コレステロールを下げる薬は健康維持に重要な役割を果たしますが、その一方で副作用として抜け毛が報告される場合があります。
しかし、その抜け毛が本当に薬のせいなのか、それとも年齢によるAGA(男性型脱毛症)の進行なのか、ご自身で判断するのは難しいものです。
この記事では、コレステロールを下げる薬と抜け毛の関連性、副作用が疑われる場合の具体的な対処法、そしてAGAとの見分け方について、専門的な知見から詳しく解説します。
自己判断で薬をやめてしまう前に、まずは正しい知識を身につけましょう。
コレステロールを下げる薬と抜け毛の基本的な関係
コレステロールを下げる薬は体内の脂質代謝に影響を与えるため、間接的に髪の成長サイクルや栄養供給に作用し、抜け毛を引き起こす可能性があります。
健康を維持するための薬がなぜ髪に影響するのか、コレステロールの役割から探っていきましょう。
コレステロールとは何か?
コレステロールは、私たちの体にとって重要な脂質の一種です。細胞膜の構成成分になったり、ホルモンやビタミンDの原料になったりするなど、生命活動を支える上で欠かせない働きを担っています。
しかし、血液中のコレステロール、特にLDL(悪玉)コレステロールが増えすぎると血管の壁に蓄積して動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な病気のリスクを高めます。
コレステロールの主な種類と基準値
種類 | 通称 | 基準値(空腹時採血) |
---|---|---|
LDLコレステロール | 悪玉コレステロール | 140mg/dL未満 |
HDLコレステロール | 善玉コレステロール | 40mg/dL以上 |
総コレステロール | – | 220mg/dL未満 |
なぜコレステロールを下げる薬が必要なのか
脂質異常症(高コレステロール血症)の治療では、まず食事療法や運動療法といった生活習慣の改善から始めます。
しかし、それだけでは十分にコレステロール値が下がらない場合や、遺伝的な要因が強い場合、すでに動脈硬化性の病気を発症している場合には薬物治療が必要です。
薬によって血中のコレステロール値を適切に管理し、将来の重大な病気を予防するのが治療の目的です。
抜け毛が起こる主な原因
抜け毛や薄毛の原因は一つではありません。最も多いのはAGA(男性型脱毛症)ですが、それ以外にも生活習慣の乱れやストレス、他の病気の影響など、様々な要因が複雑に絡み合って発症します。
薬の副作用もその原因の一つとして考えられます。
主な抜け毛・薄毛の原因
原因の分類 | 具体的な要因 | 特徴 |
---|---|---|
遺伝・ホルモン | AGA(男性型脱毛症) | 生え際や頭頂部から薄くなる |
生活習慣 | 食生活の乱れ、睡眠不足、ストレス | 髪全体のボリュームが減る場合がある |
外的要因 | 頭皮環境の悪化、薬剤の副作用 | 原因の除去で改善する可能性がある |
薬と抜け毛の関連性を考える前に
コレステロールの薬を飲み始めてから抜け毛が増えたと感じた場合、すぐに薬の副作用だと結論づけるのは早計です。
AGAが進行し始めたタイミングと、服薬を開始したタイミングが偶然重なった可能性も十分に考えられます。
まずは冷静に、ご自身の抜け毛の状態や生活習慣を振り返るのが大切です。思い込みで判断せず、客観的な事実に基づいて原因を探っていきましょう。
抜け毛の副作用が報告されているコレステロールの薬
コレステロールを下げる薬の中では、特に「スタチン系薬剤」と「フィブラート系薬剤」において、まれな副作用として脱毛が報告されています。
ご自身が服用している薬がどの種類に該当するのか、確認してみましょう。
スタチン系薬剤とは
スタチン系薬剤は、肝臓でのコレステロール合成を抑えて、血液中のLDLコレステロールを強力に下げる薬です。脂質異常症の治療において、中心的な役割を果たします。
多くの種類の薬があり、世界中で広く使用されています。
代表的なスタチン系薬剤
一般名(成分名) | 主な商品名 |
---|---|
プラバスタチンナトリウム | メバロチン |
シンバスタチン | リポバス |
アトルバスタチンカルシウム水和物 | リピトール |
ロスバスタチンカルシウム | クレストール |
これらの薬の添付文書には、頻度は不明またはまれ(0.1%未満など)としながらも、副作用として「脱毛」が記載されている場合があります。
ただし、発現頻度は非常に低く、誰にでも起こるわけではありません。
フィブラート系薬剤とは
フィブラート系薬剤は、主に中性脂肪(トリグリセリド)を低下させ、HDLコレステロールを増加させる作用を持つ薬です。
特に中性脂肪が高いタイプの脂質異常症の治療に用いられます。
代表的なフィブラート系薬剤
一般名(成分名) | 主な商品名 |
---|---|
ベザフィブラート | ベザトールSR |
フェノフィブラート | リピディル、トライコア |
ペマフィブラート | パルモディア |
フィブラート系薬剤も同様に、添付文書に副作用として脱毛が記載されているものがあります。
スタチン系薬剤と併用されるケースもありますが、その際は筋肉への副作用などに注意が必要です。
その他の薬と抜け毛のリスク
コレステロールを下げる薬としては、小腸でのコレステロール吸収を阻害するエゼチミブ(商品名:ゼチーア)などもあります。
これらの薬でも、ごくまれに脱毛の報告はありますが、スタチン系やフィブラート系に比べてその頻度はさらに低いと考えられています。
複数の薬を併用しているときは、どの薬が影響しているのかを特定するのがより難しくなります。
すべての薬で抜け毛が起こるわけではない
重要なのは、これらの薬を服用している人すべてに抜け毛が起こるわけではない、という点です。
副作用の発現には個人差が大きく、同じ薬を飲んでいても全く影響がない人がほとんどです。
抜け毛が気になったとしても、それは薬以外の要因が原因である可能性も常に念頭に置く必要があります。
なぜコレステロールの薬で抜け毛が起こり得るのか
薬が髪の成長サイクル(毛周期)を乱したり、髪に必要な栄養素の吸収に間接的に影響を与えたりするのが、抜け毛につながると推測されています。
詳しい理由は完全には解明されていませんが、いくつかの可能性が考えられています。
薬が毛周期(ヘアサイクル)に与える影響
髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」という一連のサイクル(毛周期)があります。薬の成分が毛根の細胞(毛母細胞)に作用し、この正常なサイクルを乱すときがあります。
具体的には、髪が成長する「成長期」が短くなったり、髪が抜ける準備段階である「休止期」に入る毛が急に増えたりします。
その結果、抜け毛が増加する「休止期脱毛」という状態を引き起こす可能性があります。
栄養吸収への間接的な影響
髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質です。健康な髪を育てるには、タンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素がバランス良く供給されている状態が重要です。
一部の薬は、体内の特定の栄養素の吸収や代謝に影響を与える可能性があります。
例えば、脂溶性ビタミン(ビタミンA, D, E, K)の吸収に影響が出ると頭皮や髪の健康状態が悪化し、抜け毛につながることも考えられます。
髪の健康に重要な栄養素
栄養素 | 主な働き | 多く含む食品 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分(ケラチン)を作る | 肉、魚、卵、大豆製品 |
亜鉛 | ケラチンの合成を助ける | 牡蠣、レバー、牛肉 |
ビタミンB群 | 頭皮の新陳代謝を促す | 豚肉、うなぎ、玄米 |
ホルモンバランスへの関与
コレステロールは、男性ホルモンや女性ホルモンといった性ホルモンの原料でもあります。
薬によって体内のコレステロール代謝が大きく変化すると、ホルモンバランスに微細な影響が及ぶ可能性も理論的には考えられます。
特に男性ホルモンはAGAの直接的な原因となるため、ホルモンバランスの変化が薄毛の進行に何らかの形で関与する可能性も否定できません。
個人差が大きい副作用の発現
薬の代謝や排泄能力は人それぞれ異なります。また、遺伝的な体質によっても、特定の薬の副作用が出やすい人と出にくい人がいます。
そのため同じ薬を同じ量だけ服用していても、副作用の現れ方には大きな個人差が生じます。
他の人に影響がないからといって、ご自身にも影響がないとは断定できません。
抜け毛は本当に薬の副作用?AGAとの見分け方
薬の副作用による抜け毛は頭部全体に起こるケースが多いのに対し、AGAは生え際や頭頂部など特定の部位から進行する点に違いがあります。
抜け毛の範囲や進行パターンの確認が、原因を見分ける一つのポイントです。
AGA(男性型脱毛症)の典型的な症状
AGAは、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根に作用して毛周期の成長期が短くなり、髪の毛が十分に育たないまま抜け落ちてしまう脱毛症です。
遺伝的な要因が大きく関与しており、症状の現れ方には一定のパターンがあります。
- 生え際が後退してくる(M字型)
- 頭頂部が薄くなる(O字型)
- 髪の毛が細く、短くなる(軟毛化)
- 抜け毛に細くて短い毛が混じる
薬の副作用による抜け毛の特徴
一方、薬剤性の脱毛症(特に休止期脱毛)は、AGAとは異なる特徴を示す場合があります。
特定の部位から薄くなるのではなく、頭部全体の髪が均等に抜ける「びまん性脱毛」の形をとるケースが多いです。
AGAと薬剤性脱毛症の比較
項目 | AGA(男性型脱毛症) | 薬剤性脱毛症(休止期脱毛) |
---|---|---|
脱毛範囲 | 生え際・頭頂部など特定の部位 | 頭部全体(びまん性) |
進行速度 | ゆっくりと時間をかけて進行 | 比較的短期間(数ヶ月)で起こる |
毛質の変化 | 髪が細く短くなる(軟毛化) | 毛質の変化は少ない場合が多い |
自己判断の危険性と専門医への相談の重要性
これらの特徴はあくまで一般的な傾向であり、ご自身で完全に見分けるのは困難です。
自己判断で「副作用だ」と決めつけて薬の服用を中止してしまうと、コレステロール値が再び上昇し、動脈硬化のリスクを高めてしまう恐れがあります。
逆に「AGAだろう」と放置していると、実は薬が原因であり、対処すれば改善したかもしれない抜け毛を進行させてしまう可能性もあります。
正確な診断のためには、専門の医師への相談が重要です。
薬を飲み続ける不安に寄り添う治療
持病の薬を続けながらでも、薄毛の原因を正確に診断し、AGA治療薬の併用や生活習慣の改善指導などを通じて安全に髪の悩みを改善していくことが可能です。
持病と薄毛、両方の悩みに対応する治療計画を共に考えていきましょう。
「薬のせい」と諦める前にできること
「どうせ薬の副作用だから仕方ない」と諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。
抜け毛の原因は一つとは限らず、コレステロールの薬の影響とAGAの進行が同時に起こっているケースも多くあります。
たとえ薬の影響があったとしても、AGAの進行を抑制する治療を行うと現状を維持、あるいは改善させることは十分に可能です。
諦める前にまずは専門的な観点から原因を正確に診断し、対策の選択肢を確認しましょう。
持病と薄毛治療の両立をサポートする体制
専門クリニックでは、薄毛治療を開始する前に、必ず現在治療中のご病気や服用中のお薬について詳しくお伺いします。
コレステロールの薬を処方している主治医との連携も重要です。必要に応じて情報提供書を作成し、主治医と治療方針を共有しながら、全身の健康状態を第一に考えた安全な薄毛治療を進めていきます。
AGA治療薬とコレステロールの薬の飲み合わせなど、専門的な知識を持つ医師が責任を持って管理してくれます。
生活習慣の見直しで得られる相乗効果
コレステロール値の管理と、健康な髪の育成には、共通する生活習慣が深く関わっています。それは、バランスの取れた食事や適度な運動、質の良い睡眠です。
専門クリニックでは、薄毛治療薬の処方だけでなく、日々の生活習慣に関するアドバイスも積極的に行っています。
生活習慣の改善は、コレステロール値の安定にも、髪の成長にも良い影響を与えます。治療を通じて、より健康的な生活を手に入れるサポートをしてもらえるのがメリットです。
- バランスの取れた食事(特にタンパク質、ビタミン、ミネラル)
- 有酸素運動の習慣化(ウォーキングなど)
- 十分な睡眠時間の確保と質の向上
- ストレスの効果的な発散
抜け毛の副作用を感じたときの具体的な対処法
抜け毛が増えたと感じた場合でも自己判断で薬の服用をやめず、まずは薬を処方した主治医に相談しましょう。
まずは処方した医師に相談する
抜け毛の増加に気づいたら、まず行うべきは、そのコレステロールの薬を処方した主治医(循環器内科や内科の医師など)への相談です。
いつから抜け毛が気になり始めたか、どのくらいの量が抜けるか、他に体調の変化はないかなどを具体的に伝えましょう。
医師に伝えるべき情報
項目 | 伝える内容の例 |
---|---|
抜け毛が始まった時期 | 「薬を飲み始めて2ヶ月後くらいからです」 |
抜け毛の量や状態 | 「シャンプー時の抜け毛が倍くらいに増えました」 |
他の自覚症状 | 「特にだるさや筋肉痛などはありません」 |
自己判断で薬の服用を中止しない
これが最も重要な注意点です。抜け毛を心配するあまり、ご自身の判断で薬の服用を中止するのは絶対にやめてください。
服用を中止すれば、コントロールされていたコレステロール値が再び上昇し、動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることにつながります。
抜け毛の増加は切実な悩みですが、髪の問題よりも、生命に関わるリスクを避けることを最優先に考えなければなりません。
薬の変更や調整の可能性
主治医に相談した結果、抜け毛が薬の影響である可能性が高いと判断された場合、いくつかの選択肢が考えられます。
例えば、同じ系統の別の薬に変更したり、用量を調整したりすると、副作用が軽減される場合があります。また、作用の仕方が異なる別の種類の薬に変更するのも選択肢の一つです。
どのような対処が可能かは、患者さんのコレステロール値や他の病気の有無によって異なるため、主治医とよく相談して方針を決定します。
薄毛治療専門クリニックでのセカンドオピニオン
主治医に相談しても抜け毛の原因がはっきりしない場合や、AGAの可能性も併せて詳しく調べたい場合には、薄毛治療を専門とするクリニックでセカンドオピニオンを求めるのも有効な方法です。
専門クリニックでは頭皮の状態をマイクロスコープで詳細に観察したり、血液検査でホルモン値や栄養状態を調べたりしながら、より多角的な視点から抜け毛の原因を診断できます。
クリニックで受けられる薄毛治療とコレステロール管理
薄毛治療専門クリニックでは、コレステロールの薬を服用中の方でも精密な検査で原因を特定し、その方に合った安全な治療法を提供します。
薄毛の原因を特定する精密検査
まずは、問診や視診、マイクロスコープによる頭皮チェックや血液検査などを行い、抜け毛の根本原因を探ります。
AGAの進行度や頭皮の炎症の有無、髪の成長に必要な栄養素が不足していないかなどを詳しく調べて、治療方針の精度を高めます。
内服薬によるAGA治療
AGAが原因であると診断された場合、治療の基本となるのが内服薬です。
AGAの原因物質であるDHTの生成を抑制する薬(フィナステリド、デュタステリド)や、血行を促進して毛根に栄養を届ける薬(ミノキシジル)などを用います。
コレステロールの薬との併用については、医師が相互作用を確認した上で処方しますので、ご安心ください。
主なAGA治療薬
種類 | 主な作用 | 代表的な成分 |
---|---|---|
5α還元酵素阻害薬 | AGAの原因物質(DHT)の生成を抑制 | フィナステリド、デュタステリド |
血行促進薬 | 頭皮の血流を改善し、発毛を促進 | ミノキシジル |
外用薬や注入治療の選択肢
内服薬に抵抗がある方や、より積極的に治療を進めたい方には、外用薬(塗り薬)や注入治療といった選択肢もあります。
ミノキシジルを配合した外用薬を頭皮に直接塗布する方法や、髪の成長に必要な成分(成長因子など)を頭皮に直接注入する治療などがあり、内服薬と組み合わせるとより効果が期待できます。
栄養指導と生活習慣改善のサポート
薬による治療と並行して、髪の成長の土台となる体作りもサポートします。
血液検査の結果に基づいて、不足している栄養素を補うための食事指導やサプリメントの提案を行います。
前述の通り、健康的な生活習慣はコレステロール管理にも薄毛対策にも有効であり、治療全体の効果を高める上で重要な要素です。
コレステロールを下げる薬と抜け毛に関するよくある質問
さいごに、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- Q薬をやめれば髪は元に戻りますか?
- A
もし抜け毛の原因が完全に薬の副作用だけであれば、その薬の服用を中止したり、他の薬に変更したりすると数ヶ月から半年ほどで毛周期が正常化し、髪の状態が回復する可能性は高いです。
しかし、AGAが併発している場合は、薬をやめてもAGAによる薄毛は進行し続けるため、別途AGA治療が必要です。
- Qサプリメントでコレステロールを下げても抜け毛は改善しますか?
- A
コレステロール値を下げる効果をうたったサプリメントがありますが、その効果や安全性は医薬品とは異なります。
自己判断で医薬品の代わりにサプリメントを使用するのは推奨できません。また、サプリメントに変更したからといって、抜け毛が改善するという保証もありません。
まずは医師に相談し、医学的根拠に基づいた治療を選択しましょう。
- QAGA治療薬とコレステロールの薬は併用できますか?
- A
ほとんどの場合で併用が可能です。
AGA治療で主に使用されるフィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルと、スタチン系などのコレステロール降下薬との間に、重篤な相互作用の報告は現在のところありません。
ただし、安全に治療を進めるためには、必ず医師の管理下で服用する必要があります。お薬手帳を持参し、服用中の薬を正確に医師に伝えてください。
- Qどのくらいの期間で抜け毛の影響が出ますか?
- A
薬剤性の休止期脱毛の場合、原因となる薬を服用し始めてから2〜4ヶ月後くらいに抜け毛が増え始めるのが一般的です。薬を飲んですぐに髪が抜けるわけではありません。
この時間差があるために、抜け毛と服薬開始との関係に気づきにくい場合もあります。抜け毛が気になり始めたら、数ヶ月前の生活の変化を振り返ってみるのも一つの方法です。
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