日々の生活の中で、洗髪後やブラッシング時に抜けた髪の毛を見て「こんなに抜けて大丈夫なのか」と不安に感じる方が多いようです。

一般的に、一日に抜ける髪の毛の量には個人差がありますが、ある程度の目安を知っておくと過剰な心配をしなくて済みます。

この記事では、抜け毛の本数や原因、髪の成長メカニズムとの関係、AGAなどの薄毛に関わるポイントについて詳しく解説します。

目次

一日に抜ける髪の毛の本数の目安

一日に抜ける髪の毛の本数は、一般的に50本から100本程度といわれます。個人差や季節による変動もあるため、多少増減してもただちに問題とは限りません。

ただし、明らかに抜け毛の量がいつもより多いと感じるときは早めに原因を見極めることが重要です。

髪の毛の構造と成長サイクル

髪の毛は毛母細胞が分裂を繰り返しながら成長し、一定の期間が過ぎると自然に抜け落ちます。このサイクルが規則的に繰り返されることで、常に髪が生え替わっています。

正常な抜け毛はこのサイクルによるものがほとんどで、決して異常とは限りません。

季節変動や体調の影響

季節によっては抜け毛が増えるときがあります。秋や春先は抜け毛がやや増えると感じるケースがあるため、時期による変化があるかどうかを確認すると良いです。

また、体調の乱れやホルモンバランスの崩れによって一時的に抜け毛の本数が増えることも考えられます。

一日の髪の毛抜ける量が増えたと感じるときの注意点

過度なストレスや栄養不足などによって抜け毛の量が急に増えたと感じたときは、生活習慣を振り返る必要があります。

短期間の増加なら一時的要因の可能性もありますが、長期的に続く場合は専門の医療機関への相談が欠かせません。

自己判断だけで決めつけない

抜け毛に関する情報はインターネットでも多く取り上げられていますが、正確な知識を持たないまま自己判断で「薄毛が進行している」と決めつけるのは避けたほうが無難です。

実際に抜け毛の本数が増えているのか、単なる気のせいなのかを見極めるために、しっかりと基礎知識を身につけることが大切です。

一日に抜ける髪の毛の本数に影響を与えやすい要因

要因内容
季節秋や春は抜け毛が増えやすい傾向がある
体調やホルモン疲労やホルモンバランスの乱れで抜け毛が増加
生活習慣栄養不良、睡眠不足、ストレスなどが影響
ヘアケア方法過度な洗髪や刺激の強い薬剤の使用など
遺伝要因AGA(男性型脱毛症)などの遺伝的要因

ヘアサイクルと抜け毛の関係

髪の毛は成長期、退行期、休止期を経て抜け落ちるというサイクルを繰り返します。ヘアサイクルが乱れると、抜け毛の本数が増えて髪全体のボリュームが低下します。

ここでは、ヘアサイクルの仕組みや乱れが生じたときの特徴について解説します。

成長期・退行期・休止期の流れ

髪の成長期は2年から6年ほど続き、その後数週間の退行期を経て休止期になります。休止期が終わると古い髪が抜け、新たに髪が生えてきます。

ヘアサイクル期間特徴
成長期2~6年髪が太く長く成長し、ボリュームを保つ
退行期数週間成長が徐々に弱まり、毛母細胞の活動が低下
休止期2~3か月髪の成長が停止し、抜ける準備段階となる

正常なサイクルでは、髪の大部分が成長期にあり、一部のみが休止期というバランスになります。

ヘアサイクルが乱れる原因

ストレスや栄養不足、ホルモンバランスの乱れなどが重なると、成長期が短くなり休止期の髪が増える状況になる場合があります。

この状態になると、一日に抜ける髪の本数が増えやすくなり、髪全体が細くなってコシやハリが失われるケースも少なくありません。

ヘアサイクルとAGAの関係

男性型脱毛症(AGA)は、ヘアサイクルの成長期が極端に短縮し、髪が十分に成長しないまま抜け落ちてしまう状態です。

通常よりも細く短い髪が増え、抜け毛の量や生え際、頭頂部の変化が気になり始める方が多いです。

乱れを放置すると起こりうるトラブル

ヘアサイクルの乱れを放置すると、徐々に髪が細くなってボリュームが減り、見た目が大きく変わることにつながります。

AGAだけでなく女性の薄毛も同様のメカニズムで起こる場合があるため、髪質や頭皮状態を見極め、早めの対処が大切です。

抜け毛の原因にはどのようなものがあるか

一日に抜ける髪の本数は、さまざまな要因の影響を受けます。遺伝的な要因だけでなく、日常の習慣や環境、体調面なども大きく関わります。

ここでは、抜け毛の原因として主に挙げられる要因を細かく見ていきます。

遺伝的要因

AGAなどの男性型脱毛症は遺伝的要因が強いといわれます。男性ホルモンの影響を受けやすい体質の方は、頭頂部や生え際から髪が薄くなりやすい傾向があります。

ただし、家系に薄毛の人が多くても、必ずしも同じように進行するわけではありません。

ホルモンバランスの乱れ

女性の場合、出産や更年期などのホルモンバランス変化によって抜け毛が増えるときがあります。

男性の場合も、ストレスなどによってホルモンバランスが変化し、抜け毛を助長するケースがあるため注意が必要です。

生活習慣の乱れ

栄養バランスの偏りや睡眠不足、過度な飲酒や喫煙といった不規則な生活習慣は髪の成長を妨げる原因になります。

頭皮への血行が悪くなると髪に必要な栄養が行き渡らず、抜け毛の量が増えるリスクが高まります。

頭皮環境の問題

強い紫外線に長時間さらされたり、髪を清潔に保たないまま放置したりすると、頭皮の皮脂バランスが崩れてトラブルを引き起こしやすいです。

また、過度なヘアケア商品や整髪料の使用も頭皮に負担をかける要因です。

抜け毛を引き起こす要因と対策

要因詳細内容対策例
遺伝的要因AGAなど男性ホルモンの影響を受けやすい体質早期の医療機関受診・適切な治療
ホルモンバランス出産、更年期、ストレスによる乱れホルモン調整や生活習慣の改善
生活習慣の乱れ栄養不足、睡眠不足、飲酒・喫煙バランスの良い食事、十分な睡眠
頭皮環境の問題過度な洗髪、紫外線、整髪料など頭皮に優しいヘアケア、紫外線対策
精神的ストレス過度な緊張・不安、抑うつなどストレス緩和策、カウンセリング

一日の髪の毛抜ける量をチェックする方法

「一日髪の毛抜ける量」がどれくらいかを把握するには、シャンプー時やブラッシング時の抜け毛を数える程度がわかりやすい方法です。

ただし、長期的にチェックしないと、日によるばらつきが大きいため誤解を招く可能性があります。

シャンプー時の抜け毛チェック

シャンプー時に抜ける髪の毛が多いと感じたら、洗髪後に排水口にたまった量を確認しておくと目安になります。

あまりにも大量の髪がたまっている場合は、一時的な要因かどうかを見定めるために、数日間続けてチェックしてみてください。

ブラッシング時の抜け毛チェック

髪をとかす際にブラシやコームに絡まる抜け毛の本数を確認するのも1つの方法です。

特に朝起きたときや外出前など、いつも同じタイミングでチェックすると変化を見つけやすくなります。

一定期間の平均を出す

1日単位で数えた抜け毛の本数は、体調や睡眠、季節などの影響でばらつきがあります。

5日から7日ほど毎日数えて、その平均を出すことでおおよその傾向を掴むとよいでしょう。

短期間での急増や急減を気にしすぎるより、ある程度の期間で平均を確認するほうが正確です。

抜け毛の状態を観察する

抜け毛が細くなっている、毛根部分がふくらんでいないなどの場合は、何らかのトラブルが進行している可能性があります。

抜けた髪の質や太さも同時にチェックすると、髪の健康状態を総合的に捉えやすくなります。

抜け毛の状態を見分ける目安

観察ポイント正常な髪トラブルが疑われる髪
太さ根元から毛先まで均一細い部分が多く、ハリやコシがない
毛根のふくらみしっかりと丸みがある毛根部分が極端に小さい、または不鮮明
伸びた長さ一定の長さ以上極端に短いまま抜ける
色やツヤ健康的な黒や茶色色が抜けていたり、光沢が極端に少ない

AGAによる抜け毛と他の抜け毛の違い

一日に抜ける髪の本数が増えた背景に、AGAなどの男性型脱毛症が隠れている場合があります。

AGAは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の影響を受け、ヘアサイクルが短縮してしまう特徴が挙げられます。

AGAの特徴的な進行パターン

生え際が後退したり、頭頂部が薄くなるのがAGAの典型的なパターンです。

全体的に髪が抜けるというよりも、M字やO字のような独特の形で進行するケースが多いです。

AGAとストレス性脱毛の見分け方

ストレス性脱毛は急激に抜け毛が増えたり、円形脱毛のように特定の部分でまとまって抜けるパターンが多いです。

一方でAGAは進行が比較的ゆるやかで、生え際や頭頂部に変化が集中する点が異なります。

AGAと他の脱毛症の比較

脱毛症の種類主な特徴進行パターン
AGA(男性型脱毛症)前頭部・頭頂部が中心。ヘアサイクルが極端に短くなるM字型やO字型など特定の部位から徐々に進行
円形脱毛症ストレスや自己免疫疾患が原因とされる。部分的に脱毛円形に近い形でまとまって抜け落ちる
びまん性脱毛症女性に多い。全体的に髪が薄くなる分け目部分を中心に、全体的にボリュームが減少
休止期脱毛症一時的なショックや体調不良で休止期が増える散在的に抜け毛が増加し、回復すれば元に戻りやすい

AGA治療の基本的な考え方

AGAの進行を抑えるためには、頭皮の血行を促進する外用薬や、ホルモンバランスを調節する内服薬を用いる治療法がよく知られています。

医師の診察を受けると、現在の状態や進行度合いに合わせた治療プランを提案してもらえます。

放置した場合のリスク

AGAは放置するとヘアサイクルがさらに乱れ、抜け毛の量が増えるだけでなく、新しい髪が十分に育たなくなる可能性があります。

早期に対処すれば抜け毛を抑制し、髪のボリュームを維持することも期待できます。

生活習慣と髪の健康

一日に抜ける髪の本数が増える原因には、生活習慣の乱れも大きく関わります。髪や頭皮も身体の一部なので、健康的な体を維持するのが髪の状態を整える近道です。

ここでは、髪の健康をサポートするための生活スタイルのポイントを紹介します。

栄養バランスに気を配る

髪の主成分はたんぱく質です。良質なたんぱく質を摂取し、ビタミンやミネラルもバランスよく補う工夫が大切です。

特に、亜鉛、鉄、ビタミンB群は髪の成長をサポートする栄養素として知られています。

食事に取り入れたい栄養素

  • たんぱく質(肉、魚、大豆製品、卵)
  • ビタミンB群(レバー、緑黄色野菜、豆類)
  • 鉄(赤身の肉、ほうれん草、貝類)
  • 亜鉛(牡蠣、牛肉、ナッツ類)
  • 良質な脂質(青魚、アボカド、オリーブオイル)

質の良い睡眠を確保する

睡眠中は成長ホルモンが分泌されやすくなり、細胞の修復や新陳代謝が活発になります。

睡眠不足が続くと頭皮の環境が悪化し、一日に抜ける髪の毛の本数が増えるリスクが高まるため、毎日しっかり休息をとりましょう。

ストレスケア

強いストレスが続くと自律神経やホルモンバランスが乱れ、ヘアサイクルにも影響を及ぼします。

適度な運動や趣味の時間を確保し、ストレスをため込みにくい生活を心がけると良い結果が得られやすいです。

正しいヘアケアの習慣

洗髪時に頭皮をゴシゴシと強くこすったり、熱いお湯で長時間洗ったりすると頭皮を傷める可能性があります。

シャンプー時は指の腹でマッサージするように洗い、適度な温度のシャワーでしっかりすすぐと、頭皮環境を整えやすくなります。

髪と頭皮をケアするうえで意識したいポイント

項目ポイント
洗髪の仕方指の腹で優しくマッサージしながら洗う
シャンプーの種類頭皮や髪質に合った刺激の少ないタイプを使う
すすぎぬめりが残らないよう十分に行う
ドライヤー適度な温度で髪の根元からしっかり乾かす
紫外線対策帽子や日傘、UVカットスプレーで頭皮を守る

抜け毛を放置しないためにできる取り組み

抜け毛が気になり始めたときは、早めに対策を講じることが大切です。軽度の状態で対処すれば進行を遅らせたり、髪のハリやボリュームを取り戻す可能性が高まります。

ここでは、抜け毛を深刻化させないための具体的な取り組み例を紹介します。

まずは現状把握をする

一日に抜ける髪の本数をおおまかに数えたり、抜け毛の質や毛根の状態を観察したりして現状を把握すると、次に何をすべきかが見えてきます。

頭皮のかゆみやフケなどの症状がある場合も要チェックです。

クリニックでの診察を検討する

抜け毛の原因が遺伝なのか、生活習慣なのか、頭皮疾患なのかによって対処法が異なります。

自己流の対策で効果が出にくいと感じるときは、クリニックで医師に相談する方法が望ましいです。専門的な検査や診断によって、適切な治療法を選択できます。

医療機関を受診するタイミングの目安

状態受診の目安
抜け毛が数週間続いて急増した早期受診を検討
頭皮のかゆみや異常なフケが多い皮膚科や頭髪専門クリニックへ相談
家族にも薄毛が多く、遺伝要因が濃厚AGA専門治療の可能性を考慮
自己流でケアしても改善が見られない医師による診断と適切な治療を検討
円形脱毛や何か所も一度に抜ける症状早めに専門的診察を受けたほうが望ましい

薬剤やサプリメントの活用

AGAが疑われる場合は、内服薬や外用薬の使用で抜け毛を抑えられる可能性があります。また、食事で摂取しきれない栄養素をサプリメントで補うことも有効です。

医師のアドバイスを受けながら適切な方法を選ぶと安心です。

定期的なヘアケアと経過観察

頭皮環境を整えるシャンプーや育毛剤を使い、マッサージを習慣化するなどのヘアケアを続けると、髪や頭皮の状態に変化が出てくる場合があります。

効果の有無はすぐにはわかりにくいので、2~3か月程度の間隔で経過を観察するようにしましょう。

抜け毛対策として取り入れやすい行動

  • 日記やアプリで抜け毛の本数や頭皮の状態を記録する
  • 頭皮マッサージを毎日5分程度取り入れる
  • シャンプーやトリートメントを低刺激タイプに切り替える
  • 紫外線対策に帽子や日傘を利用する
  • 定期的に医療機関で頭皮や髪の状態をチェックする

よくある質問

さいごに、一日に抜ける髪の毛の量や薄毛に関して寄せられることが多い疑問に答えていきます。

抜け毛に対する不安を解消し、より正しい知識を持って日々のケアや治療を検討しましょう。

Q
一日に抜ける髪の毛が100本を超えたら必ず薄毛でしょうか?
A

一日に抜ける髪の毛の本数は、50本から100本程度が一般的ですが、個人差や季節変動も大きいです。

100本を超えたからといって必ずしも薄毛とは限りません。生活習慣や体調を確認し、数日~1週間程度の平均を見て判断するのがおすすめです。

Q
抜けた髪の毛の毛根部分が小さいのは何か問題があるのでしょうか?
A

毛根がしっかりと丸みを帯びていない髪は、十分に成長しきれずに抜けた可能性があります。

ヘアサイクルが乱れている場合や、栄養不足、AGAなどが背景にあるケースも考えられます。不安が強い場合は専門の医療機関で相談してください。

Q
AGAの治療はどの程度継続すれば効果が期待できますか?
A

AGAの治療はヘアサイクルを整えるものが中心なので、ある程度長期的に継続する必要があります。

一般的には3か月から6か月以上かけて、抜け毛の減少や髪のハリ・コシの変化を確認していきます。治療を始める前に、医師とのカウンセリングで目安を聞いておくとよいでしょう。

Q
抜け毛が増えてから育毛剤を使い始めても遅くないのでしょうか?
A

抜け毛の原因や状況によりますが、早めに使い始めたほうがヘアサイクルの乱れを抑えやすいといわれます。

遅すぎるということはありませんが、明らかに髪が細くなってきたと感じる時点で、早期受診とあわせて育毛剤や頭皮ケアを始めるのがおすすめです。

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