髪の色を変えておしゃれを楽しみたいけれど、「髪を染めるとはげるのでは?」と心配になる方が多いようです。
特に薄毛や抜け毛に関心のある方にとっては、ヘアカラーが髪や頭皮に与える影響は気になるところでしょう。
この記事では、髪を染める行為と抜け毛の関係性、考えられるリスク、そして大切な髪と頭皮を守りながらヘアカラーを楽しむための予防策について、専門的な観点から詳しく解説します。
正しい知識を身につけ、健やかな髪を維持しましょう。
ヘアカラーが髪と頭皮に与える影響
ヘアカラーは手軽に印象を変えられる手段ですが、髪や頭皮に一定の負担をかける可能性があります。
どのような影響があるのか、具体的に見ていきましょう。
ヘアカラー剤の主な成分
一般的な永久染毛剤(アルカリカラー)には、主に以下のような成分が含まれています。
これらの成分が髪の色を変える働きをする一方で、髪や頭皮への刺激となる場合もあります。
主な染毛剤成分とその役割
成分名 | 主な役割 | 注意点 |
---|---|---|
アルカリ剤(アンモニアなど) | キューティクルを開き、染料の浸透を助ける | 髪の膨潤、刺激臭 |
酸化染料(パラフェニレンジアミンなど) | 髪の内部で発色する | アレルギー反応の原因となることがある |
過酸化水素 | メラニン色素を脱色し、染料の発色を促す | 髪のダメージ、頭皮への刺激 |
これらの成分が複合的に作用するため髪が染まりますが、同時に髪のタンパク質を変性させたり、頭皮に刺激を与えたりする可能性があるのを理解しておく必要があります。
髪の構造とダメージの受けやすさ
髪の毛は、外側からキューティクル、コルテックス、メデュラの3層構造になっています。
ヘアカラー剤は、最も外側にあるキューティクルを開き、内部のコルテックスに染料を浸透させます。
この際にキューティクルが剥がれたり傷ついたりすると、髪内部の水分やタンパク質が流出しやすくなり、髪が乾燥したり、切れ毛や枝毛の原因になったりします。
特に、既にダメージを受けている髪や細い髪は、薬剤の影響を受けやすいため注意が必要です。
頭皮への刺激と炎症のリスク
ヘアカラー剤に含まれる化学物質は頭皮に直接付着すると刺激となり、かゆみや赤み、湿疹などの炎症を引き起こすときがあります。これを接触皮膚炎と呼びます。
特に、パラフェニレンジアミンなどの酸化染料はアレルギー反応を引き起こしやすい成分として知られており、体質によっては強いアレルギー症状(かぶれ、腫れなど)が現れるケースもあります。
頭皮に傷や湿疹があるときは症状が悪化する可能性があるため、ヘアカラーを避けるべきです。
繰り返しのヘアカラーで起こりうること
ヘアカラーを短期間に何度も繰り返すと、髪と頭皮への負担が蓄積します。
髪はダメージが修復される前に新たなダメージを受けることになり、パサつきやごわつき、強度の低下が進みます。
頭皮も慢性的な刺激にさらされるためバリア機能が低下し、乾燥しやすくなったり、敏感な状態になったりしやすいです。
繰り返しのヘアカラーによる影響
- 髪の乾燥・パサつき
- 切れ毛・枝毛の増加
- 髪のハリ・コシの低下
- 頭皮の乾燥・かゆみ
健康な髪と頭皮を維持するためには、適切な頻度とケアが重要です。
髪染めと抜け毛の直接的な関係性
「髪を染めるとはげる」という噂を耳にするときがありますが、ヘアカラーが直接的にAGA(男性型脱毛症)のような進行性の脱毛症を引き起こすわけではありません。
しかし、不適切な染め方や頭皮の状態によっては、抜け毛が増える要因となる場合があります。
ヘアカラー剤は本当に抜け毛を引き起こすのか?
通常のヘアカラーで、毛根の奥にある毛母細胞が破壊され、髪が永久に生えてこなくなるようなことは基本的にはありません。
しかし、ヘアカラー剤の刺激によって頭皮環境が悪化したり、髪が途中で切れてしまったりすると、「抜け毛が増えた」と感じる方もいます。
これは、毛根から抜ける「自然な抜け毛」とは異なるケースです。
薬剤による毛髪の脆弱化
ヘアカラー剤、特にブリーチ剤などに含まれるアルカリ剤や過酸化水素は、髪のタンパク質構造に影響を与えます。
これにより髪の強度が低下し、もろく切れやすい状態になるときがあります。
ブラッシングやシャンプー時の摩擦など、日常的なわずかな力でも髪が途中で切れてしまうと、それが抜け毛のように見える場合があります。
薬剤による毛髪への影響段階
段階 | 髪の状態 | 主な原因薬剤 |
---|---|---|
軽度 | キューティクルの軽微な損傷、手触りの変化 | 通常のアルカリカラー |
中度 | キューティクルの剥離、パサつき、ツヤの低下 | 高頻度のカラー、ハイトーンカラー |
重度 | タンパク質の流出、著しい強度低下、切れ毛 | ブリーチ、過度な繰り返し |
頭皮環境の悪化と毛周期への影響
ヘアカラー剤による頭皮への刺激が炎症を引き起こし、それが長引くと頭皮環境が悪化します。
健康な髪は健康な頭皮から育つため、頭皮環境の悪化は毛周期(ヘアサイクル)に影響を与え、成長期が短縮されたり、休止期が長引いたりする可能性があります。
この結果、太く長く成長するはずの髪が十分に育たず、細く短い毛が増えたり抜け毛が増えたりすることが考えられます。
アレルギー反応による脱毛
ヘアカラー剤に含まれる特定の成分(特にパラフェニレンジアミンなどの酸化染料)に対してアレルギー反応を起こすと、頭皮に強い炎症や湿疹が生じる方もいます。
重度のアレルギー反応の場合、炎症が毛包にまで及び、一時的に脱毛斑(円形脱毛症のような状態)ができる可能性もあります。
このような場合は、速やかに皮膚科専門医の診察を受ける必要があります。
抜け毛リスクを高める染め方・習慣
ヘアカラーによる抜け毛のリスクは、染め方やその後の習慣によって大きく左右されます。
どのような行為がリスクを高めるのかを確認して、避けるように心がけましょう。
高頻度のカラーリング
髪や頭皮がダメージから回復する間もなく、短い間隔でカラーリングを繰り返すと大きな負担となります。
特に、全体染めを頻繁に行うと既に染まっている部分にも薬剤が作用し、ダメージが蓄積します。
リタッチ(根元染め)を活用するなど、頻度を適切にコントロールすることが大切です。
推奨されるカラーリング間隔の目安
カラーリングの種類 | 推奨間隔 | 理由 |
---|---|---|
全体染め(フルカラー) | 2ヶ月以上 | 髪全体のダメージ蓄積を避けるため |
リタッチ(根元染め) | 1ヶ月~1.5ヶ月程度 | 新生部のみを染め、既染部への負担を軽減 |
ブリーチ | 美容師と相談(状態による) | ダメージが大きいため慎重な判断が必要 |
ブリーチやハイトーンカラーの危険性
ブリーチ剤は髪のメラニン色素を強力に分解するため、髪へのダメージが非常に大きい施術です。
キューティクルを大きく開き、髪内部のタンパク質にも影響を与えるため、髪は著しく脆弱化します。
ハイトーンカラーを実現するためにはブリーチが必須となるケースが多いですが、その分、切れ毛や頭皮トラブルのリスクも高まります。
ブリーチを行うときは信頼できる技術を持った美容師に相談し、髪の状態を見極めながら慎重に行う必要があります。
市販品とサロン施術の違い
市販のヘアカラー剤は、誰でも簡単に染められるように薬剤の力が強めに設定されているものがあります。
また、自分で染める際には薬剤の塗布量や放置時間が不均一になったり、頭皮に必要以上に薬剤が付着したりする可能性があります。
一方、サロンでは美容師が髪質やダメージレベルを見極め、適切な薬剤選定と技術で施術を行うため、髪や頭皮への負担を比較的抑えられます。
市販品とサロン施術の比較
項目 | 市販品 | サロン施術 |
---|---|---|
薬剤選定 | 自己判断(種類が限られる) | 髪質・状態に合わせたプロの選定 |
塗布技術 | ムラになりやすい、頭皮付着リスク | 均一な塗布、頭皮保護 |
ダメージケア | 限定的(付属トリートメントなど) | 施術前後の処理、専門的ケア |
間違ったアフターケア
ヘアカラー後の髪は非常にデリケートな状態です。
この時期に間違ったアフターケアを行うとダメージを進行させ、抜け毛につながる可能性があります。
避けるべきアフターケア
- 染めた当日のシャンプー(色が定着しにくく、刺激になることも)
- 洗浄力の強すぎるシャンプーの使用
- 髪が濡れたままの長時間の放置
- 高温でのドライヤーやヘアアイロンの頻繁な使用
カラーリング後は、髪と頭皮を優しくいたわるケアが必要です。
ストレスフリーなヘアカラーの考え方
髪を染めるのは自己表現の一つであり、気分を高める効果もあります。
しかし、抜け毛や薄毛の悩みを抱えていると、「染めたいけど、怖い」というジレンマに陥りがちです。
ここでは、髪色とポジティブに向き合うための考え方をお伝えします。
おしゃれと頭皮ケアのバランス
「おしゃれを優先して髪や頭皮を犠牲にする」あるいは「頭皮ケアのために一切おしゃれを諦める」という両極端な考え方ではなく、そのバランスを見つけることが大切です。
例えば、頭皮への負担が少ないカラー剤を選んだり、カラーリングの頻度を調整したり、日々の頭皮ケアを徹底したりすると、おしゃれを楽しみながら頭皮環境を健やかに保つことが可能です。
ご自身の生活スタイルや髪の状態に合わせて、無理のない範囲で両立を目指しましょう。
「染めない」選択肢も考える
流行や周囲の声に流されず、「本当に自分は髪を染めたいのか?」と問い直してみるのも一つの方法です。
白髪が気になる場合でも、それを活かしたヘアスタイルやグレイヘアという選択肢もあります。
無理に染めてストレスを感じたり、頭皮トラブルを招いたりするよりも、自分らしい自然なスタイルを受け入れると心が軽くなるケースもあります。
自分に似合う髪色と髪型の探求
抜け毛や薄毛が気になるときは、髪色や髪型を工夫すると悩みをカバーしつつ、より魅力的に見せられます。
例えば、暗めの髪色は髪の密度を高く見せる効果があり、逆に明るすぎる色は頭皮が透けて見えやすいです。
また、トップにボリュームを出すような髪型や、分け目を変えるだけでも印象が大きく変わります。
美容師に相談し、自分の髪質や顔立ち、そして悩みに合ったスタイルを見つけると自信にも繋がるでしょう。
髪の悩みをカバーするスタイリングのポイント
悩み | 髪色の工夫 | 髪型の工夫 |
---|---|---|
全体的なボリューム不足 | ダークトーン、アッシュ系 | レイヤースタイル、パーマ(負担小のもの) |
分け目の薄さ | 根元をやや暗めに | 分け目をジグザグにする、定期的に変える |
生え際の薄さ | 顔周りに影を作る色 | 前髪を作る、顔周りに動きを出す |
ポジティブな気持ちで薄毛と向き合う
薄毛や抜け毛の悩みは、精神的なストレスにもなりがちです。しかし、過度に心配しすぎると、そのストレス自体が髪の健康に悪影響を与えることもあります。
「髪を染めたから、はげるかもしれない」と不安に思うよりも、正しい知識を身につけ、できる予防策を講じ、それでも気になる場合は専門医に相談するという前向きな姿勢が大切です。
おしゃれを楽しむ心を持ち続けると、QOL(生活の質)の向上にも繋がります。
抜け毛を予防するためのヘアカラー実践テクニック
ヘアカラーによる抜け毛リスクを最小限に抑えるためには、いくつかのポイントがあります。
染める前から染めた後まで、一貫したケアを心がけましょう。
カラーリング前の準備と注意点
カラーリング前には、頭皮の状態を整えておくことが重要です。頭皮に傷や湿疹がある場合は施術を避けましょう。
また、前日のシャンプーは優しく行い、頭皮を強くこすりすぎないように注意します。皮脂を落としすぎると頭皮のバリア機能が低下し、薬剤の刺激を受けやすくなるためです。
パッチテストは、アレルギー反応の有無を確認するために毎回行うのを推奨します。
低刺激なカラー剤の選び方
ジアミン系の染料を含まないカラー剤や、オーガニック成分を配合したカラー剤など、比較的頭皮への刺激が少ないとされる製品も増えています。
ただし、「低刺激」「オーガニック」と表示されていても、全ての人に刺激がないわけではありません。
成分表示を確認し、美容師とよく相談して、自分の髪質や頭皮の状態に合ったものを選びましょう。
カラー剤の種類と特徴
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
アルカリカラー(酸化染毛剤) | 一般的なヘアカラー、色持ちが良い | 色の種類が豊富、白髪もしっかり染まる | 髪・頭皮への負担が大きい場合がある |
ヘアマニキュア(酸性カラー) | 髪の表面をコーティング | 髪へのダメージが少ない | 色持ちが短い、明るくできない |
ヘナカラー(植物性染料) | 天然成分 | トリートメント効果も期待できる | 色の選択肢が少ない、時間がかかる |
プロに任せるメリット
美容師は髪と薬剤の専門家です。髪質診断、ダメージレベルの評価、適切な薬剤選定や正確な塗布技術、頭皮保護などセルフカラーでは難しい専門的なケアを提供してくれます。
特に抜け毛や頭皮の健康が気になるときは信頼できる美容師に相談し、施術を任せると良いでしょう。
カラーリング後の正しいシャンプー方法
カラーリング当日は、可能であればシャンプーを控えます。翌日以降はアミノ酸系などの洗浄力がマイルドなシャンプーを選び、ぬるま湯で優しく洗いましょう。
洗う際は爪を立てず、指の腹でマッサージするように頭皮を洗い、すすぎ残しがないように丁寧に洗い流します。
トリートメントで髪の水分と油分を補給するのも忘れずに行いましょう。
自宅でできる頭皮と髪のスペシャルケア
ヘアカラーによるダメージを最小限に抑え、健康な髪を育むためには、日々のケアが重要です。
自宅でできるスペシャルケアを取り入れ、頭皮環境を整えましょう。
保湿を重視した頭皮ケア
健康な頭皮は適度な潤いを保っています。乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなります。
頭皮用のローションやエッセンスを使用し、保湿を心がけましょう。
特にシャンプー後や乾燥が気になる季節には念入りなケアが効果的です。
髪のダメージを補修するトリートメント
ヘアカラーで傷んだ髪には、内部補修成分や保湿成分が配合されたトリートメントを使用します。
週に1~2回はヘアマスクや集中トリートメントでスペシャルケアを行うと、髪の手触りやまとまりが改善されます。
トリートメントは毛先を中心に塗布し、頭皮には直接つけすぎないように注意しましょう。
髪の状態に合わせたトリートメント選び
髪質 | おすすめのトリートメント |
---|---|
パサつき・乾燥が気になる髪 | 保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)配合 |
切れ毛・枝毛が多い髪 | 補修成分(ケラチン、アミノ酸など)配合 |
ハリ・コシがない髪 | ボリュームアップ成分(コラーゲンなど)配合 |
バランスの取れた食事と生活習慣
髪の健康は、体全体の健康と密接に関連しています。タンパク質やビタミン、ミネラルなど、髪の成長に必要な栄養素をバランス良く摂取することが大切です。
特に、タンパク質は髪の主成分であり、亜鉛やビタミンB群は髪の成長をサポートします。
また、十分な睡眠や適度な運動、ストレスを溜めない生活も、健やかな髪を育むためには重要です。
髪に良いとされる栄養素と食材
栄養素 | 主な働き | 多く含む食材例 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
亜鉛 | タンパク質の合成を助ける | 牡蠣、レバー、牛肉 |
ビタミンB群 | 頭皮の新陳代謝を促す | 緑黄色野菜、魚介類、ナッツ類 |
頭皮マッサージの効果とやり方
頭皮マッサージは血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果が期待できます。リラックス効果もあるため、ストレス軽減にも繋がります。
シャンプー時や、頭皮用ローションを塗布した後などに行うと良いでしょう。
指の腹を使い、頭皮全体を優しく揉みほぐすようにマッサージします。強くこすりすぎると頭皮を傷める可能性があるので注意が必要です。
AGA治療とヘアカラーの両立は可能か
AGA(男性型脱毛症)の治療を受けている方や、薄毛が気になり治療を検討している方にとって、ヘアカラーを続けても良いのかは重要なポイントでしょう。
基本的には両立可能ですが、いくつかの注意点があります。
AGAのメカニズムと治療法
AGAは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛乳頭細胞の受容体に結合して、毛母細胞の増殖が抑制され、毛髪の成長期が短縮されるために薄毛が進行する脱毛症です。
主な治療法としては、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬(DHTの生成を抑制)、ミノキシジルの外用薬(毛母細胞の活性化、血行促進)などがあります。
治療中のヘアカラーの可否
AGA治療薬の作用機序とヘアカラー剤の作用は直接干渉するものではないため、基本的にはAGA治療中でもヘアカラーを行うことは可能です。
ただし、治療によって頭皮が敏感になっているときや、外用薬を使用している場合は薬剤の刺激を受けやすくなっている可能性があるため、注意が必要です。
医師への相談の重要性
AGA治療中にヘアカラーを行う場合は、事前に必ず担当医に相談しましょう。
現在の頭皮の状態や治療状況を考慮し、ヘアカラーの可否や注意点についてアドバイスを受けられます。
自己判断で施術を行い、万が一頭皮トラブルが悪化して治療に影響が出てしまっては本末転倒です。
治療効果を妨げないための注意点
治療効果を最大限に引き出し、頭皮トラブルを避けるためには、以下の点に注意しましょう。
- 必ず医師に相談する
- 頭皮の状態が良い時に行う
- 低刺激なカラー剤を選び、美容師に相談する
- ミノキシジル外用薬を使用している場合、塗布時間を調整する(カラーリング直前直後は避けるなど)
- カラーリング後は特に念入りな頭皮ケアを心がける
これらの注意点を守り、医師や美容師と連携しながら、おしゃれと治療を両立させましょう。
ヘアカラーに関するよくある質問(Q&A)
さいごに、ヘアカラーと抜け毛に関するよくあるご質問にお答えします。
- Q染めた後、どのくらいで抜け毛が気になり始めますか?
- A
ヘアカラー剤による直接的なダメージで髪が切れたり、頭皮に炎症が起きたりした場合、数日から数週間以内に抜け毛が増えたと感じることがあります。
ただし、これは一時的なものであるケースが多いです。
頭皮環境の悪化が慢性化し、毛周期に影響が出る場合は、数ヶ月単位で徐々に変化が現れる方もいます。
変化を感じたら、早めに専門医に相談しましょう。
- Qヘナやマニキュアなら安全ですか?
- A
100%天然成分のヘナや、髪の表面をコーティングするヘアマニキュアは、一般的なアルカリカラーに比べて髪や頭皮への負担は少ない傾向にあります。
しかし、ヘナでも植物アレルギーを起こす可能性はありますし、製品によっては化学染料が混合されているものもあります。
ヘアマニキュアも、頭皮に付着すると刺激になるときがあります。
いずれの場合も、体質や使用方法によってはトラブルが起こりうるため、注意が必要です。
- Q白髪染めも抜け毛の原因になりますか?
- A
白髪染めも、基本的にはおしゃれ染めと同様のアルカリカラー剤を使用するケースが多いため、髪や頭皮への負担は同様に考えられます。
白髪染めは頻度が高くなりがちなため、リタッチを上手に活用したり、低刺激な製品を選んだりするなど、より一層の配慮が大切です。
- Q抜け毛が気になったら、まず何をすべきですか?
- A
まずはご自身の生活習慣やヘアケア方法を見直してみましょう。
それでも改善しないときや、急に抜け毛が増えた場合、特定の箇所だけ薄くなるなどの症状がある場合は、自己判断せずに皮膚科やAGA専門クリニックへの受診がおすすめです。
専門医が原因を特定し、適切なアドバイスや治療法を提案してくれます。
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