく軽減します。

悩みを共有できる場所の重要性

同じ悩みを抱える同世代の仲間や、専門家と話す機会を持つと、心の支えになる場合があります。最近では、オンラインのコミュニティや相談窓口なども存在します。

ただし、インターネット上の情報には誤ったものも多いため、信頼できる情報源を選ぶことが重要です。

保護者の方が一緒に情報を吟味し、適切なサポート機関を見つける手助けをすると良いでしょう。

市販の育毛剤やサプリメントは中学生に使っても大丈夫?

ドラッグストアなどでは、さまざまな種類の育毛剤や髪に良いとされるサプリメントが販売されています。

手軽に試せるため関心を持つ方も多いかもしれませんが、中学生が使用する際には注意が必要です。

育毛剤の種類と中学生への適性

育毛剤は、血行促進成分や頭皮環境を整える成分が含まれているものが一般的です。

しかし、製品によっては刺激の強い成分が含まれていたり、中学生のデリケートな頭皮には合わない場合もあります。

特に、医薬品に分類される発毛剤(ミノキシジル配合のものなど)は、成人男性を対象として開発されているものが多く、中学生への使用は推奨されていません。

使用する際は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

サプリメントの選び方と注意点

髪の成長に必要な栄養素を補う目的でサプリメントを検討するときもあるかもしれません。

亜鉛やビタミンB群などは髪の健康に良いとされていますが、サプリメントはあくまで食事の補助です。

基本はバランスの取れた食事からの栄養摂取を心がけ、サプリメントに頼りすぎないようにしましょう。

過剰摂取はかえって健康を害する可能性もあるため、使用する場合は成分や含有量を確認し、不明な点は専門家に相談すると良いです。

サプリメント利用時の確認事項

確認ポイント内容
成分表示アレルギー物質が含まれていないか、不要な添加物が多くないか
含有量1日の推奨摂取量と比較して過剰でないか
対象年齢子供向けか、成人向けか

使用前に専門家へ相談する重要性

市販品を使用する前に、まずは皮膚科医や薄毛治療専門のクリニックに相談するのがおすすめです。

薄毛の原因を正しく診断し、適切なアドバイスを受けることが、改善への近道です。

自己判断でのケアは、症状を悪化させたり、貴重な時間を無駄にしてしまったりする可能性があります。

薄毛治療専門クリニックでの相談と検査

自己流のケアで改善が見られないときや、原因が特定できない方は、薄毛治療を専門とするクリニックへの相談を検討しましょう。

専門医による診断と適切な治療法の提案が期待できます。

クリニック受診のタイミング

「少し抜け毛が増えた気がする」「地肌が透けて見えるようになってきた」など、初期の段階でも気になる変化があれば、早めに相談すると良いです。

薄毛治療は、早期に開始するほど効果が出やすい傾向があります。

また、保護者の方だけで悩まず、お子様と一緒に受診し、医師の説明を直接聞くようにしましょう。

初診で行う主な検査内容

クリニックではまず問診を行い、生活習慣や既往歴、家族歴などを詳しく聞き取ります。その後、視診や触診で頭皮や毛髪の状態を確認します。

必要に応じて、以下のような検査を行うことがあります。

  • マイクロスコープ検査(頭皮や毛穴の状態を拡大して観察)
  • 血液検査(ホルモン値、栄養状態、甲状腺機能などを調べる)
  • ダーモスコピー検査(特殊な拡大鏡で皮膚の状態を詳細に観察)

これらの検査を通して薄毛の原因を特定し、一人ひとりに合った治療方針を立てます。

医師によるカウンセリングの重要性

検査結果に基づいて、医師が薄毛の原因や進行状況、考えられる治療法について詳しく説明します。

このカウンセリングを通じて、患者さんやご家族の不安や疑問を解消し、納得のいく治療法を選択することが重要です。

治療のメリットだけでなく、デメリットや費用、期間などについても十分に説明を受け、理解を深めましょう。

治療方針の決定と同意

医師からの説明を受け、提案された治療法についてよく話し合った上で、治療方針を決定します。

中学生の場合、本人の意思はもちろん、保護者の方の同意も必要です。

治療内容や期間、費用などについて十分に納得した上で治療を開始することが、安心して治療を続けるために大切です。

カウンセリングで確認すべきこと

確認項目具体的な質問例
原因と診断名「私の薄毛の主な原因は何ですか?診断名は何ですか?」
治療法の選択肢「どのような治療法がありますか?それぞれのメリット・デメリットを教えてください。」
治療期間と費用「治療にはどのくらいの期間と費用がかかりますか?」
副作用やリスク「治療に伴う副作用やリスクはありますか?」

中学生向けの薄毛治療法とは

中学生の薄毛治療は、成人の治療法とは異なる方法が必要となる場合があります。

成長期である点を考慮し、体に負担の少ない、安全性を重視した治療法が選択されます。

生活習慣指導と栄養療法

多くの場合、まず行われるのが生活習慣の改善指導です。睡眠や食事、運動といった基本的な生活習慣を見直し、髪の成長に必要な栄養素をバランス良く摂取するための食事指導を行います。

場合によっては、医療用のサプリメントを処方するケースもあります。

この生活習慣の改善は薄毛治療の基本であり、他の治療法の効果を高めるためにも重要です。

外用薬治療

頭皮に直接塗布するタイプの薬を用いた治療です。血行を促進したり、毛母細胞を活性化させたりする効果のある薬が用いられます。

中学生では副作用のリスクが低い、比較的マイルドな作用の薬が選択される場合が多いです。

医師の指示に従い、正しく使用しましょう。

外用薬の成分と期待される効果

代表的な成分期待される主な効果使用上の注意点
ミノキシジル(低濃度のもの)血行促進、毛母細胞の活性化医師の指導のもと、用法・用量を守る
塩化カルプロニウム局所血管拡張作用、血流改善頭皮のかゆみ、発疹などが出ることがある
アデノシン毛乳頭細胞の活性化、発毛促進因子の産生促進比較的副作用が少ないとされる

上記は一般的な情報であり、実際の処方は医師の診断に基づきます。中学生への適応は慎重に判断されます。

低出力レーザー治療

低出力のレーザーを頭皮に照射して毛母細胞を活性化させ、発毛を促す治療法です。

痛みや副作用がほとんどなく、安全性が高いとされるため、中学生にも適用しやすい治療法の一つです。

クリニックでの照射のほか、家庭用の機器もありますが、効果や安全性については医師に相談しましょう。

内服薬治療の適応と注意点

男性型脱毛症(AGA)の治療薬として知られるフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬は、原則として成人男性が対象です。

ホルモン系に作用する薬であり、成長期にある中学生の身体への影響を考慮して処方されません。

薄毛の進行を防ぐための予防策

薄毛の悩みを抱えないためには、日頃からの予防が大切です。

特に成長期の中学生にとっては、健やかな髪を育むための生活習慣を身につける工夫が、将来の髪の健康にもつながります。

頭皮に優しいヘアケア習慣

洗浄力の強すぎるシャンプーや、ゴシゴシと力を入れて洗う行為は頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥や炎症を引き起こす原因になります。

アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のシャンプーを選び、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。

また、ドライヤーの熱風を長時間同じ場所に当て続けるのも頭皮に負担をかけるため、髪から適度に離し、全体を均一に乾かすように心がけます。

紫外線対策の重要性

頭皮も肌の一部であり、紫外線の影響を受けます。強い紫外線を長時間浴びると頭皮が乾燥したり、炎症を起こしたりして、毛髪の成長に悪影響を与えやすいです。

外出時には帽子をかぶる、日傘をさすなどして、頭皮を紫外線から守る工夫をしましょう。

日差しの強い季節や、屋外での活動時間が長い場合はとくに注意が必要です。

定期的な頭皮チェック

自分の頭皮の状態を定期的にチェックする習慣をつけるのも予防につながります。

鏡を使って頭頂部や分け目、生え際などを観察し、フケやかゆみ、赤みや抜け毛の量などに変化がないか確認しましょう。

早期に異常を発見できれば、それだけ早く対策を行えます。保護者の方が協力してチェックするのも良いでしょう。

頭皮チェックのポイント

チェック項目正常な状態の目安注意が必要なサイン
頭皮の色青白い、または透明感のある白色赤い、茶色っぽい、黄色っぽい
フケほとんどない、または細かい乾いたフケが少量ベタついた大きなフケ、大量のフケ
かゆみ・赤みほとんどない持続的なかゆみ、部分的な赤みや湿疹
抜け毛の量1日50~100本程度(季節差あり)シャンプー時や起床時に明らかに増えたと感じる

過度なダイエットを避ける

思春期には体型を気にして無理なダイエットをする子もいますが、極端な食事制限は髪に必要な栄養素の不足を招き、薄毛の原因となるケースがあります。

タンパク質やビタミン、ミネラルは健康な髪の成長に必要です。バランスの取れた食事をしっかりと摂り、健康的な体づくりを心がけと、髪の健康にもつながります。

よくある質問(Q&A)

中学生の薄毛に関して、患者さんや保護者の方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q
中学生でもAGA(男性型脱毛症)になりますか?
A

中学生でもAGAを発症する可能性はあります。AGAは男性ホルモンや遺伝が関与する脱毛症で、思春期以降に発症するケースがあります。

ただし、中学生の場合は他の原因(生活習慣、ストレス、皮膚疾患など)も考えられるため、自己判断せずに専門医の診断を受けるようにしましょう。

Q
海藻類を食べると髪が増えるというのは本当ですか?
A

海藻類に含まれるミネラルやヨウ素は髪の健康維持に役立つ栄養素ですが、海藻類だけをたくさん食べれば髪が増えるというわけではありません。

髪の成長にはタンパク質やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素がバランス良く必要です。

特定の食品に偏らず、多様な食品を摂取するよう心がけましょう。

Q
帽子をかぶるとはげやすくなりますか?
A

通常の帽子着用が直接的な薄毛の原因になるとは考えにくいです。むしろ、紫外線から頭皮を守る効果が期待できます。

ただし、長時間帽子をかぶって頭皮が蒸れ、不衛生な状態が続くと雑菌が繁殖しやすくなり、頭皮トラブルを引き起こす可能性があります。

通気性の良い帽子を選び、こまめに汗を拭くなど清潔に保つと良いです。

Q
親が薄毛の場合、子供も必ず薄毛になりますか?
A

薄毛には遺伝的な要因が関わる場合がありますが、親が薄毛だからといって子供も必ず薄毛になるとは限りません。

薄毛の発症には遺伝だけでなく、生活習慣やホルモンバランス、ストレスなど複数の要因が影響します。

遺伝的素因があっても、適切なケアや生活習慣を心がけると、発症を遅らせたり、進行を緩やかにしたりできます。

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