急に赤く盛り上がった発疹が出て強いかゆみがあり、数時間で消えたと思うと別の場所にまた出る。蕁麻疹はこうした出方をする皮膚の病気で、6週間を超えて繰り返すものは慢性蕁麻疹と呼ばれ、原因を1つに決められないことも少なくありません。

このページでは、きっかけになりやすいもの、かぶれとの違いと検査、抗ヒスタミン薬を中心とした治療、子どもに出たときの家庭での対応をまとめました。

蕁麻疹や唇・まぶたの腫れに息苦しさや声のかすれが加わったときは、受診を待たずに119番へ連絡してください。

腕の発疹が消えた後、別の部位に現れる経過を3コマで描いた図

皮膚の一部が赤く盛り上がる「膨疹」が、蕁麻疹の特徴です。小さな発疹が地図のようにつながる場合もあり、見た目の広がり方は一定ではありません。

1つの発疹が消えるまでの時間

個々の発疹は数十分から数時間、長くても通常24時間以内に跡を残さず消え、別の場所に現れるのが典型的な経過です。同じ場所に赤みが24時間を超えて残るときは、皮膚科でかぶれなど別の病気ではないか確かめてもらいましょう。

急性と慢性を分ける6週間

発症から6週間以内を急性、6週間を超えて繰り返すものを慢性蕁麻疹と呼び、1つの発疹が続く時間とは区別します。

食べ物だけが原因とは限りません。感染や物理的な刺激が関わるものもあり、慢性蕁麻疹の多くでは原因を1つに特定できないのが実情です。発症との関係を診察で確かめるため、次の内容をメモしておきましょう。

  • 食べ物や薬 … 食品名や薬名と、摂取から発疹までの時間をメモする
  • 風邪などの感染 … 発熱やのどの痛みの開始日と、発疹が出た日をメモする
  • こすれや圧迫、寒さ … 衣服が当たった場所や寒さに触れた時間と、発疹の場所をメモする

汗や体温の変化、夕方から夜の悪化

入浴や運動で体温が上がると小さな発疹が出るコリン性蕁麻疹では、チクチクした痛みを伴う場合があります。原因不明の慢性蕁麻疹では、疲れやストレスが重なって夕方から夜に悪化する例もみられます。

皮膚の腫れは皮膚科、息苦しさは119番と症状別の受診先を示す図

血管性浮腫(クインケ浮腫)は、唇やまぶたなどが普通の蕁麻疹より深く腫れ、かゆみが少なく2〜3日続く例もあります。

息苦しさや声のかすれでは119番へ

全身の蕁麻疹に息苦しさや声のかすれが加わったら、アナフィラキシーを疑い119番へ連絡してください。のどに違和感が出たり、嘔吐を繰り返してぐったりしたりするときも同様です。皮膚科の診療時間や飲み薬の効き目を待つ状況ではありません。

普通の蕁麻疹や血管性浮腫(クインケ浮腫)による腫れなど、皮膚症状だけの段階なら皮膚科を受診しましょう。呼吸の異常など全身に症状が及ぶアナフィラキシーとは対応が異なります。

数日続く赤みやブツブツは、短時間で消える蕁麻疹と異なる経過です。かぶれでは、皮膚に触れた物と発疹の場所の関係を確かめます。

比較する点蕁麻疹かぶれ
出る場所場所を変えて現れる物が触れた場所が中心
続く時間個々の発疹は通常24時間以内赤みやブツブツが数日続く
主なきっかけ感染や刺激など。原因不明も多い触れた物による刺激やアレルギー

検査は症状と疑う原因に合わせて選ぶ

食べ物などによる蕁麻疹を疑うときは、血液検査(特異的IgE検査)を検討します。View39は食べ物など39項目を採血で調べるアレルギー検査です。原因に応じてプリックテスト(皮膚テスト)も選び、陽性でも症状との関係を問診で判断します。

かぶれ(接触皮膚炎)の種類にはアレルギー性と一次刺激性があり、触れた物や経過が見分けの手がかりです。採血で39項目を調べるView39でも、かぶれの原因すべては分かりません。

飲み薬、処方の見直し、重症例の注射治療という選択肢を階段状に整理した図

一般的な皮膚科では、抗ヒスタミン薬の飲み薬を中心に、症状が出ない状態を目指して治療を組み立てます。効き方だけでなく眠気が仕事や運転に響くかも調整の判断材料です。

飲み薬は眠気と生活に合わせて選択

蕁麻疹に使う抗ヒスタミン薬には眠くなりにくい種類もあり、年齢や仕事、運転の有無を踏まえて選びます。眠気などの副作用には個人差があるため、運転する人は処方時に医師へ伝えましょう。

効き方が足りないときの見直し

処方どおり飲んでも発疹が出る場合は、出る時刻やかゆみの強さ、眠気の有無を診察で共有すると調整に役立ちます。医師が量や種類を見直すため、手元の薬を自己判断で増やしたり重ねたりしない姿勢が大切です。

慢性蕁麻疹で検討する注射治療

抗ヒスタミン薬で十分に抑えられない慢性蕁麻疹の重症例では、注射治療のゾレアが選択肢です。適応や副作用、通院の負担を医師と確認して選ぶ治療であり、誰にでも同じ効果が出るわけではありません。

症状が消えてからの減薬

薬で発疹を抑えている間に見た目が落ち着いても、自己判断で中断すると再び症状が出る場合があります。出ない状態を保ってから医師と相談して段階的に減らし、再発の有無を見ながら調整する方針です。

患部の冷却、肌をこすらない拭き方、爪切り、発疹の撮影をまとめた家庭でのかゆみ対策図

子どもの急性蕁麻疹は、風邪などの感染に伴って出る場合もあり、食物アレルギーとは限りません。家庭で皮膚への刺激を減らす対応は、子どもにも大人にも共通です。

  • 冷やす … 冷たい布を患部に短時間当て、寒さで悪化するなら控える
  • 入浴後 … タオルを軽く押し当てて水分を取り、肌をこすらない
  • 掻き壊し対策 … 爪を短くし、強くこすらない
  • 記録 … 発疹の写真と出た時刻、その前の食事や服薬を残す

登園や登校は全身の体調で判断

登園や登校は、発疹の有無だけでなく発熱などの体調や薬の眠気を見て判断します。子供の急性蕁麻疹では、患部のかゆみで活動に支障がないかも見ます。受診時の指示は園や学校へ伝え、運動や外遊びへの参加を相談しましょう。

数日たっても発疹を繰り返す、かゆみで眠れない、市販の蕁麻疹用の飲み薬で治まらないときは、皮膚科への相談の目安です。唇やまぶたの腫れ、同じ食べ物や薬の後の発疹も受診の対象になります。

発疹が消えていても受診できるので、撮影した写真と使用中の薬が分かるものを持参すると経過を伝えやすくなります。

Q
蕁麻疹の飲み薬は、飲むとすぐに効きますか?
Q
蕁麻疹が出たら食べ物を制限したほうがよいですか?
Q
蕁麻疹には塗り薬を使うのでしょうか?
Q
蕁麻疹がある日は入浴を避けるべきですか?
Q
蕁麻疹の検査で原因が分からない場合もありますか?

大木皮ふ科クリニックは、小田急線相模大野駅北口から徒歩1分の、皮膚科とアレルギー科を診療するクリニックです。皮膚科専門医が常駐し、皮膚科全般の診察に対応しています。

急に起こる蕁麻疹のかゆみや腫れ、赤みにお悩みの方、ご自身の原因に合った治療をご希望の方は、お気軽にご相談ください。

院長 オオキカズオ 大木和
大木皮ふ科クリニック 副院長 大木沙織

院長の大木和は日本皮膚科学会の皮膚科専門医で、虎の門病院で皮膚科学を学んだ後に大木皮ふ科クリニックを開業しました。大学ではステロイドとヘルペスを主に研究し、日本皮膚科学会功労会員でもあります。

副院長の大木沙織は皮膚科医で、日本内科学会の内科専門医と公認心理師の資格を持ちます。順天堂大学卒業後に三井記念病院で研修し、国際医療福祉大学病院で地域医療を学び、他科疾患も総合的に考えた診療が得意分野です。