シャワーの排水溝や枕元の抜け毛を見ると「最近、髪の毛がめっちゃ抜ける…」と不安に感じる方も多いでしょう。

ただ、一時的なものだろうと軽く考えていると、薄毛が進行してしまう可能性もあります。

抜け毛が急に増える背景には、生活習慣の乱れからAGA(男性型脱毛症)のような進行性の脱毛症、さらには何らかの病気まで、様々な原因が考えられます。

目次

「髪の毛がめっちゃ抜ける」は危険信号?正常な抜け毛との見分け方

毎日ある程度の髪が抜けるのは自然な現象です。しかし、その量が急に増えたり、抜け方に変化が見られたりした場合は、頭皮や体からのSOSサインかもしれません。

まずは、正常な範囲の抜け毛と注意すべき抜け毛の違いを理解しておきましょう。

1日に抜ける髪の毛の正常な本数

健康な人でも、1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜けていきます。これは、髪の毛の生まれ変わり、すなわち「ヘアサイクル」によるものです。

シャンプーやブラッシングの際にまとまって抜けるように感じるときが多いため驚くかもしれませんが、この範囲内であれば過度に心配する必要はありません。

危険な抜け毛の特徴とは

正常な範囲を超えて抜け毛が増えている場合や、抜けた毛の状態に異変がある場合は注意が必要です。

例えば、以前よりも明らかにシャワーの排水溝に詰まる毛の量が増えた、枕に付着する毛が目立つようになった、などの自覚症状は危険なサインの可能性があります。

また、抜けた毛根の形や毛の太さも判断材料になります。

正常な抜け毛と注意すべき抜け毛の比較

項目正常な抜け毛注意すべき抜け毛
1日の本数50~100本程度200本以上、または急激な増加
毛の状態太く、しっかりしている細く、短い毛が多い
毛根の形丸く膨らんでいる細い、または形がない

ヘアサイクルの仕組みと乱れ

髪の毛は、「成長期(2~6年)」→「退行期(約2週間)」→「休止期(約3~4ヶ月)」というサイクルを繰り返しています。このうち、髪全体の約85~90%は成長期にあり、活発に伸び続けています。

抜け毛は、この休止期に入った髪が新しい髪に押し出される形で起こる自然な現象です。

しかし、何らかの原因で成長期が短くなると、髪が十分に育たないまま細く短い状態で抜け落ちてしまい、全体のボリュームが減少します。

季節による抜け毛の変動

特に秋口になると抜け毛が増えると感じる人が多くいます。

これは、夏の間に浴びた紫外線のダメージが頭皮に蓄積されるためであったり、動物の換毛期の名残といった説があったりしますが、はっきりとした原因は解明されていません。

一時的な増加であれば心配いりませんが、冬になっても抜け毛が減らない場合は他の原因を考える必要があります。

日常生活に潜む抜け毛の意外な原因

薄毛や抜け毛は遺伝や加齢だけが原因ではありません。

日々の何気ない生活習慣が知らず知らずのうちに頭皮環境を悪化させ、抜け毛を助長しているケースは多いです。

睡眠不足が髪に与える影響

髪の毛の成長には、成長ホルモンの分泌が深く関わっています。この成長ホルモンは、主に睡眠中に分泌が活発になります。

入眠後の深い眠り(ノンレム睡眠)の時間帯に最も多く分泌されるため、睡眠時間が不足したり眠りの質が悪かったりすると、髪の成長が妨げられて抜け毛につながります。

質の良い睡眠を確保する工夫が、健やかな髪を育む土台となります。

過度な飲酒や喫煙のリスク

適度な飲酒は血行を促進しますが、過度になると肝臓でアルコールを分解するために大量のアミノ酸が消費されます。

髪の主成分であるケラチンもアミノ酸から作られるため、結果として髪の生成に必要な栄養が不足しがちになります。

一方、喫煙は血管を収縮させ、血行を悪化させます。これによって、頭皮の毛細血管まで栄養が届きにくくなり、髪の成長を阻害して抜け毛のリスクを高めます。

間違ったヘアケア習慣

良かれと思って行っているヘアケアが、逆に頭皮にダメージを与えている方もいらっしゃいます。

洗浄力の強すぎるシャンプー、爪を立ててゴシゴシ洗う、熱いお湯でのすすぎなどは頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥や炎症を引き起こす原因です。

頭皮に負担をかけるヘアケア例

  • 1日に何度もシャンプーする
  • 爪を立てて頭皮を洗う
  • 熱すぎるお湯ですすぐ
  • ドライヤーを頭皮に近づけすぎる

紫外線の頭皮へのダメージ

顔や腕と同じように、頭皮も紫外線の影響を受けます。紫外線は頭皮を乾燥させ、硬くするだけでなく、毛髪を作り出す毛母細胞にダメージを与えます。

特に髪の分け目やつむじは紫外線を直接浴びやすいため、注意が必要です。

屋外での活動が多い日は、帽子や日傘を活用して頭皮を守る意識が大切です。この対策により、将来の抜け毛を予防できます。

食生活の乱れが引き起こす脱毛

私たちの体と同様に、髪の毛も日々の食事から摂取する栄養素によって作られています。

栄養バランスが偏った食事を続けていると髪を育てるための材料が不足し、健康な髪が育たなくなり、結果として抜け毛が増えてしまいます。

髪の成長に必要な栄養素

健康な髪を育むためには特定の栄養素だけを摂取するのではなく、バランスの取れた食事が重要です。

なかでも髪の主成分となるタンパク質、その合成を助ける亜鉛、頭皮の血行を促進するビタミン類は積極的に摂取したい栄養素です。

髪の健康を支える主な栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
タンパク質髪の主成分「ケラチン」の材料肉、魚、卵、大豆製品
亜鉛タンパク質の合成を助ける牡蠣、レバー、牛肉
ビタミン類頭皮の血行促進、皮脂の調整緑黄色野菜、果物、ナッツ類

抜け毛を招く偏った食事

インスタント食品やファストフード、脂っこい食事に偏るとビタミンやミネラルが不足する一方で、皮脂の過剰分泌を招きます。

過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、頭皮の炎症(脂漏性皮膚炎)を引き起こす原因となり、抜け毛につながる場合があります。

バランスの取れた食事を心がけ、健やかな頭皮環境を維持しましょう。

過度なダイエットの危険性

急激な体重減少を目的とした過度な食事制限は、体だけでなく髪にも深刻なダメージを与えます。

食事量が極端に減ると髪の成長に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルが絶対的に不足します。

この栄養不足の状態により、体は生命維持に重要な臓器へ優先的に栄養を送るため、髪への栄養供給は後回しにされます。

結果として、ヘアサイクルが乱れて休止期に入る髪が増え、脱毛が起こります。

ストレスだけじゃない!見過ごされがちな心と体のサイン

「髪の毛がめっちゃ抜ける原因はストレス」と一言で片付けてしまうのは簡単ですが、その背景には、自分でも気づいていない心や体のサインが隠れているケースがあります。

「疲れているのに眠れない」は要注意

多くの人が「ストレスで眠れない」と感じますが、「疲れているはずなのに、なぜか目が冴えて眠れない」という経験もあるのではないでしょうか。これは、心身が常に緊張状態にあるサインです。

交感神経が優位になり続けると体がリラックスできず、回復に必要な深い睡眠に入れません。

この状態が続くと成長ホルモンの分泌が滞り、血行も悪化するため、髪への栄養供給が絶たれてしまいます。抜け毛は、体が休息を求めている悲鳴かもしれません。

無意識の癖が頭皮に負担をかけている可能性

考え事をしている時や緊張している時に、無意識に髪を引っ張ったり、頭を掻いたりする癖がある方も見受けられます。

このような物理的な刺激は「牽引性脱毛症」や頭皮の炎症を引き起こす原因です。

また、食いしばりや歯ぎしりは側頭部の筋肉を緊張させ、頭皮全体の血行を悪化させます。

これらの無意識の行動は心が感じているプレッシャーの表れであり、直接的に髪の健康を脅かしているのです。

髪の変化は体からのメッセージ

髪は「血余(けつよ)」とも言われ、東洋医学では血液の状態を反映する場所と考えられています。

髪が細くなったりツヤがなくなったり、抜け毛が増えたりするのは単なる美容の問題ではなく、体内の栄養状態や血行、ホルモンバランスの変化を示す重要な指標です。

この体の内側からのメッセージを正しく受け取り、生活全体を見直すきっかけと捉えると、根本的な解決につながります。

女性と男性で異なる薄毛のサインと原因

抜け毛や薄毛の悩みは男女共通ですが、その原因や症状の現れ方には違いがあります。

男性型脱毛症(AGA)の進行パターン

成人男性の抜け毛で最も多い原因がAGA(Androgenetic Alopecia)です。

男性ホルモンの一種であるテストステロンが特定の酵素の働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合することで髪の成長期を短縮させます。

これによって髪が太く長く成長する前に抜け落ち、徐々に薄毛が進行します。

生え際の後退や頭頂部の薄毛が典型的なパターンです。

AGAの主な進行パターン

分類(型)特徴
M字型額の両サイド、いわゆる「そりこみ」部分から後退していく。
O字型頭頂部(つむじ周辺)から円形に薄くなっていく。
U字型生え際全体が後退し、M字型が進行した状態。

女性に多いびまん性脱毛症とは

女性の薄毛は男性のように特定の部分が禿げるのではなく、髪の毛全体が均等に薄くなる「びまん性脱毛症」が特徴です。

髪の分け目が透けて見える、全体のボリュームが減った、髪のハリやコシがなくなった、といった症状で気づく方が多いです。

加齢やホルモンバランスの乱れ、ストレスや栄養不足など、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

女性の薄毛の主な種類と特徴

種類主な原因特徴
びまん性脱毛症加齢、ストレス、生活習慣の乱れなど頭部全体の髪が均等に薄くなる
FAGA(女性男性型脱毛症)ホルモンバランスの変化頭頂部の分け目が広がるのが典型的
牽引性脱毛症ポニーテールなど髪を強く引っ張る髪型生え際や分け目の髪が薄くなる

産後の抜け毛とその回復

出産後に一時的に抜け毛が急増する場合があり、これを「分娩後脱毛症」と呼びます。

妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が増え、本来なら休止期に入って抜けるはずの髪が成長期を維持します。

しかし、出産後はホルモンバランスが急激に元に戻るため、維持されていた髪が一斉に休止期に入り、まとまって抜け落ちるのです。

これは一時的な生理現象であり、通常は産後半年から1年ほどで自然に回復します。

更年期におけるホルモンバランスの変化

40代後半から50代にかけての更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく減少します。

エストロゲンは髪の成長を促進して成長期を維持する働きがあるため、このホルモンが減少すると相対的に男性ホルモンの影響が強まり、髪が細くなったり抜け毛が増えたりします。

びまん性脱毛症やFAGA(女性男性型脱毛症)が発症しやすくなる時期でもあります。

抜け毛を引き起こす可能性のある病気

急な抜け毛は、単なるヘアサイクルの乱れだけでなく、何らかの病気が原因となっている可能性も考えられます。

自己判断で放置せず、気になる症状があれば医療機関を受診することが重要です。

円形脱毛症の症状と特徴

円形脱毛症は、ある日突然、コインのような円形や楕円形の脱毛斑ができる病気です。

一般的には10円玉サイズと言われますが、大きさや数は様々で、頭部全体に広がるケースもあります。

自己免疫疾患の一種と考えられており、免疫機能の異常によりリンパ球が毛根を攻撃してしまうため発症します。

ストレスが引き金になる場合もありますが、直接的な原因ではありません。

甲状腺機能の異常と髪の関係

のどぼとけの下にある甲状腺は、体の新陳代謝を活発にするホルモンを分泌しています。

この甲状腺の機能が低下する「甲状腺機能低下症(橋本病など)」では全身の代謝が悪くなり、髪の毛がパサついたり、抜け毛が増えたりするときがあります。

逆に、機能が過剰になる「甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)」でも、新陳代謝が活発になりすぎることでヘアサイクルが乱れ、脱毛を引き起こすケースがあります。

抜け毛を伴う主な病気

病名主な症状
円形脱毛症円形・楕円形の脱毛斑が突然現れる
甲状腺疾患髪質の変化、びまん性の脱毛、疲労感など
脂漏性皮膚炎フケ、かゆみ、頭皮の赤みと脱毛

皮膚疾患による抜け毛

頭皮の皮膚炎が原因で抜け毛が起こる場合もあります。

代表的なのが「脂漏性皮膚炎」で、皮脂の過剰分泌やマラセチアという常在菌の異常増殖により頭皮が炎症を起こし、フケやかゆみとともに抜け毛が増えます。

アトピー性皮膚炎が頭皮に及んだ場合も、強いかゆみで掻きむしってしまって髪が抜けるときがあります。

薬の副作用として起こる脱毛

特定の薬では、副作用として脱毛が起こるものもあります。特に抗がん剤による脱毛はよく知られていますが、その他にも抗うつ薬や高血圧の治療薬、抗凝固薬など、様々な薬で脱毛の報告があります。

薬の服用を開始してから数週間~数ヶ月後に抜け毛が増え始めた場合は、かかりつけの医師や薬剤師に相談してください。自己判断で服用を中止するのは危険です。

自分でできる抜け毛対策とヘアケアの見直し

専門的な治療を始める前に、あるいは治療と並行して、日々の生活の中で改善できることはたくさんあります。

ここでは、今日から始められるセルフケアについて解説します。

正しいシャンプーの選び方と洗い方

毎日のシャンプーは、頭皮環境を左右する重要な習慣です。自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選び、正しく洗うのが基本です。

乾燥肌の人は保湿成分の多いアミノ酸系、脂性肌の人は適度な洗浄力のあるものを選びましょう。

洗う際はまずお湯で十分に予洗いし、シャンプーをしっかりと泡立ててから、指の腹でマッサージするように優しく洗うのがポイントです。

頭皮マッサージの効果的な方法

頭皮の血行促進は、髪の毛に栄養を届ける上で非常に効果的です。硬くなった頭皮をほぐすとリラックス効果も期待できます。

シャンプー中や、お風呂上がりの体が温まっている時に行うのがおすすめです。

自宅でできる頭皮マッサージのポイント

  • 指の腹を使い、爪を立てない
  • 頭皮をこするのではなく、頭蓋骨から動かすイメージで
  • 気持ち良いと感じる程度の力加減で行う

生活習慣の改善で髪を育む

結局のところ、髪の健康は体全体の健康と密接につながっています。

バランスの取れた食事や質の良い睡眠、適度な運動やストレスとの上手な付き合い方といった基本的な生活習慣を整えることが、最も確実で持続可能な抜け毛対策と言えます。

一つひとつを完璧にこなすのは難しくても、できることから少しずつ改善していく意識が大切です。

専門クリニックで行う薄毛治療の種類と特徴

セルフケアだけでは抜け毛の進行が止まらない、あるいはAGAのように進行性の脱毛症が疑われる場合は、専門クリニックへの相談が根本的な解決への近道です。

治療を始める前のカウンセリングの重要性

治療を始めるにあたり、最も重要なのが医師による正確な診断です。

抜け毛の原因は人それぞれ異なるため、専門家が頭皮の状態をマイクロスコープで確認したり、生活習慣や既往歴を詳しく問診したりしながら適した治療方針を決定します。

不安や疑問に思うことは、この段階で全て相談しましょう。信頼できるクリニックは、患者さんが納得するまで丁寧に説明を行います。

内服薬による治療法

内服薬は、薄毛治療において中心的な役割を果たします。

特にAGAに対しては、原因物質であるDHTの生成を抑制する薬や、血行を促進して発毛を促す薬が有効です。

主な薄毛治療内服薬

薬剤名(成分名)主な作用対象
フィナステリド/デュタステリドAGAの原因(DHT)の生成を抑制男性
ミノキシジル(内服)血行を促進し、毛母細胞を活性化男性・女性
スピロノラクトン男性ホルモンの働きを抑制女性

外用薬によるアプローチ

頭皮に直接塗布するタイプの治療薬です。内服薬と併用すると、より効果を実感しやすいです。

最も代表的な成分はミノキシジルで、毛母細胞に直接働きかけて発毛を促進します。

主な薄毛治療外用薬

薬剤名(成分名)主な作用特徴
ミノキシジル(外用)毛母細胞を活性化させ、発毛を促進する市販薬もあるが、クリニック処方品は高濃度のものがある

注入治療やその他の選択肢

内服薬や外用薬に加えて、より積極的に発毛を促すための治療法もあります。

注入治療は、発毛を促進する成長因子などを注射器や特殊な機器を用いて頭皮に直接注入する方法です。この治療により毛母細胞の働きを活性化させ、ヘアサイクルの正常化を促します。

その他、LEDの光を頭皮に照射する治療など、患者さんの状態に合わせて様々な選択肢を組み合わせたオーダーメイドの治療計画を立てます。

よくある質問

さいごに、薄毛治療を検討されている方からよくいただく質問とその回答をまとめました。

Q
治療はどのくらいで効果が出ますか?
A

治療効果の現れ方には個人差がありますが、多くの場合、治療開始から3ヶ月~6ヶ月ほどで抜け毛の減少や産毛の発生といった初期の変化を実感し始めます。

目に見えて髪のボリュームが増えたと感じるまでには、半年から1年程度の期間を見るのが一般的です。ヘアサイクルを正常に戻し、髪を育てるには時間が必要です。

Q
治療の費用はどのくらいかかりますか?
A

薄毛治療は基本的に自由診療となるため、費用は治療内容によって大きく異なります。カウンセリングを無料で行っているクリニックも多いです。

内服薬や外用薬は5,000~10,000円、両者を組み合わせると15,000~30,000円が月々の費用目安となります。

具体的な費用については、診察の上で治療プランと合わせて提示されます。

Q
治療を止めると元に戻ってしまいますか?
A

AGAのように進行性の脱毛症の場合、治療を完全に中止すると薬で抑制されていた症状が再び現れ、時間をかけて元の状態に戻っていく可能性があります。

ただし、医師と相談の上で、状態が安定した後に薬の量を減らしたり、維持療法に切り替えたりすることは可能です。自己判断で中断せず、必ず医師の指示に従いましょう。

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