「炭酸シャンプーを使うとはげる」という噂を聞き、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
炭酸シャンプーは頭皮の血行促進や毛穴の汚れ除去を助けるアイテムですが、その高い洗浄力や刺激が、使い方によっては頭皮環境を悪化させる可能性も否定できません。
この記事では、炭酸シャンプーがはげる原因となるのか、頭皮への影響、そして薄毛が気になる方が安全に使うための注意点や選び方を専門的な視点から詳しく解説します。
炭酸シャンプーとは?通常のシャンプーとの違い
近年、ヘアサロンや市販品で目にする機会が増えた炭酸シャンプー。その名の通り、炭酸ガス(二酸化炭素)を含んだ泡で頭皮や髪を洗うシャンプーです。
まずは、その基本的な特徴と、私たちが普段使っているシャンプーとの違いを理解しましょう。
炭酸シャンプーの基本的な特徴
炭酸シャンプーの最大の特徴は、ノズルを押すと出てくるきめ細かく濃密な泡です。この泡には高濃度の炭酸ガスが溶け込んでいます。
一般的なシャンプーのように手やネットで泡立てる必要がなく、最初から理想的な泡の状態で出てくるため、摩擦を抑えながら頭皮を洗浄できる点が魅力です。
また、製品によっては数千ppm(ピーピーエム)という高い濃度で炭酸ガスを含んでいます。
炭酸ガス(二酸化炭素)が頭皮に与える作用
炭酸ガスにはいくつかの特徴的な作用があります。
一つは、皮脂やタンパク質汚れに対する吸着性です。炭酸の泡が、毛穴の奥に詰まった通常のシャンプーでは落としきれない皮脂汚れや、髪に付着したスタイリング剤の残りを浮かせて取り除きやすくします。
もう一つの重要な作用が、頭皮への刺激による血行促進のサポートです。
炭酸ガスが頭皮から浸透すると、体が一時的な酸欠状態と認識し、より多くの酸素を運ぼうとして血管を拡張させ、血流を促すと考えられています。
一般的なシャンプー(アミノ酸系・石鹸系)との洗浄方法の違い
一般的なシャンプーは、主に界面活性剤(洗浄成分)の化学的な力で皮脂や汚れを乳化させて洗い流します。
一方、炭酸シャンプーは界面活性剤の働きに加え、炭酸ガスの物理的な作用(汚れを浮かせる力)も利用して洗浄します。このため、洗浄力が高い傾向にあります。
| 項目 | 炭酸シャンプー | 一般シャンプー(アミノ酸系) |
|---|---|---|
| 主な洗浄の力 | 界面活性剤 + 炭酸ガスの物理的作用 | 界面活性剤の化学的作用 |
| 泡の状態 | 濃密な泡が最初から出てくる | 自分で泡立てる必要がある |
| 得意なケア | 毛穴の皮脂詰まり、血行促進サポート | マイルドな洗浄、保湿 |
「炭酸シャンプーではげる」という噂は本当か?
炭酸シャンプーが直接的な脱毛症(AGAなど)の原因になるという医学的根拠はありません。
しかし、洗浄力が強すぎたり、使い方を誤ったりすると頭皮環境が悪化し、結果として抜け毛が増える(はげる)リスクを高める可能性があります。
噂が広まった背景
この噂が広まった背景には、炭酸シャンプーの「高い洗浄力」と「刺激」が関係していると考えられます。
炭酸のシュワシュワとした感覚や、使用後のさっぱり感が「刺激が強すぎるのではないか」「頭皮に必要なものまで奪っているのではないか」という不安につながった可能性があります。
また、一部の利用者が使用後に抜け毛が増えたと感じた体験談が、インターネットを通じて拡散されたことも一因でしょう。
炭酸シャンプーが直接的な脱毛原因になる可能性は低い
まず結論から言うと、炭酸シャンプーの成分自体が毛根を攻撃したり、脱毛を直接引き起こしたりする医学的根拠はありません。
炭酸ガスが毛母細胞に悪影響を与えるという報告もなく、むしろ血行をサポートする面が注目されています。
そのため、炭酸シャンプーの使用が、AGA(男性型脱毛症)のような進行性の脱毛症の直接的な引き金になるとは考えにくいです。
ただし使い方や製品選びが薄毛につながるリスク
問題は、「使い方」や「製品選び」にあります。
炭酸シャンプーは皮脂を除去する力が強い製品が多いです。もし、乾燥肌の人が洗浄力の強すぎる製品を毎日使用すれば、頭皮はさらに乾燥します。
乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、かゆみやフケ、炎症を引き起こすときがあります。
このような劣悪な頭皮環境が続けば、健康な髪の成長が妨げられ、結果として抜け毛が増える(薄毛が目立つ)可能性は十分にあります。
炭酸濃度と頭皮への刺激の関係性
炭酸シャンプーの「ppm」という単位は、お湯1リットルあたりに溶け込んでいる炭酸ガスの量(ミリグラム)を示します。
一般的に1,000ppm以上を高濃度と呼ぶ場合が多いです。濃度が高ければ高いほど血行促進のサポート効果や洗浄効果が期待できますが、同時に頭皮への刺激感も増す傾向にあります。
| 炭酸濃度 (ppm) | 一般的な区分 | 頭皮への感覚(目安) |
|---|---|---|
| 〜1,000 ppm | 低〜中濃度 | マイルドな刺激、微炭酸 |
| 1,000 ppm 〜 4,000 ppm | 高濃度 | 心地よい刺激、清涼感 |
| 5,000 ppm 以上 | 超高濃度 | 強い刺激、パチパチとした感覚 |
炭酸シャンプーが頭皮環境に与える良い影響
炭酸シャンプーは、正しく使えば頭皮環境の改善に役立つ多くの利点を持っています。
特に脂性肌(オイリー肌)の人や、頭皮のベタつきが気になる人にとっては心強いアイテムとなるでしょう。
毛穴の皮脂や汚れの除去(クレンジング効果)
炭酸シャンプーの濃密な泡は、通常のシャンプーでは入り込みにくい毛穴の細部にまで到達しやすい性質があります。
炭酸ガスが皮脂汚れを吸着し、浮かび上がらせることで毛穴に詰まった古い皮脂(角栓)や、ワックスなどの洗い残しをスッキリと除去する効果が期待できます。
毛穴がクリーンな状態は、健康な髪が育つための土台となります。
頭皮の血行促進のサポート
前述の通り、炭酸ガスが頭皮に浸透すると、毛細血管が拡張し血流が良くなるようにサポートします。
髪の毛は、毛根にある毛母細胞が毛細血管から栄養素や酸素を受け取って成長します。頭皮の血行が良くなると、髪の成長に必要な栄養を届けやすくすることにつながります。
頭皮のニオイやベタつきの軽減
頭皮の不快なニオイやベタつきの主な原因は、分泌された皮脂の酸化や、雑菌の繁殖です。
炭酸シャンプーの高い洗浄力で、これらの原因となる余分な皮脂や汚れを根本から取り除くと、頭皮を清潔に保ち、ニオイやベタつきを長時間抑える効果が期待できます。
髪のハリ・コシへの期待
炭酸シャンプーの中には、髪の表面(キューティクル)を整える弱酸性の性質を持つ製品が多くあります。
また、髪に付着したシリコンや汚れをリセットして髪本来の素直な状態に戻し、結果として根元が立ち上がりやすくなり、ハリやコシが出たように感じる場合があります。
| 影響 | 内容 | 特に恩恵を受けやすい人 |
|---|---|---|
| クレンジング | 毛穴の皮脂・汚れを除去 | 脂性肌、スタイリング剤を多用する人 |
| 血行サポート | 頭皮の血流を助ける | 頭皮が硬い、顔色がくすみがちな人 |
| ニオイ・ベタつき軽減 | 余分な皮脂を除去し清潔に保つ | 頭皮のニオイが気になる人 |
炭酸シャンプー使用時の注意点とはげるリスク
多くの利点がある一方で、炭酸シャンプーはその特性から使用時に注意すべき点があります。
洗浄力が強すぎることによる乾燥、必要な皮脂の除去、炭酸や清涼成分による刺激、すすぎ残しは、かえって頭皮環境を悪化させ「はげる」という不安を現実のものにしてしまう危険性があります。
洗浄力が強すぎることによる頭皮の乾燥
炭酸シャンプーの多くは、スッキリとした洗い上がりを重視するため、洗浄力が強めに設定されています。
必要な皮脂まで根こそぎ洗い流してしまうと、頭皮は深刻な乾燥状態に陥ります。乾燥した頭皮は、外部からの刺激に非常に弱くなります。
必要な皮脂まで落としてしまう危険性
頭皮の皮脂は汚れの原因になる一方で、頭皮の水分蒸発を防ぎ、外部の刺激から守る「バリア機能」という重要な役割も担っています。
このバリア機能が失われると、頭皮は無防備な状態になります。
すると、体は頭皮を守ろうとして、かえって皮脂を過剰に分泌するようになり、インナードライ(内部は乾燥しているのに表面はベタつく)状態を招くときもあります。
刺激による頭皮トラブル(かゆみ、赤み)
高濃度の炭酸ガスや、メントールなどの清涼成分による刺激が、敏感肌の人にとっては強すぎる場合があります。
使用中や使用後にヒリヒリとした痛みやかゆみ、赤みが出た場合は、その製品があなたの頭皮に合っていません。
使用を続けると炎症が悪化し、抜け毛の原因となる「脂漏性皮膚炎」や「接触性皮膚炎」につながる恐れもあります。
すすぎ残しが引き起こす問題
濃密な泡は洗浄力が高い反面、髪や頭皮に残りやすいという側面も持っています。
シャンプーの成分が頭皮に残ると、それが毛穴を塞いだり雑菌のエサになったりして、フケやかゆみ、炎症を引き起こします。
特に耳の後ろや生え際はすすぎ残しが多発する場所であり、徹底的に洗い流す必要があります。
- 頭皮の過度な乾燥を招く洗浄力
- 皮脂バリア機能の低下
- 炭酸や清涼成分による刺激
- 泡のすすぎ残しによる毛穴詰まり
「スッキリ感」が落とし穴?炭酸シャンプー愛用者の盲点
クリニックで薄毛の悩みをお聞きしていると、炭酸シャンプーを良かれと思って使っているのに、頭皮環境が改善していないケースによく遭遇します。
その多くは、炭酸シャンプー特有の「スッキリ感」を「頭皮が健康になった証拠」と誤解している点にあります。
「洗えた気」になっていませんか?
炭酸のパチパチとした刺激や、メントールのスーッとする清涼感は、非常に強い「洗浄実感」を与えます。
しかし、この「感覚」と「実際に頭皮が適切に洗えているか」は必ずしも一致しません。強い刺激によって、実際には皮脂が落ちすぎて乾燥しているのに、爽快感でごまかされてしまうことがあります。
スーッとする感覚と洗浄力は別問題
清涼感を出すメントールなどの成分は、冷感神経を刺激しているだけで、洗浄力そのものとは無関係です。
洗浄力がマイルドな炭酸シャンプーでも、メントールが多量に入っていれば強いスッキリ感が得られます。逆に、洗浄力が非常に強くても、メントールが入っていなければ物足りなく感じるかもしれません。
「スッキリしない=洗えていない」と判断し、洗いすぎてしまうのは危険です。
使用頻度が高すぎる弊害
脂性肌の人が週に1〜2回のスペシャルケアとして使うのは効果的です。しかし、その爽快感が気に入り、乾燥肌の人や頭皮が敏感な人が毎日使い続けるとどうなるでしょうか。
頭皮のバリア機能は日々削られていき、常に乾燥した状態、あるいは刺激にさらされた状態が続きます。これでは健康な髪は育ちません。
| 使用者の感覚 | 頭皮の実際の状態(例) | 潜むリスク |
|---|---|---|
| 爽快!しっかり洗えた! | 必要な皮脂も除去され、乾燥している | 乾燥によるフケ、かゆみ、バリア機能低下 |
| まだベタつく(物足りない) | 洗浄力は十分だが、清涼成分が弱い | 洗浄のやりすぎ(二度洗いなど) |
| パチパチして効いている感じ | 炭酸の刺激が強すぎて炎症を起こし始めている | 接触性皮膚炎、ヒリヒリ感 |
自分の頭皮タイプを見誤る危険性
「自分は脂性肌だ」と思い込み強力な炭酸シャンプーを使い続けた結果、頭皮が乾燥し、それを補うために皮脂が過剰分泌(インナードライ)している状態を、「やはり脂性肌だ」とさらに誤解を深める悪循環に陥る人もいます。
炭酸シャンプーを選ぶ前に、まずはご自身の本当の頭皮タイプを知ることが重要です。
薄毛が気になる人の炭酸シャンプー選び方
薄毛を心配する方が炭酸シャンプーを選ぶ際は、爽快感やイメージだけで選んではいけません。頭皮への負担を最小限にし、必要なケアができる製品を慎重に選ぶ必要があります。
炭酸濃度の(ppm)のチェック
初めて使用する場合や頭皮が敏感な方は、まずは1,000〜3,000ppm程度の中濃度の製品から試してみるのが良いでしょう。
高濃度(5,000ppm以上)のものは、脂性肌の方の週1回のスペシャルケアには向いていますが、日常使いには刺激が強すぎる可能性があります。
配合されている洗浄成分(アミノ酸系など)
炭酸シャンプーにも、ベースとなる洗浄成分(界面活性剤)があります。
薄毛が気になる方は、洗浄力がマイルドで頭皮への負担が少ない「アミノ酸系」や「ベタイン系」の洗浄成分を主成分としている製品を選んでください。
成分表示の上位に「ラウレス硫酸Na」などの「高級アルコール系(硫酸系)」が記載されているものは、洗浄力が非常に強いため避けるのが賢明です。
| 洗浄成分の系統 | 特徴 | 頭皮への優しさ |
|---|---|---|
| アミノ酸系 | マイルドな洗浄力、保湿性がある | ◎ 優しい |
| ベタイン系 | アミノ酸系より洗浄力があり、刺激は低い | ○ 比較的優しい |
| 高級アルコール系(硫酸系) | 泡立ちが良く洗浄力が非常に強い | △ 刺激が強い傾向 |
保湿成分の有無
炭酸シャンプーは洗浄後に頭皮が乾燥しやすいため、それを補う保湿成分が配合されているかどうかが重要です。
「ヒアルロン酸」「セラミド」「コラーゲン」「グリセリン」などの保湿成分がしっかり含まれている製品を選び、洗浄と保湿のバランスを取りましょう。
- ヒアルロン酸
- セラミド
- コラーゲン
- リピジュア
- グリセリン
添加物(シリコン、パラベンなど)の確認
頭皮がデリケートになっている場合は、刺激となり得る添加物にも注意が必要です。
ノンシリコン(髪の指通りよりも頭皮環境を優先する場合)、パラベンフリー、合成着色料不使用など、低刺激処方の製品を選ぶと良いでしょう。
炭酸シャンプーの正しい使い方とケア
頭皮に合った製品を選んでも、使い方が間違っていては意味がありません。
洗浄力が高いため毎日の使用を避け、「週1〜2回のスペシャルケア」として位置づけ、特に「予洗い」と「徹底したすすぎ」、そして「洗髪後の保湿」を意識してください。
適切な使用頻度(毎日使うべきか)
炭酸シャンプーは、その洗浄力の高さから「スペシャルケア」として位置づけるのが基本です。
脂性肌の人でも週に2〜3回程度、乾燥肌や敏感肌の人は週に1回、あるいは月に数回の頭皮クレンジングデーとして取り入れるのが良いでしょう。
毎日使用すると、頭皮の乾燥を招き、はげるリスクを高める可能性があります。
普段は低刺激のアミノ酸系シャンプーを使い、ベタつきが気になった時だけ炭酸シャンプーを使う「使い分け」が賢明です。
シャンプー前の予洗いと泡立て
シャンプーをつける前に、まずは38度程度のぬるま湯で頭皮と髪をしっかりと予洗いします。これだけで髪の汚れの7割程度は落ちると言われています。
炭酸シャンプーは缶をよく振ってから、適量を手に取ります。泡立てる必要はありませんが、泡を頭皮の数カ所に分けて置き、全体になじませる手順が重要です。
頭皮を傷つけないマッサージ洗い
炭酸シャンプーで洗う際は、爪を立てるのは厳禁です。指の腹を使い、頭皮を動かすように優しくマッサージします。炭酸の泡がクッションとなり、摩擦を減らしてくれます。
ゴシゴシと強くこする必要はありません。泡の力と炭酸の力で汚れは浮き上がります。
| 手順 | ポイント | 目的 |
|---|---|---|
| 予洗い | ぬるま湯で1〜2分しっかり流す | ホコリや表面の汚れを落とす |
| 塗布 | 適量を数カ所に分けて頭皮に乗せる | 泡を全体に行き渡らせる |
| マッサージ | 指の腹で頭皮を動かすように洗う | 血行促進、毛穴の汚れ除去 |
| すすぎ | 泡が完全になくなるまで徹底的に | 頭皮トラブルの防止 |
すすぎの徹底とシャンプー後の保湿ケア
洗浄成分が残らないよう、すすぎは普段のシャンプー以上に時間をかけて丁寧に行います。
シャワーヘッドを頭皮に近づけ、生え際、耳の後ろ、襟足など、泡が残りやすい場所を意識して洗い流してください。
洗髪後は、頭皮が乾燥しやすい状態です。タオルドライ後、なるべく早くドライヤーで乾かし、必要に応じて頭皮用の保湿ローションや育毛剤で水分と油分を補いましょう。
炭酸シャンプーで改善しない薄毛|AGAの可能性
炭酸シャンプーで頭皮環境を整えるケアは、薄毛予防の一環にはなります。
しかし、もしあなたが「抜け毛が減らない」「髪の毛が細くなってきた」「生え際が後退してきた」と感じている場合、その原因は皮脂汚れではなく、AGA(男性型脱毛症)かもしれません。
AGA(男性型脱毛症)の基本的な知識
AGAは、男性ホルモン(DHT:ジヒドロテストステロン)の影響でヘアサイクル(毛周期)が乱れ、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまう進行性の脱毛症です。
主な原因は遺伝やホルモンバランスであり、シャンプーの種類や洗い方だけで発症するものではありません。
炭酸シャンプーはAGA治療薬ではない
炭酸シャンプーの血行促進サポート効果やクレンジング効果は、あくまで「頭皮環境を整える」ものです。
AGAの原因であるホルモンの働きを抑制したり、乱れたヘアサイクルを直接正常化したりする「治療」効果はありません。炭酸シャンプーを使い続けてもAGAが進行している場合、薄毛は改善しません。
- フィナステリド(内服薬)
- デュタステリド(内服薬)
- ミノキシジル(外用薬・内服薬)
薄毛の進行を感じたらセルフケアより専門医
もし炭酸シャンプーを使っても抜け毛が減らない、あるいは薄毛が進行していると感じるなら、セルフケアで対策できる範囲を超えている可能性が高いです。
AGAは早期発見・早期治療が重要です。手遅れになる前にAGA専門クリニックなどの医療機関を受診し、ご自身の薄毛の本当の原因を診断してもらうことが大切です。
| 項目 | 頭皮ケア(炭酸シャンプー) | AGAクリニックでの治療 |
|---|---|---|
| 目的 | 頭皮環境の改善(清浄、血行促進) | AGAの進行抑制、発毛促進 |
| 手段 | 洗浄、マッサージ | 内服薬、外用薬、注入治療など |
| 期待できる結果 | フケ、かゆみ、ベタつきの軽減 | 抜け毛の減少、髪の毛の成長 |
クリニックでの薄毛治療の選択肢
AGAクリニックでは医師の診断のもと、医学的根拠に基づいた治療を行います。
AGAの進行を抑える内服薬(フィナステリド、デュタステリド)や、発毛を促す外用薬・内服薬(ミノキシジル)、さらに頭皮に直接成長因子を届ける注入治療など、個々の症状や進行度に応じた治療法を選択できます。
炭酸シャンプーと薄毛に関するよくある質問
さいごに、炭酸シャンプーと薄毛に関する質問をまとめます。
- Q炭酸シャンプーは毎日使っても大丈夫ですか?
- A
毎日の使用は推奨しません。炭酸シャンプーは洗浄力が高い製品が多いため、毎日使用すると頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥やバリア機能の低下を招く可能性があります。
脂性肌の方でも週2〜3回、乾燥肌や敏感肌の方は週1回程度のスペシャルケアとして使用するのが望ましいです。
- Q炭酸シャンプーが合わない人の特徴は?
- A
乾燥肌や敏感肌、頭皮の炎症などがある方は、炭酸シャンプーが合わない可能性が高いです。
もともと頭皮が乾燥しやすい(乾燥肌)、アトピー性皮膚炎や湿疹など頭皮に炎症がある、シャンプーでヒリヒリしたりかゆみが出たりしやすい(敏感肌)、炭酸の刺激やメントールの清涼感が苦手な方は、使用してみて赤みやかゆみが出たときはすぐに使用を中止してください。
- Q炭酸シャンプーを使えば髪は生えてきますか?
- A
炭酸シャンプーに直接的な発毛効果はありません。
炭酸シャンプーの役割は、あくまで毛穴の汚れを除去し、血行をサポートして「健康な髪が育ちやすい頭皮環境を整える」ことです。
もし薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)である場合、シャンプーだけでは進行を止められず、専門の治療が必要です。
- Q女性の薄毛(FAGA)にも炭酸シャンプーは使えますか?
- A
ご使用いただけます。女性の薄毛(FAGA)やびまん性脱毛症においても、頭皮の血行不良や毛穴の詰まりは健康な髪の成長を妨げる要因となります。
頭皮のベタつきやニオイが気になる場合、頭皮クレンジングとして取り入れるのは良いケア方法です。
ただし、男性同様、洗浄力が強すぎない製品を選び、使用頻度を守りましょう。
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