日々の暮らしの中で、髪の毛がどれくらい抜けているかを意識したことはあるでしょうか。

実は、1日のうちに抜ける髪の毛の本数には個人差がありますが、一定の目安を知ることが頭皮や髪の健康を維持するうえで大切です。

本記事では、1日に抜ける髪の毛の正常な範囲と、頭皮や毛髪が健康な状態とはどのようなものかを詳しく紹介します。

目次

1日に抜ける髪の毛の正常範囲とは

髪は日々の生活で自然に抜け落ちる性質を持ち、誰しも抜け毛がゼロになることはありません。

まずは、正常範囲を確認し、日常の抜け毛が多すぎるかどうかを判断してみましょう。

正常な範囲の本数

1日に抜ける髪の毛の平均的な本数は、おおよそ50本から100本ほどとされています。

個人差や年齢・性別などによって差が生じるため、一概に何本が絶対値とはいえませんが、以下のような目安があります。

項目本数の目安
1日に抜ける髪の量約50本〜100本程度
個人差体質や年齢で差あり
性別男性・女性で差あり

髪が抜け落ちる本数は個々で異なります。多少の増減はあるので、日々の生活で少し気になる程度であれば、過度に心配しなくても問題ありません。

男性と女性の違い

男性と女性では、ホルモンの働きや頭皮環境が異なるため、1日に抜ける髪の毛の数が違うケースがあります。

とくに男性ホルモンはAGA(男性型脱毛症)と深く関係しており、抜け毛が気になる男性は日々の抜け毛チェックが参考になります。

男性と女性にみられる主な抜け毛の特徴

  • 男性は頭頂部や生え際から後退しやすい。1日に抜ける髪の毛の数が増えると、AGAの初期症状の可能性も。
  • 女性は全体的に髪が細くなったり、髪質が変化しながら抜け毛の量が増えやすい。

ただし、女性でも更年期などホルモンバランスが大きく変化する時期は、抜け毛が一時的に増える場合があります。

髪の成長サイクルとの関係

髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」のサイクルを繰り返しており、それぞれの段階で自然に抜ける本数が変わります。

成長期の髪は抜けにくく、退行期や休止期に入った髪が抜け落ちやすくなります。

髪の成長サイクルの特徴

サイクル期間の目安特徴
成長期約2〜6年毛母細胞の働きが活発で、髪が太く長く成長。
退行期約2〜3週間毛母細胞の働きが衰え、髪の成長が徐々に止まる。
休止期約3〜4か月髪は抜けやすくなり、後に新たな髪が生えてきて古い髪が押し出される。

成長期の割合が多いほど髪はしっかりとした量を保ちやすく、一方で退行期や休止期にある髪が多いほど、抜け毛が増える場合があります。

1日に抜ける髪の毛の量を把握する方法

普段の生活の中で、1日に抜ける髪の毛の数を正確に数えるのは難しいです。しかし、大まかな把握は可能です。

たとえば朝起きたときの枕や洗面台、入浴後の排水口の抜け毛を定期的にチェックすると変化を捉えやすくなります。

急激に抜け毛の量が増えたと感じたら、早めに専門の医療機関へ相談すると安心です。

髪の成長サイクルが与える影響

髪は常に生え変わっており、その循環のどこかの時期に抜け毛が起こります。このサイクルがスムーズに行われているかどうかが、健康な髪を保つうえで重要です。

ここでは、成長期や退行期、休止期がどのように髪の状態に影響するのかを見ていきます。

成長期の重要性

成長期とは、髪の毛がもっとも活発に伸びている期間を指します。個人差はあるものの、2〜6年程度継続することが多いです。

成長期がしっかり長く保たれれば、その分だけ健康な髪の量を維持しやすくなります。

成長期をより良く保つためのポイント

  • 頭皮を清潔に保つ
  • バランスの良い食事を心がける
  • ストレスを溜めすぎない

これらが整うと、毛母細胞が充分に働き、太く強い髪が伸びていきます。

退行期における注意点

髪の成長がストップし、毛母細胞の活動が低下するのが退行期です。数週間ほどで休止期へと移行します。

退行期が過度に長引く場合には、髪の育成に支障が出やすくなります。

退行期が長引く可能性がある要因

要因影響
ホルモンバランステストステロンやエストロゲンの変動により、成長期から退行期への移行が早まる場合がある。
頭皮環境の乱れフケや皮脂トラブルが多いと、毛母細胞の働きが衰えやすくなる。
極端なダイエット栄養不足で髪の成長が鈍化する恐れがある。

退行期が長期化すると、成長期に移行する髪が減り、抜け毛の量が増えてしまいます。

休止期に起こる抜け毛

休止期に入った髪は、やがて新しく生えてくる髪に押し出される形で抜け落ちます。

この時期を迎えた髪は自然に抜けるため、1日あたりの抜け毛としてカウントされがちですが、健康なサイクルならばいずれまた新しい髪が生えてきます。

休止期の髪の特徴

  • ブラッシングやシャンプー時に抜けやすい
  • 新しい毛が生える準備のための「生え変わり」のステージ

休止期の抜け毛は生理的なものですが、過度なストレスや栄養不足で休止期にある髪の割合が増える場合は注意が必要です。

成長サイクルの乱れを防ぐケア

髪の成長サイクルは、生まれ持った体質や加齢に伴う変化も影響しますが、日常生活のケアも大きく関わります。

頭皮マッサージや血行促進を目的としたケアを行うと、成長期をより長く、休止期や退行期の移行を短くすることが期待できます。

定期的に頭皮の状態を確認しながら、適切なヘアケアを続けると良いです。

抜け毛に影響を与える主な要因

1日に抜ける髪の毛は、ホルモンや生活習慣などさまざまな要因によって増減します。

ここでは、抜け毛の増加につながる代表的な要因を整理しながら、普段の生活の中で見直せるポイントを探っていきましょう。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスと抜け毛には深い関連があります。

とくに男性ホルモンであるテストステロンはAGAと密接につながっており、女性でもエストロゲンの分泌が低下する更年期などは抜け毛が増えるケースがあります。

ホルモンバランスを整えるために注目したい生活習慣

  • 睡眠時間を6時間以上確保する
  • ストレスをため込まない工夫をする
  • 食事でたんぱく質や亜鉛など髪に必要な栄養素をしっかり摂取する

こうした工夫を続けると、ホルモンバランスの維持をサポートでき、抜け毛の予防につなげます。

ストレスや生活習慣

精神的・肉体的ストレスがかかると、血行不良やホルモンバランスの乱れが生じ、抜け毛が増えやすくなります。

また睡眠不足や不規則な食生活も同様に頭皮の健康を損ねる原因となります。

見直したい主な生活習慣

  • 深酒や喫煙の習慣
  • 夜更かしや昼夜逆転のリズム
  • 栄養バランスを欠いた食事

生活習慣を改善すると、頭皮環境だけでなく全身の健康も向上して抜け毛リスクの軽減が期待できます。

頭皮環境の悪化

フケや皮脂分泌の過剰、あるいは乾燥しすぎる頭皮環境は毛根に負担をかけ、抜け毛を増やす一因になります。

とくにシャンプーの洗い残しや整髪料の蓄積は毛穴詰まりを招き、髪が健康に伸びる邪魔をしてしまいます。

頭皮環境のチェック項目

チェック項目注意すべき状態
シャンプー後のかゆみ洗い残し、乾燥または刺激が強い可能性
頭皮のベタつき皮脂の過剰分泌や整髪料の蓄積
頭皮の匂い皮脂が酸化して雑菌が繁殖している可能性
白いフケor黄色いフケの量シャンプー法や皮脂分泌過多が原因

頭皮が不調だと感じたら、洗髪方法やシャンプー選びなどを見直すとともに、皮膚科やヘアクリニックでの相談を検討するのも一つの方法です。

栄養不足

髪の毛を構成する主成分はたんぱく質です。

極端なダイエットや偏食でたんぱく質が不足すると、髪の成長に必要な材料が足りなくなり、抜け毛が増加しやすくなります。また亜鉛やビタミン類なども髪の成長サイクルに大きく関わります。

毎食でバランスの良い献立を心がけることが髪にも良い影響を与えます。

異常な抜け毛を見分けるポイント

「1日に抜ける髪の毛の量」は人それぞれですが、明らかに以前より増えていると感じる場合には、何らかの原因が潜んでいる可能性があります。

抜け毛が多いと感じるときのサイン

普段シャンプー後に落ちる髪の量や枕につく髪の量が急に増えたとき、または鏡で見たときに頭頂部や生え際が透けてきたと感じたときは要注意です。

ただし、一時的なホルモン変動や季節の変わり目に抜け毛が増えるケースもあります。

抜け毛の量に不安を感じるときに確認したい点

  • 以前よりも髪が細くなったか
  • 分け目が広がった、または地肌が見えやすくなった
  • 洗髪時の髪の量や流れ落ちる髪が明らかに増えた

客観的な変化を把握するため、定期的に写真やメモを取るのも参考になります。

頭皮トラブルのチェック

頭皮が荒れていると、抜け毛の原因だけでなく新たな髪の発育にも影響が出やすくなります。

炎症や強いかゆみ、赤みがある場合は何らかのトラブルが進行している恐れがあります。

頭皮トラブルの代表例

  • 脂漏性皮膚炎
  • 乾燥性皮膚炎
  • かゆみや湿疹が慢性的に発生

こうした症状を放置すると抜け毛が進むリスクが高まるため、早めの受診が望ましいです。

自分でできるチェック方法

日常の中で簡単にできる抜け毛チェックとして、ブラッシング後や朝起きたときの枕の髪の量を確認する方法があります。

また、洗髪直後の排水口にどのくらい髪がたまっているかを定期的に見比べるのも、変化を知る手立てです。

朝起きたときに確認したい項目

  • 枕カバーに付着した髪の本数
  • 頭皮のかゆみや炎症の有無
  • 髪全体のハリやコシ

数日〜数週間単位で観察すると、増減の傾向が読み取りやすくなります。

病院やクリニックでの診断のすすめ

抜け毛が急に増えたり、頭皮環境に明らかなトラブルがあると感じたりした場合は、病院やクリニックを受診することをおすすめします。

専門医が頭皮や毛髪の状態を詳しく診断し、原因に合わせた治療やケア指導を行えます。自己判断だけでは改善が難しいケースも多いため、早めの相談が大切です。

1日の抜け毛とAGAの関係

男性に多いAGA(男性型脱毛症)は、1日に抜ける髪の毛が増える大きな要因のひとつです。

ここでは、正常な抜け毛とAGAによる抜け毛の違いを明らかにしながら、AGAが疑われる場合の特徴について紹介します。

AGAと生理的な抜け毛の違い

髪は生理的に抜け落ちますが、AGAの場合、ホルモンの影響で成長期が短縮されるため、通常よりも細く短い髪が増えてしまいます。その結果、見た目にも髪が薄くなった印象を与えやすくなります。

生理的な抜け毛は、太く成熟した髪が落ちる場合が多いため、髪のボリュームは維持されやすいです。

AGAの進行度を見極めるポイント

  • 生え際の後退(M字型に進行しやすい)
  • 頭頂部の薄毛
  • 産毛や軟毛の増加

AGAが進行すると、このようなサインが徐々に顕著になります。

AGAの典型的な症状と進行

AGAは、思春期以降から徐々に進行するケースが多く、早い人では20代から症状が見られます。

進行初期には髪が細くなる程度ですが、放置すると頭頂部や生え際の地肌が目立つようになります。

AGAに見られやすい特徴的な部位

部位薄毛の進行傾向
生え際M字の形に後退しやすい
頭頂部つむじを中心に丸く広がる
全体まれに頭髪全体が薄くなるケースもある

いずれのパターンでも、ホルモンバランスや遺伝要因が大きく影響します。

髪の生え際やつむじの変化

AGAはつむじ(頭頂部)や生え際といった、外見的に気づきやすい部分から進行する方が多いです。

鏡や写真で生え際をチェックするほか、他者から「後ろから地肌が見える」と指摘されて気づく人もいます。

生え際の後退の見極めポイント

  • 以前より額の広さを感じる
  • 生え際部分の髪が短く軟毛化している
  • おでこを出す髪型にしたとき、明らかにボリュームが減った

日常のケアで改善が見られない場合は、AGA治療の検討をおすすめします。

AGA治療の重要性

AGAの進行は放置していても自然に回復することは少ないです。早期段階から適切な治療を始めると、進行を抑えたり、状態を改善したりする可能性が高まります。

クリニックでは内服薬や外用薬など、さまざまな方法でAGAに対応しています。

代表的なAGA治療の流れ

  • 医師による頭皮診察とヒアリング
  • 内服薬(フィナステリド系)の処方
  • 外用薬(ミノキシジルなど)の併用
  • 定期的な通院で効果や副作用のチェック

早めに治療を開始すれば、髪の成長サイクルを取り戻す道が開けます。

健康な頭皮を維持するための日常ケア

1日の抜け毛が増えたと感じても、頭皮環境を整えることで自然な発毛サイクルを取り戻せるケースもあります。

シャンプーの仕方と頭皮クレンジング

髪や頭皮の汚れを適切に取り除くことは、抜け毛対策の第一歩です。

洗浄力が強すぎるシャンプーや、逆にすすぎ不足などが続くと頭皮トラブルを招きます。

自分の頭皮タイプに合ったシャンプーを選び、指の腹でマッサージを行うように洗髪すると効果的です。

正しい洗髪の手順

  1. ぬるま湯で髪と頭皮をしっかり予洗いする
  2. 適量のシャンプーを手にとり、よく泡立ててから頭皮にのせる
  3. 指の腹で頭皮を優しくマッサージしながら洗う
  4. シャンプーやトリートメントを丁寧にすすぐ

洗髪後は髪と頭皮を速やかに乾かし、湿った状態を長時間放置しないように心がけます。

頭皮の乾燥対策や保湿

頭皮が乾燥しやすい人は、保湿力のあるシャンプーや頭皮用ローションを取り入れると、フケやかゆみの軽減が期待できます。

過度な皮脂分泌も乾燥が原因である場合があるため、保湿によって頭皮のバランスが整う方もいます。

頭皮が乾燥気味の人に心がけたいケア

ケア方法内容
シャンプーの見直し洗浄力の強いものから保湿力の高いアミノ酸系などへ変更
保湿ローション洗髪後に頭皮専用の保湿ローションを使用
紫外線対策帽子や日傘などで頭皮の過度な紫外線 exposure を回避

適切に保湿すると、頭皮環境が安定し、抜け毛が減少しやすいです。

紫外線から頭皮を守る

頭皮は顔や身体と同じように紫外線の影響を受けます。紫外線が強い時期や日差しの強い場所で長時間過ごすと、頭皮がダメージを受けて抜け毛が増加する可能性があります。

帽子や日傘の使用のほか、UVカットスプレーを活用するのも有効です。

紫外線が髪や頭皮に与える影響

  • 毛母細胞へのダメージ
  • 頭皮の乾燥や炎症
  • カラーやパーマをしている髪の褪色

過剰な紫外線を避ける工夫は、抜け毛だけでなく美しい髪色を保つためにも大切です。

食生活やサプリメントの活用

抜け毛予防には栄養バランスのとれた食事が欠かせません。

とくに髪をつくるもとになるたんぱく質、毛母細胞の働きを助ける亜鉛・鉄分などを意識的に摂取すると良いです。必要に応じて、サプリメントの活用も検討してみてください。

髪の健康に良いとされる栄養素

  • たんぱく質(肉、魚、大豆)
  • 亜鉛(牡蠣、牛肉、ナッツ類)
  • 鉄分(レバー、ほうれん草、貝類)
  • ビタミンC(柑橘類、いちご、ブロッコリー)

ただし、過剰摂取は別の健康トラブルを招く場合もあるため、基本的にはバランスの良い食事で補うのが望ましいです。

クリニックで行う薄毛治療の方法

1日あたりで抜け落ちる髪の毛の量が気になる場合や、明らかに薄毛が進んでいると感じる場合は、医療機関での治療を検討することが重要です。

内服薬や外用薬による治療

AGAの治療では、内服薬(フィナステリドやデュタステリドなど)によるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成抑制が一般的な方法のひとつです。

また、外用薬(ミノキシジルなど)で頭皮の血行を促し、毛母細胞への栄養供給を高める方法もあります。

内服薬・外用薬の特徴

薬剤名特徴
フィナステリド系男性ホルモンを抑制し、抜け毛の進行を緩和
デュタステリド系フィナステリドより広範囲の男性ホルモンを抑制
ミノキシジル外用薬頭皮の血管拡張により、発毛を促す効果が期待できる

これらは医師の診察のもと処方され、定期的な経過観察を実施することで、副作用などのリスク管理を行います。

医師の監修によるヘアケア指導

薬物治療に加え、医師の指導で適切なシャンプーの選び方や頭皮マッサージの方法を学ぶのも薄毛治療の重要な要素です。

日常生活のケアと組み合わせると、より効果を実感しやすいでしょう。

サポート的な施術や機器

薄毛対策として、医療機関では薬の処方以外にも頭皮の状態を改善する施術や機器を取り入れる場合があります。

頭皮への赤色LED照射やメソセラピーなど、毛母細胞を活性化させる取り組みが代表的です。

施術特徴
低出力レーザー治療頭皮へのLED照射による血行促進
メソセラピー薬剤を頭皮に直接注入することで栄養を届ける
PRP治療自分の血液から抽出した成分を利用して毛母細胞を活性化させる

こうした施術は、医師の判断で必要性や適応を見極めるため、一度相談してみると良いでしょう。

治療の費用や継続期間

AGAや薄毛治療は健康保険の適用外になる場合が多いため、費用はクリニックによって異なります。

月々の内服薬代や施術費用などの支出が発生しますが、治療は長期的に継続するのが一般的です。

費用の面や治療の効果、通院頻度なども含めて検討すると良いでしょう。

治療内容と費用の目安

治療・施術費用の目安
内服薬月あたり数千円〜1万円以上
外用薬月あたり数千円
施術(メソセラピーなど)1回数万円〜数十万円

費用はクリニックごとに異なるため、カウンセリングなどで詳細を聞いてから始めるのがおすすめです。

よくある質問

抜け毛やAGAに関しては、日常的に疑問に思うことが多くあるかもしれません。ここでは、よく寄せられる質問とそれに対する回答をいくつかまとめました。

Q
抜け毛が増える季節はありますか?
A

一般的に秋口は抜け毛が増えやすい傾向があるといわれています。夏の紫外線や汗によるダメージが蓄積し、季節の変わり目のホルモンバランスの変化も重なるためです。

ただし、個人差が大きいので、季節だけで判断せず日々のケアを継続することが大切です。

Q
女性でもAGAになる可能性はありますか?
A

女性の場合は「女性型脱毛症(FAGA)」と呼ばれる症状が存在します。

男性ほど顕著に生え際が後退することは少ないですが、頭頂部を中心に髪が細くなりボリュームが減るケースが多く見られます。

ホルモンバランスや加齢、生活習慣などが影響する点は男性と共通です。

Q
1日に抜ける髪の毛が100本以上あると必ず薄毛ですか?
A

1日あたりの髪の毛の抜ける本数は50本〜100本が目安といわれていますが、100本を超えたからといって直ちに薄毛とは限りません。

シーズンによる変動やシャンプー方法、スタイリングでの抜け毛増減など、さまざまな要因が考えられます。

急激に増加した、もしくは地肌が見えやすくなったなどの目に見える変化がある場合はクリニックへ相談してください。

Q
1日に抜ける髪の毛の数は男性と女性でどのくらい違いますか?
A

一般的には大きな差はありませんが、男性はAGAの影響を受けやすい点から、成長期が短縮され細い髪が抜けるケースが増えやすいです。

女性でもホルモンバランスの乱れや加齢に伴う女性型脱毛症があるため、一概にはいえないのが実情です。

抜け毛の状況だけでなく、髪のハリやコシ、頭皮の状態など総合的に判断することが必要です。

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