「シャンプーは1日に何回が正解?」「シャンプーしすぎるとはげるって本当?」「2日に1回だと抜け毛が増えるの?」シャンプーに関する疑問や不安は尽きません。
この記事では、シャンプーの回数や時間が薄毛に与える影響、そして正しいヘアケア方法について専門的な視点から詳しく解説します。
シャンプー習慣を見直し、健やかな頭皮環境を目指しましょう。
シャンプーと薄毛の気になる関係|本当のところ
毎日のシャンプーが薄毛の原因になるのではないかと心配する声を聞きます。しかし、シャンプー自体が直接的に薄毛を引き起こすわけではありません。
問題は、シャンプーの「方法」や「回数」、「選び方」にあるケースが多いです。
シャンプーの基本的な役割
シャンプーの主な役割は頭皮や髪の毛に付着した汗、皮脂やホコリ、整髪料などの汚れを洗い流し、清潔な状態に保つことです。
頭皮環境を健やかに保つと、健康な髪の育成に繋がります。
汚れが残っていると毛穴詰まりや炎症の原因となり、かえって抜け毛を助長する場合もあります。
「シャンプーすると髪が抜ける」という誤解
シャンプー時に排水溝に溜まる髪の毛を見て、シャンプーが抜け毛の原因だと感じる人もいるでしょう。しかし、これは自然なヘアサイクルの一部であるケースがほとんどです。
髪の毛には成長期、退行期、休止期があり、休止期に入った髪は自然に抜け落ちます。シャンプーは、すでに抜け落ちる運命にあった髪を取り除いているに過ぎない場合が多いです。
ただし、間違ったシャンプー方法で頭皮にダメージを与えると、健康な髪まで抜けてしまう可能性は否定できません。
ヘアサイクルと自然な抜け毛
期間 | 特徴 | 全体の割合 |
---|---|---|
成長期 | 髪が成長する期間(2~6年) | 約85~90% |
退行期 | 髪の成長が止まる期間(2~3週間) | 約1% |
休止期 | 髪が抜け落ちる準備期間(2~3ヶ月) | 約10~15% |
薄毛とシャンプー剤の成分に関係はあるのか
市販されているシャンプーには様々な成分が含まれています。洗浄成分が強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な皮脂まで奪い去り、乾燥や刺激を引き起こすときがあります。
自分の頭皮タイプに合わないシャンプーを使い続けると頭皮環境を悪化させ、間接的に薄毛のリスクを高める可能性があります。
成分表示を確認し、頭皮に優しいアミノ酸系やベタイン系の洗浄成分を主としたシャンプーを選ぶと良いです。
日常のシャンプー習慣が薄毛に繋がるケース
間違ったシャンプー習慣は、確実に頭皮環境を悪化させます。
例えば、熱すぎるお湯での洗髪、爪を立ててゴシゴシ洗う、すすぎ残し、ドライヤーの熱を当てすぎるなどが挙げられます。
これらの行為は頭皮を傷つけて乾燥や炎症を引き起こし、健康な髪の成長を妨げる原因となります。
シャンプーの「しすぎ」が頭皮に与える影響
「清潔好きだから1日に何度もシャンプーする」という方もいるかもしれません。
しかし、シャンプーのしすぎはかえって頭皮にダメージを与え、薄毛のリスクを高める可能性があります。
「シャンプー2回ではげるかも?」と心配されている方は、洗いすぎによる影響を理解しておきましょう。
頭皮のバリア機能とは何か
私たちの頭皮は、皮脂と汗などが混ざり合ってできる「皮脂膜」によって保護されています。
この皮脂膜は、外部からの刺激や乾燥、雑菌の侵入を防ぐバリア機能の役割を担っています。
健康な髪を育むためには、このバリア機能が正常に働いているかどうかが重要です。
洗いすぎによる皮脂の過剰な除去
シャンプーの回数が多すぎたり、洗浄力の強すぎるシャンプーを使用したりすると、頭皮を守るために必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまいます。
皮脂が不足すると頭皮のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。
皮脂の役割
- 頭皮の保湿
- 外部刺激からの保護
- 雑菌の繁殖抑制
乾燥性頭皮とフケ・かゆみの発生
皮脂が過剰に除去されると、頭皮は乾燥しやすくなります。乾燥した頭皮は角質が剥がれやすくなり、フケの原因となります。
また、乾燥による刺激でかゆみが生じやすいです。かゆくて頭皮を掻きむしると、さらに頭皮を傷つけてしまい、悪循環に陥ります。
刺激による頭皮の炎症リスク
バリア機能が低下した頭皮はシャンプー剤の成分や紫外線、空気中のホコリなど、わずかな刺激にも敏感に反応しやすくなります。
そのため炎症が起こりやすくなり、赤みやかゆみ、湿疹などの頭皮トラブルを引き起こす場合があります。
慢性的な炎症は毛根にダメージを与え、抜け毛や薄毛の原因となる可能性があります。
洗いすぎによる頭皮トラブル
トラブル | 原因 | 主な症状 |
---|---|---|
乾燥性皮膚炎 | 皮脂の過剰な除去による乾燥 | フケ、かゆみ、粉吹き |
接触性皮膚炎 | シャンプー剤などへの刺激反応 | 赤み、かゆみ、湿疹 |
バリア機能低下 | 皮脂膜の喪失 | 外部刺激への感受性向上 |
シャンプーの「しなさすぎ」が招く頭皮トラブル
逆に、シャンプーの回数が少なすぎる、あるいはシャンプーしないという極端なケースも頭皮環境にとっては好ましくありません。
2日に一回のシャンプーで抜け毛が増えると心配する方もいますが、適切な頻度を見極めることが大切です。
長期間シャンプーをしないと、様々なトラブルが発生する可能性があります。
皮脂汚れの蓄積と毛穴の詰まり
シャンプーをしないと頭皮から分泌された皮脂や汗、古い角質や外部からのホコリなどが蓄積していきます。
これらの汚れが毛穴に詰まると、髪の毛の正常な成長を妨げたり、炎症を引き起こしたりする原因となります。
毛穴詰まりは、ニキビのような吹き出物や、悪臭の原因にもなります。
雑菌の繁殖とニオイの原因
皮脂や汗は、頭皮に常在する菌(マラセチア菌など)のエサとなります。シャンプーを怠ると、これらの菌が過剰に繁殖しやすいです。
菌の繁殖は頭皮のかゆみやフケ、そして不快なニオイの原因となります。特に湿度の高い季節や、汗をかきやすい人は注意が必要です。
脂漏性皮膚炎のリスク
皮脂の過剰な分泌やマラセチア菌の増殖などが原因で起こる皮膚炎を「脂漏性皮膚炎」といいます。
頭皮が赤くなり、ベタベタとした黄色っぽいフケやかさぶたができ、かゆみを伴う場合があります。
シャンプーをしないと皮脂が溜まり、この脂漏性皮膚炎を発症したり、悪化させたりするリスクが高まります。
頭皮の常在菌とトラブル
菌の種類 | 通常時の役割 | 過剰繁殖時の影響 |
---|---|---|
アクネ菌 | 皮脂を分解 | 毛嚢炎(ニキビ) |
マラセチア菌 | 皮脂を栄養源とする | 脂漏性皮膚炎、フケ、かゆみ |
黄色ブドウ球菌 | 皮膚表面に存在 | 炎症、化膿 |
抜け毛を助長する頭皮環境の悪化
毛穴の詰まり、雑菌の繁殖、炎症といった頭皮環境の悪化は毛根に十分な栄養が行き渡るのを妨げたり、毛根自体にダメージを与えたりします。
この結果、髪の毛が細くなったり成長しきる前に抜け落ちてしまったりするなど、抜け毛を助長する可能性があります。
健康な髪は、健康な頭皮から育まれます。
1日に何回が理想?シャンプー回数の目安
シャンプーのしすぎも、しなさすぎも頭皮に良くないですが、一体1日に何回シャンプーするのが理想的なのでしょうか。
これは個人の頭皮タイプや髪質、生活習慣によって異なりますが、一般的な目安について解説します。
基本は1日1回夜のシャンプー
多くの方にとって、1日1回、夜にシャンプーするのが基本的な目安です。
日中に付着した汗や皮脂、ホコリや整髪料などの汚れをその日のうちにリセットすると、頭皮を清潔に保ち、睡眠中の髪の成長を促せます。
特に、成長ホルモンが多く分泌される夜間の頭皮環境を整える習慣が重要です。
朝シャンは必要?メリット・デメリット
朝シャンをする習慣のある方もいるでしょう。寝癖を直したり、スッキリしたりするメリットはありますが、デメリットも考慮する必要があります。
夜にシャンプーをしている場合、朝もシャンプーすると1日に2回洗うことになり、皮脂を取りすぎてしまう可能性があります。
もし朝シャンをする場合は、洗浄力のマイルドなシャンプーを選んだり、お湯だけで軽くすすぐ「湯シャン」を取り入れたりするなどの工夫をしましょう。
朝シャンのメリット・デメリット
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 寝癖直し、爽快感、スタイリングしやすさ |
デメリット | 皮脂の取りすぎ、頭皮の乾燥、紫外線ダメージを受けやすくなる可能性 |
汗をかく夏場や運動後のシャンプー頻度
夏場やスポーツなどで大量に汗をかいたときは、そのまま放置すると雑菌が繁殖しやすいため、シャンプーで洗い流すのが望ましいです。
ただし、1日に何度もシャンプーするときは、洗浄力の優しいシャンプーを選び、頭皮への負担を最小限に抑えるように心がけましょう。
場合によっては、汗をかいた後はお湯だけで軽く洗い流す程度にするのも一つの方法です。
乾燥しやすい冬場のシャンプー頻度調整
冬場は空気が乾燥し、頭皮も乾燥しやすくなります。毎日シャンプーすると乾燥が悪化するようであれば、シャンプーの頻度を2日に1回に調整するのも検討しましょう。
ただし、これは頭皮のベタつきが少ない乾燥肌タイプの方に限られます。
脂性肌の方が頻度を減らしすぎると、別のトラブルを招く可能性があるので注意が必要です。
シャンプー時間はどれくらい?正しい洗い方のポイント
シャンプーの回数だけでなく、「シャンプー時間が長いとはげる?」と気にされる方がいるように、洗い方や洗髪にかける時間も頭皮環境に大きく影響します。
適切な方法と時間でシャンプーを行いましょう。
シャンプー前のブラッシングの重要性
シャンプー前に髪のもつれを解き、ホコリやフケなどの大まかな汚れを浮かせるために、ブラッシングを行いましょう。
このひと手間でシャンプー時の泡立ちが良くなり、髪への摩擦も軽減できます。
頭皮への適度な刺激は血行促進にも繋がります。
ブラッシングのポイント
- 毛先から優しくとかす
- 次に中間、最後に根元から
- 頭皮を傷つけないように力を入れすぎない
予洗いで汚れの7割を落とす
シャンプー剤をつける前に、38℃程度のぬるま湯で頭皮と髪を十分にすすぎます。これを「予洗い」といいます。
予洗いを丁寧に行うと、髪や頭皮の汚れの約7割は落ちると言われています。
シャンプー剤の使用量を抑えられ、泡立ちも良くなり、頭皮への負担を軽減できるのもメリットです。
シャンプー剤の泡立て方と適量
シャンプー剤は直接頭皮につけるのではなく、手のひらでよく泡立ててから髪全体に馴染ませます。
泡立てが不十分だと、洗浄成分が頭皮に直接刺激を与えたり、摩擦で髪を傷めたりする原因になります。
シャンプー剤の量は髪の長さや量に合わせて調整し、多すぎないように注意しましょう。
指の腹を使った正しい頭皮マッサージ洗い
髪を洗うというより、「頭皮を洗う」意識が大切です。爪を立てずに、指の腹を使って頭皮を優しくマッサージするように洗いましょう。
生え際から頭頂部へ、襟足から頭頂部へと、下から上に向かってジグザグに動かすように洗うと毛穴の汚れが効果的に落ちます。ゴシゴシと力を入れすぎるのは禁物です。
頭皮マッサージ洗いの目安時間
工程 | 目安時間 | ポイント |
---|---|---|
予洗い | 1~2分 | ぬるま湯で頭皮と髪全体を濡らす |
シャンプー塗布・泡立て | 30秒~1分 | 手のひらで泡立ててから髪へ |
頭皮マッサージ洗い | 2~3分 | 指の腹で優しく、まんべんなく |
すすぎ残しは頭皮トラブルの元|丁寧なすすぎを
シャンプー剤が頭皮や髪に残っていると、かゆみやフケ、炎症などの原因となります。すすぎは「もう十分かな」と思ってから、さらに時間をかけて丁寧に行うのが重要です。
髪の生え際や耳の後ろ、襟足などはすすぎ残しが多い部分なので、とくに意識して洗い流しましょう。
シャンプーにかける時間と同じくらい、すすぎにも時間をかけるのが理想です。
髪質・生活習慣に合わせたシャンプー選びと頻度調整
一般的なシャンプーの知識は重要ですが、最終的にはご自身の頭皮タイプ、髪質、そして日々の生活習慣に合わせてケア方法を調整することが何よりも大切です。
自分の頭皮タイプ(乾燥肌・脂性肌・混合肌)を知る
まず、ご自身の頭皮がどのタイプなのかを把握しましょう。
洗髪後数時間でベタつくなら脂性肌、カサカサしてフケが出やすいなら乾燥肌、部分的にベタつきと乾燥が混在するなら混合肌の可能性があります。
頭皮タイプによって、適切なシャンプー剤の種類や洗髪頻度が異なります。
頭皮タイプ別のおすすめシャンプー成分
頭皮タイプ | 主な特徴 | 推奨される洗浄成分 |
---|---|---|
乾燥肌 | かさつき、フケ(乾性)、つっぱり感 | アミノ酸系、ベタイン系(保湿力が高い) |
脂性肌 | ベタつき、フケ(脂性)、毛穴詰まり | 高級アルコール系(適度な洗浄力)、石鹸系(さっぱり感) |
混合肌 | 部分的に乾燥、部分的にベタつき | アミノ酸系をベースに、頭皮状態で使い分け |
脂性肌の方が洗浄力の弱いシャンプーを使い続けたり、乾燥肌の方が洗浄力の強いシャンプーを毎日使ったりすると、頭皮トラブルが悪化する可能性があります。
髪質(細い・太い・硬い・柔らかい)に合ったシャンプーとは
髪質によっても、シャンプーの選び方は変わってきます。
例えば、細くて柔らかい髪の方は、ボリュームアップ効果のあるシャンプーや、シリコンの配合量が少ないものを選ぶと髪がペタッとなるのを防ぎやすいです。
逆に、太くて硬い髪の方は、しっとりとまとまりやすい保湿成分が豊富なシャンプーが合う場合が多いです。
髪の仕上がり感も考慮してシャンプーを選びましょう。
生活スタイル(運動習慣・屋外活動・職業)とシャンプー頻度
毎日運動して大量の汗をかく方や、屋外での作業が多い方、ヘルメットを長時間着用する職業の方などは、1日1回のシャンプーでは汚れや皮脂を落としきれないときがあります。
朝晩2回のシャンプーが必要になる場合もありますが、その際は洗浄力のマイルドなシャンプーを選んだり、1回は湯シャンにするなど、頭皮への負担を考慮した工夫が必要です。
逆に、在宅ワーク中心で汗をかく機会が少ない方は、毎日シャンプーしなくても頭皮環境を良好に保てるケースもあります。
間違った思い込みが招くシャンプートラブル
「しっかり洗わないと汚れが落ちない気がして、つい力を入れてゴシゴシ洗ってしまう」「泡立ちが良いシャンプー=良いシャンプーだと思っている」「コンディショナーやトリートメントを頭皮に直接つけてしまう」など、良かれと思ってやっていることが実は頭皮や髪にダメージを与えているケースは少なくありません。
シャンプーに関する正しい知識を持つと、トラブルを未然に防げます。
シャンプーだけでは解決しない薄毛の悩み|AGA治療という選択肢
適切なシャンプー方法を実践しても、抜け毛や薄毛の進行が止まらない場合、その原因はAGA(男性型脱毛症)かもしれません。
AGAは進行性の脱毛症であり、セルフケアだけでは改善が難しいのが実情です。早期に専門医へ相談し、適切な治療を開始していきましょう。
セルフケアの限界と専門医への相談
シャンプーや育毛剤などのセルフケアは頭皮環境を整えたり、髪に栄養を与えたりする効果は期待できますが、AGAの根本的な原因に直接作用するものではありません。
抜け毛の量が明らかに増えた、髪のボリュームが減ってきた、生え際が後退してきたなどの変化を感じたら、自己判断せずに皮膚科やAGA専門クリニックを受診しましょう。
AGA(男性型脱毛症)とは?その原因と進行
AGAは男性ホルモンの一種であるテストステロンが5αリダクターゼという酵素の働きによってDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合して髪の成長期を短縮させ、毛髪が太く長く成長する前に抜け落ちてしまう脱毛症です。
遺伝的な要因も関与していると考えられています。
AGAの主な原因物質
- DHT(ジヒドロテストステロン)
- 5αリダクターゼ(酵素)
クリニックで受けられるAGA治療の種類
AGA治療は内服薬や外用薬、注入治療、自毛植毛など様々な選択肢があります。
医師が患者さんの症状や進行度、希望などを総合的に判断して適した治療法を提案します。
主なAGA治療法
治療法 | 主な作用・特徴 | 期待される効果 |
---|---|---|
内服薬(フィナステリド・デュタステリド) | 5αリダクターゼの働きを阻害し、DHTの生成を抑制 | 抜け毛の抑制、AGAの進行遅延 |
外用薬(ミノキシジル) | 毛母細胞を活性化し、血行を促進 | 発毛促進、毛髪の成長 |
注入治療(メソセラピーなど) | 有効成分を頭皮に直接注入 | 発毛促進、頭皮環境改善 |
これらの治療は、単独で行う場合もあれば、複数を組み合わせて行う方もいます。
早期発見・早期治療の重要性
AGAは進行性のため、放置しておくと薄毛は徐々に進行していきます。
治療の開始が早ければ早いほど、毛髪の状態を維持しやすく、治療効果も現れやすい傾向にあります。
少しでも薄毛の兆候を感じたら、ためらわずに専門医に相談することが、将来の髪を守るために大切です。
よくある質問
シャンプーと薄毛に関する疑問は多く寄せられます。ここでは、特に質問の多い内容についてお答えします。
- Qシャンプーを2回するとはげるというのは本当ですか?
- A
1日に2回シャンプーすることが直接的に薄毛を引き起こすわけではありません。
しかし、洗浄力の強いシャンプーで1日に何度も洗うと頭皮に必要な皮脂まで奪い去り、乾燥や炎症を招く可能性があります。
この頭皮環境の悪化が、間接的に抜け毛を増やすことは考えられます。
1日に2回シャンプーをするときは、2回目のシャンプーは洗浄力のマイルドなものを選んだり、湯シャンにするなどの工夫をしましょう。
ご自身の頭皮の状態(脂性肌か乾燥肌かなど)や生活習慣(汗をかく量など)に合わせて調整すると良いです。
- Qシャンプーを2日に1回にすると抜け毛が増えるのですが…
- A
2日に1回のシャンプー頻度がご自身に合っていなければ、シャンプー回数が抜け毛を助長している可能性も考えられます。
ただ、シャンプーをしなかった日に自然に抜け落ちるはずだった髪の毛が、次のシャンプー時にまとめて洗い流されるため、一時的に抜け毛が増えたように感じているケースも見受けられます。
1日に50~100本程度の抜け毛は自然な現象です。シャンプーの頻度を1日1回に変更してみて、それでも1日の抜け毛が通常よりも多いときは、いちどクリニックに相談してみましょう。
- Qシャンプーをしない方が髪に良いというのは本当ですか?
- A
シャンプーしない、いわゆる「ノープー」「湯シャン」「シャンプーキャンセル界隈」が一部で話題になりましたが、全ての人に適しているわけではありません。
皮脂の分泌量が少ない方や乾燥がひどい方には合う場合もありますが、多くの方にとっては頭皮の汚れや過剰な皮脂を適切に除去できず、毛穴詰まりや雑菌の繁殖、ニオイやフケ、かゆみといった頭皮トラブルの原因となる可能性があります。
これらのトラブルは抜け毛を助長することもあるため、シャンプーを全くしないという選択は慎重に考える必要があります。
基本的にはご自身の頭皮に合ったシャンプーを使い、適切な頻度で洗髪しましょう。
- Qシャンプーの時間が短いと薄毛になりますか?
- A
シャンプーの時間が極端に短い場合、いくつかの問題が生じる可能性があります。
まず、予洗いが不十分だと汚れが落ちにくく、シャンプー剤の泡立ちも悪くなります。
また、頭皮をマッサージするように洗う時間が不足すると、毛穴の奥の汚れが十分に除去できないときがあります。
最も重要なのはすすぎで、シャンプー剤が頭皮や髪に残っているとそれが刺激となってかゆみや炎症を引き起こし、頭皮環境を悪化させる原因となります。
この頭皮環境の悪化が、間接的に抜け毛や薄毛に繋がることが考えられます。
予洗い、シャンプー、すすぎ、それぞれに適切な時間をかけるようにしましょう。
参考文献
PUNYANI, Supriya, et al. The impact of shampoo wash frequency on scalp and hair conditions. Skin appendage disorders, 2021, 7.3: 183-193.
T. CHIU, Chin-Hsien; HUANG, Shu-Hung; D. WANG, Hui-Min. A review: hair health, concerns of shampoo ingredients and scalp nourishing treatments. Current pharmaceutical biotechnology, 2015, 16.12: 1045-1052.
TRÜEB, Ralph M. Shampoos: ingredients, efficacy and adverse effects. JDDG: Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft, 2007, 5.5: 356-365.
BEAUQUEY, Bernard. Scalp and hair hygiene: shampoos. The science of hair care, 2005, 83-127.
MUGHNI, Fadhli Aulia, et al. Measurements of Scalp Transepidermal Water Loss and Hydration in Women Wearing Hijab Correlated with Hair Wash Frequency. International Journal of Trichology, 2024, 16.1: 16-24.
D’SOUZA, Paschal; RATHI, Sanjay K. Shampoo and conditioners: what a dermatologist should know?. Indian journal of dermatology, 2015, 60.3: 248-254.
HOFFMAN, M. Camille, et al. Chemical processing and shampooing impact cortisol measured in human hair. Clinical and Investigative Medicine, 2014, 37.4: E252-E257.
ABDALA, Mai Ali, et al. Isolation and Identification of Some Microorganisms that cause Abnormal Hair Loss (Baldness). International Journal of Science and Research (IJSR) Vol, 2015, 6: 1973-1982.