日々の洗髪時に「いつもより抜け毛が多いかもしれない」と感じると、不安が募る方も多いでしょう。

シャンプーによる抜け毛は何本程度なら大丈夫なのか、どんな洗い方や生活習慣が髪と頭皮に好ましいのか、気になるポイントは多々あります。

本記事では、シャンプー時の抜け毛本数の目安を示しながら、頭皮や髪を健やかに保つための具体的な対策方法について解説します。

目次

シャンプー時の抜け毛本数の一般的な目安

シャンプー中に抜ける髪の量は、個人差があるものの、一般的な範囲を把握すると安心につながります。

抜け毛には個人差がある

髪の成長にはサイクルが存在し、休止期に入った髪は自然に抜けていきます。

個々の髪が成長から脱落までを繰り返すため、一度に抜ける本数にはばらつきがあります。

頭髪の状態や年齢、遺伝的要因によっても異なるので、周囲と比べて極端に多いか少ないかだけで判断しないことが大切です。

一般的に見られる本数

日常的に抜ける髪は1日当たり約50本から100本程度といわれています。

シャンプー時にもその一部が抜けますが、洗い流したときに30本から50本ほど抜けるケースは珍しくありません。

少し多いと感じるかもしれませんが、生理的脱毛の範囲内である可能性が高いです。

シャンプー時の抜け毛本数の平均値

抜け毛本数の区分一般的な目安(1回の洗髪)主な特徴
少なめ10~20本程度生理的脱毛の範囲内であり、特に問題なし
平均的30~50本程度通常のシャンプー時にもみられる範囲
やや多い60~80本程度洗い方や頭皮環境の変化、ストレスなどが影響
かなり多い90本以上ホルモンバランスやAGA、頭皮トラブルなどの原因が潜む可能性

男性と女性で異なる特徴

男性の方がシャンプー時の抜け毛本数が多いとは限りません。

ただ、男性ホルモンの影響で前頭部や頭頂部の髪が薄くなりやすいため、男性はシャンプー時にその部分の抜け毛を見つけやすいです。

一方で女性は髪の長さによって1本あたりが目立ちやすいため、抜け毛の量を多く感じることがあります。

抜け毛が続く場合のチェックポイント

抜け毛の量が増えた気がする時期が2週間以上続く場合や、頭皮にかゆみ・炎症など異常を覚える場合は、以下の点をチェックしてみてください。

チェックしたいこと

  • 髪が細くなっていないか
  • 頭皮に赤みやフケが増えていないか
  • 生活習慣(睡眠・食事)に乱れがないか
  • ストレスレベルが高くないか

長期間にわたり抜け毛が増え続けるようなら、一度専門の病院で相談すると安心につながります。

シャンプー時に抜け毛が多く感じる理由

シャンプー後の排水口や手に絡む髪の毛の量が増えると、誰でもショックを受けるかもしれません。

しかし、それにはいくつかの背景があります。髪の生え変わりや生活習慣などの要因が複雑に絡み合うことで、抜け毛が増えたように見えることもあります。

成長期・退行期・休止期の周期

髪の毛は成長期、退行期、休止期のサイクルによって生えたり抜けたりを繰り返します。

休止期に入った髪は自然と抜ける準備が整っており、シャンプーやブラッシングなどの外部刺激で抜けやすくなります。この周期自体は自然な現象です。

頭皮環境の影響

頭皮が乾燥や皮脂の過剰分泌で乱れていると、毛根周辺に負担がかかりやすくなります。過度な皮脂は毛穴詰まりを招き、抜け毛を増やすきっかけになります。

また、頭皮が敏感になっているときは、軽い刺激で髪が抜けることもあります。

頭皮環境を整えるうえで注目したい要素

要素具体的な内容望ましい状態
皮脂バランス適度な皮脂量過剰な皮脂や極端な乾燥を避ける
血行状態頭皮の血行を促す栄養が毛根まで届きやすい状態
保湿状態頭皮のうるおいを保つ乾燥によるかゆみや炎症を防ぐ
清潔さ汚れやスタイリング剤の残りを洗浄する毛穴の詰まりや菌の繁殖を抑える

洗髪方法による差

洗髪時に爪を立ててゴシゴシ洗ったり、熱いお湯を使ったりすると頭皮を傷める原因につながります。

頭皮がダメージを受けると髪の健康を損ねる場合があり、それが抜け毛を増やす要因になります。

洗い流しが不十分だとシャンプー剤が頭皮に残りやすくなるため、頭皮環境の悪化を招くこともあるでしょう。

ストレスと生活習慣

過度なストレスはホルモンバランスの乱れを引き起こし、髪の成長サイクルに影響を及ぼします。

食生活の乱れや睡眠不足も、頭皮への栄養不足や血行不良を招くため、抜け毛を増やすきっかけになります。

生活習慣で意識したいこと

  • 夜更かしや過度の飲酒・喫煙の習慣を見直す
  • ストレス解消の手段を複数用意する
  • 栄養バランスのとれた食事を心がける
  • 適度に運動して血行を促す

正しいシャンプー方法と改善策

シャンプーは髪と頭皮を清潔に保ち、抜け毛を抑えるために重要です。正しい方法を心がけるだけで、髪と頭皮にやさしい洗髪が可能です。

髪や頭皮への優しい洗い方

シャンプー時は、お湯の温度を38度前後に設定し、爪ではなく指の腹で丁寧に洗います。

頭皮をマッサージするように洗うと、血行促進と皮脂除去が期待できます。

洗う前にはしっかりブラッシングして、汚れを浮かせておくと泡立ちが良くなります。

おすすめのシャンプー手順

手順内容
予洗いぬるめのお湯で1分程度しっかり髪をすすぎ、汚れを落とす
シャンプー剤手のひらでよく泡立て、指の腹で頭皮をマッサージしながら洗う
流し泡が残らないように根元からしっかりすすぐ
トリートメント毛先を中心にもみこむようにつけ、再度しっかり洗い流す

洗い流しで気をつけたいこと

洗い流しの際はシャンプー剤やトリートメントが頭皮に残らないように注意します。

洗い残しは毛穴詰まりやかゆみの原因になります。シャワーの角度を変えて、しっかりすすぐことが大切です。

シャンプー剤選びの重要性

頭皮への刺激が強いシャンプー剤や、必要以上に洗浄力が高いものは、頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌を引き起こすリスクがあります。

保湿成分が含まれたものや、頭皮ケアを目的としたシャンプー剤を選ぶほうが抜け毛対策につながります。

シャンプー剤を選ぶときのチェック項目

  • 頭皮の保湿を考慮した成分が含まれているか
  • 洗浄力が強すぎないか
  • 自分の髪質や頭皮の状態に合っているか
  • 香料や添加物の量が多すぎないか

悪化させる可能性がある洗髪習慣

髪を濡れたまま放置したり、頻繁なドライヤーの高熱使用、または自然乾燥が長引く状況は頭皮環境の悪化につながります。

むやみに1日に何度も洗髪すると、頭皮を刺激しすぎて皮脂バランスが崩れるケースもあります。

AGAや薄毛との関連性

抜け毛が多い状態が長期化した場合、AGA(男性型脱毛症)や女性の薄毛に関連している可能性があります。

予防や早期発見のためにも、シャンプー時の抜け毛との関係性を知ることが重要です。

AGAの概要

AGAは、主に男性ホルモン(ジヒドロテストステロン=DHT)の作用によって毛髪が細く短くなり、最終的に薄毛が目立ってくる状態を指します。

日本人男性の多くが加齢とともに悩むといわれており、早期のケアが大切です。

女性にもFAGA(女性男性型脱毛症)という症状があり、ホルモンバランスの変化が関係します。

AGAとFAGA

項目AGA(男性)FAGA(女性)
原因男性ホルモンDHTの増加ホルモンバランスの乱れ(更年期など)
特徴的な症状前頭部や頭頂部の髪が薄くなる全体的に髪のボリュームが落ちる場合が多い
進行の速度個人差が大きい比較的ゆっくり
予防・治療法内服・外用薬、メソセラピーなどホルモン補充療法、育毛剤、頭皮ケアなど

シャンプー時の抜け毛とのつながり

シャンプー時には元々抜けるはずの髪がまとめて抜けるので、一度に多く見えることがあります。

AGAや薄毛の場合は、髪が細く短くなっているため、休止期に入った毛が抜けやすくなります。

シャンプー時に触れるだけで髪が抜けるような状態なら、AGAや薄毛が進行している可能性を疑うとよいでしょう。

進行を疑うサイン

髪の生え際や頭頂部が目立ってきた、髪のコシやハリがなくなった、抜け毛が細く短いものばかりという症状は、AGAや薄毛の進行サインかもしれません。

シャンプー時に大量の細い毛が抜け続けるなら、一度検査を受ける選択肢を考えてみてください。

病院を受診するタイミング

抜け毛が増えてきた、頭皮トラブルが続く、家系に薄毛の傾向が強いなどの要素を感じるなら、早めの受診が望ましいです。

医療機関では頭皮の状態をチェックしたうえで、AGA治療や薄毛治療について適切なアドバイスを行います。

抜け毛予防に役立つ生活習慣

日頃の生活習慣を整えると、髪と頭皮の健康を保ちやすくなります。抜け毛の本数を減らすためには、外側からのケアだけでなく、内側からの働きかけも重要です。

バランスの良い食事

髪はケラチンというタンパク質で構成されているため、タンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取することが大切です。

特に亜鉛や鉄分は髪の成長を支える栄養素として知られています。偏った食事や過度のダイエットは髪の成長を妨げる原因になります。

髪によい栄養素

栄養素代表的な食材働き
タンパク質肉、魚、大豆製品髪の主成分であるケラチンを作るもと
亜鉛牡蠣、牛肉、ナッツ類皮膚や髪の成長を助ける
鉄分レバー、ほうれん草血行を促し、酸素や栄養を運びやすくする
ビタミンB群豚肉、卵、玄米、納豆エネルギー代謝を助け、髪の生成をサポート

充分な睡眠とストレスケア

睡眠中には成長ホルモンの分泌が高まり、髪の成長や修復が活発に進みます。睡眠時間が足りない状態が続くと、髪の健康が損なわれやすくなります。

また、ストレスによるホルモンバランスの乱れも、抜け毛の増加を引き起こす原因になります。

睡眠とストレスケアで意識したいこと

  • できるだけ毎日同じ時間に寝起きする
  • 眠りの質を高めるために就寝前のスマホ使用を控える
  • 軽い運動や趣味でストレスを発散する
  • リラックスできる入浴や瞑想の習慣を取り入れる

適度な運動と頭皮マッサージ

運動で血行を良くすると、毛根への栄養供給が円滑になります。頭皮マッサージは、シャンプー時だけでなく、湯船につかりながらや就寝前にも行うと頭皮の血行を促せます。

強く押しすぎると逆効果なので、指の腹で優しく行うとよいでしょう。

おすすめの頭皮マッサージ

マッサージ方法やり方効果
頭頂部プッシュ両手の指の腹を頭頂部に当て、ゆっくり円を描く血行促進、頭皮のコリをほぐす
こめかみマッサージ親指でこめかみを押し、前後に動かす眼精疲労の緩和、頭部のリラックス
後頭部ほぐし耳の後ろから後頭部にかけて指を移動させながら揉む首の凝り解消、頭皮の緊張を和らげる
全体指圧両手の指先を髪の生え際から頭頂部に向かって押し動かす頭皮の循環UP、リラックス効果

避けたい生活習慣

喫煙は血管収縮を引き起こし、頭皮の血行が悪くなります。過度の飲酒は肝機能に負担をかけ、栄養が髪に回りにくくなる原因になります。

また、過剰なダイエットや栄養不足も、髪の成長に影響しやすいです。

市販薬と病院での治療の違い

抜け毛や薄毛が気になるとき、市販薬の育毛剤や発毛促進剤を試す選択肢があります。

一方で、医療機関での治療は専門的な検査や診察を踏まえて行うため、期待できる効果が異なります。

市販の発毛促進剤の特徴

ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販の育毛剤や発毛促進剤は、主に頭皮を健やかに保つ成分や血行を促す成分が含まれています。

ただし、効果の感じ方には個人差が大きく、使い続けることが必要となる場合が多いです。

よくみられる市販の育毛・発毛促進剤

種類主な成分例特徴
育毛トニックカプサイシン、海藻エキスなど頭皮の血行を促進し、かゆみを抑制
発毛促進剤ミノキシジルなど毛根に働きかけ、発毛を助ける可能性がある
スプレータイプメントール配合手軽に使用でき、爽快感が得やすい
エッセンス系アミノ酸、コラーゲンなど保湿や頭皮環境の補助効果が期待できる

医療機関での治療選択肢

病院では内服薬や外用薬、注射によるメソセラピー、光治療など、多角的な方法を提案します。

薄毛の原因を特定し、治療方針を組み立てるため、個人の症状に合わせた対応が期待できます。

検査や診察の重要性

自己判断でケアを進めるより、医療機関で頭皮や血液検査を受けるほうが、より正確に原因を突き止めやすいです。

例えば甲状腺機能の低下や貧血など、別の疾患が抜け毛を引き起こしている場合もあるため、専門家の診察が役立ちます。

医療機関での検査

  • 頭皮の拡大写真やマイクロスコープでの状態確認
  • 血液検査によるホルモンバランスチェック
  • 遺伝要因の有無の確認
  • 他の脱毛症との鑑別診断

治療を始めるタイミング

抜け毛が気になり始めたタイミングや、シャンプーによる抜け毛本数が増えたタイミングで病院を受診すると、早期発見や早期対策につながります。

進行が進んだ後では効果が出にくくなるケースもあるため、少しでも不安がある場合は相談を検討してください。

よくある疑問と回答

抜け毛や薄毛については、多くの方がシャンプー方法やホームケアに疑問を抱いているようです。ここでは、よくある質問を取り上げます。

抜け毛予防シャンプーは本当に効果があるのか

頭皮を健やかに保つ成分が入ったシャンプーは、洗浄力と保湿力のバランスをとりながら、髪の成長をサポートします。

効果の度合いは個人差がありますが、普段使っているシャンプーを見直すだけでも抜け毛の原因となる頭皮トラブルを軽減する可能性があります。

ブラッシングやドライヤーの使用頻度

髪を洗う前に軽くブラッシングすると、スタイリング剤の残りやホコリを落としやすくなります。ただし、力を入れすぎると髪や頭皮を傷めるので要注意です。

ドライヤーは熱風を長時間当てるとダメージの原因になるため、髪から10cmほど離し、頭皮が熱くならない程度にするのが良い方法です。

ドライヤー使用のコツ

項目推奨されるアプローチ注意点
温度設定中~低温高温を長時間当てない
距離10~20cm程度離して風を当てる近づけすぎると頭皮や髪が痛む
方向毛先から根元に向かって乾かす同じ部分に熱を集中させない
仕上げ冷風で仕上げるとキューティクルが整いやすい乾かしすぎないことで水分を保つ

自宅ケアで改善が難しいと感じたら

独自のホームケアでの改善が難しかったり、数カ月試しても抜け毛が増える一方という場合は、医療機関で相談するのが安心です。

より詳細な原因を突き止めるための検査や、状態に合った薬や施術を提案できます。

薬を使わずに抜け毛を減らすことは可能か

薬に頼らずに改善を目指すこともできます。ただし、生活習慣の見直しやシャンプーの方法、頭皮マッサージなどを集中的に行う必要があります。

原因や症状によっては薬の併用が有効な場合があるため、状態を見極めるには専門家の意見を聞くと安心です。

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