春や秋など季節の変わり目に、ふと抜け毛が増えたと気づく方もいるのではないでしょうか。
ブラッシング時やシャンプー後の排水溝に溜まる髪の毛の量に、不安を覚える方も多いようです。
この記事では、なぜ季節の変わり目に抜け毛が増えやすいのか、その原因を詳しく解説し、ご自身でできる効果的な対処法、そして専門的な治療についてもお伝えします。
なぜ季節の変わり目に髪は抜けやすいのか
季節の変わり目は、私たちの身体にとって様々な変化が起こりやすい時期です。
髪の毛も例外ではなく、いくつかの要因が複合的に絡み合い、抜け毛が増加する傾向が見られます。
気温と湿度の急激な変化と頭皮環境
春や秋は、気温や湿度が大きく変動する季節です。日中と朝晩の寒暖差が激しくなると、頭皮の皮脂バランスが乱れやすくなります。
皮脂が過剰に分泌されると毛穴詰まりの原因となり、逆に乾燥すると頭皮が硬くなり血行が悪化します。
これらの頭皮環境の悪化は毛根への栄養供給を妨げ、結果として髪の成長を阻害し、抜け毛を引き起こす一因となります。
頭皮環境に影響する季節的要因
季節 | 主な気候変動 | 頭皮への影響 |
---|---|---|
春 | 気温上昇、花粉飛散 | 皮脂増加、アレルギー反応 |
秋 | 気温低下、空気乾燥 | 乾燥、血行不良 |
梅雨 | 高湿度 | 雑菌繁殖、毛穴詰まり |
自律神経の乱れと血行不良
季節の変わり目は、気圧の変化や生活環境の変化(新生活など)も伴いやすく、自律神経が乱れやすい時期でもあります。
自律神経は血管の収縮や拡張をコントロールし、全身の血流を調整する役割を担っています。
自律神経のバランスが崩れると頭皮の毛細血管が収縮し、血行不良を引き起こす場合があります。
毛髪の成長に必要な酸素や栄養素は血液によって運ばれるため、血行不良は毛母細胞の活動を低下させ、抜け毛を促進します。
ホルモンバランスの変動とその影響
一部の動物には換毛期があるように、人間にも季節に応じてホルモンバランスが微妙に変動することが知られています。
特に女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンが毛髪の成長と維持に深く関わっています。
季節の変わり目やストレスなどによりホルモンバランスが乱れると、毛髪の成長期が短縮されたり、休止期に入る毛髪が増えたりして、抜け毛の増加につながるときがあります。
アレルギー反応と頭皮への刺激
春先にはスギやヒノキの花粉、秋にはブタクサなどの花粉が飛散し、アレルギー体質の方は頭皮にもアレルギー反応が現れるケースがあります。
花粉が頭皮に付着するとかゆみや炎症、湿疹などを引き起こし、無意識のうちに掻きむしってしまうと頭皮を傷つけ、抜け毛の原因となる場合があります。
また、黄砂やPM2.5などの大気汚染物質も頭皮への刺激となりえます。
抜け毛が増える「要注意」な季節とは
一年を通して抜け毛の量は変動しますが、特に注意が必要な季節があります。
それぞれの季節の特徴と、抜け毛が増加する背景について理解を深めましょう。
春先の抜け毛の特徴と原因
春は新生活のスタートや環境の変化が多く、ストレスを感じやすい時期です。
このストレスが自律神経の乱れを引き起こし、頭皮の血行不良を招くときがあります。
また、冬の間に蓄積された頭皮の乾燥ダメージや、気温上昇に伴う皮脂分泌の増加、そして花粉などのアレルゲンも春の抜け毛を助長する要因となります。
夏の終わりから秋にかけての抜け毛
秋は一年で最も抜け毛が多くなるといわれる季節です。
夏の間に浴びた強い紫外線は、頭皮に大きなダメージを与え、毛母細胞の働きを弱めます。
さらに、夏バテによる栄養不足や睡眠不足、冷房による体の冷えなども、秋の抜け毛の伏線となります。
これらの影響が数ヶ月遅れて現れるため、夏の終わりから秋にかけて抜け毛が顕著になるのです。
夏の頭皮ダメージ要因
ダメージ要因 | 頭皮への影響 | 対策のポイント |
---|---|---|
紫外線 | 乾燥、炎症、毛母細胞の機能低下 | 帽子や日傘の使用、UVケア製品 |
汗・皮脂 | 毛穴詰まり、雑菌繁殖 | こまめな洗髪、適切な洗浄 |
冷房 | 血行不良、乾燥 | 直接風を避ける、保湿ケア |
冬の乾燥と抜け毛リスク
冬は空気が乾燥し、暖房の使用によって室内も乾燥しがちです。
頭皮が乾燥するとフケやかゆみが発生しやすくなるだけでなく、頭皮のバリア機能が低下して外部からの刺激に弱くなります。
この結果、健康な髪が育ちにくくなり、抜け毛が増える可能性があります。また、寒さによる血行不良も冬の抜け毛の一因です。
季節ごとの抜け毛量の目安
一般的に、健康な人でも1日に50本から100本程度の髪の毛は自然に抜け落ちると言われています。
しかし、季節の変わり目、特に秋には、この本数が1.5倍から2倍程度に増加するケースもあります。
ただし、これはあくまで目安であり、急激な増加や特定の部位だけが薄くなるなどの場合は注意が必要です。
もしかして、自分だけ?季節の変わり目の抜け毛の不安
抜け毛が増えると、「自分だけがこんなに抜けているのではないか」「何か重い病気なのでは」と大きな不安を感じる方も少なくありません。
しかし、季節性の抜け毛は多くの方が経験する現象です。
抜け毛に対する一般的な誤解
抜け毛に関する情報の中には、科学的根拠の乏しいものや誤解を招く表現も散見されます。
「毎日シャンプーすると抜け毛が増える」「育毛剤はすぐに効果が出る」といった情報は鵜呑みにせず、正しい知識を持つことが大切です。
例えば、シャンプーは頭皮を清潔に保つために必要であり、適切な方法で行えば抜け毛を増やすことはありません。
不安を感じたらまず確認すべきこと
抜け毛の量だけでなく、以下の点も確認してみましょう。
- 抜け毛の太さや質(細く短い毛が多いか)
- 頭皮の状態(赤み、かゆみ、フケなどがないか)
- 生活習慣の変化(睡眠不足、食生活の乱れ、ストレスなど)
これらの情報を記録しておくと、専門医に相談する際に役立ちます。
他の人も同じように悩んでいます
季節の変わり目の抜け毛は性別や年齢を問わず、多くの方が経験する悩みです。
インターネットの掲示板やSNSなどでも、同様の悩みを抱える人の声を見つけられるでしょう。
一人で抱え込まず、信頼できる情報源を参考にしたり、身近な人に相談したりするのも心の負担を軽くする方法の一つです。
抜け毛の悩みの相談先
相談先 | 得られる情報・サポート | 注意点 |
---|---|---|
皮膚科・AGAクリニック | 専門的な診断、治療法の提案 | 受診のハードルを感じる場合も |
毛髪診断士 | 頭皮・毛髪の状態チェック、ケアアドバイス | 医療行為は不可 |
家族・友人 | 精神的なサポート、共感 | 専門的な知識は期待できない |
専門医に相談するタイミング
一時的な季節性の抜け毛であれば、生活習慣の改善などで自然に落ち着くケースも多いです。
しかし、抜け毛が2ヶ月以上続く場合、明らかに薄毛が進行していると感じる場合、頭皮に異常がある場合などは、自己判断せずに専門医(皮膚科やAGA専門クリニック)に相談することをおすすめします。
早期の対応が、より良い結果につながる場合が多いです。
自宅でできる季節の変わり目の抜け毛対策|日常ケア編
専門的な治療も大切ですが、まずは日々の生活習慣を見直し、頭皮環境を整えるのが抜け毛対策の基本です。
正しいシャンプー方法と頭皮マッサージ
シャンプーは、髪の汚れだけでなく頭皮の余分な皮脂や汚れを落とし、清潔に保つために重要です。
まず、シャンプー前にブラッシングで髪のもつれを解き、ホコリを浮かせます。
お湯で髪と頭皮を十分に予洗いした後、シャンプーを手のひらでよく泡立て、指の腹を使って頭皮をマッサージするように優しく洗いましょう。
すすぎ残しは頭皮トラブルの原因になるため、時間をかけて丁寧に洗い流します。洗髪後の頭皮マッサージは血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくします。
シャンプー選びのポイント
頭皮タイプ | おすすめのシャンプー成分 | 避けたい成分例 |
---|---|---|
乾燥肌 | アミノ酸系、保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸) | 高級アルコール系(洗浄力強すぎ) |
脂性肌 | 石鹸系、スカルプケア成分(サリチル酸など) | オイルリッチなもの |
敏感肌 | 低刺激性、無添加(香料、着色料フリー) | 刺激の強い成分全般 |
バランスの取れた食事と髪に必要な栄養素
髪の毛は主にケラチンというタンパク質でできています。そのため、良質なタンパク質の摂取は健康な髪を育む上で非常に大切です。
また、タンパク質の合成を助ける亜鉛、頭皮の血行を促進するビタミンE、細胞の再生を促すビタミンB群なども積極的に摂りたい栄養素です。
偏った食事は避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。
栄養素 | 食材 |
---|---|
タンパク質 | 肉、魚、大豆製品、卵 |
亜鉛 | 牡蠣、レバー、ナッツ類 |
ビタミンE | アーモンド、アボカド、植物油 |
ビタミンB群 | 緑黄色野菜、魚介類、乳製品 |
質の高い睡眠と成長ホルモン
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が行われます。毛母細胞もこの成長ホルモンの影響を受けて活発に分裂し、髪の毛を成長させます。
睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減少し、髪の成長サイクルが乱れて抜け毛が増える可能性があります。
毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい生活を送り、質の高い睡眠を確保するよう努めましょう。
特に、入眠後3時間の「ゴールデンタイム」に深い眠りにつくことが重要です。
ストレス管理とリラックス法
過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、血管を収縮させて頭皮の血行を悪化させます。
また、ストレスホルモンであるコルチゾールの増加は、毛髪の成長を抑制する方向に働くこともあります。
自分に合ったストレス解消法を見つけ、心身ともにリラックスできる時間を作ると良いです。適度な運動、趣味の時間、瞑想、アロマテラピーなどがおすすめです。
自宅でできる季節の変わり目の抜け毛対策|スペシャルケア編
日常的なケアに加えて特別なケアを取り入れると、より効果的に頭皮環境を整え、抜け毛の予防・改善が期待できます。
頭皮用エッセンスや育毛剤の選び方
頭皮用エッセンスや育毛剤は頭皮に栄養を与えたり、血行を促進したり、毛母細胞の働きを活性化させたりする成分が含まれています。
自分の頭皮の状態や悩みに合わせて選びましょう。
例えば、乾燥が気になる場合は保湿成分が豊富なもの、血行促進を期待するならセンブリエキスやビタミンE誘導体などが配合されたものが適しています。
使用する際は、用法・用量を守り、継続して使うのが大切です。
育毛剤の主な有効成分と期待される働き
有効成分例 | 期待される働き | 製品選びのポイント |
---|---|---|
ミノキシジル(外用薬) | 毛母細胞の活性化、血行促進 | 濃度、副作用の確認 |
センブリエキス | 血行促進、抗炎症作用 | 天然由来成分を好む方向け |
グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症作用、フケ・かゆみ抑制 | 頭皮トラブルがある方向け |
週に一度のディープクレンジング
通常のシャンプーでは落としきれない毛穴の奥の汚れや古い角質を、専用のクレンジング剤を使って取り除くケアです。
毛穴詰まりを解消すると頭皮環境が改善され、育毛剤などの浸透も良くなります。
ただし、やりすぎは頭皮に必要な皮脂まで奪ってしまうため、週に1回程度を目安に行いましょう。クレンジング後は、しっかりと保湿するのも忘れないでください。
頭皮の保湿ケアの重要性
顔のスキンケアと同様に、頭皮も保湿が重要です。頭皮が乾燥するとバリア機能が低下して外部からの刺激を受けやすくなったり、かゆみやフケの原因になったりします。
シャンプー後、化粧水やローションタイプの頭皮用保湿剤を使って、頭皮全体に潤いを与えましょう。
特に乾燥しやすい季節や、乾燥肌の方は念入りな保湿を心がけてください。
生活習慣の見直しポイント
抜け毛対策は頭皮ケアだけでなく、体全体の健康状態を整えることが基本です。
以下の生活習慣を見直してみましょう。
- 禁煙(喫煙は血管を収縮させ血行を悪化させます)
- 適度な運動(血行促進、ストレス解消)
- バランスの取れた食事(髪に必要な栄養を摂取)
- 十分な睡眠(成長ホルモンの分泌を促す)
これらの積み重ねが、健康な髪を育む土台となります。
季節の変わり目の抜け毛とAGA(男性型脱毛症)の関係
季節の変わり目の抜け毛は一時的なものであるケースが多いですが、中にはAGA(男性型脱毛症)が進行しているサインである可能性も潜んでいます。
AGAは進行性の脱毛症であり、早期発見・早期治療が鍵となります。
AGAの初期症状と見分け方
AGAの初期症状としては、生え際の後退(M字型)、頭頂部のつむじ周りの薄毛(O字型)、あるいはその両方が見られる方が多いです。
また、抜け毛の中に細く短い毛が増えてきたり、髪全体のボリュームが減ってきたりするのも特徴です。
季節性の抜け毛は全体的に抜ける場合が多いのに対し、AGAは特定のパターンで薄毛が進行する傾向があります。
AGAの進行パターン
進行パターン | 特徴 | 初期に気づきやすい部位 |
---|---|---|
M字型(額の生え際) | 額の両サイドから後退していく | 額の剃り込み部分 |
O字型(頭頂部) | つむじ周辺から薄くなる | 頭頂部 |
U字型(混合型) | 額の生え際全体が後退する | 額全体、頭頂部 |
季節性の抜け毛とAGAの進行の違い
季節性の抜け毛は特定の季節に一時的に増加し、季節が過ぎると自然に落ち着く場合が多いです。
一方、AGAは男性ホルモンや遺伝的要因が関与しており、治療を行わない限り進行し続けます。
抜け毛の期間や、薄毛の進行パターン、抜け毛の質などを注意深く観察すると両者の違いを見極める手がかりになります。
AGAが疑われる場合の自己判断基準
以下の項目に複数当てはまる場合は、AGAの可能性を考慮し、専門医への相談をおすすめします。
- 家族(特に父方)に薄毛の人がいる
- 抜け毛が細く短いものが多い
- 生え際が後退してきた、または頭頂部が薄くなってきた
- 抜け毛の量が減らず、むしろ増えている
- 以前より髪のハリやコシがなくなった
早期発見・早期治療のメリット
AGAは進行性の脱毛症ですが、早期に治療を開始すると薄毛の進行を遅らせたり、改善させたりすることが期待できます。
治療開始が遅れるほど毛根の機能が低下し、治療効果が得られにくくなる可能性があります。
そのため、少しでもAGAの疑いを感じたら早めに専門クリニックを受診し、適切な診断と治療を受けましょう。
クリニックでの専門的な抜け毛・薄毛治療とは
自己ケアだけでは抜け毛や薄毛の改善が見られないときや、AGAが疑われる場合は、専門のクリニックへの相談がおすすめです。
クリニックでは、医師による正確な診断に基づき、一人ひとりの状態に合わせた適切な治療法を提案します。
専門医による頭皮・毛髪診断
クリニックではまず問診や視診、マイクロスコープを用いた頭皮の状態観察などを行います。
これにより、抜け毛の原因が季節性のものなのか、AGAなのか、あるいは他の皮膚疾患によるものなのかを判断します。
必要に応じて血液検査などを行い、全身状態との関連も調べる場合があります。正確な診断が、効果的な治療への第一歩です。
内服薬・外用薬による治療法
AGA治療の基本となるのが、内服薬と外用薬です。
内服薬としては、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の産生を抑制するフィナステリドやデュタステリドが主に用いられます。
外用薬としては、発毛効果が認められているミノキシジルが一般的です。
これらの薬剤は、医師の処方が必要であり、効果や副作用について十分に説明を受けた上で使用します。
主なAGA治療薬
薬剤の種類 | 主な成分 | 期待される効果 |
---|---|---|
内服薬 | フィナステリド、デュタステリド | 抜け毛抑制、AGAの進行遅延 |
外用薬 | ミノキシジル | 発毛促進、毛髪成長 |
注入治療やその他の先進治療
薬物療法の効果が不十分な場合や、より積極的な発毛を希望する場合には、注入治療などが検討されます。
成長因子や栄養成分を頭皮に直接注入する「メソセラピー」や、ご自身の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を用いる「PRP療法」などがあります。
これらの治療は、毛母細胞を活性化させ、発毛を促す効果が期待できます。また、低出力レーザー治療なども一部のクリニックで行われています。
治療期間と期待できる効果
薄毛治療は、効果を実感するまでに時間がかかるのが一般的です。内服薬や外用薬の場合、通常3ヶ月から6ヶ月程度の継続使用で効果が現れ始めるとされています。
治療効果には個人差があり、治療開始時の薄毛の進行度や生活習慣などによっても異なります。
医師と相談しながら、根気強く治療を続けることが大切です。治療の目標や期間についても、事前に医師とよく話し合いましょう。
季節の変わり目の抜け毛に関するよくある質問
季節の変わり目の抜け毛は時間が経てば落ち着くケースが多いものの、AGAのような脱毛症が背景にある可能性も否定できません。
ご自身でチェックやケアを行い、改善しないときはいちどクリニックに足を運んでみましょう。
- Q抜け毛は何本くらいなら正常範囲ですか?
- A
一般的に、1日に50本から100本程度の抜け毛は正常な生理現象とされています。
季節の変わり目、特に秋には150本から200本程度に増えるときもありますが、これは一時的なものであるケースが多いです。
ただし、急激に量が増えたり、特定の部位だけが薄くなったりする場合は注意が必要です。
ご自身の普段の抜け毛の量と比較し、明らかに多い状態が続くようであれば、専門医にご相談ください。
- Q食事以外で髪に良いことはありますか?
- A
バランスの取れた食事に加えて、質の高い睡眠や適度な運動、ストレスを溜めない生活が髪の健康には重要です。
特に睡眠中に分泌される成長ホルモンは髪の成長を促します。また、頭皮マッサージは血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果が期待できます。
禁煙も、血行改善の観点から髪にとって良い影響があります。
すべてを一度に行うのは難しいですが、できることから少しずつ始めてみましょう。
- Q市販の育毛剤は効果がありますか?
- A
A市販の育毛剤には、頭皮環境を整える成分や血行を促進する成分などが含まれており、抜け毛予防や育毛の一助となる可能性があります。
しかし、AGAのように医学的な治療が必要な脱毛症に対しては、市販の育毛剤だけでは十分な効果が得られない場合もあります。
ご自身の抜け毛の原因や状態に合わせて選ぶのが大切で、効果が見られない場合は専門医に相談すると良いでしょう。
- Q治療を始めたらすぐに効果が出ますか?
- A
薄毛治療の効果が現れるまでには、一般的に数ヶ月単位の時間が必要です。
髪の毛には成長サイクル(ヘアサイクル)があり、新しい髪が生えて成長して目に見える変化として実感できるようになるまでには時間がかかります。
例えば、AGA治療薬の場合、多くは3ヶ月から6ヶ月程度の継続使用で効果を感じ始める方が多いです。焦らず、医師の指示に従って根気強く治療を続けていきましょう。
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