鏡を見るたびに憂鬱になる顔の赤みや、しつこい痒みに悩み続けていませんか。薬を塗っても繰り返す脂漏性皮膚炎は、実はあなたの「毎日の食事」と「生活習慣」が深く関係しています。
皮脂の過剰分泌をコントロールし、荒れた皮膚を修復するためには、体の内側からのケアが必要です。
この記事では、脂漏性皮膚炎の改善に役立つビタミンB群の働きや、逆に症状を悪化させてしまう食べ物について詳しく解説します。今日から始められる具体的な食生活の改善策を取り入れ、健やかな肌を取り戻しましょう。
なぜ毎日の食事が脂漏性皮膚炎の赤みや痒みに直結するのでしょうか?
食べたものは消化吸収されて血液となり、肌を作る材料そのものになります。薬はあくまで「火消し」であり、炎症の火種となりうる食生活を根本から変えなければ、症状の再発を永遠に繰り返すことになります。
食べたものが血液の質を変えて炎症のスイッチを押す
多くの人が皮膚科で処方された薬を使用していますが、それだけでは根本的な解決に至らないケースが少なくありません。私たちが口にする食べ物は、消化吸収された後、血液となって全身を巡り、最終的に皮膚の細胞を形成する材料となります。
脂漏性皮膚炎は皮脂の分泌異常と、それに伴うマラセチア菌の増殖、そして炎症が主な要因です。この皮脂の「量」と「質」を決定づけているのが、日々の食事内容に他なりません。
摂取する脂質の種類や糖質の量は、皮脂の成分にダイレクトに影響を与えます。例えば、動物性脂肪や酸化した油を多く摂取すると、分泌される皮脂の中にアラキドン酸などの炎症を誘発する物質が増加します。
これにより、普段なら肌を守るはずの皮脂が、逆に肌を刺激する「毒」のような存在へと変わってしまうのです。また、血糖値が急上昇するような食事はインスリンの分泌を促し、それが皮脂腺を刺激して過剰な皮脂分泌を引き起こします。
食事が変われば血液の質が変わり、皮脂の成分も変化します。肌環境を劇的に変える鍵は、毎日の食事選びにあるという事実をまずは認識しましょう。
腸内環境の乱れが肌のバリア機能を内側から破壊する
「肌は内臓を映す鏡」と言われるように、腸内環境の状態は皮膚の健康状態と密接にリンクしています。腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が優勢になると、腸内で有害なガスや毒素が発生します。
これらの有害物質は腸壁から吸収されて血液中に入り込み、全身を巡って皮膚まで到達し、炎症や肌荒れを引き起こします。これを「腸漏れ(リーキーガット)」に近い状態と考える専門家もいます。
特に脂漏性皮膚炎に悩む方は、便秘や下痢を繰り返していることが多く見受けられます。腸内で処理しきれなかった毒素が、皮膚という排泄器官を通じて外に出ようとしているサインかもしれません。
腸内環境を整えることは、栄養素の吸収率を高めることにもつながります。どんなに良いサプリメントを飲んでも、腸が荒れていては正しく吸収されず、効果を発揮できません。
腸をきれいに保つことは、肌のバリア機能を高め、外部刺激に負けない強い肌を作るための土台となります。まずは毎日の便通をチェックすることから始めましょう。
薬を塗っても治らない原因はあなたの食卓にある
ステロイドや抗真菌薬は、今ある炎症や菌の増殖を抑える対症療法として非常に有効です。しかし、そもそも「なぜ炎症が起きやすいのか」「なぜ菌が増えやすい環境になっているのか」という根本原因を取り除かなければ、薬をやめた途端に症状が再発してしまいます。
その根本原因の多くは、あなたの食卓に並ぶメニューの中に隠されています。毎日何気なく食べているその一口が、明日の肌を作っているのです。
例えば、毎日のランチで揚げ物を選んでいませんか。夜遅くにスナック菓子をつまんでいませんか。こうした小さな積み重ねが、体内の炎症レベルを徐々に引き上げています。
食事を見直すことは、遠回りのようでいて、実は最も確実な改善への道筋となります。自分の体を構成する材料を、質の良いものに入れ替えていく作業だと考えてください。
腸と肌の健康状態セルフチェック
- 揚げ物やスナック菓子を週に3回以上食べている
- 甘い炭酸飲料やカフェオレなどを毎日飲んでいる
- 野菜や海藻類を食べる機会がほとんどない
- 便秘気味、または下痢をしやすい状態が続いている
- 食後に強い眠気に襲われることが多い
- 夕食の時間が遅く、寝る直前に食べることがある
- 噛む回数が少なく、早食いの傾向がある
これらに多く当てはまる場合、食生活が脂漏性皮膚炎の治りを遅らせている可能性が高いと言えます。項目を一つずつ減らしていくことが、肌質改善への第一歩となります。
皮脂の過剰分泌を強力に抑えるビタミンB群は肌の救世主です
ビタミンB群、特にB2とB6は「皮脂のコントロール」と「皮膚の再生」に不可欠な栄養素です。これらが不足すると直ちに肌トラブルに直結するため、毎日の食事で意識的に補給し続ける必要があります。
ビタミンB2は脂質の代謝を加速させてベタつきを防ぐ
ビタミンB2は「美容のビタミン」とも呼ばれ、脂質の代謝を促進する極めて重要な働きがあります。食事から摂った脂質をスムーズにエネルギーへと変換し、体内に余分な脂質が溜まるのを防ぎます。
ビタミンB2が不足すると、脂質の代謝サイクルが滞り、行き場を失った脂質が皮脂として過剰に分泌されてしまいます。これが、Tゾーンや小鼻のベタつき、そして脂漏性皮膚炎特有の脂っぽいフケの直接的な原因となります。
また、ビタミンB2は「過酸化脂質」という有害な脂質の分解も助けます。過酸化脂質は皮膚の細胞を傷つけ、炎症を悪化させる厄介な物質です。これを無害化することで、肌の赤みや炎症の広がりを抑える効果が期待できます。
さらに、ビタミンB2は粘膜を保護する働きもあります。肌だけでなく、口内炎ができやすい、目が充血しやすいといった症状がある場合、慢性的なビタミンB2不足の可能性が高いでしょう。
ビタミンB6はタンパク質の再合成を促し健康な皮膚を作る
ビタミンB6は、タンパク質の代謝に深く関わり、皮膚や髪の毛、爪などの細胞を作るサポートをします。私たちの皮膚はタンパク質でできており、常にターンオーバー(新陳代謝)を繰り返しています。
脂漏性皮膚炎によって荒れてしまった皮膚を修復し、新しく健康な皮膚を作り出すためには、ビタミンB6の酵素としての働きが欠かせません。古い角質が剥がれ落ち、新しい皮膚が生まれるサイクルを正常化します。
さらに、ビタミンB6にはホルモンバランスを整える作用もあります。月経前やストレス時にニキビや肌荒れが悪化しやすいのは、ホルモンの影響を受けやすいためですが、B6はこれを緩和する手助けをします。
B2と一緒に摂ることで、お互いの働きを助け合い、相乗効果を発揮します。どちらか一方だけでなく、ビタミンB群としてまとめて摂取することが、効率よく肌環境を整えるコツです。
効率よく摂取するために推奨される食材の最強の組み合わせ
ビタミンB群は水溶性ビタミンであり、体に長時間蓄えておくことができません。一度に大量に摂っても、数時間後には尿として排出されてしまいます。そのため、「毎食こまめに摂取する」ことが大切です。
特定の食材ばかりを食べるのではなく、動物性食品と植物性食品をバランスよく組み合わせることで、吸収率を高めることができます。また、腸内細菌によって合成される分もあるため、腸活も同時に行うとより効果的です。
ビタミンB2・B6を多く含む推奨食材一覧
| 栄養素 | 主な食材 | 摂取のポイント |
|---|---|---|
| ビタミンB2 | 豚レバー、牛レバー、鶏レバー、うなぎ、納豆、卵、乳製品(牛乳・ヨーグルト)、アーモンド | 熱には比較的強いですが、光に弱い性質があります。食材は冷暗所で保存しましょう。レバーは含有量が圧倒的ですが、摂りすぎに注意し週1回程度が目安です。 |
| ビタミンB6 | カツオ、マグロ、サケ、鶏ささみ、鶏胸肉、バナナ、サツマイモ、玄米 | 冷凍食品や加工食品では含有量が減少していることがあります。できるだけ新鮮な食材を選びましょう。タンパク質と一緒に摂ることで効果を発揮します。 |
| 調理のコツ | スープ、味噌汁、ホイル焼き、蒸し料理 | 水溶性のため、茹でると煮汁に栄養が溶け出してしまいます。汁ごと飲めるスープにするか、蒸すことで栄養を逃さず摂取できます。 |
毎日の食事に納豆を一パック追加する、白米を玄米や雑穀米に変える、おやつにバナナを選ぶといった小さな積み重ねが、ビタミンB群の安定的な供給につながります。
脂漏性皮膚炎を悪化させる「食べてはいけないもの」が存在します
良いものを食べる以上に重要なのが、炎症の引き金となる「悪い食べ物」を断つことです。糖質、酸化した油、アルコールは、食べた直後から皮脂の質を悪化させ、激しい痒みを引き起こす最大の要因となります。
糖質の過剰摂取はインスリンを暴走させ皮脂を激増させる
甘いお菓子や清涼飲料水、精製された炭水化物(白米、白いパン、ラーメンなど)を摂りすぎると、血糖値が急激に上昇します。これを下げるために膵臓から「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。
問題は、このインスリンが皮脂腺の受容体に働きかけ、皮脂の合成を強力にプッシュしてしまうことです。さらに、インスリン様成長因子(IGF-1)の分泌も促し、これが男性ホルモンの働きを活発にして、さらに皮脂量を増やします。
また、余分な糖質は体内のタンパク質と結びついて「糖化」を起こし、AGEs(終末糖化産物)を作り出します。AGEsは皮膚の組織を硬くし、炎症を慢性化させる原因となります。黄ぐすみや肌のごわつきも、この糖化が関与しています。
「甘いものを食べると翌日必ず肌が荒れる」と感じているなら、それは気のせいではありません。糖質は肌にとって、直接的な皮脂の原料となり、炎症の燃料となってしまうのです。
酸化した油やトランス脂肪酸は炎症の火に油を注ぐ行為
脂質には「良い油」と「悪い油」があります。特に避けるべきなのは、時間が経過して酸化した揚げ物、スナック菓子、インスタントラーメン、そしてマーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸です。
これらの油は体内で「アラキドン酸」などの炎症物質の生成を促進し、痒みや赤みを増幅させます。また、細胞膜の材料として使われると、細胞膜が硬くなり、栄養の取り込みや老廃物の排出がスムーズにいかなくなります。
コンビニのホットスナックやファストフードの揚げ物は、油が長時間加熱され続けているため、過酸化脂質が大量に含まれている可能性があります。これらは脂漏性皮膚炎の人にとって、まさに「毒」と言っても過言ではありません。
自宅での調理でも、開封してから時間が経った油は使わないようにしましょう。油は光や酸素に触れるとすぐに劣化します。新鮮な油を使うか、そもそも油を使わない調理法を選ぶことが賢明です。
アルコールや香辛料が痒みを増幅させるメカニズム
アルコールは肝臓で分解される際、アセトアルデヒドという毒性物質に変わります。これを無毒化するために、肝臓は大量のビタミンB群(特にナイアシンやB1)を消費します。
ただでさえ皮膚の修復に必要なビタミンB群が、アルコールの処理のために浪費されてしまうのです。その結果、肌の修復が追いつかず、炎症が長引くことになります。
また、アルコールや極端に辛い香辛料(唐辛子など)は、毛細血管を急激に拡張させます。血流が一気に良くなることで皮膚の温度が上昇し、これが神経を刺激して「我慢できないほどの強い痒み」を引き起こします。
痒くて掻いてしまうと、皮膚のバリア機能が物理的に破壊され、そこから雑菌が入り込んでさらに症状が悪化するという「イッチ・スクラッチ・サイクル(痒みと掻破の悪循環)」に陥ります。
症状を悪化させる可能性が高い食品カテゴリー
| カテゴリー | 具体的な食品例 | 肌への悪影響 |
|---|---|---|
| 高GI食品(糖質) | ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、甘い炭酸飲料、菓子パン、白砂糖 | インスリン分泌による皮脂腺の刺激、糖化による炎症の慢性化を招きます。 |
| 悪い脂質 | ポテトチップス、ドーナツ、フライドポテト、コロッケ、カップ麺、マーガリン | 酸化した油が体内で炎症物質を作り出し、細胞を傷つけます。トランス脂肪酸は解毒が困難です。 |
| 刺激物・嗜好品 | ビール、日本酒などのアルコール全般、激辛カレー、唐辛子料理、過剰なカフェイン | ビタミンB群の浪費、血管拡張による痒みの増強、睡眠の質の低下を引き起こします。 |
これらの食品を「一生食べてはいけない」わけではありませんが、症状が強く出ている間は徹底して控えることが、早期回復への近道となります。
ビタミンB群以外にも肌の再生に必要不可欠な栄養素たち
肌の再生はチームプレーで行われます。ビタミンB群を司令塔とし、亜鉛が細胞を作り、ビタミンCが守りを固め、食物繊維が毒素を出す。この連携が取れて初めて、トラブルのない強靭な肌が生まれます。
亜鉛は新しい皮膚細胞を生み出すための必須ミネラル
亜鉛は、細胞分裂やタンパク質の合成に必須のミネラルです。皮膚のターンオーバーが正常に行われるためには、酵素の構成成分として亜鉛が十分に存在する必要があります。
脂漏性皮膚炎でダメージを受けた皮膚が新しく生まれ変わる際、亜鉛不足だと不完全で脆い細胞しか作られません。その結果、バリア機能が弱く、少しの刺激ですぐに炎症を起こす肌になってしまいます。
また、亜鉛には直接的な抗炎症作用や、ビタミンAの代謝を助ける働きもあり、皮膚の健康維持には欠かせません。現代人は加工食品のリン酸塩が亜鉛の吸収を阻害するため、慢性的に不足しがちです。
亜鉛は体内で生成できないため、食事から摂るしかありません。牡蠣や牛肉などの動物性食品に含まれる亜鉛は吸収率が高いため、積極的にメニューに取り入れましょう。
ビタミンCはコラーゲンを生成し血管を強く保つ
ビタミンCと言えば美白のイメージが強いですが、脂漏性皮膚炎のケアにおいても重要です。まず、強力な抗酸化作用があり、炎症によって発生した活性酸素を除去し、肌のダメージを軽減します。
さらに、皮膚の真皮層にあるコラーゲンの生成を助け、毛細血管を丈夫にする働きがあります。血管が強くなれば、皮膚の隅々まで栄養が行き渡りやすくなります。
ストレスを感じると、抗ストレスホルモンを作るためにビタミンCが大量に消費されます。痒みや見た目のストレスを抱えやすい脂漏性皮膚炎の方は、通常の人よりも多くのビタミンCを必要としています。
ビタミンCは水溶性で、数時間で排出されてしまいます。朝食のフルーツ、昼食のサラダ、夕食の付け合わせなど、毎食少しずつ摂り続けることがポイントです。
食物繊維で腸を整えて体内の毒素を排出する
前述の通り、腸内環境は肌の状態に直結します。食物繊維は、腸内の善玉菌のエサとなり、便のかさを増して排泄を促す「腸の掃除屋」です。
水溶性食物繊維(海藻、オクラなど)は便を柔らかくし、不溶性食物繊維(根菜、きのこなど)は腸を刺激して動きを活発にします。これらをバランスよく摂ることで、腸内に溜まった老廃物を速やかに体外へ排出できます。
腸がきれいになれば、血液中の毒素が減り、肌への悪影響がなくなります。また、血糖値の上昇を緩やかにする働きもあるため、食後のインスリン分泌を抑え、皮脂コントロールにも役立ちます。
肌の再生をサポートするプラスアルファの栄養素
| 栄養素 | 期待できる働き | 多く含む食材 |
|---|---|---|
| 亜鉛 | 細胞分裂の促進、皮膚の修復、抗炎症作用 | 牡蠣(カキ)、牛肉(赤身)、豚レバー、カシューナッツ、ゴマ |
| ビタミンC | 抗酸化作用、コラーゲン生成、ストレス抵抗力の強化 | 赤パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、イチゴ、レモン、小松菜 |
| 食物繊維 | 腸内環境の改善、血糖値上昇の抑制、便秘解消 | 海藻類(わかめ・昆布)、きのこ類、ゴボウ、オクラ、アボカド |
牡蠣や牛肉などの動物性タンパク質には亜鉛が、野菜や果物にはビタミンCと食物繊維が豊富です。これらを組み合わせたサラダや炒め物は、最強のスキンケアメニューとなります。
食べ物だけでなく無意識に行っている生活習慣も見直してください
最高級の食材を食べても、睡眠不足やストレス過多では効果が半減してしまいます。肌は寝ている間に作られ、リラックスしている時に修復されます。ライフスタイル全体を「肌ファースト」に切り替える意識が大切です。
睡眠不足は成長ホルモンを減らし肌の修復を妨げる
睡眠中は、肌の修復を行う「成長ホルモン」が最も多く分泌されるゴールデンタイムです。特に入眠直後の90分間、深いノンレム睡眠に入った時に分泌のピークを迎えます。
睡眠時間が短かったり、就寝時間が不規則だったりすると、成長ホルモンの分泌が低下します。すると、昼間に受けた紫外線や炎症のダメージを修復しきれず、翌日に持ち越してしまいます。
また、睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、交感神経を優位にさせます。常に緊張状態にある体は、男性ホルモンを活発にし、皮脂の分泌を過剰にしてしまいます。
「肌のためには日付が変わる前に寝る」というのは、迷信ではなく医学的な理にかなった行動なのです。寝室の環境を整え、質の高い睡眠を確保することは、どんな美容液よりも効果的です。
ストレスは自律神経を乱して皮脂バランスを崩壊させる
精神的なストレスは、脳にとっての緊急事態です。体はストレスに対抗するために「コルチゾール」などのホルモンを分泌しますが、これと同時に男性ホルモンの分泌も増えてしまいます。
男性ホルモンには皮脂腺を肥大させ、皮脂の産生を促す強力な作用があります。仕事が忙しい時期や悩み事がある時期に、急に顔がベタつきやすくなるのはこのメカニズムによるものです。
さらに、ストレスは血管を収縮させ、血流を悪化させます。肌に必要な酸素や栄養が届かなくなり、ターンオーバーが乱れる原因にもなります。
完全にストレスをゼロにすることは難しいですが、入浴や軽い運動、深呼吸など、自分なりのリラックス方法を見つけることが大切です。その日のストレスをその日のうちにリセットする習慣を持ちましょう。
間違った洗顔や保湿が肌の常在菌トラブルを招く
皮脂が気になるあまり、1日に何度も洗顔したり、洗浄力の強すぎるスクラブ入り洗顔料を使ったりしていませんか。皮脂を根こそぎ取り除くと、肌は「乾燥している」と判断し、防衛本能としてさらに多くの皮脂を分泌しようとします。
これを「乾燥性脂性肌(インナードライ)」と呼びます。また、ゴシゴシ洗いは角質層を傷つけ、肌のバリア機能を物理的に破壊してしまいます。
逆に、脂漏性皮膚炎だからといって保湿を全くしないのも間違いです。水分不足の肌はターンオーバーが正常に働かず、角質が厚くなって毛穴を塞いでしまいます。
適切な洗顔は、たっぷりの泡で優しく汚れを浮かせ、ぬるま湯で洗い流すことです。そして洗顔後は、ノンオイルやセラミド配合の低刺激な保湿剤で、水分と油分のバランスを整えるケアが必要です。
今日から改善すべき生活習慣リスト
- 就寝の1時間前にはスマートフォンやPCの画面を見ないようにする
- シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯に浸かって自律神経を整える
- 洗顔料は十分に泡立て、手が肌に直接触れないように優しく洗う
- 洗顔後のタオルは清潔なものを使い、ゴシゴシ擦らず押さえるように拭く
- 枕カバーやシーツはこまめに洗濯し、顔に触れる寝具を清潔に保つ
- 髪の毛が顔にかからないような髪型にし、整髪料の付着を防ぐ
- 1日1回は深呼吸をして、リラックスする時間を作る
これらの習慣は、特別な道具も費用も必要ありません。少しの意識の変化で実践できることばかりです。まずは「枕カバーを毎日変える」「スマホを早めに置く」といった簡単なことから始めてみましょう。
忙しい毎日でも無理なく続けられる皮膚に優しい献立の工夫
自炊が難しくても諦める必要はありません。コンビニや外食でも「選ぶ力」さえあれば、肌に優しい食事は可能です。調理法や食材の組み合わせを少し変えるだけで、摂取する油や糖質の量は劇的に変わります。
コンビニエンスストアでも選べる肌に良いメニューの選び方
最近のコンビニエンスストアは、健康志向の食品が充実しています。お弁当コーナーで揚げ物たっぷりの「幕の内弁当」や「カツ丼」を選ぶのではなく、単品を組み合わせるスタイルがおすすめです。
例えば、主食にはおにぎり(できれば大麦入りや海苔付き)、主菜にはサラダチキンや焼き魚、副菜には海藻サラダやひじきの煮物、冷奴などを選びます。
飲み物はジュースではなく、お茶や無糖の炭酸水を選びましょう。また、レジ横のホットスナックコーナーの誘惑に負けず、おでん(大根、こんにゃく、卵)を選ぶのも賢い選択です。
成分表示を見て、脂質が多すぎないか、炭水化物の量が適正かを確認する癖をつけると、自然と肌に良い商品を選べるようになります。
揚げ物を避けて「蒸す・煮る」調理法を取り入れる
同じ食材でも、調理法によって肌への影響は大きく変わります。例えば、鶏肉を食べる場合、「唐揚げ」にすると衣の糖質と酸化した油を同時に摂取することになり、カロリーも大幅に増えます。
しかし、これを「蒸し鶏」や「水炊き」「バンバンジー」にすれば、余分な脂を落としつつ、良質なタンパク質とビタミンを摂取できます。蒸すことで食材が柔らかくなり、消化にも良くなります。
焼く場合も、フライパンに油をたっぷりひくのではなく、グリルで焼く、あるいはアルミホイルで包んでオーブンで焼くといった工夫で、油の摂取量を大幅に減らせます。
調理法を「揚げる・炒める」から「蒸す・煮る・茹でる」にシフトするだけで、摂取するAGEs(老化物質)を減らし、皮脂の質をサラサラに変えることができます。
おやつをナッツやフルーツに変えるだけで肌は劇的に変わる
口寂しい時に食べるおやつも、肌を作る材料になります。スナック菓子や甘いクッキーの代わりに、素焼きのアーモンドやクルミを選んでみましょう。
ナッツ類には良質な脂質やビタミンE、亜鉛が含まれています。噛み応えがあるため満腹感も得やすく、血糖値の急上昇も防げます(ただしカロリーは高いので、1日10粒程度に留めましょう)。
甘いものが欲しい時は、ビタミンCや食物繊維が摂れる果物や、脂質の少ない和菓子、カカオ含有量70%以上のダークチョコレートを少量選びます。
おやつを単なる「快楽」のためではなく、「不足しがちな栄養を補給するチャンス」と捉え直すことが大切です。その一口が、肌を治す薬になるか、毒になるかを決めるのです。
シーン別:肌に優しいメニュー選択例
| シーン | おすすめのメニュー選択 | 避けたほうがよいメニュー |
|---|---|---|
| コンビニ昼食 | 鮭おにぎり、豚汁、海藻サラダ、ゆで卵、サラダチキン | カツ丼弁当、カップ焼きそば、菓子パン、フランクフルト |
| 定食屋・外食 | 焼き魚定食、刺身定食、レバニラ炒め定食(油少なめ)、鍋料理 | 天丼、ミックスフライ定食、ラーメンライス、ハンバーガーセット |
| 居酒屋 | 枝豆、冷奴、焼き鳥(塩)、だし巻き卵、刺身盛り合わせ | フライドポテト、唐揚げ、ピザ、締めのアイスクリーム、甘いカクテル |
外食時でも、メニューの選び方一つで肌への負担は大きく減らせます。「油が少ないもの」「野菜や海藻がついているもの」「原形をとどめている食材(加工度が低いもの)」を基準に選んでみてください。
食事だけで補えない栄養はサプリメントを活用しても良いのか?
理想は食事からの摂取ですが、現代生活では完璧を求めるあまりストレスになることもあります。サプリメントは「食事の代わり」にはなりませんが、「強力な助っ人」としては有効です。正しい付き合い方を知りましょう。
基本は食事から摂ることが吸収率を高める近道
食品には、特定のビタミンだけでなく、様々な微量栄養素が含まれており、それらが複雑に関わり合って吸収率を高めています。これを「食品マトリックス」と呼びます。
例えば、サプリメントでビタミンB2単体だけを大量に摂るよりも、レバーや納豆といった食品から摂るほうが、タンパク質やミネラルとの相乗効果で体内で有効に働きます。
また、よく噛んで食べるという行為自体が消化液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にして吸収の準備を整えます。サプリメントは精製された成分であるため、このプロセスが省略されてしまいます。
まずは食事でベースを作り、どうしても不足する分や、消耗が激しい時期にサプリメントで補うというスタンスが大切です。「食事8割、サプリ2割」のバランスを意識しましょう。
マルチビタミンを選ぶ際に確認すべき含有量の目安と選び方
ドラッグストアには多種多様なサプリメントが並んでいますが、脂漏性皮膚炎の方が選ぶべきは、ビタミンB群がバランスよく配合された「ビタミンBミックス」です。
さらに、亜鉛やビタミンCも含まれた「マルチビタミン&ミネラル」もおすすめです。選ぶ際のポイントは、裏面の成分表示を必ず確認することです。
安価なサプリメントの中には、添加物や増量剤が多く、肝心の有効成分が極微量しか含まれていないものもあります。信頼できるメーカーのものを選び、合成着色料や保存料が含まれていないかをチェックしましょう。
また、水溶性ビタミンはすぐに排出されるため、体内でゆっくり溶ける「タイムリリース加工(徐放性)」が施されたものを選ぶと、血中濃度を長く維持できるため効果的です。
サプリメントに頼りすぎず補助的な役割として賢く使う
「サプリメントを飲んでいるから、ラーメンやケーキを食べてもチャラになる」と考えるのは大きな間違いです。悪い食事が引き起こす炎症や皮脂過剰は、サプリメントの力だけで打ち消せるものではありません。
むしろ、乱れた食生活の中でサプリメントを過剰摂取すると、肝臓に負担をかけたり、特定の栄養素の過剰症を招いたりするリスクもあります。
サプリメントは、正しい食生活という土台があって初めて効果を発揮するブースター(加速装置)であると考えてください。まずは冷蔵庫の中身を見直し、その上でサプリメントを賢く取り入れましょう。
よくある質問
- Q脂漏性皮膚炎に対するビタミンB群の具体的な効果は何ですか?
- A
脂漏性皮膚炎に対するビタミンB群の主な効果は、過剰な皮脂分泌のコントロールと皮膚のターンオーバー正常化です。特にビタミンB2は脂質の代謝を助けて皮脂の質と量を調整し、ビタミンB6はタンパク質の合成を促して健康な皮膚の生成を助けます。これらが不足すると皮脂が酸化しやすくなり、炎症が悪化する原因となります。
- Q脂漏性皮膚炎にコーヒーやカフェインは悪影響を与えますか?
- A
適量であれば問題ありませんが、飲みすぎると脂漏性皮膚炎に悪影響を与える可能性があります。カフェインには利尿作用があり、水溶性であるビタミンB群やビタミンCを尿と一緒に排出させてしまう恐れがあるためです。
また、過剰摂取による交感神経の興奮は皮脂分泌を促すことがあります。1日1〜2杯程度に留め、空腹時を避けるなどの工夫をおすすめします。
- Q脂漏性皮膚炎の赤みや痒みを食事ですぐに消すことはできますか?
- A
食事療法は即効性のある薬とは異なり、効果を実感するまでに時間がかかります。皮膚のターンオーバーには約28日〜数ヶ月かかるため、食生活を変えてから肌質が変わるまでには最低でも1ヶ月、通常は3ヶ月程度の継続が必要です。
しかし、「悪化させる食べ物(糖質・悪い油)」をやめることによる痒みの軽減は、比較的早い段階(数日〜1週間)で実感できることが多いです。
- Q脂漏性皮膚炎の人がヨーグルトなどの乳製品を摂っても大丈夫ですか?
- A
基本的には問題ありません。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は腸内環境を整えるため、脂漏性皮膚炎の改善に役立つ側面があります。
ただし、乳脂肪分が多いものは皮脂を増やす原因になることがあるため、低脂肪や無脂肪のものを選ぶと安心です。また、砂糖がたっぷり入った甘いヨーグルトは糖質の摂りすぎになるため、無糖(プレーン)を選びましょう。
- Q脂漏性皮膚炎の改善にはどのような調理油を使えばよいですか?
- A
炎症を抑える効果が期待できるオメガ3系脂肪酸を含む「アマニ油」や「エゴマ油」が推奨されますが、これらは熱に弱いため、加熱せずドレッシングなどで生摂取してください。
加熱調理には、酸化に強くオレイン酸を多く含む「オリーブオイル」や「米油」が適しています。逆に、サラダ油やコーン油などのオメガ6系脂肪酸(リノール酸)が多い油は、摂りすぎると炎症を促進するため控えめにしましょう。
