頭頂部の薄毛、いわゆる「てっぺんハゲ」は、多くの方が抱える深刻な悩みの一つです。

自分では見えにくい部分だけに、周囲の視線が気になったりヘアスタイルがうまく決まらなかったりと、自信を失う原因にもなりかねません。

この記事では、てっぺんハゲを目立たなくするための髪型の選び方やスタイリングのコツ、薄毛の根本的な原因であるAGA(男性型脱毛症)の改善方法について、専門的な観点から詳しく解説します。

目次

気になる頭頂部の薄毛「てっぺんハゲ」とは

頭頂部の薄毛、通称「てっぺんハゲ」は男性型脱毛症(AGA)の代表的な症状として知られ、多くの方々がその対策に頭を悩ませているようです。

特に頭頂部は自分自身の視界に入りにくいため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。

はじめに、てっぺんハゲの具体的な特徴やなぜこの部分から薄毛が進行しやすいのかについて解説します。

てっぺんハゲの特徴とセルフチェック

てっぺんハゲは、頭のてっぺん(頭頂部)の髪が薄くなり地肌が透けて見える状態を指します。初期段階では、つむじ周りの髪が細くなったり、ボリュームが減ったりすることから始まります。

鏡を使って頭頂部を確認したり、スマートフォンのカメラで撮影したりすると、ご自身の状態を客観的に把握できます。合わせ鏡を使ったり、家族や信頼できる人に確認してもらったりするのも良いでしょう。

髪全体のボリュームダウンやつむじ周りの地肌の透け具合を定期的にチェックすることが大切です。

なぜ頭頂部から薄くなるのか?AGAとの関連性

頭頂部の薄毛の主な原因は、AGA(男性型脱毛症)です。

AGAは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きによって、より強力な脱毛作用を持つジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることで引き起こされます。

DHTが毛根にある受容体と結合すると髪の成長期が短縮され、髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまいます。

頭頂部や前頭部には、このDHTの影響を受けやすい毛根が多く存在するため、これらの部位から薄毛が進行しやすい傾向があります。

放置すると進行する可能性

AGAは進行性の脱毛症であり、一度発症すると自然に治ることは基本的にありません。何も対策をせずに放置すると薄毛の範囲は徐々に広がり、症状は悪化していきます。

進行を食い止めて改善を目指す上で、初期段階での適切な対策や治療開始が非常に重要です。少しでも気になり始めたら、早めに専門医に相談すると良いでしょう。

てっぺんハゲを目立たなくする髪型選びの基本

髪型の工夫は、てっぺんハゲを目立たなくするための有効な手段の一つです。薄毛部分を隠そうとして不自然な髪型になるのを避け、全体のバランスを考慮したスタイル選びが重要です。

全体のシルエットでカバーする

てっぺんハゲを目立たなくするには、薄毛部分だけを隠そうとするのではなく、ヘアスタイル全体のシルエットでカバーするのを意識しましょう。

例えば、トップにボリュームを持たせてサイドはすっきりと短くするスタイルは、視線を上に集めて頭頂部の薄さをカバーする効果が期待できます。

全体のバランスを整えると自然で若々しい印象を与えられます。

サイドとトップのバランスを考える

頭頂部の薄毛が気になる方では、サイドの髪を伸ばしてボリュームを出すと、かえってトップの薄さが強調されてしまう場合があります。

サイドや襟足は短めにカットし、トップに長さを残してボリュームを出すスタイルがおすすめです。これにより全体のシルエットにメリハリがつき、トップの薄さが目立ちにくくなります。

美容師に相談し、ご自身の頭の形や髪質に合ったバランスの良いスタイルを見つけると良いです。

長さではなく「動き」と「毛流れ」を意識する

髪の長さだけでカバーしようとすると不自然になったり、崩れやすくなったりするケースがあります。長さよりも髪の「動き」や「毛流れ」を意識したスタイリングが効果的です。

例えば、パーマをかけてトップに自然なボリュームと動きを出したり、ドライヤーで根元を立ち上げてふんわりさせたりすると薄毛部分を自然にカバーできます。

毛流れを工夫して、薄い部分に周囲の髪を自然にかぶせるようにスタイリングするのも良い方法です。

【スタイル別】てっぺんハゲをカバーするおすすめの髪型

てっぺんハゲを目立たなくするためには、どのようなヘアスタイルが具体的に効果的なのでしょうか。

ここでは、ショートヘアからミディアムヘアまで、いくつかの代表的なスタイルを紹介し、それぞれの特徴やカバー効果について解説します。

定番のショートヘアスタイル

ショートヘアは、てっぺんハゲをカバーする上で最もポピュラーで効果的なスタイルの一つです。全体的に短くカットすると、薄毛部分と他の部分との毛量の差が目立ちにくくなります。

特に、トップに少し長さを残して動きを出せるようにカットし、サイドとバックはすっきりと短く刈り上げるスタイル(ベリーショートやおしゃれボウズなど)は清潔感があり、薄毛を自然にカバーできます。

ショートヘアスタイルのメリット・デメリット

メリットデメリット
清潔感があり爽やかな印象定期的なカットが必要
スタイリングが比較的簡単カバーできる範囲に限界がある
薄毛部分との差が目立ちにくい髪質によってはセットが難しい場合も

ソフトモヒカン・ツーブロック

ソフトモヒカンはトップにボリュームを集めサイドを短くカットするスタイルで、視線を上方に誘導し、てっぺんの薄毛を目立ちにくくします。

ツーブロックも同様に、サイドを刈り上げてトップの髪を長めに残すことで薄毛部分をカバーしつつ、おしゃれな印象を与えられます。

どちらのスタイルも、トップの髪の長さやスタイリング次第で様々なアレンジが可能です。

パーマを活用したスタイル

髪が細い、あるいはボリュームが出にくい方は、パーマを活用するのも良い方法です。パーマをかけると髪全体に自然なボリュームと動きが生まれ、頭頂部の地肌の透け感をカバーしやすくなります。

トップ部分にゆるめのパーマをかけるとスタイリングも楽になり、ふんわりとしたシルエットをキープしやすいです。

ただし、パーマは髪や頭皮に負担をかける可能性もあるため、美容師とよく相談しましょう。

ミディアムヘアでの工夫

必ずしも短くしなければならないわけではありません。ミディアム程度の長さがある場合でも、工夫次第でてっぺんハゲをカバーできます。

トップにレイヤー(段差)を入れて軽さと動きを出し、スタイリングでふんわりとボリュームを出す方法があります。

また、分け目をはっきりつけず、ジグザグに分けたりオールバック風に流したりすると、頭頂部の地肌を目立ちにくくできます。

ただし、長すぎると重みでトップが潰れやすくなるため、適度な長さを保つのがポイントです。

髪型と合わせて行いたいスタイリング術

せっかく髪型を工夫しても日々のスタイリングが適切でなければ、カバー効果は半減してしまいます。

ドライヤーのかけ方やスタイリング剤の選び方、使い方をマスターすると、てっぺんハゲをより効果的に目立たなくして理想のヘアスタイルをキープできます。

ボリュームアップさせるドライヤー術

スタイリングの基本はドライヤーのかけ方です。髪を乾かす際に、髪の根元を立ち上げるように意識して乾かすのが重要です。

頭皮に対して垂直にドライヤーの風を当てるようにし、指で髪の根元を持ち上げながら乾かします。特にボリュームを出したいトップ部分は、下から風を送り込むようにすると効果的です。

温風である程度乾かした後に冷風を当てると、立ち上げた根元が固定され、ボリューム感が長持ちします。

スタイリング剤の選び方と使い方

スタイリング剤は、髪質や目指すスタイルに合わせて選びましょう。ボリュームを出したい場合は、軽い質感でセット力のあるワックスやムースがおすすめです。

髪が細い方は重いオイル系のスタイリング剤は避け、スプレータイプやパウダータイプのワックスなどを少量使うと良いでしょう。

スタイリング剤は、手のひらでよく伸ばしてから、髪の内側から持ち上げるようにつけるのがコツです。

毛先だけでなく、根元近くにも少量つけると、ボリュームアップ効果が高まります。つけすぎると髪が重くなり、逆効果になるため注意が必要です。

スタイリング剤の種類と特徴

種類特徴おすすめの髪質・スタイル例
マットワックスツヤがなく自然な仕上がり、セット力高めショート~ミディアム、束感スタイル
ファイバーワックス伸びが良く操作性が高い、動きを出しやすいミディアム、パーマスタイル
ヘアスプレースタイルを固定、キープ力が高い、仕上げに使用全般、特にボリュームキープしたい場合

分け目を変える・作らない工夫

いつも同じ位置で髪を分けていると、その部分の地肌が目立ちやすくなる場合があります。

分け目を定期的に変えたり、あえて分け目をつけずにオールバック風にスタイリングしたりするだけでも、頭頂部の薄毛が目立ちにいです。指でジグザグに分け目を作るのも、地肌の露出を抑えるのに効果的です。

スタイリングの際に少し工夫するだけで、見た目の印象は大きく変わります。

それでも気になる場合に試せる対策

髪型やスタイリングの工夫だけでは、どうしても頭頂部の薄さが気になってしまうという方もいるでしょう。また、もっと手軽に、あるいは一時的にしっかりとカバーしたい場面もあるかもしれません。

ここでは、ヘアスタイル以外の方法でてっぺんハゲを目立たなくするための対策を紹介します。

帽子やヘアアクセサリーの活用

外出時など、手っ取り早く薄毛をカバーしたい場合には、帽子を着用するのが最も簡単な方法です。キャップ、ハット、ニット帽など、ファッションや季節に合わせて様々な種類の帽子を選べます。

ただし、長時間帽子をかぶり続けると頭皮が蒸れてしまい、かえって頭皮環境を悪化させる可能性もあるため、室内では脱ぐなど適度な使用を心がけましょう。

ヘアバンドなども、使い方によっては前髪の生え際などをカバーするのに役立ちます。

増毛パウダーやスプレーの使用

一時的に薄毛部分をカバーするためのアイテムとして、増毛パウダーやカラースプレーがあります。

増毛パウダーは微細な植物性繊維などを静電気の力で髪に付着させ、髪一本一本を太く見せたり地肌の透け感を減らしたりするものです。カラースプレーは、髪と頭皮を一時的に着色して薄毛を目立たなくします。

どちらも手軽に使用できますが、汗や雨で落ちやすい、衣服に付着することがあるといった点に注意が必要です。

増毛アイテムの種類と選び方

アイテム種類特徴メリット・デメリット
増毛パウダー細かい繊維が髪に付着しボリュームアップ手軽、自然な仕上がり、汗や雨に弱い
カラースプレー髪と地肌に着色して薄毛を隠す広範囲をカバー、色移りの可能性、不自然さ
部分ウィッグ気になる部分にピンなどで装着する自然な見た目、根本解決ではない、費用

頭皮ケアによる健やかな髪の育成

髪型やアイテムでカバーするのも大切ですが、同時に、今ある髪を健やかに保つための頭皮ケアも重要です。

適切なシャンプー方法で頭皮の汚れを落とし、清潔に保つことが基本です。また、頭皮マッサージなどで血行を促進するのも、髪の成長に必要な栄養を毛根に届ける助けになります。

育毛剤の使用も、頭皮環境を整えて抜け毛予防や発毛促進効果が期待できる場合がありますが、効果には個人差があります。

てっぺんハゲの根本原因として考えられるAGA

てっぺんハゲを目立たなくするための髪型や対策は対症療法に過ぎません。根本的な解決を目指すためには、その原因を知ることが重要です。

男性のてっぺんハゲの多くは、AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)と呼ばれる進行性の脱毛症が原因です。

AGAとは何か?

AGAは成人男性に最も多く見られる脱毛症のタイプで、遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。思春期以降に発症し、徐々に進行していくのが特徴です。

主に前頭部の生え際が後退していくタイプ(M字型)と、頭頂部が薄くなるタイプ(O字型)、そしてその両方が混合したタイプ(U字型)があります。てっぺんハゲは、このO字型やU字型の典型的な症状です。

AGAの進行パターンと原因物質

AGAは男性ホルモンのテストステロンが毛根周辺に存在する「5αリダクターゼ」という酵素によって、より強力な「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されることから始まります。

DHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合すると、毛母細胞の増殖が抑制されて髪の成長サイクル(ヘアサイクル)が乱れます。

通常、髪の成長期は2~6年ありますが、AGAを発症すると数ヶ月~1年に短縮されてしまいます。

これにより髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、細く短い髪の毛(軟毛)が増えて薄毛が目立つようになります。

進行特徴
初期つむじ周りや生え際の毛が細くなり始める。
中期頭頂部や前頭部の地肌が透けて見えるようになる。
後期薄毛の範囲が広がり、側頭部や後頭部の毛のみが残る状態になる。

自分でできるAGAチェック

ご自身の薄毛がAGAによるものか気になる場合は、以下の点をチェックしてみてください。

  • 家族(特に父方・母方の祖父や父)に薄毛の人がいるか
  • 抜け毛に細く短い毛が増えていないか
  • 思春期以降に薄毛が気になり始めたか
  • 生え際が後退してきた、または頭頂部が薄くなってきたと感じるか
  • 髪全体のハリやコシがなくなってきたか

これらの項目に複数当てはまる場合は、AGAの可能性が高いと考えられます。ただし、自己判断は禁物であり、正確な診断は医師による診察が必要です。

AGAは進行性の脱毛症

重要な点は、AGAは進行性の脱毛症であるということです。一度発症すると自然に治癒するケースはなく、対策を講じなければ薄毛は徐々に進行していきます。

そのため、てっぺんハゲが気になり始めたらできるだけ早い段階で専門のクリニックを受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

AGAの主な原因

原因要素詳細
遺伝AGAの発症しやすさ(男性ホルモン感受性や5αリダクターゼ活性)は遺伝する傾向があります。
男性ホルモン(DHT)DHTが毛母細胞の働きを阻害し、ヘアサイクルを短縮させます。
生活習慣・その他ストレス、睡眠不足、食生活の乱れ、喫煙などが悪化要因となる可能性があります。

てっぺんハゲの根本的な改善方法としてのAGA治療

てっぺんハゲの原因がAGAであると診断された場合、髪型によるカバーだけでなく、根本的な治療に取り組めます。AGA治療は医療機関でのみ受けられ、進行を抑制したり発毛を促したりする効果が期待できます。

ここでは、クリニックで行われている主なAGA治療法について紹介します。どの治療法が適しているかは個々の症状や進行度によって異なるため、まずは専門医に相談することが第一歩です。

内服薬による治療(フィナステリド・デュタステリド)

AGA治療の基本となるのが内服薬です。主に「フィナステリド」と「デュタステリド」という2種類の成分が用いられます。

AGAの原因物質であるDHTの生成に必要な5αリダクターゼという酵素の働きを阻害する薬です。DHTの量が減少することでヘアサイクルの乱れが改善され、抜け毛の抑制や毛髪の成長促進効果が期待できます。

どちらの薬も、毎日1錠服用を継続するのが基本です。

主なAGA治療薬

治療薬の種類作用服用・使用方法
フィナステリド5αリダクターゼ(II型)阻害によるDHT生成抑制経口内服(1日1回)
デュタステリド5αリダクターゼ(I型・II型)阻害によるDHT生成抑制経口内服(1日1回)
ミノキシジル毛母細胞活性化、血行促進による発毛促進外用塗布(1日2回)

外用薬による治療(ミノキシジル)

内服薬と並んで広く用いられるのが、「ミノキシジル」を主成分とする外用薬(塗り薬)です。ミノキシジルには毛母細胞を活性化させて頭皮の血行を促進する作用があり、発毛を促す効果が期待できます。

濃度が異なる製品があり、医師の診断のもと、適切な濃度のものが処方されます。1日2回、薄毛が気になる部分に直接塗布して使用します。

内服薬と併用すると、より効果が期待できる場合もあります。

注入治療(メソセラピーなど)

注入治療は、発毛効果が期待できる有効成分(ミノキシジル、成長因子、ビタミン、ミネラルなど)を注射や特殊な機器を用いて頭皮に直接注入する治療法です。

薬剤を直接毛根に届けられるため、内服薬や外用薬の効果を高めたり、単独での発毛効果が期待されたりします。

施術には多少の痛みを伴う場合がありますが、近年では痛みを軽減する工夫もされています。他の治療法と組み合わせて行われるケースも多いです。

自毛植毛

自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自身の毛髪を毛根ごと採取し、薄毛が気になる頭頂部や生え際に移植する外科的な治療法です。

移植した毛髪は元の部位の性質を保ったまま生え続けるため、長期的な効果が期待できます。ただし、外科手術であるため、費用が高額になることやダウンタイムが必要になることが考慮点です。

他の治療法で十分な効果が得られなかった場合や、より確実な改善を希望する場合に選択肢となります。

AGA治療法の比較

治療法特徴期待できる効果
内服薬AGAの進行を抑制(抜け毛予防)現状維持、軽度改善、抜け毛減少
外用薬発毛を促進発毛促進、毛髪の太さ改善
注入治療有効成分を直接頭皮へ注入、発毛促進発毛促進、他の治療効果の増強
自毛植毛自身の毛髪を移植、薄毛部分の毛量を増やす毛髪密度の回復、半永久的な効果

よくある質問

てっぺんハゲの髪型やAGA治療に関して、患者さんから多く寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q
髪型を変えるだけで本当に目立たなくなりますか?
A

髪型を工夫すると、てっぺんハゲを目立たなくすることは十分に可能です。ショートヘアにして全体の長さを揃えたり、トップにボリュームを持たせたり、分け目を変えたりするなどの工夫が効果的です。

ただし、これはあくまで一時的な対策であり、薄毛の根本的な解決にはなりません。AGAが原因である場合、放置すると進行するため、髪型でのカバーと並行して専門医への相談や治療の検討をおすすめします。

Q
AGA治療はどのくらいで効果が出ますか?
A

AGA治療の効果が現れるまでの期間には個人差がありますが、一般的には治療開始から3ヶ月~6ヶ月程度で抜け毛の減少や産毛の発生などの初期効果を感じ始める方が多いです。

目に見える発毛効果や毛髪の太さの改善を実感するには、最低でも6ヶ月以上の継続治療が必要です。治療効果を最大限に引き出すためには、医師の指示に従い、根気強く治療を続けましょう。

Q
AGA治療に副作用はありますか?
A

AGA治療薬(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジル)には、副作用が起こる可能性がわずかながらあります。

内服薬では、性機能障害(性欲減退、勃起機能不全など)や肝機能障害などが報告されていますが、発現頻度は低いとされています。外用薬では、塗布部位のかゆみ、かぶれ、発疹などの皮膚症状が出る場合があります。

治療開始前に医師から副作用について十分な説明を受け、治療中に何か異変を感じた場合は、速やかに医師に相談してください。

Q
クリニックでの治療費はどのくらいかかりますか?
A

AGA治療は健康保険が適用されない自由診療となるため、費用は全額自己負担となります。治療費は、治療内容(内服薬、外用薬、注入治療など)やクリニックによって異なります。

一般的な目安として、内服薬のみであれば月額数千円から1万円程度、外用薬や注入治療などを組み合わせると、月額1万5千円から数万円程度になる方が多いです。

初診料や検査費用が別途かかる場合もあります。治療を開始する前に、必ず費用について確認し、無理なく継続できるプランを選びましょう。

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