前頭部の生え際が後退してきた、M字部分の薄毛が気になる、と感じる方が増えているようです。前頭部の薄毛は顔の印象を大きく左右するため、悩んでいる方も多いでしょう。
この部分の薄毛は男性型脱毛症(AGA)が原因であるケースが多く、放置すると徐々に進行してしまいます。しかし適切な治療とセルフケアを行えば、進行を抑制して改善を目指すことが可能です。
前頭部薄毛とは?特徴と他の薄毛との違い
はじめに、前頭部の薄毛がどのような状態を指すのか、その特徴や他の部位の薄毛との違いについて解説します。
前頭部の薄毛が目立つ理由
前頭部は人の視線が集まりやすい顔の一部であるため、薄毛が進行すると特に目立ちやすい部位です。
生え際が後退したり、額が広くなったように感じたりして、多くの方が薄毛を自覚し始めます。髪型で隠すにも限界があり、整容面での悩みが深くなりやすいのが特徴です。
M字型とU字型の進行パターン
前頭部の薄毛には、主に二つの進行パターンがあります。一つは、左右の生え際が後退していく「M字型」です。もう一つは、額全体の生え際が後退していく「U字型」です。
どちらのパターンもAGA(男性型脱毛症)でよく見られますが、進行の仕方には個人差があります。
前頭部薄毛の主な進行パターン
パターン名 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|
M字型 | 左右の生え際(こめかみの上あたり)が後退 | AGAの初期症状として多い |
U字型 | 額全体の生え際が徐々に後退 | M字型と同時に進行することもある |
頭頂部薄毛との違い
薄毛は前頭部だけでなく、頭頂部(つむじ周辺)にも現れる場合があります。前頭部の薄毛は生え際の後退が特徴ですが、頭頂部の薄毛はつむじを中心に髪が薄くなるのが特徴です。
AGAの場合、前頭部と頭頂部の薄毛が同時に進行するケースも少なくありません。
しかし、原因や進行のパターンが異なる場合もあるため、それぞれの部位に応じた対策を考えることが重要です。
なぜ前頭部は薄毛になりやすいのか?主な原因
前頭部の薄毛がなぜ起こるのか、その背景にはいくつかの原因が考えられます。ここでは、主な原因について詳しく見ていきましょう。
AGA(男性型脱毛症)の影響
前頭部の薄毛、特にM字型やU字型の進行が見られるときに、最も考えられる原因はAGA(男性型脱毛症)です。
AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼの働きによってジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、このDHTが毛乳頭細胞にある受容体と結合して髪の成長期を短縮させてしまう病気です。
これにより髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、薄毛が進行します。
なかでも前頭部と頭頂部にはDHTの影響を受けやすい毛乳頭細胞が多く存在するため、AGAの症状が現れやすいのです。
生活習慣の乱れ(食生活、睡眠、ストレス)
不規則な生活習慣は頭皮環境や髪の成長に悪影響を与えて、薄毛の原因となり得ます。
食生活の偏り
髪の主成分であるタンパク質や、髪の成長を助けるビタミン、ミネラルが不足すると、健康な髪が育ちにくくいです。特に亜鉛やビタミンB群は髪の成長に重要な役割を果たします。
睡眠不足
髪の成長には成長ホルモンが関わっています。成長ホルモンは主に睡眠中に分泌されるため、睡眠不足が続くと髪の成長が妨げられる可能性があります。
過度なストレス
ストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮への血流を悪化させるときがあります。血行不良は髪の毛を作る毛母細胞への栄養供給を滞らせ、薄毛を引き起こす一因となります。
頭皮環境の悪化(血行不良、皮脂)
頭皮の健康状態も髪の成長に直接影響します。頭皮の血行が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛根まで十分に届かなくなります。
また、皮脂の過剰な分泌や、逆に乾燥しすぎている状態も頭皮環境を悪化させ、毛穴の詰まりや炎症を引き起こして抜け毛や薄毛の原因となる場合があります。
シャンプーのしすぎや洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、あるいは不十分なすすぎなども頭皮環境を悪化させる要因です。
その他の要因(遺伝、牽引性脱毛症など)
AGAの発症しやすさには遺伝的な要因も関与していると考えられています。ご家族に薄毛の方がいる場合は、AGAを発症する可能性が比較的高くなる傾向があります。
また、常に髪を強く引っ張るような髪型(ポニーテールなど)を続けていると毛根に負担がかかり、生え際などが薄くなる「牽引性脱毛症」を引き起こす方もいます。
薄毛の主な原因概要
原因カテゴリー | 具体的な要因例 | 影響 |
---|---|---|
男性型脱毛症 | DHT(ジヒドロテストステロン) | 髪の成長期短縮、軟毛化、抜け毛増加 |
生活習慣 | 栄養不足、睡眠不足、ストレス | 髪の栄養不足、成長ホルモン分泌低下、血行不良 |
頭皮環境 | 血行不良、皮脂トラブル、不適切なケア | 毛根への栄養不足、毛穴詰まり、炎症 |
AGA(男性型脱毛症)による前頭部薄毛の進行
前頭部薄毛の最大の原因であるAGAについて、その発症と進行の仕組み、そして早期対応の重要性を解説します。
AGAの発症と進行の仕組み
AGAは、男性ホルモンの影響でヘアサイクル(毛周期)が乱れるため発症します。
通常、髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」というサイクルを繰り返しています。成長期は数年間続き、髪が太く長く成長する期間です。
しかし、AGAを発症すると、ジヒドロテストステロン(DHT)の影響でこの成長期が数ヶ月から1年程度に短縮されてしまいます。その結果、髪が十分に育たないまま細く短い毛となり、やがて抜け落ちてしまうのです。
このサイクルが繰り返されることで、徐々に薄毛が目立つようになります。
進行を放置するリスク
AGAは進行性の脱毛症であり、一度発症すると自然に治ることはありません。治療を開始せずに放置するとヘアサイクルの乱れが続き、薄毛は徐々に進行していきます。
前頭部の生え際の後退が進んだり、M字部分がさらに深くなったりする可能性があります。
進行が進むほど毛根の機能が低下し、治療による改善効果が得られにくくなる傾向があります。
AGA進行度セルフチェックのポイント
- 以前より額が広くなった気がする
- 生え際の髪が細く、弱々しくなった
- M字部分の剃り込みが深くなった
- 抜け毛が増えたと感じる
- 家族に薄毛の人がいる
これらの項目に当てはまる場合は、AGAが進行している可能性があります。
早期発見・早期治療の重要性
AGAによる前頭部薄毛の進行を食い止めて改善を目指すためには、早期発見と早期治療が非常に重要です。
症状が軽微な段階で治療を開始すれば、毛根の機能がまだ保たれているため治療効果が出やすく、薄毛の進行を効果的に抑制できる可能性が高まります。
「まだ大丈夫だろう」と自己判断せず、少しでも気になり始めたらできるだけ早く専門のクリニックに相談すると良いでしょう。
早期に適切な治療を受けることが、将来的な髪の状態を良好に保つ鍵となります。
クリニックで受けられる前頭部薄毛の治療法
AGAによる前頭部薄毛は、クリニックでの専門的な治療によって改善が期待できます。
内服薬治療(フィナステリド、デュタステリド)
AGA治療の基本となるのが内服薬です。主に2種類の薬が用いられます。
フィナステリドは、AGAの原因物質であるDHTの生成に関わる5αリダクターゼ(Ⅱ型)の働きを阻害する薬です。
一方、デュタステリドは、5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型の両方の働きを阻害するため、より強力にDHTの生成を抑制する効果が期待できます。
どちらの薬もヘアサイクルを正常に近づけて抜け毛を減らし、髪の成長を促すのを目的としています。医師の診察のもと、症状や体質に合わせて処方されます。
主なAGA内服薬
薬剤名 | 作用する酵素 | 特徴 |
---|---|---|
フィナステリド | 5αリダクターゼⅡ型 | 多くのAGA治療で第一選択薬として用いられる |
デュタステリド | 5αリダクターゼⅠ・Ⅱ型 | フィナステリドより強力なDHT抑制効果が期待 |
外用薬治療(ミノキシジル)
ミノキシジルは、頭皮に直接塗布するタイプの外用薬です。元々は高血圧の治療薬として開発されましたが、発毛効果があることがわかり、AGA治療にも用いられるようになりました。
ミノキシジルには血管を拡張させて頭皮の血流を改善する作用や、毛母細胞に直接働きかけて髪の成長期を延長させる作用があると考えられています。
内服薬と併用するとより発毛効果が期待できる場合があります。市販薬もありますが、クリニックではより高濃度のものを処方できます。
注入療法(メソセラピー、HARG療法など)
注入療法は、髪の成長に必要な有効成分を頭皮に直接注入する治療法です。
メソセラピーではミノキシジルやフィナステリド、ビタミンやミネラル、成長因子などを患者さんの状態に合わせてブレンドし、注射や特殊な機器を用いて頭皮に注入します。
HARG療法は、脂肪幹細胞から抽出した成長因子(AAPE)を主成分とする薬剤を注入する治療法です。
これらの治療は、内服薬や外用薬の効果を高める補助的な役割や、薬の効果が出にくい場合の選択肢として検討されます。
主な注入療法の比較
治療法 | 注入成分 | 特徴 |
---|---|---|
メソセラピー | ミノキシジル、フィナステリド、成長因子など | 患者さんの状態に合わせたオーダーメイド処方が可能 |
HARG療法 | 幹細胞由来の成長因子(AAPE) | 毛髪再生を促す効果が期待される |
自毛植毛
自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分の毛髪を毛根ごと採取し、薄毛が気になる前頭部などの部位に移植する外科的な治療法です。
移植した毛髪は元の部位の性質を保ったまま生え続けるため、根本的な改善が期待でき、効果の持続性も高いのが特徴です。
内服薬や外用薬での効果が不十分なときや、より確実な見た目の変化を求めるときに適しています。
ただし、外科手術であるため費用が高額になり、ダウンタイムが必要になる点を考慮する必要があります。
治療法の選び方と注意点
前頭部薄毛の治療法は複数ありますが、ご自身の状態や希望に合った方法を選ぶことが大切です。
症状の進行度に合わせた治療選択
治療法を選ぶ際には、まずご自身の薄毛の進行度を正確に把握することが重要です。
初期段階であれば、内服薬や外用薬による治療で進行を抑制して改善を目指すのが一般的です。
中程度以上に進行している場合は内服薬・外用薬に加えて注入療法を併用したり、より確実な効果を求めて自毛植毛を検討したりすることもあります。
医師とよく相談し、進行度に応じた適切な治療プランを立てましょう。
治療期間と費用の目安
AGA治療は、効果を実感するまでに時間がかかり、継続するのが基本となります。
治療法別のおおよその目安
治療法 | 効果実感までの期間目安 | 費用目安 |
---|---|---|
内服薬 | 3ヶ月~6ヶ月 | 5,000円~15,000円/月 |
外用薬 | 4ヶ月~6ヶ月 | 7,000円~15,000円/月 |
注入療法 | 数ヶ月(複数回施術) | 数万円~十数万円/回 |
自毛植毛 | 6ヶ月~1年 | 50万円~数百万円(範囲・方法による) |
上記はあくまで一般的な目安であり、症状やクリニックによって異なります。
治療開始前に必要な期間と総額費用について、しっかりと確認しておきましょう。AGA治療は基本的に自由診療となり、公的医療保険は適用されません。
副作用とリスクについて
どの治療法にも、副作用やリスクの可能性はあります。
内服薬では、まれに性機能障害(勃起不全、性欲減退など)や肝機能障害などが報告されています。外用薬では頭皮のかゆみやかぶれ、発疹などが起こるケースがあります。
注入療法では注入時の痛みや内出血、腫れなどが考えられます。自毛植毛は外科手術であるため、出血や感染、腫れや痛みなどのリスクが伴います。
治療を開始する前に、医師から考えられる副作用やリスクについて十分な説明を受け、理解しておくと良いでしょう。
クリニック選びのポイント
適切な治療を受けるためには、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
クリニック選びで確認したいこと
- AGA治療の実績が豊富か
- 複数の治療選択肢を提示してくれるか
- 医師が診察し、丁寧に説明してくれるか
- 費用体系が明確で、追加費用の説明があるか
- プライバシーへの配慮があるか
カウンセリングなどを利用して、複数のクリニックを比較検討するのをおすすめします。疑問や不安な点は遠慮せずに質問し、納得のいくクリニックを選びましょう。
自宅でできる前頭部薄毛のケアと予防策
クリニックでの治療と並行して、自宅でのセルフケアも、前頭部薄毛の進行抑制や頭皮環境の改善に役立ちます。
正しいシャンプーと頭皮ケア
毎日のシャンプーは頭皮を清潔に保つための基本ですが、洗いすぎや間違った方法は逆効果になる場合もあります。
自分の頭皮タイプ(乾燥肌、脂性肌、普通肌など)に合った、洗浄力がマイルドなアミノ酸系シャンプーなどを選びましょう。
洗髪時は爪を立てず指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流すと良いです。
シャンプーは1日1回程度で十分です。洗いすぎは頭皮の乾燥を招き、かえって皮脂の過剰分泌を引き起こすケースもあります。
バランスの取れた食事と栄養
髪の毛は主にタンパク質(ケラチン)でできているため、良質なタンパク質の摂取が重要です。肉や魚、卵や大豆製品などをバランスよく取り入れましょう。
また、髪の成長にはビタミンやミネラルも必要です。特に、亜鉛は髪の主成分であるケラチンの合成を助け、ビタミンB群は頭皮の新陳代謝を促します。
緑黄色野菜やレバー、ナッツ類や牡蠣などを意識して摂取すると良いでしょう。
髪の成長に役立つ主な栄養素
栄養素 | 働き | 多く含む食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分(ケラチン)の材料 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
亜鉛 | ケラチンの合成を助ける、細胞分裂を促進 | 牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類 |
ビタミンB群 | 頭皮の新陳代謝促進、皮脂分泌の調整 | レバー、豚肉、マグロ、カツオ、卵 |
質の高い睡眠とストレス管理
健やかな髪を育むためには、質の高い睡眠が重要です。髪の成長を促す成長ホルモンは、主に就寝中に分泌されます。
毎日決まった時間に寝起きするなど、規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
また、過度なストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、薄毛の原因となり得ます。趣味や運動、リラックスできる時間を作るなど、自分なりの方法でストレスを上手に解消するのがおすすめです。
血行促進のためのマッサージ
頭皮の血行が悪くなると、毛根に十分な栄養が届きにくくなります。頭皮マッサージは、血行を促進して頭皮を柔らかく保つのに役立ちます。
シャンプー時やリラックスタイムなどに指の腹を使って、頭皮全体を優しく揉みほぐすようにマッサージしましょう。
ただし、爪を立てたり、強くこすりすぎたりしないように注意してください。育毛剤を使用している場合は、マッサージによってその浸透を高める効果も期待できます。
Q&A(よくある質問)
前頭部の薄毛治療に関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- Q治療はいつから効果が出ますか?
- A
治療効果が現れるまでの期間には個人差がありますが、一般的に内服薬や外用薬の場合、早い方で3ヶ月、多くの方は6ヶ月程度で抜け毛の減少や産毛の増加といった変化を感じ始めます。
目に見える改善を実感するには、半年から1年以上の継続が必要な場合が多いです。
注入療法や自毛植毛の効果実感時期は、それぞれの治療法や個人差によって異なります。
いずれの治療も、根気強く続けることが重要です。
- Q女性でも前頭部の薄毛になりますか?
- A
女性は男性のAGAとは異なり、特定の部位だけが極端に薄くなることは比較的まれですが、加齢やホルモンバランスの変化、生活習慣の乱れやストレス、牽引性脱毛症などにより前頭部の生え際や分け目が薄くなる場合があります。
これを女性型脱毛症(FAGA)やびまん性脱毛症と呼びます。原因や治療法が男性とは異なる場合があるため、女性の薄毛治療を専門とするクリニックに相談すると良いでしょう。
- Q治療をやめると元に戻りますか?
- A
AGAは進行性の脱毛症であり、現在の治療法は主にその進行を抑制して発毛を促すものです。
根本的に体質を変える治療ではないため、内服薬や外用薬による治療を自己判断で中断すると再び薄毛が進行し、治療前の状態に戻ってしまう可能性が高いです。
治療効果を維持するためには、医師の指示に従って治療を継続することが重要です。治療の中断や変更を希望する場合は、必ず医師に相談してください。
自毛植毛で移植した毛髪はAGAの影響を受けにくい性質を持つため基本的には生え続けますが、移植していない既存の毛髪はAGAの影響を受けるため、内服薬などによるケアの継続が推奨される場合があります。
- Q保険は適用されますか?
- A
AGA(男性型脱毛症)や女性型脱毛症の治療は容姿の改善を目的とする美容医療とみなされるため、原則として公的医療保険の適用対象外となり、自由診療となります。治療にかかる費用は全額自己負担です。
ただし、薄毛の原因が他の病気(甲状腺疾患など)によるものである場合は、その病気の治療に対して保険が適用されることがあります。
まずは専門医の診察を受け、薄毛の原因を正確に診断してもらうことが大切です。
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