頭皮や毛根に生じるトラブルによって髪が抜けやすくなると、日常で使うシャンプーの大切さを改めて実感する方が少なくないようです。

シャンプーは頭皮環境を整えるだけでなく、抜け毛のリスクに影響を与えることが多いです。

この記事では専門医の視点から、抜け毛ケアにつなげるシャンプーの選び方と基本的な洗髪習慣を詳しくお伝えします。

目次

抜け毛とシャンプーの関係性

髪の状態は頭皮環境と密接につながっています。抜け毛が増えると「髪が弱ってきた」「遺伝ではないか」と考えがちですが、実際にはシャンプーの使い方や種類が頭皮の健康に大きく影響することがあります。

まずは抜け毛の背景を理解し、そのうえでどのようにシャンプーを選ぶかを見直していきましょう。

抜け毛に関係する頭皮環境の基本

抜け毛が増える原因にはホルモンバランスや遺伝、生活習慣など多岐にわたる要素がありますが、中でも頭皮環境の悪化は大きな要因のひとつです。

皮脂やフケが過剰になると毛穴が詰まりやすくなり、髪が正常に育ちにくくなります。

シャンプーは頭皮の皮脂や汚れを落とし、毛穴を清潔に保つ役割を担いますが、洗浄力が強すぎると必要な皮脂までも失い、乾燥や炎症を招いてしまいます。

状態影響
過度な皮脂分泌食生活の乱れやストレスで皮脂の分泌量が増える
洗浄力の強いシャンプーの連用頭皮のバリア機能を損ないやすい
不十分なすすぎシャンプーや整髪料の残留が起こり、頭皮トラブルの原因になる

上記のような要因が重なると頭皮が不健康な状態になり、抜け毛のリスクが高まります。

頭皮への負担とシャンプー選びの重要性

頭皮への過度な刺激は、慢性的な炎症やかゆみを引き起こします。

合わないシャンプーを使い続けると、洗浄成分や添加物による刺激で頭皮が荒れ、その状態が続くと髪が十分に育たない可能性があります。

抜け毛を少しでも減らしたいのであれば、自分の頭皮や髪質に合ったシャンプー選びが欠かせません。

抜け毛を意識したシャンプー選びで確認したいこと

確認したい要点具体的な着眼点
洗浄成分の種類アミノ酸系、ベタイン系、石けん系など
添加物の有無防腐剤、香料、着色料などの有無や含有量
保湿力グリセリン、ヒアルロン酸など保湿につながる成分の配合
頭皮の炎症に配慮した処方抗炎症成分、頭皮をいたわる成分の配合有無

洗浄力や保湿力、頭皮ケア成分などを総合的に判断してからシャンプーを選ぶと、抜け毛を減らす一助になります。

遺伝とシャンプーの相互作用

抜け毛に遺伝が関与していると感じる方は多いですが、遺伝的に髪が抜けやすい傾向があっても、頭皮環境が整っていれば抜け毛の進行が遅くなる可能性は十分あります。

逆に遺伝的には問題なくても、洗浄力の強いシャンプーの連用や頭皮の乾燥状態が続くと抜け毛が増える場合があります。

頭皮環境を守ることで遺伝の影響を軽減し、より健康的な髪を保つことにつなげられます。

抜け毛を防ぐためのシャンプーの基本要素

抜け毛を意識したシャンプーを探すとき、ボトルやパッケージに書かれた成分表を確認することが大切になります。

髪と頭皮にかける負担を減らしながら、必要な洗浄力とケア機能を両立させたいところです。

ここでは洗浄成分や補修成分など、シャンプーの基本要素を踏まえた選び方を探っていきます。

抜け毛ケアに関係する主な洗浄成分

洗浄成分にはアミノ酸系やベタイン系などさまざまなタイプがあります。抜け毛を意識する場合、頭皮をやさしく洗い上げるマイルドな洗浄成分が注目されやすいです。

代表的な洗浄成分としては、ココイルグルタミン酸やココイルメチルタウリンなどが挙げられ、髪や頭皮に比較的負荷をかけにくいといわれています。

タイプ成分
アミノ酸系ココイルグルタミン酸Na、ココイルアラニンNaなど
ベタイン系コカミドプロピルベタインなど
石けん系脂肪酸Naなど(アルカリ性が強くなりやすい)

アミノ酸系やベタイン系はマイルドな洗浄力で頭皮環境を守りやすい反面、皮脂の多い方には汚れが落ちにくいケースもあります。

一方、石けん系シャンプーはすっきり洗える一方で、髪がきしむと感じる場合があるため、自分の頭皮状態を見極めて使い分けることが必要です。

補修成分や保湿成分に着目する

洗髪によるダメージを減らすには、洗浄成分だけでなく保湿や補修のための成分にも目を向けると良いです。

髪のキューティクルを補修する成分や頭皮のうるおいを保つ成分が含まれているシャンプーは、抜け毛を意識する方にとって選びやすい選択肢になる場合があります。

シャンプー選びで注目したい保湿・補修成分

成分名特徴
ケラチン髪の主成分たんぱく質を補う働きがある
セラミド角質層の保湿力を高め、頭皮の乾燥を防ぐ
シルク由来成分髪の表面に皮膜を形成し、ツヤや手触りを良好に保つ
ヒアルロン酸水分保持能力が高く、頭皮の潤いをサポート
コラーゲン髪や頭皮の弾力を保ち、保湿と補強に期待が持てる

これらの成分をうまく取り入れると、髪が抜けやすい環境を少しでも改善しやすくなります。

ノンシリコンとシリコン入りの違い

ノンシリコンシャンプーは、髪や頭皮の呼吸を妨げにくいというイメージから人気があります。一方で、シリコン入りシャンプーは髪の手触りをなめらかにし、スタイリングしやすくする利点があります。

抜け毛に配慮するなら、まずは頭皮ケア効果や補修効果の高さを重視し、そのうえで自分の髪質やダメージ具合に合わせて選ぶのが得策です。

頭皮ケアと質感アップのバランスを取り、シャンプー選びで妥協せずに自分の髪に合うものを探すとよいでしょう。

使われる成分から見るシャンプーの種類

シャンプーにはさまざまな成分が含まれ、メーカーごとに特徴があります。

抜け毛を意識するなら、単に“髪に優しい”というキャッチコピーだけでなく、中身の成分を把握することが欠かせません。

アミノ酸系シャンプーが注目される理由

髪や頭皮のうるおいを守りながら洗えるという点で、アミノ酸系シャンプーは抜け毛が気になる方に人気を集めています。

洗浄力はややマイルドなので、皮脂分泌が多い方には物足りなさを感じる場合がありますが、頭皮が敏感な方や乾燥しやすい方には相性がよいと考えられます。

  • 頭皮の潤いをキープしやすい
  • 髪や頭皮に負担をかけにくい
  • さっぱり感よりもしっとり感が得やすい

心地よい洗い上がりを得たいときは、アミノ酸系を選ぶことを検討してみるとよいでしょう。

アミノ酸系シャンプーと他のタイプとの洗浄力比較

シャンプータイプ洗浄力の目安頭皮や髪への刺激度合い
アミノ酸系やや弱め低め
ベタイン系やや弱め~中程度低め~中程度
石けん系強めやや高め
高級アルコール系強め高め

表からもわかるように、アミノ酸系は頭皮への刺激を抑えたい方向けです。一方、脂性肌の方で皮脂量が多い場合は物足りない可能性があります。

石けん系シャンプーの特徴と使いどころ

石けん系シャンプーは植物油脂や動物油脂を原料とした脂肪酸とアルカリ成分から作られています。

強めの洗浄力が特徴ですが、髪の内部までしっかり洗える分、頭皮が乾燥しやすい面があります。

頭皮のベタつきが気になる方やスタイリング剤をしっかり落としたい日には便利ですが、使用後のきしみが気になる場合もあるため、コンディショナーでケアすると良いです。

石けん系シャンプーを使うときの注意点

  • アルカリ性が強いため髪がきしみやすい
  • すすぎ残しがあると頭皮トラブルにつながる
  • 髪がパサつく場合はトリートメントやコンディショナーで補う

これらの特徴を理解したうえで、自分の頭皮状態と照らし合わせて使用するかどうかを判断すると良いでしょう。

高級アルコール系シャンプーの課題と利点

ドラッグストアなどで広く市販されている高級アルコール系シャンプーは、泡立ちがよく、洗浄力に優れる点が魅力です。

ただし、洗浄力が強いため、皮脂を取りすぎることもあり、敏感肌や乾燥しやすい頭皮には刺激が強いケースがあります。

一方で、しっかり汚れを落とすのを重視したい方や、頭皮の皮脂が多くベタつきやすい方には合う場合もあります。

適度な保湿成分が含まれている製品を選ぶなど工夫をすると、抜け毛につながる頭皮環境の悪化を防ぎやすくなります。

正しい洗髪習慣で抜け毛を軽減する

シャンプー選びと同じくらい大切なのが、正しい洗髪習慣です。どれだけ頭皮に配慮したシャンプーを使っていても、洗い方やすすぎが不十分だと抜け毛が増える場合があります。

ここでは専門医の立場から、洗髪時に意識したいポイントを詳しく解説します。

洗い方を見直すメリット

シャンプーの量や洗い方を少し変えるだけで、髪の抜けやすさが軽減することがあります。頭皮を丁寧にマッサージするように洗うと、血行が促進されるだけでなく、毛穴の汚れを効率よく除去できます。

一方、強くゴシゴシ洗うと頭皮を傷めてしまい、かえって抜け毛を増やすリスクが高まります。

  • 洗髪前にぬるま湯で髪をよくすすぎ、ホコリやスタイリング剤をある程度落とす
  • シャンプーは手のひらで軽く泡立ててから頭皮にのせる
  • 指の腹でマッサージするように洗い、爪を立てないように注意する

温度や時間、すすぎのコツ

頭皮や髪のためには、洗浄力の強さだけでなく湯温や洗髪時間も気をつける必要があります。

熱すぎるお湯は頭皮の乾燥を招きやすく、逆にぬるすぎると皮脂汚れが落ちにくい可能性があります。

38℃前後の適度な温度を目安にして、洗髪全体を5~7分ほどかけて行うと頭皮への負担が少なくなります。

頭皮にやさしい洗髪のポイント

  • 38℃前後の適度な湯温で髪と頭皮を洗う
  • シャンプー前に約1分しっかりすすぎ、汚れをある程度落とす
  • シャンプー後は丁寧にすすぎ、泡が残らないようにする
  • タオルドライのときは強くこすらずに抑えるように水気をとる

時間をかけてすすぐと頭皮や髪にシャンプー成分が残りにくくなり、炎症やかゆみを防ぎやすくなります。

ドライヤーの使い方で頭皮トラブルを回避

髪を洗った後の乾かし方は、抜け毛の多い方にとって重要なポイントです。自然乾燥を好む方もいますが、頭皮が湿ったままの状態が長引くと雑菌が繁殖しやすくなり、頭皮トラブルを招きやすいです。

ドライヤーを使うときは根元からしっかり乾かすことを意識し、熱風を1か所に当てすぎないように注意しながら、髪と頭皮を素早く乾かします。

抜け毛対策に役立つドライヤーの使用

ドライヤーの設定具体的な注意点
温風根元から乾かすことを意識するが、頭皮に近づけすぎない
冷風最後に冷風を当てると髪の表面が整いやすい
距離頭皮から20cmほど離し、1か所に熱風を集中させない
時間手早く乾かし、必要以上に熱を与えない

髪と頭皮を清潔に保つと同時に、過度な熱ダメージを与えない工夫が抜け毛軽減に役立ちます。

頭皮のトラブル別に考えるシャンプー選び

抜け毛と一口にいっても、脂っぽい頭皮や乾燥気味の頭皮など、個々の頭皮状態は異なります。

頭皮のトラブルを把握し、自分に合ったシャンプーを選ぶことが重要です。

脂性タイプの頭皮:皮脂過剰による抜け毛

頭皮が脂っぽくてベタつきやすい場合、皮脂が過度に分泌されて毛穴に詰まりやすくなるときがあります。その結果、毛穴周辺が炎症を起こし、髪が抜けやすくなることが考えられます。

脂性タイプの頭皮をケアするなら、皮脂を適度に洗い流せる洗浄力と、頭皮を清潔に保つ抗菌・抗炎症成分が含まれているシャンプーを選ぶとよいでしょう。

項目ポイント
脂性タイプに合った洗浄成分高級アルコール系や石けん系など、過剰皮脂を落とす力がやや強めのもの
抗菌・抗炎症成分イソプロピルメチルフェノールなど
洗いすぎ注意必要な皮脂までも奪うと皮脂分泌がさらに活発になる可能性がある

乾燥タイプの頭皮:フケやかゆみ、抜け毛

乾燥気味の頭皮はフケやかゆみが起こりやすく、さらにダメージが蓄積すると抜け毛につながるケースがあります。こうした場合は保湿力の高いシャンプーを選んで頭皮のうるおいを守ることが大切です。

アミノ酸系やベタイン系の洗浄成分を中心に、保湿成分や頭皮コンディショニング成分が配合されている製品を選ぶとトラブルを和らげやすくなります。

乾燥タイプの頭皮が抱えやすい悩みと対策

悩み対策
フケの増加アミノ酸系シャンプーで頭皮のうるおいを確保
かゆみ抗炎症作用のある成分や保湿成分を含むシャンプーを活用
抜け毛洗髪後はドライヤーで素早く乾かし、頭皮のバリア機能を守る
炎症刺激の少ない処方を選び、強くこすり洗いをしない

敏感肌やアレルギー体質の場合

アレルギー体質の方や敏感肌の方は、成分がシンプルで刺激の少ないシャンプーを選ぶと良いです。

防腐剤や香料、着色料などが少ない、あるいは無添加に近い処方のものを使うと頭皮トラブルのリスクを下げられる可能性があります。

抜け毛が気になるのであれば、必要以上に洗浄力の強いシャンプーを選ばないこともポイントです。

  • 無添加や低刺激設計のシャンプーを選ぶ
  • 成分表を確認して合わない成分が含まれていないかをチェック
  • 洗いあがり後に頭皮に赤みやかゆみがあるときは使用を中止して医師に相談

AGA治療の視点から見るシャンプーの使い方

抜け毛が進行し、AGA(男性型脱毛症)や女性型脱毛症が疑われる場合は、医療機関での診察や治療を検討する必要があります。

ただし、自宅でのケアとしてシャンプー選びや洗髪の方法を見直すと、治療と相乗効果をもたらすケースもあります。治療薬だけに頼るのではなく、頭皮環境を健やかに保つ努力が大切です。

AGA治療中に意識したいシャンプーのポイント

AGA治療ではフィナステリドやデュタステリドといった飲み薬を使う方も多いですが、頭皮環境が乱れていると治療効果を実感しにくくなるケースもあります。

治療中のシャンプー選びで意識したい点は以下のとおりです。

  • 頭皮を清潔に保つマイルドな洗浄力
  • 血行促進や抗炎症作用など、頭皮ケア成分が含まれること
  • 過度な皮脂の除去や刺激を避ける

育毛剤との相乗効果を狙う

育毛剤を使う際は、事前に頭皮を清潔な状態に整えることが重要です。シャンプーで頭皮や毛穴の汚れをしっかり落とすと育毛剤の浸透率が高まりやすくなる場合があります。

また、保湿力のあるシャンプーを併用すると頭皮が乾燥しにくく、育毛剤の刺激を感じにくくなる可能性も高まります。

AGA治療と併用するシャンプーを選ぶためのチェック項目

チェック項目具体例・備考
洗浄力の適度なバランス頭皮の皮脂を落としすぎず、しかし毛穴の汚れはきちんと除去
血行促進成分の有無ピロクトンオラミン、センブリエキスなどが配合されていることがある
抗炎症・保湿成分の含有グリチルリチン酸2K、アミノ酸系保湿成分など
育毛剤との相性育毛剤を使う場合、頭皮に残留しにくい洗浄成分や無添加処方を検討

医療機関での相談のすすめ

シャンプー選びに迷ったら、専門医に相談することも検討してください。抜け毛の状態や頭皮のトラブルを総合的に見てもらい、適切な治療の提案やシャンプーのアドバイスを得られます。

市販のシャンプーではカバーしきれない問題がある場合、医療用のシャンプーやローションを処方されることもあります。自己判断だけでは解決しにくいと感じたら、専門家の力を借りると安心です。

シャンプー選びに関する注意点と誤解

抜け毛に配慮したシャンプーが増える一方で、誤ったイメージや情報に惑わされやすいのも事実です。

手当たり次第に製品を試してしまうと、頭皮状態を悪化させる可能性もあります。

「高級なシャンプーなら抜け毛が減る」は誤解

高級品や人気のある商品を使えば、必ず抜け毛が減るわけではありません。シャンプーは頭皮や髪質に合うかどうかがもっとも大切です。

高価なシャンプーの中には保湿成分や美容成分が豊富に含まれている場合もありますが、頭皮の皮脂量やアレルギーの有無など、個々の事情を考慮しないと逆にトラブルを招く可能性があります。

  • 値段よりも成分や処方をチェックする
  • 評判がよくても自分の頭皮に合うとは限らない
  • トライアルサイズやミニボトルで試してみる

「シリコンは悪」と単純には言い切れない

ノンシリコンシャンプーが広まるとともに「シリコン=頭皮に悪い」というイメージが強調されましたが、必ずしもそうとは限りません。

シリコンは髪の表面をコーティングし、絡まりやパサつきを防ぐ効果があります。頭皮が健康で皮脂量が適切なら問題なく使えるケースも多いです。

抜け毛対策としてシリコン入りを避けるのが効果的な場合もあれば、逆に髪のダメージを防ぐためにシリコン入りが向いている場合もあるので、自分の髪と頭皮の状態を優先して選ぶほうが賢明です。

項目シリコン入りの特徴ノンシリコンの特徴
洗い上がりなめらかで指通りがよい髪本来の質感を実感しやすい
頭皮への影響過度な使用や汚れの蓄積には注意が必要軽い仕上がりだがきしみやすいこともある
髪のダメージケアダメージ部分をコーティングして補強ダメージケア成分の含有が少ないと傷みを感じやすい場合がある

試供品やトライアルキットの活用

いきなり大容量のシャンプーを購入するのではなく、試供品やトライアルサイズを活用すると自分の頭皮に合うかどうかを見極めやすいです。

数回使用しただけでは完全にわからないときもありますが、かゆみや赤みなどの刺激を感じるかどうかはある程度判断できます。

抜け毛が気になる場合こそ、自分の頭皮としっかり向き合いながら慎重に選ぶとリスクを減らせるでしょう。

よくある質問

抜け毛が増えてくると、シャンプーに関する疑問が次々に湧いてくるかもしれません。ここではクリニックによく寄せられる質問と、その回答をまとめました。

シャンプーにまつわる不安や疑問を解消して、健康的な頭皮と髪を目指しましょう。

Q
抜け毛が多いときは毎日シャンプーしないほうがいいですか?
A

むしろ頭皮環境を清潔に保つためには、毎日シャンプーをすることを推奨する場合が多いです。

ただし、洗浄力の強い製品でゴシゴシと洗うと頭皮を傷めてしまうので、マイルドなシャンプーを使い、優しく洗うことが大切です。

皮脂量が少なく乾燥しやすい方は、2日に1回程度に頻度を落とす場合もあるため、自身の頭皮状態を基準に判断してください。

Q
同じシャンプーを長期間使い続けるのは問題ないですか?
A

問題がない場合もありますが、髪質や頭皮の状態は年齢や季節の変化、ホルモンバランスなどによって変わります。

抜け毛が増えてきた、頭皮に違和感を覚えるなどの症状が出たときは、シャンプーの見直しを検討してみるとよいでしょう。

定期的に成分を確認し、必要に応じて違うタイプの製品に変えることも選択肢に入れてください。

Q
頭皮マッサージ用のブラシは効果がありますか?
A

頭皮をブラシでマッサージするのは、血行促進や古い角質除去の点でメリットがあります。ただし、強くこすったり、頭皮に傷をつけたりすると逆効果になってしまいます。

ブラシの素材や硬さに注意して、適度な力加減で使用するのが重要です。医師の立場からも、ブラシの選択と使い方には慎重になるようにアドバイスしています。

Q
抜け毛がひどいと感じたらどのタイミングで受診すればいい?
A

1か月以上継続して抜け毛の量が増えていると感じる場合や、生え際が明らかに後退している、頭頂部のボリュームが急激に減ってきたなどの明確な変化がある場合は、早めに受診すると良いでしょう。

シャンプーの変更では改善が見込めないほど進行しているケースもあり、専門的な治療が必要な可能性があります。

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