シャンプーをしているのになぜか頭がかゆい、といった経験のある方もいるでしょう。

特に男性は皮脂の分泌が多く、頭皮トラブルを抱えやすい傾向にあります。

この記事では、シャンプー後に頭がかゆくなる原因を掘り下げ、ご自身の頭皮に合ったシャンプーの選び方から正しいヘアケア方法、さらには専門的な治療まで、男性の頭皮のかゆみを解消するための知識を詳しく解説します。

目次

なぜシャンプー後に頭皮がかゆくなるのか

毎日シャンプーで清潔にしているはずなのに、かゆみがおさまらない原因は、良かれと思って行っているヘアケアにあるかもしれません。

かゆみの背景には、複数の要因が考えられます。

洗浄成分が強すぎる可能性

市販のシャンプーの中には、洗浄力を高めるために「高級アルコール系」の洗浄成分を主成分としている製品が多くあります。

これらの成分は泡立ちが良くすっきりとした洗い上がりが得られますが、その一方で頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまう場合があります。

皮脂は、外部の刺激から頭皮を守るバリア機能の役割を担っています。このバリア機能が低下すると頭皮は無防備な状態になり、わずかな刺激にも敏感に反応してかゆみを引き起こします。

すすぎ残しによる刺激

シャンプーやコンディショナーの成分が頭皮に残ってしまうと、それが毛穴を詰まらせたり、化学的な刺激となってかゆみや炎症の原因になったりします。

特に髪の生え際や襟足、耳の後ろなどは、意識してすすがないと成分が残りやすい部分です。

しっかり洗い流したつもりでも、意外とすすぎが不十分なケースは少なくありません。

かゆみの原因と特徴

原因特徴対策の方向性
洗浄力の強いシャンプー洗い上がりがキシキシする。頭皮全体が乾燥し、細かいフケが出やすい。アミノ酸系などマイルドな洗浄成分のシャンプーに変更する。
すすぎ残し特定の場所(生え際、襟足など)にかゆみが集中する。ベタつきを感じることもある。通常より時間をかけて丁寧にすすぐ。
洗いすぎ1日に何度もシャンプーする。洗髪直後からつっぱり感やかゆみがある。シャンプーの頻度を1日1回に見直す。

頭皮の乾燥

頭皮も顔や体の皮膚と同じです。空気が乾燥する冬場や、エアコンの効いた室内に長時間いると、頭皮の水分は奪われて乾燥します。

また、熱すぎるお湯でのシャンプーも頭皮の潤いを奪う大きな原因です。

乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなるため、かゆみが生じます。

男性特有の頭皮トラブルとかゆみの関係

男性の頭皮は、女性と比較してかゆみやベタつきなどのトラブルが起きやすい環境にあります。

これには、男性ホルモンや生活習慣が大きく関わっています。

皮脂の過剰分泌

男性ホルモンの一種であるテストステロンは、5αリダクターゼという酵素と結びつくことで、皮脂の分泌を強力に促進するジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。

このため、男性の皮脂分泌量は女性の2〜3倍ともいわれます。

過剰に分泌された皮脂は毛穴に詰まったり、酸化して刺激物質に変わったりして、かゆみを引き起こします。

また、皮脂をエサにする常在菌(マラセチア菌)が異常繁殖し、かゆみやフケの原因となるケースもあります。

男性の頭皮環境に影響する要因

要因頭皮への影響起こりやすい症状
男性ホルモン皮脂腺を刺激し、皮脂分泌を活発化させる。頭皮のベタつき、毛穴の詰まり、かゆみ、AGA
ストレスホルモンバランスの乱れ、血行不良を招く。かゆみ、フケ、抜け毛、頭皮の硬化
生活習慣の乱れ栄養不足、睡眠不足が頭皮のターンオーバーを乱す。乾燥、バリア機能低下、炎症

男性ホルモンの影響

先述の通り、男性ホルモンは皮脂の分泌を促すだけでなく、AGA(男性型脱毛症)の主な原因でもあります。

AGAが進行するとヘアサイクルが乱れ、髪の毛が十分に成長しないまま抜け落ちていきます。この過程で頭皮環境が悪化し、かゆみを伴う方も少なくありません。

薄毛とかゆみが同時に気になるときは、AGAのサインである可能性も考慮する必要があります。

ストレスや生活習慣の乱れ

強いストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮の血行不良を引き起こします。

血行が悪くなると頭皮に十分な栄養が届かなくなり、乾燥やかゆみ、抜け毛につながります。

また、脂っこい食事の多い食生活や、睡眠不足、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣の乱れも、頭皮環境を悪化させる大きな要因です。

かゆみを引き起こすシャンプーの成分

毎日使うシャンプーだからこそ、その成分には注意を払う必要があります。

かゆみの原因が、シャンプーに含まれる特定の成分に対する反応である可能性も考えられます。

避けるべき洗浄成分

洗浄力が強い一方で、頭皮への刺激となりやすい成分があります。

シャンプーを選ぶ際は、成分表示を確認する習慣をつけましょう。

特に乾燥肌や敏感肌の人は、以下の成分が上位に表示されているシャンプーは避けたほうが賢明かもしれません。

注意したい洗浄成分

成分系統表示例特徴
高級アルコール系ラウレス硫酸Na, ラウリル硫酸Na洗浄力が非常に強く、皮脂を奪いやすい。
石けん系石ケン素地, カリ石ケン素地アルカリ性で、洗浄後に頭皮がきしみやすい。
オレフィン系オレフィン(C14-16)スルホン酸Na洗浄力が高く、刺激を感じる人もいる。

注意したい添加物

シャンプーの品質を保ったり、使用感を良くしたりするために、様々な添加物が含まれています。

しかし、これらの添加物が人によっては刺激となり、かゆみやアレルギーの原因となる場合があります。

  • 防腐剤(パラベン、フェノキシエタノールなど)
  • 合成香料
  • 着色料
  • シリコン(ジメチコンなど)

シリコンは髪の指通りを良くする目的で配合されますが、すすぎ残すと毛穴を塞ぎ、頭皮トラブルの原因になる可能性があります。

全ての添加物が悪いわけではありませんが、かゆみが気になるときは無添加やシンプルな処方の製品を試す価値があります。

アレルギー反応の可能性

特定の植物エキスや香料など、シャンプーに含まれる何らかの成分に対してアレルギー反応(接触皮膚炎)を起こしている可能性もあります。

今まで問題なく使えていたシャンプーでも、体質の変化によって突然合わなくなるケースもあります。

シャンプーを変えた途端にかゆみが出たときは、原因である可能性が高いでしょう。

自分に合ったシャンプーの選び方

では、無数にあるシャンプーの中から、どうやって自分に合う一本を選べばよいのでしょうか。

大切なのは、自分の頭皮の状態を正しく理解することです。

頭皮タイプ別のおすすめ成分

自分の頭皮がどのタイプかを知り、それに合った洗浄成分を選ぶのがかゆみ対策の第一歩です。

頭皮タイプと推奨されるシャンプー

頭皮タイプは、シャンプー後の状態で判断できます。

頭皮タイプ特徴おすすめの洗浄成分
乾燥肌洗髪後につっぱり感があり、カサカサして細かいフケが出る。アミノ酸系(ココイルグルタミン酸など)、ベタイン系
脂性肌(オイリー肌)日中になると髪がベタつき、ニオイが気になる。アミノ酸系、適度な洗浄力のある高級アルコール系(併用タイプ)
敏感肌わずかな刺激で赤みやかゆみが出やすい。アミノ酸系、ベタイン系(低刺激処方)

弱酸性・アミノ酸系シャンプーの利点

健康な頭皮や髪は、弱酸性に保たれています。アミノ酸系の洗浄成分を主成分とするシャンプーは、この弱酸性と同じ性質を持つため、頭皮への刺激が非常に少ないのが特長です。

必要な潤いを残しつつ、余分な皮脂や汚れだけを優しく洗い流すため、頭皮のバリア機能を損ないません。

乾燥肌や敏感肌の人はもちろん、皮脂が多くて悩んでいる人でも洗いすぎによる乾燥を防ぐため、かえって皮脂の過剰分泌を抑える効果が期待できます。

目的別のシャンプー選び(フケ・皮脂・乾燥)

かゆみと同時にフケやニオイなど、他の悩みもある場合は、それに特化した有効成分が配合された薬用シャンプーを選ぶのも一つの方法です。

例えば、フケやかゆみを防ぐ「ピロクトンオラミン」、殺菌作用のある「イソプロピルメチルフェノール」、抗炎症作用のある「グリチルリチン酸2K」などが代表的です。

ただし、これらの成分が合わない場合もあるため、使用してかゆみが悪化するようであれば、すぐに使用を中止してください。

「いつもと同じケア」が逆効果?年齢で変化する男性の頭皮環境

「若い頃からずっと同じシャンプーを使っている」という男性は少なくありません。しかし、その習慣が現在の頭皮のかゆみを引き起こしている可能性があります。

なぜなら、男性の頭皮環境は、年齢とともに大きく変化していくからです。

10代や20代の頃に合っていたケアが、30代、40代になった今では、かえって頭皮トラブルを招く原因になっているかもしれません。

20代・30代の皮脂トラブルとかゆみ

20代から30代は、男性ホルモンの分泌が活発で、一生のうちで最も皮脂量が多くなる時期です。

この年代のかゆみは、過剰な皮脂による毛穴の詰まりや、マラセチア菌の繁殖が主な原因であるケースが多いです。

そのため、ある程度の洗浄力があり、さっぱりと洗い上げるタイプのシャンプーが快適に感じられます。

しかし、洗浄力だけを重視しすぎると必要な潤いまで奪い、乾燥を招くときもあるため注意が必要です。

40代以降の乾燥とバリア機能低下

40代に差しかかると、男性ホルモンの影響は続くものの、加齢にともない皮脂の分泌量は徐々に減少していきます。

同時に、肌の水分を保つセラミドなどの保湿成分も減少するため、頭皮は乾燥しやすくなります。

この状態で若い頃と同じ洗浄力の強いシャンプーを使い続けると、頭皮は深刻な乾燥状態に陥り、バリア機能が低下します。

その結果、外部からの刺激に弱くなり、慢性的なかゆみを引き起こすのです。

年代別に見る男性の頭皮環境の変化

年代主な頭皮の状態推奨されるケアの方向性
20代〜30代皮脂分泌がピーク。ベタつきやニオイ、皮脂によるかゆみが起こりやすい。余分な皮脂を落としつつ、潤いを奪わない洗浄。
40代以降皮脂量が減少し、乾燥しやすくなる。バリア機能が低下し、刺激に敏感になる。洗浄力よりも保湿を重視。抗炎症成分なども有効。

加齢による血行不良とかゆみの関係

年齢を重ねると、全身の血行が悪くなる傾向があります。頭皮の毛細血管も例外ではなく、血行不良になると髪の毛を育てる毛母細胞に十分な酸素や栄養が届かなくなります。

この状態は抜け毛や薄毛につながるだけでなく、頭皮の新陳代謝(ターンオーバー)を乱し、乾燥やかゆみを引き起こす一因にもなります。

ライフステージに合わせた頭皮ケアの見直し

このように、男性の頭皮は年齢というライフステージによって大きく変化します。

「最近、フケやかゆみが気になるようになった」「シャンプーを変えていないのに頭皮の調子が悪い」と感じたら、それは頭皮が年齢とともに変化し、これまでのケアが合わなくなってきたサインかもしれません。

ご自身の年齢と頭皮の状態を改めて見つめ直し、今の自分に合ったケアへと更新していくことが重要です。

かゆみを抑える正しいシャンプーの方法

シャンプー選びと同じくらい重要なのが、洗い方です。

正しい方法を実践すると頭皮への負担を最小限に抑え、かゆみを予防・改善できます。

シャンプー前の予洗いの重要性

シャンプーをつける前に、まずはぬるま湯(38℃程度が目安)で頭皮と髪をしっかりと洗い流します。これを「予洗い(よあらい)」といいます。

1〜2分かけて丁寧に行うと、髪に付着したホコリや汚れの7〜8割は落ちるといわれます。

予洗いをしっかり行うとシャンプーの使用量を減らせるうえ、泡立ちが格段に良くなり、髪や頭皮への摩擦を減らせます。

指の腹を使った優しい洗い方

シャンプーは手のひらで軽く泡立ててから、髪全体になじませます。

洗う際は、爪を立てずに指の腹を使って、頭皮をマッサージするように優しく洗いましょう。

ゴシゴシと力を入れて洗うと、頭皮を傷つけてしまい、かゆみの原因になります。特に痒い部分を爪で掻きながら洗うのは絶対に避けてください。

シャンプー後の保湿ケア製品

種類主な役割使用のポイント
頭皮用ローション頭皮に直接潤いを与え、乾燥を防ぐ。タオルドライ後、ドライヤーの前に使用する。
頭皮用エッセンス(美容液)保湿に加え、血行促進や育毛など特定の効果を持つ成分を含む。悩みに合わせて成分を選び、継続的に使用する。
ヘアトニック清涼感を与え、フケやかゆみを抑える。スッキリしたい時に。アルコール刺激に注意。

徹底したすすぎのコツ

かゆみの原因として意外に多いのが、すすぎ残しです。

シャンプーで洗った時間の2倍以上の時間をかけるつもりで、念入りにすすぎましょう。

  • シャワーヘッドを頭皮に近づける
  • 髪の根元に指を入れ、お湯を行き渡らせる
  • 襟足、耳の後ろ、生え際を意識して流す

髪のぬめり感が完全になくなるまで、しっかりと洗い流すと良いです。

シャンプー後の保湿ケア

シャンプー後は、頭皮も水分が蒸発しやすい状態になっています。

顔を洗った後に化粧水をつけるのと同じように、頭皮も保湿ケアをすると乾燥によるかゆみ対策に有効です。

タオルドライ後、ドライヤーで髪を乾かす前に、頭皮専用のローションやエッセンスを使って潤いを補給しましょう。

シャンプー以外の頭皮のかゆみ対策

頭皮のかゆみは、シャンプーだけでなく日々の生活習慣も大きく影響します。体の内側と外側、両方からの取り組みが改善への近道です。

食生活の改善

健やかな頭皮を保つためには、栄養バランスの取れた食事が重要です。

皮膚や髪の材料となるタンパク質、皮膚の健康を維持するビタミンB群、血行を促進するビタミンEなどを積極的に摂取しましょう。

逆に、脂肪分や糖分の多い食事は皮脂の過剰分泌を招くため、摂りすぎには注意が必要です。

頭皮環境を整える栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
タンパク質髪の主成分。肉、魚、卵、大豆製品
ビタミンB群皮脂の分泌を調整し、新陳代謝を促す。豚肉、レバー、うなぎ、納豆
ビタミンA/C/E抗酸化作用、血行促進。緑黄色野菜、果物、ナッツ類

質の良い睡眠

睡眠中には、体の細胞を修復し、新陳代謝を促す成長ホルモンが分泌されます。

睡眠不足が続くと、この成長ホルモンの分泌が減少し、頭皮のターンオーバーが乱れてしまいます。その結果、バリア機能が低下し、かゆみやフケなどのトラブルが起こりやすいです。

毎日6〜7時間を目安に、質の良い睡眠を確保するよう心がけてください。

ストレス管理の方法

現代社会においてストレスを完全になくすのは現実的ではありませんが、上手に発散する方法を見つけることはできます。

適度な運動は血行を促進し、気分転換にもなるため、頭皮環境にも良い影響を与えます。

趣味に没頭する時間を作ったり、ゆっくり入浴したりと、自分なりのリラックス方法を日常生活に取り入れましょう。

それでもかゆみが治まらない場合

セルフケアを試しても一向にかゆみが改善しない、あるいは悪化するような場合は、単なる頭皮の乾燥やシャンプーが合わないといった問題ではなく、皮膚の病気が隠れている可能性があります。

自己判断で放置せず、専門のクリニックへの相談を推奨します。

脂漏性皮膚炎の可能性

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の多い頭皮や顔、胸などに起こりやすい皮膚炎です。

皮脂をエサにする常在菌のマラセチア菌が異常に増殖するのが主な原因と考えられています。

赤みやベタついた黄色っぽいフケ、そして強いかゆみを伴うのが特徴です。自然治癒は難しく、抗真菌薬やステロイド外用薬による治療が必要です。

かゆみを伴う主な頭皮の疾患

疾患名主な症状特徴
脂漏性皮膚炎強いかゆみ、赤み、ベタついたフケ皮脂の多い場所に発症しやすい。
接触皮膚炎かゆみ、赤み、ブツブツ、腫れ原因物質(シャンプーなど)に触れた部分に症状が出る。
頭部白癬(しらくも)円形に髪が抜け、カサカサしたフケ、かゆみ水虫と同じ白癬菌(カビの一種)が原因。

AGA(男性型脱毛症)との関連

前述の通り、AGAが進行する過程で頭皮環境が悪化し、かゆみを伴う場合があります。特に、抜け毛の増加と頭皮のかゆみが同時に起きている場合は注意が必要です。

AGAは進行性の脱毛症であり、放置すると薄毛はどんどん進んでいきます。

かゆみの治療と並行して、AGAの治療も検討していきましょう。

専門クリニックへの相談を推奨

頭皮のかゆみは、薄毛や深刻な皮膚疾患のサインである可能性があります。

「たかがかゆみ」と軽視せず、症状が長引く場合や、フケ、赤み、抜け毛などを伴う場合はできるだけ早く皮膚科やAGA・薄毛治療専門のクリニックを受診してください。

専門医がマイクロスコープなどで頭皮の状態を正確に診断し、一人ひとりの症状に合った適切な治療法を提案します。

よくある質問

さいごに、頭皮のかゆみや地肌トラブル、薄毛にかんしてよくいただく質問をまとめます。

Q
シャンプーは毎日するべきですか?
A

基本的には、1日1回のシャンプーを推奨します。特に日本の気候や男性の皮脂量を考えると、毎日シャンプーしてその日の汚れや余分な皮脂をリセットするのが衛生的です。

ただし、極度の乾燥肌でかゆみが出るときは2日に1回にするか、洗浄力が非常にマイルドなシャンプーを使用するなどの調整も考えられます。

ご自身の頭皮の状態に合わせて頻度を調整することが重要です。洗いすぎは乾燥を招き、洗わなすぎは皮脂が酸化してかゆみの原因になります。

Q
頭皮がかゆい時に市販薬を使っても良いですか?
A

一時的なかゆみであれば、市販のかゆみ止めローションなどを使用するのも一つの方法です。

しかし、原因がはっきりしないまま長期間使い続けることはおすすめしません。

特に、脂漏性皮膚炎などの疾患が原因の場合、市販薬では根本的な改善は望めず、かえって症状を悪化させる可能性もあります。

2〜3日使用しても改善しないときや、症状が強い場合は自己判断を続けずに専門医に相談してください。

Q
クリニックではどのような治療をしますか?
A

専門クリニックでは、まずマイクロスコープで頭皮の状態を詳細に確認し、かゆみの原因を正確に診断します。その上で、患者さん一人ひとりの症状と原因に合わせた治療を行います。

例えば、脂漏性皮膚炎であれば抗真菌薬や炎症を抑える薬を処方します。乾燥が原因であれば保湿剤や血行を促進する薬を処方し、正しいヘアケア方法を指導します。

また、AGAが関連していると判断された場合はかゆみの治療と並行して、進行を抑えるための内服薬や外用薬によるAGA治療をご提案します。

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