長くなっちゃったので必要なとこだけコピペしてください。

初診時(特に飛び込み系)の問診と鑑別診断から決まる初期対応

問診のみでもかなりの鑑別が絞り込めます。早期からその方法を身に着けると便利です。

まず症状に関してはOPQRST

補足

Onset発症機転(いつからか。突然発症/急性/亜急性/慢性など)

Palliative/Provoke寛解・増悪因子(どんな時に症状が変化するか)

Quality/Quantity性状・強さ(症状の表現。痛みなら、ちくちくする・しびれるなど)

Region/ Radiation/ Related symptoms部位・放散痛・随伴症状(咽頭痛と流涙を伴うなど)

Severity深刻さ(例えば救急車で来た、自家用車で運転してきたなど。受診のきっかけも)

Time course時系列

そして必ず知らなくてはいけないのは、患者さんの基本情報、AMPLE。

補足

Allergyアレルギー

Medication内服薬

Past history/Pregnancy 既往歴/妊娠(生理)

Last meal 最後の食事

Event/Environment. 出来事/環境

(生活環境・周辺流行・職業・嗜好など・・鑑別次第でたくさん)

まずはこれらを図にしてみましょう。

O:急性発症の

P:食事で増悪する・排便でやや改善する

Q:おなかの奥が鋭く痛い。

R:心窩部→右下腹部に移動。発熱を伴う。下痢を伴わない。

S:夜間に救急受診。親の運転で来た。

T: 自然経過で増悪寛解を繰り返していたが良くなった直後に増悪

の一例です。(わかりやすいように鑑別・加療に有用な情報のみ記載)

opqrst 鑑別診断

さて、これだけでも鑑別は絞れます(この例はあからさま過ぎますが)。

O:まず聞くこと「いつからですか」(onset)。今回は急性です。ざっと分けると以下の通り。

補足

・突然(何時何分ってレベル。破れたり詰まったりと物理的な何かが起こるとこうなる)

・急性(何時間単位。感染症や特定の物質、環境によるもの。)

・亜急性(何日~何週間単位。マイルドな↑。)

・慢性(一か月以上。がん、自己免疫疾患、変性疾患、先天性、特殊な感染症など。)

P:例えば消化管由来の場合は食事によって増悪・排便排ガスによって改善します。これは、消化管の痛みが「消化管の内圧上昇によって生じる」からです。逆にこれに寄らない場合は消化管ではない可能性があります。

Q:最初はロキソニンでやり過ごす程度だったようです。

逆に発熱や疼痛がロキソニンでマスクされていた可能性が高いです。

痛みの性状も鑑別に有用です。チクチク→表面の痛み?しびれるような→神経性?圧迫されるような→虚血性心疾患?避けるような、説明がつかない→血管系?

といったように。

R:場所に関しては、その位置に存在する臓器をリストアップしましょう。

腹部なら皮膚・皮下組織・神経・腹膜・腸管・血管・腎臓・尿管といったように網羅的に。

腹部=臓器とは限りません。

痛みの部分を図示すると、神経や血管の走行に一致しているかも?

S:どのくらい深刻か。夜中にわざわざ救急受診するほどなのか。もしくは、近所に用事があったついでなのかでも鑑別は変わりますね。この人はよほど深刻であった様子。

また、受診のきっかけを直接聞くことも大事です。

同居人に指摘された?実は話していない、思い当たる節がある?

T:増悪寛解を繰り返していました。

消化管の場合は蠕動とともに疼痛を生じますので増悪寛解を繰り返します。

また、発熱も稽留熱でない限り、高い時間とそうでない時間が。

マラリアは「何日に一度」という発熱をすることで有名ですね。

鑑別ごとにVINDICATE-P

そして出た鑑別を大まかに原因別に分類します。

VINDICATE-Pを使うと漏れなく分別できます。

補足

Vascular(血管系)

Infection(感染症)

Neoplasm (良性・悪性新生物)

Degenerative(変性疾患)

Intoxication(薬物・毒物中毒)Iatrogenic(医原性)Idiopathic(特発性)

Congenital(先天性)

Autoimmune(自己免疫・膠原病)

Trauma(外傷)

Psychogenic(精神・心因性)/Pregnancy(妊娠)

これらはそれぞれ発症時期によって分類できます。

Vascular(血管系、というか管の物理的な障害):突然発症のことが多い

逆に突然発症=物理的な所以。管が裂ける、詰まるなど。

Infection(感染症):急性発症のことが多い。ただし結核など慢性の経過を辿るものもある。

Neoplasm (良性・悪性新生物):亜急性・慢性の経過が多い。

オンコロジーエマージェンシー(腫瘍に伴う緊急事態:出血、梗塞、感染などは別)

Degenerative(変性疾患):慢性の経過が多い

Intoxication(薬物・毒物中毒)Iatrogenic(医原性)Idiopathic(特発性):どれもあり得る。エピソード聴取が大切。

Congenital(先天性):だいたいは慢性ですが、気が付かれないだけである日突然発見されることも少なくない。成人してから発見されることも。

Autoimmune(自己免疫・膠原病):亜急性・慢性の経過を辿ることが多いですが、クリーゼなど急性発症もあり得る。急性であるほど緊急事態。

Trauma(外傷):突然発症が多いですが、亜急性の経過を辿ることもあります(慢性硬膜下血腫や血胸などは時間をかけて形成され、とくに抗血栓薬には注意)。

Psychogenic(精神・心因性)/Pregnancy(妊娠):除外診断。心因性は最後、妊娠は最初。

特に経験の少ない症例(変性疾患や自己免疫性疾患など)は疑わないと検査をすることすらできません。いずれも予後を大変左右するので、しっかり鑑別しましょう。

鑑別をもとに診察や検査、特に急ぐやつは即効で対応を

問診だけで絞れるだけ鑑別診断を絞ったら「急ぐやつ」「急がないけど検査いろいろ必要なやつ」「特殊技が必要なやつ」「あとまわしでいいやつ」に分類します。

余裕があればそれを絞り込めるような診察・検査。検査に出すのは頻度の高いものからになりますが、同時に緊急度/重症度も判断基準です。いらない診察はうざいどころか害になるかもしれないのでしない。

ここで大事なのは、急ぐやつは本気で急ぐのでたらたら検査待ってないでしかるべき人呼んでください。

どっかで見たネタなんですが、

補足

「急ぐというのは」

産科・耳鼻科 秒単位
救急・循環器・脳内 分単位
外科・消内 時間単位
血内 日単位
病理 週単位(ゲフ除く)

です。

産科の場合は皆さんかかわることないんですが(気になる方はコウノドリ見てください)救急はもれなくかかわるんでお願いします。

検査結果待ってる間にどんどん細胞死んでくので、確定診断する前に怪しかったら即効でしかるべきところに連絡してください。

めっちゃ吐血してるならHb取ったところでどうせ正常なので(はやすぎて見えなーい)消化器call。

MIっぽかったら循環器call(STは上がっても上がってなくてもMIはMIだし、悠長にトロポニン待ってないでください、エコーするにしても呼んでから)。

卒中っぽかったらCT→梗塞なら即効でMRI(DWI+ADCmap+ FLAIR+MRA+T2*、その他はゆっくり)。

慣れてる人やデュフフの脳神経好きは出血か梗塞かはパッと見所見だけでどっちかわかるので、出血らしくなければ即MRIぶち込んでください(early CT signにらめっこするよりDWIとFLAIRとって治療適応かどうか早く確認)。

呼ぶ人は卒中班があるならそれ、脳内と脳外で別れてるならどっちかわかった段階でcall。

補足

おまけ デュフフの人の考え方

1 どっちにしても急ぐことは血圧下げることだから即効でルート採血(tPAも考えてアミラーゼも入れてね)→ニカルジピン(急ぐときは原液でいいよ)

2 出血だとしたらとりあえず血圧はめちゃ高いはず。好発部位は視床、被殻、小脳、橋だからそれぞれ出血した時の症状は出血範囲に応じてだいたい決まってくる。

特に運動と感覚どっちも麻痺ってたらまず出血だし、瞳孔の大きさや位置もポイント。出血の場合血圧さえ下げてしまえばあとはopeするかしないか。

しないケースの方がほとんどだから梗塞と間違えてMRIに入れてもいいや。ope適応になるようなよほどのものならMRIでもわかるし。

3 デュフ!DWIで梗塞を見つけたでござる!ここで脳内call!(※院内発症でぶち込むの早すぎたら光んないかも、そういうときは初期対応してる間にすぐ脳内call)。

FLAIRで光ってないということはtPA適応内!すぐ卒中対応できる施設か卒中ネットワークに連絡でござる!(キリッ)FLAIRで光っててもなんか臨床症状より軽かったら細胞死進行なう。

だから血管内治療の適応!血管内治療できるネットワークに連絡でござる!(拙者ならどんどん治療適応時間が拡大しているの知っているのですよ、デュフフフフ)

オッカムとヒッカムと矢野先生のテレビ出演

さて、それらのどれが該当するかという話になりますが、オッカムのカミソリ/ヒッカムの格言という言葉があります。

オッカムのカミソリ:あらゆる事象を一元的に説明できる(カミソリで一気に刈り取る)

ヒッカムの格言:あらゆる症状がそれぞれ別の所以による

リスク因子のない人は、一度にたくさんのことが生じることはまれですのでオッカムのカミソリで刈り取れることが多いです。

一方リスク因子がある(高齢、生活習慣が悪いなど)場合はヒッカムの言うようにたくさんのことが同時に併存しがちです。

厳密にはヒッカムもオッカムのように一元的に説明できるかもしれませんが、まずはどちららしいかを考えると良いでしょう。

ちなみにこの話はかつて総合診療科の臨床推論(今はなき成田の大平先生がやってたやつ)が流行った頃にドクターGというNHKがやってた鑑別診断番組(!?)がありました。

当時水戸総にいた矢野晴美先生の回で登場。気になる方は矢野先生に↓見たぁぁぁぁい!と言ってください。

https://blog.goo.ne.jp/hgomi1/e/6e753fec29cc394d58d413bdda7d3251

入院が入ったら

入院決定を入れる(外来担当医がしてるかも)

食事オーダーはあとからでも変えられるので適当で。消化器内科の緊急入院はだいたい絶食ですけど。エネルギー量は体重が出ないと正確には出せないのでおおまかで大丈夫。

補足

食事について:合併症に応じて食事制限を(高血圧、心臓病、腎臓病→塩分制限、DM→エネルギー制限、腎不全、肝硬変→蛋白、塩分制限など)。栄養についてわからないことがあったら栄養科と相談してください。


基本指示を入れる

補足

他人のセットを鵜呑みにしないこと!患者によって適応は異なる。
最初は大変でも一つ一つ入れて、自分のセットを作るほうが安全。
病棟の状況にも左右されるため、看護師の話も聞くこと。


安静度(リハビリ時やつきそい時のも含め)、バイタル測定、体重測定、尿測、血糖測定(いつ測るかも)、モニター、飲食(持ち込みも)、清潔(清拭、シャワーなど)。

さらに、外出の有無、酸素指示、DNR、必要時指示など。説明は後述。

検査を確認する(特にルーチンで入れているECG,Xpは必ず読影、オーダー入れた外来医見てない可能性高い)

入院診療計画書を入れる(だいたいでいいです)

常用薬を出す

わからない場合は速やかに地域連携を通して確認を。

絶対に切らしてはいけない薬は切らさないように。

飲めない場合は点滴や胃管・座薬も検討。

以下、一例。

・抗凝固や抗血小板:機械系が詰まると終わる。抗凝固はヘパリン置換も考慮を。中断後再開を忘れて詰まることもあるので注意。

・抗精神病薬・抗パーキンソン薬:悪性症候群。

・ベンゾジアゼピン:離脱。アル中も離脱予防にセルシン投薬を。

・抗けいれん薬:発作が起きる。

・ステロイド:副腎不全。やめるときも少しずつ減らす。最低限PSL5mg(コートリル20mg)ですが、ストレス下(感染とかオペとか)だと必要量上がるので副腎クリーゼにきをつけて!怪しければソル・コーテフiv。

・βブロッカー、利尿剤など心臓系:デコる。

補足

逆にポリファーマシーや古い薬が残っている場合、入院は薬剤整理のチャンスです。変更の余地がないか検討してください。ちなみに秋田先生はベンゾ警察なのでもれなくベンゾは抜くと思います。

多分ベンゾに親でも殺されたんだと思います(新しい・高額な薬の場合他院では出せないことがあるので注意)。


必要に応じてMSW(動くのに時間がかかるため、退院支援が必要そうなら早めに入れる)、リハビリ(高齢者は必須)、栄養指導(食事を作っている人の参加が望ましい)を入れる

補足

心疾患・脳血管・呼吸器疾患がある場合はそれぞれのリハビリオーダーを。高齢者の場合は廃用防止にリハビリが必要だが、実際は治療のためと入力を。

廃用症候群の病名は入院翌日以降に適応なので他の合併症でオーダーが望ましい。病名に「疑い」をつけないこと。がんリハできる病院ならそっちを入れてね。


適宜かかりつけの情報提供をお願いし、正式な文書は時間がかかるので、緊急で聞きたいことはあらかじめ伝える

患者に会いに行く(初見が肝心!まずは名前を名乗ること、笑顔でいること、家族の様子もチェック、会うのが最後になる家族もいるかもしれない)

補足

要注意なのは最初しかいなかった家族と内縁の妻とか夫、途中から現れる遠方の家族(通称カリフォルニアから来た娘、カリフォルニアの人はシカゴから来た娘というらしい)なにが注意なのかは先輩に聞くのだ。


今後の検査や治療方針を考え、オーダーし、1号紙(入院時カルテ)を記載

基本指示の具体例

・安静度:病態に応じて。独歩や姿勢保持が怪しい場合はリハビリの評価を待つのも手。

・バイタル:基本は3検。予定入院や退院待ちなど大きな変動が予想されない場合は下げる。

・尿測について:体液過剰(心不全、腎不全、肝硬変など)脱水など循環動態が不安定な場合に。大変なので必要以上に行わないこと。

・体重について:毎日の測定は尿測と同様。DMの教育入院にも行う。薬物投与量に影響するため週に1回は測ること。

・血糖測定:DMあるいはその疑いがある人に。毎食前+寝る前がいい。スケールは必須ではないが500以上の高血糖及び低血糖指示は入れること。

・モニター:必要なくなったら邪魔なので速やかにやめる。

・飲水:透析患者、心不全など制限が必要な場合は記載。体液管理をしたい場合は飲水量の記載を指示。制限食の場合は飲料の種類の制限(DM→0カロリーなど)。飲水禁止の場合も口を湿らせる程度は許可(状態による)。

・食事:食事指示で構いません

補足

持ち込みについて:入院はストレスが溜まります。制限が必要でなければ許可(制限が必要でも患者が理解できるなら制限の範囲内で許可して構いません)。

食事の内容の管理が必要な場合は記載の指示を。

・外出:特別な理由がない限りは院内にいてもらいましょう。帰ったきり戻らない人もいるかもしれません(脱走、食い逃げ、最悪自殺)。

・酸素指示:up/down指示。3Lまではカヌラ、4-6Lはマスク、それ以上はリザーバー(そうでないとかえって酸素化が低下する)慢性呼吸不全の可能性がある場合はカヌラ3L程度まで。

いきなり酸素需要が増大した場合は診察した方がいいので、適宜Dr callをつけましょう(6L以上でcall、など)。

・Dr call条件:体温何度以上、血圧いくつ以下、など。夜間は不要かどうかも記載すると当直が呼ばれません。

・必要時指示:レスキュー指示など、病院によって名称は異なる。予想されうるトラブルに対する対処を予め決めておくことで、医者が呼ばれる頻度を下げます。

指示に該当した場合、無条件に使用を許可することになるので、指示は慎重に!他人の指示も信用しないこと。禁忌例にセット指示を投与した死亡事故も起きています。

必要時指示の記載例

・必ず入れるもの(当直が呼ばれないように):不眠時、不穏時

・予想される場合(予想されない場合は医者の診察が必要):発熱時、疼痛時、高血圧/低血圧時、頻脈時、嘔気時、血糖指示など

・不眠時:入院中はみんな不眠になる。一時しのぎなのでブロチゾラムやゾルピデムで構いません。点滴の場合はアタラックスP。

ロヒプノール点滴は呼吸が止まるので慎重に扱う必要があります(注意深い観察をし、入眠したら止めるなど)効果がなかった場合は追加投与も許可しましょう。

毎日使う場合はせん妄とかかもしれないし、根本的な対策が必要です。

難しければリエゾンに相談など。あ、うちは無理だ…まあ、秋田先生がなんとかしてくれるでしょ。いや、ベンゾ警察だからだめだ。うーん…それでも山田君よりは秋田先生かあ。

・不穏時(活動性せん妄):高齢者でなくても基礎疾患次第では、誰がせん妄になるかわかりません。特にステロイドパルスしたら間違いなくせん妄起こします(あまりにも不穏になる要素のない人はDr callに)。

内服はハロペリドール液やルーラン(腎不全時)、セルシン(液の方が飲ませやすい)内服困難の場合はシクレスト口腔内に貼り付けるかハロペリドールやセルシンのdiv。

ルート確保困難の場合はセルシンやジプレキサ筋注。合併症によっては上記の薬剤が慎重投与(パーキンソニズム、重症筋無力症など)のため注意。

不穏になる場合は事前の対策が肝心なので、寝る前に抗精神病薬の内服などリエゾンに相談しましょう(あ、これも秋田先生略)。

・発熱時:予想されない発熱は患者さんのやばい度に応じてDr callが必須です。いつcallするかは主治医の気合の入り方で、日中とか土日とか夜間とか書いといてください。皆さんがfirst callになるときはご自由に!

基本的にはクーリング、解熱剤は症状が辛い時のみ使用。内服も点滴もアレルギーがなければアセトアミノフェンを使いましょう(体重あたりの量に注意。基本的には500ml、つまり半量でいい)。

NSAIDsは禁忌が多い(腎不全、肝硬変、NSAIDs喘息、胃潰瘍など)ので無条件に使わないこと。

・疼痛時:発熱時と同様(疼痛時はアセトアミノフェンの容量が異なりますが、看護師さんが混乱するので統一して少量開始が無難)。

ただしアセトアミノフェンの鎮痛効果は少ないので基本どがんと入れるイメージで。適宜NSAIDsやオピオイドも使いましょう。常に疼痛がある場合は鎮痛剤の定時内服を考慮すること。

・便秘時:本当は毎日排便の具合を見てコントロールする方がいいのですが、短期間であれば看護師さんに任せましょう。刺激性(ピコスルファート、センノシドなど)は使い続けると耐性が出て高用量が必要となる。

腎不全の場合マグネシウムは使わないこと。あと大事なことは「夜間はcallしないこと」!!!!!

・頻脈時:まず頻脈の原因を確認すること(sinusであれば原因の治療が必要)。Afなど不整脈の場合はジルチアゼムやワソランなど症例ごとに検討してup/down指示。

血圧が低い場合はショックになるのでオノアクトも検討(循環器に相談)。

・高血圧時:とりあえずの対処ならフランドルやビソノテープの貼り付け。しっかりコントロールしたいときはニカルジピンやジルチアゼム、ニトロールの点滴でup/down指示を(症例によって検討)。

・低血圧時:緊急事態ですのでDr callを。カテコラミンを導入した場合はup/down指示を。

・嘔気時:気持ち悪いときは内服できないのでプリンペラン点滴やナウゼリン座薬を。

・血糖指示:低血糖や500以上の高血糖は症状が出るので測定するなら指示を入れる。(高血糖の場合はDr call)低血糖の場合はブドウ糖投与後に再検し、上昇を確認してもらうこと。

・スケール:頻回にかかるようなら前もって血糖値を下げる治療をすること。スケールは後手。厳密な血糖管理をしたい場合はむしろスケールは邪魔かもしれない。

・しゃっくりが出るとき:コントミンやかきのへた、つるとき→芍薬甘草湯などマイナートラブルも適宜対処を(漢方は甘草:偽性アルドステロン症や麻黄:エフェドリンなど合併症によっては多用厳禁)。

退院するとき

  • 退院決定をする。
  • 次回外来or他院受診を確認。
  • 退院時処方薬を出し、入院中の薬を切る。指示も切る。
  • 退院後再開する薬を忘れないように。
  • 退院療養計画書を書く。
  • 当院外来がある場合は外来担当医への申し送りを。
  • 他院の場合は紹介状を書く(可能な限り郵送が望ましい)。
  • 退院前にICを忘れずに。

ラボデータチェック時

貧血が進んでいる

まずはバイタルと症状を確認。どちらかがまずかったら緊急事態です。

そうでなくても6を下回ったら(心疾患がある人は10を下回ったら)輸血を考慮しましょう。

しかし原因がはっきりしていて、これ以上進行しないと分かっている場合はその限りではありません(若年者だったらあまり輸血したくありませんね)

逆に緊急事態の場合輸血が肝心!すぐクロスマッチ、輸血部call(在庫の兼ね合いもあるため)

緊急事態の場合は無理せず人を呼びましょう。外液をたくさん入れること!

(デコることに躊躇しない。デコはなおせるがショックは死ぬ)

原因が明らかなら該当科のオンコール、分からなければ原因検索(ジギタール、胃液確認、CTは可能なら造影)

ちなみに下部消化管の場合、よほどのことでなければ突然大量出血ということはありません。

・急ぎではない貧血進行

まずは鉄・フェリチン・TIBCを確認。

ありがちなのが「外液をたくさん入れたせいで薄まった」

ヘマトクリットも大きく下がっているはずです。

また、鉄欠乏も良くある話。閉経前なら生理で貧血も多い。

腎臓が悪い人は腎性貧血の可能性もあります。エリスロポエチン確認。

ビタミンB12/葉酸不足も割りといる。大球性にならないこともある。

溶血も考えられるなら、ハプトや脾臓も確認しましょう。

見逃してはいけないのは「慢性的に、しかし明らかに貧血が進んでいる」

この場合癌の可能性もあり、精査が必要です。上下部内視鏡はしましょう。

それ以上の精査は本人と相談して。

どうしても貧血の正体がつかめない場合は、血内に相談してマルクも考慮。

・白血球がたかい

分画確認。個数×パーセンテージで絶対値をそれぞれ確認しましょう。

喫煙やステロイドで上がっている人は多い。ストレスで高めな人も・・

Eosinoが高すぎると臓器障害が出現するため注意。

わけの分からない上がりようは速攻で血液内科相談。

・白血球が低い

やはり個数を確認しましょう。500を下回ったらクリーン対応を。

FN(発熱性好中球減少症)を起こしていないか?各種培養ののちにMEPM+VCM+(MINO)+怪しいなら真菌カバー(必要に応じて要アレンジ)。

原因は?重症感染症、薬剤性、腫瘍性・・

他系統も減少していないか?HemoPhago(血球貪食)の可能性も。

・血小板が高い

血小板も遅れてやってくる炎症反応です。病歴確認。あるあるが鉄欠乏性貧血のせいで一緒に上がってるやつ。

・血小板が低い

ありがちなのが検査上の偽性低値。検査科に確認してください。

基礎疾患によってはDICの可能性も。即座に凝固の検査をしてください。

ヘパリン起因性(HIT)はヘパロックでも起こりうるため薬剤確認を。

肝機能障害はありませんか?PT,コリンエステラーゼなど確認を。

他系統も減っていないか確認してください。

・肝逸脱酵素が高い→もともとどのように推移していた?

新規薬剤がないかを確認(薬剤性が最も多い、この場合やめるとすぐなおる)

鬱血肝、感染症など原病に伴うものではないか?

いつも高いひとはお酒や脂肪肝のせいかも?

どうしてもわからなければエコーを見てみる。

肝機能はどうですか?

・腎機能が悪い→腎前?腎性?腎後?尿を確認。

腎機能悪化に寄与する薬剤はないか?

食事はしっかり食べているか?(水分量は十分か)

エコーで形態や血流の確認をしてもいいかもしれません。

・ミネラルについて:基本は経口補正です。腎臓が正常なら体内で補正されるため、過補正のリスクが少ない。

逆に、原因解明にも尿の所見が有用です。

・Naが低い→急性か慢性かで変わる。以前の値を確認。

ありがちなのがintake不足やSIADH、薬剤性。

尿を確認しよう。

急性でなければ急速な補正は不要。基本は経口補正。

SIADHなら水制限だけで治るが、現疾患の特定をすること。

急ぐ時(症状があるなど)は点滴で補正。30分ー1時間毎に推移の確認と速度変更を!(高くても低くても過補正は脳がとける)

・Naが高い→上記と同様に確認を。補正はやはり頻回に確認を。

・Kが低い→心電図確認。高Kより低Kのほうが死ぬから高Kよりあわててください。

尿をみて、腎臓から出ているかどうかをチェック。

inが足りないか、outが多いか。

アシドーシスを伴う場合も多いので補正はKCl(ケーサプライ。ただし大きいため飲めないひともいる)で。

どうしても無理ならグルコン酸カリウム、アスパラカリウムで。

点滴で補正は最終手段。速度と濃度に注意!

なお、Mgが低くてもKに影響が出るので、一緒に見てもいい。

・Kが高い→心電図確認。やばい波形が出てたら緊急事態。

6を越えると緊急事態と思ってください。

カルチコール(グルコン酸カルシウム)1Aワンショットの上、30分でGI開始(ボトルでもシリンジでもいい)。

ボトルの例:5%glu 500ml+50%glu 40cc(2A)+ヒューマリンR 7単位を30分で落とす。

経口摂取可能ならアーガメートやカリメート投与。

そして原因検索:腎機能は?薬剤は?in-outは?

・Caが高い→薬剤性(投与しすぎ)?あるいは癌性の可能性も。

担がん患者の意識障害の原因として有名。

その場合はゾメタやランマークを使う(顎骨壊死に注意し、可能なら歯科受診を)。

・Pが低い→一番気をつけるべきはre-feeding。下手すると死にます。

急に栄養を入れるときはチェックし、リン酸カリウムを入れましょう。

経口はホスリボン。

・Caが低い、Pが高い→腎機能はどうですか?低い場合は腎内に相談の上カルタンなどで補正が必要です。副甲状腺機能はどうですか?内分泌科に相談しましょう。

・Mgが高い→ありがちなのが、腎機能の悪い人や高齢者に盛られた酸化マグネシウム(やめましょうね)。

患者の訴え

痛い

「他人の痛みは一生痛くない」という言葉を覚えてください。

痛みはコントロールするものです。

まずは疼痛の性状・原因を調べます。

一般的な疼痛はアセトアミノフェン。効かない効かないと皆さん言いますが、解熱doseと鎮痛doseは違うんで。6T3xは最低限。アセトアミノフェン中毒なんかODでもしなきゃたとえ肝硬変でもそうそうなりません。

それでだめなら禁忌(腎不全はもちろん肝不全も)や副作用(胃潰瘍)に注意しながらNSAIDsを(適宜PPI、Pcab併用)。

それでもだめならトラマールを使いましょう。オピオイドではないですが、それに準ずるものです。

持続でワントラムという除放剤もあります(何故かツートラムという1日2回の謎薬もありますが忘れてください)。

副作用もオピオイド同様嘔気や便秘、眠気があります。嘔気は自然に良くなる人も多いです。便秘は適宜対処を。

オピオイド性便秘にはスインプロイクという便秘薬もあります(普通の薬でなんとかなるならそっちのほうが安い)。

便秘

便秘の原因を検索しましょう。癌などの疾患、IBS、薬剤性の可能性もあり。神経因性だとしたらパーキンソンの初期症状とかもあったりする。その場合は嗅覚もやられてます。

「便をやわらかくする」「排便の刺激を与える」「便を輸送する」、それぞれ違う作用があります。

排便刺激の薬(センノシド、ピコスルファート、レシカルボンなど)は耐性を生じやすく、長期間使用ではどんどん量が増えていきます。

やわらかくする薬は酸化マグネシウム(カマ、サンカマ、マグミット)が有名ですが、腎機能が悪い人は排泄遅延が起こり高Mg血症になるため注意。

輸送に関しては最近登場した胆汁酸トランスポーター系が該当します。アミティーザ、リンゼス、グーフィスなどで、既存の薬で対応できなくなった人に良いです。ただし高い。

忘れちゃいけないモビコール。CS前の前処置のあれですあれ、浸透圧。

その他ラクツロース(小児便秘・肝性脳症のみ保険適応)、ふすまなども効果的(ふすまのエビデンスレベルはセンノシドと同じ)。

下痢

とりあえず止める場合はロペミン、フェロベリン。

ただ、感染性の場合は止めちゃだめ。

まずは便の性状を確認(脂肪便?血便?)。

原因がわからない場合は感染性の除外(アメーバなども)、脂肪便の確認、画像的評価、内視鏡(炎症性を疑うなら生検し、こまったらとりあえずやる)。

かゆい

まずは冷やす、かかない。内科的疾患がないか確認(肝臓、腎臓など)。

本来なら皮膚科コンサルが望ましいのですが、臆する理由があるなら※皮膚科的アプローチの項目みてください。

※ご察しください

カルテの書き方

カルテは「伝言板」です。

主には主治医たる自分への伝言ですが、ほかの先生やコメディカルも供覧・参考にするものです。けして独りよがりなカルテにせず、あくまで診療上に有用な情報を記載するものとして扱ってください。

また、カルテは公的文章です。患者さんのほか、警察や裁判所にも開示し証拠となり得るものと自覚してください。

紙カルテならごにょごにょできることも可能性としてなくはないですが、電子カルテだと修正履歴ももれなくバレます。で、本当に診ていないものを書くのは公文書偽造になります。

テンプレートは慣れないうちに使用する、あるいは慣れきったときに使用するのはいいと思いますが、下記に留意してください。

・テンプレートにこだわるあまり記載すべきテンプレート外の情報を漏らさないようにしてください。

・デフォルトをそのまま登録するのもやめてください。たとえデフォルトのままだとしても、記載された時点でカルテ上の事実として残ります。

例えば「聞こえない」とされていた心雑音がある時を境に「聞こえる」と記載されていたら何を疑いますか?

・テンプレートを使用したカルテは一見「過不足ない、きれい」に見えますが、一方で「長く、要点がわからない」側面もあります。ケースバイケースで使い分けてください。

S

患者が話したことを書く。

主観的なことはすべてS。患者家族の訴えもあれば。

可能であれば、どんな仕草・表情であったか、なども書くとよい。

(厳密にはOかもしれないが、Sに付随するということでSのほうが便利)

闇雲に全て書けばいいというものではなく、あくまで鑑別の材料となりそうなもの・患者背景の参考になるもの・患者とのラポール形成に役立つ情報をまとめること。

ここでふざける先生もいますが、カルテは他人に見せるための物なので個人的にはおすすめはしません。警察よりやばい組織にカルテ開示迫られた自分が言うのだから間違いありません。

組織の正体は言ったらわたしが危ないので言えません。

O

客観的な所見をすべて書きます。

片っ端から書けばいいわけではなく、あくまで鑑別や併存問題をあぶり出すのに有用な所見を書いてください。

ただし、鑑別がついていない・問題がたくさんある場合は片っ端から書き尽くして思考を整理するのも有用です。

測っている場合、最低限バイタルは記載してくださいね。体液貯留傾向・DMなど体重管理が必要な人は体重も。また、薬物投与にかんしても体重は知っていたほうがいいです。

食事は食べていますか?排便はありますか?などなど…温度板情報からまずは書きましょう。検査をした場合はその所見も忘れずに。

何を見て書けばいいかわからない場合は、とりあえず頭の先からつま先まで、どんな情報が欲しいかを考えましょう。診察についてはその手の本を参照のこと。

A

まずはプロブレムリストをあげましょう。「#」は 「シャープ」でなく「ナンバー」なので、数字が付いてないと怒る先生もいますが、個人的には並び替えたいので数字なしで書きます。

病名だけでなく、症状や社会的背景など具体的に困っていること(そして、治療・問題解決につながるもの)を書き出します。

略語は使うと怒る人もいますが、カルテが汚くなるなら適宜使ってもいいと個人的には思います。但し上記の通り、カルテは他人へのメッセージなので、わからない略語は避けましょう。

また、同じ略語でも異なる意味を持つものもあるので注意。DM、PD、ASD、MR…きりがないです。

それぞれ糖尿病or皮膚筋炎、パーキンソン病or膵頭十二指腸切除術、心房中隔欠損or自閉症スペクトラム症、僧帽弁閉鎖不全症or知的障害。

補足

例えばこんな感じ。

#HFrEF (EF20%)wet-cold
#Af
#OMI postPCI#9(2020.2.2 当院)
#CKD G3 due to DM
#T2DM 腎症3期,網膜症合併なし,神経合併あり(10年前より)
#両側TKA
#服薬コンプライアンス不良
#独居

一通りあげたら、それぞれのアセスメントを書きます。

プロブレムの下に、それに対し行った主な行為(処置及びその日付、投与中の薬など)を書くと良いです。

その先はアセスメントです。

最初は自分の頭の中で考えていることを書いてください。

どういう理由でどんな思考過程のもと、どういう結論を出してどんな治療方針にするか。

今後は何に気をつけてどうなったらどうするか。

自分の頭の中は自分にしかわかりません。それを、他の人に(あるいはあすの自分に)伝える場です。要するにここが「患者さんに対して行うこと」の肝となります。

もしわからないことがあったら調べたり聞いたりしてください。

補足

#HFrEF (EF20%)

-med メインテート(0.125)2T,スピロノラクトン(25)2T,レニベース(5)1T,ラシックス(20)1T

OMIによる心機能低下が背景にあり、Afによる頻脈によって心不全が増悪した。

メインテートにより現在頻脈は改善している。ラシックスは内服に切り替えたがその後も尿流出は良好。このまま心不全管理を続ける。

DMに対しSGLT2阻害薬を使用し心不全管理を合わせてもいいかもしれないがコンプライアンス悪く、脱水やUTIのリスクが高いと思われる。

P

アセスメントで考えたことをもとに今後行うことを書きます。

スケジュール帳やTodoリストのように、日付とともに羅列すると翌日以降のやり残しがなくて便利です。

補足

4/1 採血,Xp。心エコー結果待ち。MSW相談。4/4 IC予定。

かゆいところに手が届く皮膚科や外傷のはなし

※本当に手が届かない場合はおたまやカレー用スプーンの裏側に薬をつけて塗るといいです。背中に塗る用の孫の手、その名もセヌールを使う。

塗る孫の手 セヌール

ありがちだけど使わないもの

・抗ヒスタミン薬塗り薬(レスタミン)

・オイラックス(疥癬の人にはあり)

なんもないのに痒いという人に出すのはありかもだけど基本かぶれて厄介なことになる。あと炎症抑えられない。

・メントール

かぶれる、論外。

・消毒液や魔法の薬オロナイン

かぶれる、創傷治癒が遷延する。

・いきなりバイオ製剤(〜マブ)

仏の大竹先生やマミたろうからの直電で怒られたくないならやめてください。

・プレドニン軟膏

弱すぎて使い道がない

最初の基本 見る・触る

つるつる→表皮の問題ではない。じんましんとか薬疹。

蚊に刺されたあとみたいなかんじ→じんましん

出たり消えたりする→じんましん

なんもないとこひっかくとそこだけじんましん出る→じんましん

薬疹→でっぱなし

じんましん

ざらざら→表皮の問題。湿疹とか。

押して消える→紅斑。炎症とか血管拡張。

押して消えない→紫斑。あざ。慌ててITPとか鑑別する前にボリボリ掻いてないか確認してください。

皮が剥けてる・丸い輪っか→真菌感染(水虫とかカンジダ)かも。ほんとは鏡検したいけどうちの皮膚科してくれるか怪しいから下記の薬使うのも可。

でも鏡検してくれる医者ならしばかれる。一番いいのは剝けてる皮をつまんでとっとく。イキりたいなら後述。

かび たむし 白癬

毛穴に一致して赤い・ぷっくり、押すと痛い。たまに真ん中が黄色かったり白かったり,

要するにニキビみたいなやつ→毛包炎

小さい水疱→ヘルペスウイルスの場合は多発するよ。1つだけなら違うヤツ(湿疹とか)。

帯状にある水疱→帯状疱疹。たぶんぶつぶつできる前に筋肉とか内臓の痛みあったと思う。

そういう場合お腹に出ると消化器内科受診、肩や腰に出ると整形受診、顔に出来ると頭痛かと思ってどっか受診してる人も多い。

デルマドロームどころじゃない帯状疱疹(汎発疹)→皮膚科に連絡、陰圧室管理!!!

vzv 帯状疱疹 水ぼうそう ヘルペスウイルス たいじょうほうしん

一か所にぶつぶつ水疱→単純疱疹(ヘルペス)。顔にあるか首から下にあるかで1型か2型か変わるけどやることは一緒だよ。性器ヘルペスは性器じゃなくてもできるよ。

HHV1 HHV2 ヒトヘルペスウイルス 口唇ヘルペス 性器ヘルペス ヘルペス こうしんへるぺす せいきへるぺす へるぺす

水ぶくれ→全身:天疱瘡関係(あるあるがDPP4-iの類天疱瘡)足だけ:ノミ。火傷でもなる。

低温やけど

潰瘍→中心ボッコリ。消化器回ってるあなたなら見ればわかるでしょ。低温やけどでもこうなる。 

低温やけど

足の指とかが黒ずんでる→糖尿病なら腐ってるかも。形成外科に相談。

トンネルみたいに入口と出口があって手のひらとかへその周りが変ですごく痒がってる→疥癬かも。あかん。後述。

頭がフケだらけ→脂漏性皮膚炎(湿疹)

痒いのが塊みたいになってる→痒疹

魚の目みたいなのだったりざらざらして盛り上がってる→いぼ。黒い点があったり削って血が出るならあかんやつ。後述。

足にできたウイルスによるいぼでうおのめではない

あきらかにあかんやつ(ぼこっとして血とか膿とか出てる、ミャクミャク様みたいになってる)→がんっぽい

みゃくみゃくさま

悪性黒色腫 基底細胞がん

カビかもしれない皮疹に対してイキりたい人へ

1 皮が向けてたらつまんで取る。じゅくじゅくしてるとこは避ける。

2 皮が向けてなかったら切れないメスか何かで皮膚をこすってポロポロしたやつを取る。取れなかったら多分カビ生えてない。

3 検査科か病理科かに持っていって、プレパラートに乗せてカバーガラスを乗せる

4 KOH液(ズームとか)を横から垂らす

5 ズームならそのまま100倍の顕微鏡で見る。

6 ビーッと長い線があったらかび。なければかびじゃない。

糸状菌 白癬菌

外用薬簡単説明

成分より基材がだいじ。

ローションよりクリーム、クリームより軟膏が強い。

クリームやアンテベートじゃないローションはひりつくことがあるので傷がある場合は使わないほうがいい。

あるあるなやつの対処法

おむつやおしりのかぶれ

皮がむけてないか確認。

剥けてない→ロコイド軟膏+亜鉛華軟膏1対1で混ぜて1日2回塗る

剝けてる、ロコイドでひどくなる→鏡検できないならロコイドクリーム+テルビナフィンとかアスタットとか何採用されてるかわかんないけどカビの薬1対1で混ぜて1日2回

湿疹

顔(こめかみやフェイスラインより前)→キンダベートかアルメタかロコイド1日2回。(弱い順)目の周りでも可。

唇→上記を食事の後と寝る前

陰部→上記

頭→アンテベートローション1日2回。結構広がるので塗りたくらないでください。

その他

・かさかさ

トプシムクリーム+尿素クリーム1対1で混ぜて1日2回

・かたい

マイザー軟膏+サリチル酸ワセリン1対1で1日2回

・きずあり、じゅくじゅく

マイザー軟膏+亜鉛華軟膏1対1で1日2回

手の場合は5〜10回は塗る。

治らなかったら→顔はエクラー軟膏、ほかはデルモベート(最強)

・やばい

塗り薬と一緒にPSL4T分2を3日→2T3日してやめるor禁忌なければネオーラル(血圧気をつける)

じんましん

原因はだいたいストレス。

1 抗ヒスタミン薬なんでも。人によって効くやつ違うから適当に。自分の場合デザレックスかビラノアかルパフィンかアレロック。ルパフィンとアレロックは眠くなる。時間切れで蕁麻疹出るなら1日2回のやつにする。

2 それでもだめならガスター追加

3 それでもだめならビラノア以外倍量にするorほかのにする

4 それでもだめならモンテルカスト追加

5 最終手段はゾレア(300)※マルメのときは使うな!!!

薬疹

1 目とか口の粘膜が無事か見る。だめならうちじゃ手に終えないので自治医とか獨協とかどっか転院。(SjS,TEN。死ぬ。)

2 採血して肝臓平気か調べる。だめなら消化器コンサル。

3 PSL 量は体重とかによるけどだいたい6T分2朝昼とか。なんとかなったらテーパリング。

びらんとか潰瘍とか褥瘡とか

軽いジュクジュク→亜鉛華軟膏とかアズノール

重いジュクジュク→アクトシン

白や黄色いぐじゅぐじゅ(壊死組織や不良肉芽)→できれば取りたいけど面倒だろうからゲーベン

まじであかんやつ→形成外科でデブリ。マゴットセラピーはさすがにしないと思うけど知ってるとネタになる。(グロ注意)

やけど

感覚なかったらあかんやつだから皮膚科へ。あったら最初の2日はデルモベートかアンテベート塗っとく。水ぶくれは破いても破かなくてもいい。ぐじゅぐじゅしてきたら上記。

毛包炎

アクアチムとかゼビアックスとか塗っとく。だめならMINOでも飲ませる。

傷、嚙まれた

・綺麗な傷

消毒「しないで」水で洗ってキズパワーパッド的なやつはっとく。ぐじゅぐじゅになったらやめる。

・汚い傷

消毒「しないで」水で洗って抗生剤(ゲンタシンでも)塗っとく。やばそうならセフェムでも飲ませる。※たまにゲンタシン警察いますけど知らんぷり。

・どっくどっく血が出てる→焼くか縛るかしてナート

・ぱっくりいってる→ステリで寄せれるなら寄せる。だめならテガダームで寄せる(裏技)。・ナートしなきゃ系なら傷跡のこと考えて。

がっちゃんこするとフランケンシュタインみたいになるからいけそうなら手縫いの方がいいよ。顔とか見えるところだと特にセンシティブだからとりあえずテープ系で寄せとく。

次の外来日に形成外科でナートしてもらった方が恨まれない。縫わなきゃいけない場合も傷がくっつく前に形成外科受診を促した方がいい。

フランケンシュタインになってもいいってならナイロンで縫ってください。しわに合わせてなるべく細い糸で縫うといいよ。

・破傷風いそうなツチ的なところの怪我→しっかり洗ったあと、ワクチン接種歴聞いてあかんそうならハトキとかワクチン。迷ったらハトキうっとけ。

・いきものからやられた傷→猫が有名だけど、実は一番死ぬやつは人間の口(緑色連鎖球菌→IE)なんだよなあ。

噛み癖のある人以外にも、喧嘩して口ぶん殴ったら歯でがりっとやったとかもあるよ。しっかり洗ってMINO2週間。

・マダニにかまれた→くっついてたら絶対引きちぎるな(口が残る)。自力でうまいこと口ごと取るのは職人技。お勧めは3mmパンチで皮膚ごとポイ。

皮膚科外来から持ってきてね。ご存じの通りやばい病気持ちがちなのでMINO飲ませてね。

※SFTS(症熱性血小板減少症候群)がいる地域→N95!!!!!!!!!!可能な限りかかわるな!!!!!死ぬよ。詳しくはフラジャイル見て。

・へびにかまれた→ルート採血してマムシ血清あるとこに即連絡。

熊にやられた→可能な限りかかわるな。ついでに場所聞いて今後近づかないように。特に夕方と早朝。

・犬にかまれた→日本なら大丈夫。ほかの国はご察しください。

帯状疱疹

痛み完全に取れるように疼痛管理しないと恨まれるよ。どんなものかは須藤先生に聞いてください。

疼痛管理→禁忌なければロキソニン3T3xからスタート、痛み取れなければカロナール9T3xや8T4x追加やトラマドール検討、とにかく2週間以内に痛みを取る!

手に負えないなら神経ブロックとかも検討。痛みは基本的に温めるとよくなる。治りかけはかゆくなるけど仕方ない。

抗ウイルス薬は基本的に7日間投与。アシクロビル点滴必要なレベルなら皮膚科に任せてください。

腎臓OK→ファムビル6T3x7td NG→アメナリーフ2T1x7td(高いからマルメではやめてほしい)。

単純ヘルペス

飲み薬。早ければ早い方がいいし前兆あったらその時点で薬飲む方がいい。しょっちゅうなる人は月1処方して携帯させること。

なったとき バルトレックス2T2x5td orファムビル3T3x5td。ファムシクロビルはどちらかというとPITのときにこの処方で出すことの方が多い。

PIT(前兆のうちに一気に治す)アメナリーフ6T1x一回orファムビル8T2x12時間おきに2回。ファムビルじゃないとこの処方の仕方は保険通らないのでゾロの場合は注意。

そもそも月あたり出せる量がなったときdoseの方が多いから口で「こう飲んでね」というのがよい。アメナリーフは高いから気をつけろ。

いぼ

あかんやつはHPVなので触ったらすぐ手洗いしないと身体中にうつりますよ。家族にうつったら長いこと恨まれます。退院して外来行けるようになったら皮膚科に通わせてください。

HPV ヒトパピローマウイルス うつるいぼ いぼ ウイルス性いぼ 尋常性疣贅 じんじょうせいゆうぜい

疥癬

すぐ皮膚科連絡して逃げろ(手遅れかも)。

水ぶくれ

類天疱瘡ぽい→抗体はかって皮膚科

そのた→針でつついて破いても可

がんっぽいやつ

皮膚科。癌もないのに花咲いてるやつなら原発巣検索。軽く検査して見つからなさそうなら厄介なのでいろいろ精査する前にそっと手を引いて(絶対に主治医になるな)自治医とかにでも転院。

そのた

ほっとけ。退院してからうちじゃない皮膚科。