薄毛の悩みは多くの方が抱える問題ですが、「はげはどこから始るのだろう?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

薄毛は、進行する部位やパターンに特徴があります。

この記事では、薄毛が始まる代表的な部位、進行パターン、それぞれの原因や特徴、そしてご自身でできるチェックポイントや生活習慣の見直しについて詳しく解説します。

目次

薄毛のサインを見逃していませんか?初期症状をチェック

薄毛は、ある日突然始まるわけではありません。

多くの場合、徐々に進行し、気づいた時にはある程度症状が進んでいるケースもあります。

生え際の後退はAGAの典型的なサイン

AGA(男性型脱毛症)の代表的な初期症状の一つが、生え際の後退です。なかでも、額の左右の剃り込み部分から後退が始まるケースが多く見られます。

以前よりも額が広くなった、M字部分が深くなったと感じるときは注意が必要です。

鏡で確認するだけでなく、昔の写真と比較してみるのも良いでしょう。

頭頂部のつむじ周りが薄くなるケース

頭頂部、特につむじ周辺の髪の毛が薄くなるのも、よく見られる薄毛の始まり方です。

自分では気づきにくい部位のため、家族や友人に指摘されて初めて意識する方もいます。

頭頂部の地肌が透けて見える、髪の毛のハリやコシがなくなってきたと感じたら、進行している可能性があります。

主な初期変化

確認ポイント具体的な変化自己チェック方法
髪の太さ細く、弱々しい毛が増える指でつまんでみる
地肌の透け具合以前より地肌が見えやすくなる合わせ鏡で確認
髪の密度つむじ周りの毛量が減る手で触れてみる

全体的に髪のボリュームが減るびまん性脱毛

特定の部位だけでなく、髪全体が均等に薄くなる「びまん性脱毛」というタイプもあります。

この場合、生え際の後退や頭頂部の薄毛ほど明確な変化が現れにくいため、気づきにくいです。

「最近、髪全体のボリュームが減った」「スタイリングが決まりにくくなった」といった感覚がサインとなるケースがあります。

びまん性脱毛は男性だけでなく、女性にも多く見られる薄毛のタイプです。

抜け毛の量が増えたと感じたら要注意

健康な人でも1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜けます。

しかし、シャンプー時やブラッシング時、朝起きた時の枕元などで、明らかに以前より抜け毛が増えたと感じるときは、薄毛が進行しているサインかもしれません。

とくに細くて短い毛が多く抜けている場合は、ヘアサイクルが乱れている可能性を示唆します。

  • シャンプー時の排水溝の毛量
  • ブラッシング時のブラシにつく毛量
  • 枕元の抜け毛の本数

はげの進行パターン代表的な3つの型

男性の薄毛、特にAGAには、いくつかの典型的な進行パターンがあります。

ご自身の薄毛がどのパターンに当てはまるかを確認すると、今後の予測や対策を考える上で役立ちます。

M字型|生え際から進行するパターン

M字型は、額の生え際、特に左右の剃り込み部分から後退していくパターンです。

正面から見たときにアルファベットの「M」のような形に見えることからこの名前がついています。

日本人に多く見られるタイプで、比較的初期の段階から自覚しやすい薄毛のパターンと言えます。

O字型|頭頂部から進行するパターン

O字型は、頭頂部(つむじ周辺)から円形に薄毛が広がっていくパターンです。

上から見たときにアルファベットの「O」のように見えるため、このように呼ばれます。

自分では確認しづらい部位のため、進行に気づきにくい場合があります。M字型と並んでAGAの代表的なパターンです。

U字型|M字とO字が同時に進行するパターン

U字型は、生え際の後退(M字型)と頭頂部の薄毛(O字型)が同時に進行し、最終的に側頭部と後頭部の毛髪のみが残るパターンです。

アルファベットの「U」の字のように見えることから名付けられました。

M字型やO字型がそれぞれ進行した結果、U字型に至るケースも多いです。

進行パターンごとのAGA分類

AGAの進行度合いは、ハミルトン・ノーウッド分類という国際的な基準で分類されるのが一般的です。

この分類は、主にM字型とO字型の進行度合いを組み合わせて評価します。

ハミルトン・ノーウッド分類の概要

主な特徴進行の目安
I型脱毛の兆候なし、またはごくわずかな生え際の後退初期段階
II型~V型生え際の後退や頭頂部の薄毛が進行中期段階
VI型~VII型前頭部から頭頂部にかけて広範囲に脱毛進行期

この分類を参考にご自身の状態を客観的に把握すると、専門医に相談する際の目安となります。

部位別に見る薄毛の原因と特徴

薄毛が進行する部位によって、主な原因や特徴が異なる場合があります。

それぞれの部位の特性を理解すると、より効果的な対策につながるでしょう。

前頭部(生え際)の薄毛|男性ホルモンの影響大

前頭部、特に生え際の薄毛は、AGAの最も代表的な症状の一つです。

この部位の毛根は、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響を特に受けやすい性質があります。

DHTが毛乳頭細胞の男性ホルモンレセプターに結合すると、毛髪の成長期が短縮され、太く長い毛に成長する前に抜け落ちてしまいます。

この作用が繰り返されると、徐々に薄毛が進行します。

頭頂部の薄毛|血行不良や生活習慣も関与

頭頂部もDHTの影響を受けやすい部位ですが、それに加えて頭皮の血行不良や生活習慣の乱れなども原因として関与しやすいと考えられています。

頭頂部はもともと血流が滞りやすい部位であり、栄養が毛根に行き渡りにくくなる場合があります。

睡眠不足や栄養バランスの偏った食事、ストレスなども頭皮環境を悪化させ、薄毛を助長する要因となります。

頭頂部の薄毛に関わる要因

要因髪への影響
DHT(ジヒドロテストステロン)毛髪の成長期を短縮
血行不良毛根への栄養供給不足
生活習慣の乱れ頭皮環境の悪化

側頭部・後頭部の薄毛|AGA以外の原因も考慮

一般的にAGAでは側頭部や後頭部の毛髪は影響を受けにくく、最後まで残る方が多いです。これらの部位の毛根は、DHTの影響を受けにくい性質があるためです。

もし側頭部や後頭部にも広範囲な薄毛が見られるときは、AGA以外の脱毛症(例:円形脱毛症、牽引性脱毛症など)や、甲状腺疾患などの全身疾患が原因である可能性も考慮に入れる必要があります。

自己判断せず、専門医の診察を受けることが重要です。

女性の薄毛(FAGA)の特徴と男性との違い

女性の薄毛はFAGA(Female Androgenetic Alopecia:女性男性型脱毛症)やびまん性脱毛症などと呼ばれ、男性のAGAとは異なる特徴を持ちます。

男性のように生え際が大きく後退したり、頭頂部だけがはっきりと薄くなったりすることは比較的少なく、頭部全体の髪のボリュームが低下し、地肌が透けて見えるようになる方が多いです。

原因も男性ホルモンの影響だけでなく、女性ホルモンのバランス変化やストレス、過度なダイエットなどが複雑に関与すると考えられています。

男性のAGAと女性の薄毛(FAGA)の主な違い

項目男性のAGA女性の薄毛(FAGA)
主な薄毛部位前頭部、頭頂部頭部全体、分け目
進行パターンM字、O字、U字型など局所的びまん性(全体的)
主な原因男性ホルモン(DHT)、遺伝ホルモンバランス、ストレス、生活習慣など複合的

なぜ薄毛は特定の場所から進行するのか?

「どうして生え際や頭頂部だけ薄くなるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

薄毛が特定の部位から進行しやすいのには、科学的な理由があります。

AGA発症に関わる5αリダクターゼの分布

AGAの主な原因物質であるDHTは、男性ホルモンのテストステロンが「5αリダクターゼ」という酵素によって変換されて生成されます。

この5αリダクターゼにはI型とII型の2種類があり、特にII型の5αリダクターゼがAGAの発症に強く関与すると考えられています。

そして、このII型5αリダクターゼは、前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に多く存在しています。このため、これらの部位でDHTが生成されやすく、薄毛が進行しやすいのです。

男性ホルモンレセプターの感受性の違い

DHTが毛髪の成長を抑制するためには、毛乳頭細胞にある男性ホルモンレセプター(受容体)に結合する必要があります。

この男性ホルモンレセプターの感受性にも部位によって差があり、前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞は感受性が高い傾向にあります。

つまり、同じ量のDHTが存在していても、レセプターの感受性が高い部位ほど薄毛の影響を受けやすいということになります。

DHTと毛髪の関係

要素役割・特徴薄毛への関与
テストステロン男性ホルモンの一種DHTの元となる
5αリダクターゼ(特にII型)テストステロンをDHTに変換する酵素前頭部・頭頂部に多く分布
DHT強力な男性ホルモン毛髪の成長期を短縮させる
男性ホルモンレセプターDHTと結合する受容体前頭部・頭頂部で感受性が高い

血流や頭皮環境の局所的な影響

前頭部や頭頂部は他の部位と比較して筋肉の動きが少なく、血行が悪くなりやすい傾向があります。

血流が悪くなると毛髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛根に十分に行き渡らず、毛髪の成長が妨げられる可能性があります。

また、皮脂の分泌量や頭皮の硬さなども部位によって異なり、これらが局所的な頭皮環境の差を生み、薄毛の進行に影響を与える場合があります。

遺伝的要因と進行部位の関連性

AGAの発症には遺伝的な要因が大きく関わっています。

5αリダクターゼの活性の高さや、男性ホルモンレセプターの感受性の強さは遺伝によって受け継がれることが分かっています。

親族にAGAの方がいる場合、同じような部位から薄毛が進行する傾向が見られるケースも多いです。

ただし、遺伝的素因があっても必ずしも発症するわけではなく、生活習慣など他の要因も影響します。

薄毛の進行を早めるNG習慣と生活の見直し

薄毛の進行には遺伝やホルモンの影響だけでなく、日々の生活習慣も深く関わっています。

知らず知らずのうちに薄毛を進行させてしまうNG習慣を避け、頭皮環境を整える生活を送る心がけが大切です。

睡眠不足と食生活の乱れが頭皮に与える影響

髪の毛は、私たちが眠っている間に成長ホルモンが多く分泌されることで成長します。

睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減少し、髪の健やかな成長を妨げます。

また、髪の主成分はタンパク質(ケラチン)であり、ビタミンやミネラルも髪の健康維持に必要です。

偏った食事や過度なダイエットは、これらの栄養素の不足を招き、薄毛を進行させる原因となります。

髪の成長に必要な栄養素

  • タンパク質(肉、魚、大豆製品など)
  • 亜鉛(牡蠣、レバー、ナッツ類など)
  • ビタミンB群(緑黄色野菜、魚介類など)

過度なストレスは髪の成長サイクルを乱す

過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させます。血行が悪くなると毛根に十分な栄養が届かず、髪の成長が阻害されます。

また、ストレスはホルモンバランスにも影響を与え、ヘアサイクル(毛周期)を乱して抜け毛を増加させる可能性があります。

適度な休息やリフレッシュ方法を見つけ、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。

間違ったヘアケアの頭皮への負担

良かれと思って行っているヘアケアが、実は頭皮に負担をかけている場合があります。

例えば、洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、爪を立ててゴシゴシ洗う、熱すぎるお湯での洗髪などは、頭皮を乾燥させたり、必要な皮脂まで奪ってしまったりする可能性があります。

また、整髪料の洗い残しも毛穴を詰まらせる原因です。

ご自身の頭皮タイプに合ったシャンプーを選び、優しく丁寧に洗髪しましょう。

見直したいヘアケア習慣

NG習慣頭皮への影響改善策
1日に何度もシャンプーする頭皮の乾燥、皮脂の過剰分泌シャンプーは1日1回まで
爪を立てて洗う頭皮の炎症、傷指の腹で優しくマッサージするように洗う
熱いお湯でのすすぎ頭皮の乾燥、刺激ぬるま湯(38℃程度)ですすぐ

喫煙や過度な飲酒の危険性

喫煙は血管を収縮させ、全身の血行を悪化させます。当然、頭皮の血流も低下し、毛根への栄養供給が滞ります。

また、タバコに含まれるニコチンはビタミンCを大量に消費するため、髪の健康に必要な栄養素が不足しがちになります。

過度な飲酒も、肝臓でのアルコール分解に多くの栄養素が使われるため、髪への栄養供給が後回しになる可能性があります。

さらに、睡眠の質を低下させる場合もあり、髪の成長に悪影響を与えます。

薄毛の悩みは一人で抱え込まないで!心のケアも大切

薄毛の悩みは見た目の変化だけでなく、心理的な側面にも大きな影響を与えるときがあります。

多くのクリニックでは単に髪の毛を増やす治療だけでなく、患者さんの心の負担を軽減するのも大切だと考えています。

薄毛が心理面に与える影響とは

薄毛が進行することで、自信を失ったり、人目が気になったり、外出がおっくうになったりするなど、精神的なストレスを感じる方は少なくありません。

「老けて見られるのではないか」「魅力がなくなったのではないか」といった不安感は、日常生活の様々な場面で影響を及ぼします。

これらの感情は決して特別なことではなく、多くの方が経験するものです。

自信喪失やQOL低下につながることも

薄毛の悩みが深刻化すると自己肯定感の低下を招き、仕事や人間関係など、生活の質(QOL)全体に影響が及びやすいです。

趣味を楽しめなくなったり、積極的に人と関わることを避けたりするようになるケースも見られます。

このような状態が続くとさらにストレスが増大し、薄毛の進行を助長するという悪循環に陥る可能性も否定できません。

薄毛による心理的影響

感情・思考の変化行動の変化
自信の喪失人前に出るのが億劫になる
他人の視線が気になる帽子が手放せない
年齢以上に老けたと感じる鏡を見るのが辛い

専門医への相談が第一歩

薄毛の悩みを一人で抱え込まず、まずは専門医に相談することをお勧めします。

医師は薄毛治療の専門家であると同時に、多くの患者さんの悩みを聞いてきた経験があります。

現在の状態を正確に診断して適切な治療法を提案するだけでなく、不安や疑問に寄り添い、精神的なサポートも行います。悩みを打ち明けるだけでも、気持ちが楽になるでしょう。

ポジティブな気持ちで治療に取り組む重要性

AGA治療は、効果を実感するまでに一定の期間が必要です。治療期間中は、不安になったり焦りを感じたりするときもあるかもしれません。

しかし、前向きな気持ちで治療に取り組むと、治療効果にも良い影響を与えると考えられています。

医師と信頼関係を築き、二人三脚で治療を進めていくことが、心身ともに健やかな状態を取り戻すための鍵となります。

AGAクリニックでの早期発見・早期治療の重要性

AGAは進行性の脱毛症です。つまり、放置しておくと薄毛は徐々に進行していきます。

そのため、できるだけ早い段階で専門医の診断を受け、適切な治療を開始するのが非常に重要です。

薄毛は進行性の疾患|放置は禁物

「まだ大丈夫だろう」「そのうち治るかもしれない」といった自己判断は禁物です。

AGAの場合、ヘアサイクルが乱れ、毛包(毛根を包む組織)が徐々に小さくなり、最終的には髪の毛を作り出す能力を失ってしまいます。

一度髪の毛を作り出せなくなった毛包を再生させるのは、現在の医療技術では困難です。

だからこそ、毛包がまだ活力を失っていない早期の段階での治療開始が、効果を高める上で大切なのです。

専門医による正確な診断が治療の鍵

薄毛の原因はAGAだけではありません。他の脱毛症や皮膚疾患、全身疾患などが原因となっている可能性もあります。

自己判断で市販の育毛剤などを使用しても、原因が異なれば効果は期待できません。

AGAクリニックでは医師が問診や視診、マイクロスコープによる頭皮チェックなどを行い、薄毛の原因を正確に診断します。

この診断に基づいて、一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立てます。

クリニックで受けられるAGA治療法

AGAクリニックでは、医学的根拠に基づいた様々な治療法を提供しています。

代表的な治療法には、内服薬や外用薬、注入治療などがあります。

主なAGA治療法の概要

治療法主な作用期待される効果
内服薬(フィナステリド・デュタステリドなど)5αリダクターゼ阻害抜け毛抑制、AGA進行遅延
外用薬(ミノキシジルなど)毛母細胞活性化、血行促進発毛促進
注入治療(メソセラピー・HARG療法など)成長因子などを直接頭皮に注入発毛促進、頭皮環境改善

これらの治療法を単独で、あるいは組み合わせて行います。医師と相談しながら、適した治療法を選択することが重要です。

治療開始時期と効果実感までの期間

AGA治療の効果を実感できるまでの期間には個人差がありますが、一般的には治療開始から3ヶ月~6ヶ月程度で抜け毛の減少や産毛の発生などの変化を感じ始める方が多いです。

目に見える発毛効果を実感するには、半年から1年程度の継続が推奨されます。

治療開始が早いほど毛根の機能が保たれている可能性が高く、治療効果も現れやすい傾向にあります。少しでも気になったら、早めに専門医に相談しましょう。

よくある質問

薄毛やAGA治療に関して、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q
薄毛は遺伝しますか?
A

薄毛(特にAGA)の発症には遺伝的要因が大きく関与します。

具体的には男性ホルモンの影響を受けやすい体質や、AGAの原因となる酵素(5αリダクターゼ)の活性の高さなどが遺伝すると考えられています。

ご両親や祖父母に薄毛の方がいる場合、ご自身も薄毛になる可能性は高まります。

ただし、遺伝的素因があっても必ず発症するわけではなく、生活習慣や環境要因も影響します。

Q
AGA治療はいつまで続ける必要がありますか?
A

AGAは進行性の脱毛症であり、現在のところ完治させる治療法はありません。そのため、治療効果を維持するためには、治療を継続する必要があります。

治療を中断すると再び薄毛が進行し始める可能性があります。

治療のゴールや継続期間については、患者さんの希望や状態、治療効果などを考慮しながら医師と相談して決定していくことになります。

Q
治療薬に副作用はありますか?
A

AGA治療薬は医薬品である以上、副作用が起こる可能性はあります。

例えば、内服薬ではごく稀に性機能障害(リビドー減退、勃起機能不全など)や肝機能障害などが報告されています。外用薬では、頭皮のかゆみやかぶれなどが起こるケースがあります。

ただし、副作用の発生頻度は高くなく、多くの場合は軽微です。

治療開始前に医師から副作用について十分な説明を受け、万が一気になる症状が現れたときは速やかに医師に相談しましょう。

Q
生活習慣の改善だけで薄毛は治りますか?
A

バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動やストレス管理などの生活習慣の改善は、頭皮環境を整え、髪の健康を保つ上で非常に重要です。

しかし、AGAが進行している場合、生活習慣の改善だけで薄毛の進行を完全に止めたり、元の状態に戻したりするのは難しいのが現状です。

生活習慣の改善はあくまで治療の補助的な役割と捉え、AGAと診断された場合は専門医による医学的治療と並行して行うと効果的です。

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