オゼンピックとサプリの併用は?不足しがちな栄養を補うおすすめ

オゼンピックとサプリの併用は?不足しがちな栄養を補うおすすめ

オゼンピック(セマグルチド)を使いながらサプリメントを併用すること自体は、多くの場合問題ありません。ただし食欲が大幅に抑えられる分、ビタミンDや鉄分・ビタミンB12など特定の栄養素が不足しやすくなるため、やみくもに飲むのではなく自分の体に合った補給が大切です。

46万人超を対象にした大規模研究では、GLP-1受容体作動薬を使用している方の約2割に何らかの栄養欠乏が見つかっています。カロリーを大きく減らす治療だからこそ、限られた食事量のなかでいかに質の高い栄養を確保するかが体調維持のカギとなります。

この記事では、オゼンピック使用中に不足しがちな栄養素とその補い方、おすすめのサプリメントの種類や選び方、安全に併用するための注意点まで幅広く解説します。正しい知識を身につけて、ダイエット中の体調管理に役立ててください。

目次 Outline

オゼンピック使用中にサプリを併用しても問題ないのか

結論として、オゼンピック使用中でもサプリメントの併用は基本的に可能です。ただし飲み合わせや摂取タイミングに気を配る必要があり、自己判断で始めるよりも主治医に相談してから取り入れるほうが安心でしょう。

オゼンピックが食欲とカロリー摂取に与える影響

オゼンピック(一般名:セマグルチド)はGLP-1受容体作動薬と呼ばれる注射薬で、もともとは2型糖尿病の治療薬として開発されました。脳の食欲中枢に働きかけて空腹感を抑えると同時に、胃の動きをゆるやかにすることで少量の食事でも満足感が続きやすくなります。

大規模臨床試験(STEP 1試験)では、週1回のセマグルチド2.4mg投与と生活習慣の改善を組み合わせた群で、68週間後に平均約14.9%の体重減少が報告されています。この結果はダイエットに悩む方にとって心強い数字ですが、体重が大きく減る裏側では摂取カロリーが激減し、必要な栄養素まで不足するリスクが高まります。

食欲が落ちて食べる量が減ると、ビタミン・ミネラル・タンパク質の摂取量も連動して下がります。薬の効果で体重が順調に減っていても、栄養不足が進むと疲れやすさや肌荒れ、筋力低下といった不調を感じやすくなるため注意が必要です。

サプリとの飲み合わせで気をつけたいポイント

オゼンピックは胃の排出速度を遅くする薬です。そのため、一緒に飲んだサプリメントの吸収タイミングがずれる可能性があります。とくに鉄分やカルシウムのサプリは食事の影響を受けやすく、空腹時に飲むか食後に飲むかで吸収率が大きく変わることがあるでしょう。

脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は食事中の脂質と一緒に吸収されるため、食事量が極端に少ないと十分に体内に取り込めないこともあります。オゼンピック使用中は食事のたびにある程度の脂質を含むおかずを取り入れることで、脂溶性ビタミンの吸収を助けられます。

サプリの種類別・おすすめの摂取タイミング

サプリの種類推奨タイミング理由
マルチビタミン食事中または食後脂溶性ビタミンの吸収向上
鉄分空腹時(胃が弱い方は食後)空腹時のほうが吸収率が高い
プロテイン朝食時・運動後筋タンパク合成を促す

併用を始める前に主治医へ確認すべきこと

サプリメントは法律上「食品」に該当しますが、薬との相互作用がゼロとは限りません。とくに甲状腺疾患のある方や腎機能が低下している方は、特定のミネラルを過剰に摂ると症状を悪化させるおそれがあるため、必ず医師に相談してください。

また、すでにビタミン剤や処方サプリを服用している場合は、市販サプリと成分が重複して過剰摂取になる場合も考えられます。現在飲んでいる薬やサプリの一覧を持参して、主治医や管理栄養士に内容を確認してもらうのが安全な第一歩です。

オゼンピック使用者が特に不足しやすい栄養素

オゼンピック使用中は、ビタミンD・鉄分・ビタミンB12・カルシウム・亜鉛・タンパク質の6つが不足しやすい栄養素です。食欲抑制による摂取量の低下と、胃の動きの変化による吸収効率の低下が重なり、使用期間が長くなるほどリスクは高まります。

栄養素不足の頻度主な影響
ビタミンD12か月で約13.6%が欠乏骨密度低下・免疫力低下
鉄分フェリチン値が26〜30%低下貧血・疲労感
ビタミンB12使用期間に比例して増加神経障害・倦怠感
カルシウム推奨量の60%未満の摂取者が多数骨粗しょう症リスク上昇
亜鉛12か月で有意に低下味覚障害・免疫低下

ビタミンDが6か月で急激に減少するのはなぜ?

約48万人を対象にしたレトロスペクティブ研究では、GLP-1受容体作動薬を使用している成人のビタミンD欠乏率が、6か月時点で7.5%、12か月時点で13.6%に達しました。肥満の方はもともと体脂肪にビタミンDが取り込まれやすく血中濃度が低い傾向がありますが、食事量の減少がさらに拍車をかけます。

ビタミンDは骨の健康だけでなく免疫機能にも関わるため、体重が減って体調は良くなったはずなのに風邪を引きやすくなった、というケースの背景にビタミンD不足が隠れている場合もあるでしょう。日光浴だけでは十分量を確保しにくい季節や生活環境の方は、サプリで補うことが有効な選択肢となります。

ビタミンB12と鉄分が低下するしくみ

ビタミンB12は胃酸の力を借りて食品から遊離し、小腸で体内に吸収されていきます。オゼンピックによって胃の運動が変化すると、B12の遊離と吸収を妨げる可能性があります。日本人の食事から得られるB12は主に魚介類や肉類に含まれますが、食欲低下でこれらの摂取が減れば影響は大きくなります。

鉄分についても同様の傾向がみられます。GLP-1受容体作動薬の使用者は、他の糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)の使用者と比べてフェリチン値が26〜30%低いというデータがあります。鉄分が減ると赤血球の生成が追いつかず、息切れや慢性的なだるさの原因になります。

カルシウム・亜鉛の不足と骨への影響

研究によると、GLP-1受容体作動薬使用者の60%以上がカルシウムと鉄分の推定必要量を下回る食事しか摂れていません。カルシウム不足は骨密度の低下に直結し、とくに閉経後の女性では骨折リスクが高まります。

亜鉛はセマグルチド使用前後で有意に低下したとの報告があり、味覚障害や傷の治りにくさの原因となりえます。カロリーを抑えながらカルシウムと亜鉛の両方を食事だけで十分に摂るのは難しいため、不足分をサプリで補う方法が現実的といえるでしょう。

タンパク質不足が筋肉量減少を招く

体重が大幅に減ると、脂肪だけでなく筋肉(除脂肪体重)も一緒に失われます。STEP 1試験の身体組成サブスタディでは、セマグルチド群の体重減少のうち約40%が除脂肪体重の減少だったと報告されました。筋肉が減ると基礎代謝が落ち、長期的にはリバウンドしやすい体になりかねません。

この筋肉の減少を抑えるために、体重1kgあたり1.2〜1.5gのタンパク質を毎日摂取することが推奨されています。食欲が落ちているなかでこの量を食事だけで達成するのは容易ではなく、プロテインパウダーやタンパク質強化食品を上手に活用することが効果的です。

オゼンピック併用に向いているサプリの種類と選び方

マルチビタミン・ミネラル、ビタミンD、プロテイン、鉄分の4つが、オゼンピック使用者にとって優先度の高いサプリメントです。症状や血液検査の結果に応じて、必要なものから取り入れてください。

マルチビタミン・ミネラルで幅広くカバーする

食事量が全体的に減っている場合、特定のビタミンだけでなく複数の微量栄養素が同時に不足しがちです。マルチビタミン・ミネラルのサプリメントは一度に多くの栄養素を補えるため、まず最初に検討したい選択肢といえるでしょう。

肥満治療の国際的なガイドラインでも、抗肥満薬を使用する患者に対して基本的なマルチビタミン・ミネラルの摂取を推奨する動きが広がっています。選ぶ際はビタミンD・B群・鉄・亜鉛・カルシウムが含まれているかをラベルで確認し、日本人の食事摂取基準に照らして過剰にならない配合量のものを選ぶとよいでしょう。

ビタミンDサプリは用量と形態がカギ

ビタミンDはD2とD3の2種類がありますが、体内での利用効率が高いのはD3です。サプリメントを選ぶときはビタミンD3と表示されたものを優先してください。日本の食事摂取基準では成人の目安量が8.5μg(340IU)ですが、肥満の方や血中濃度が低い方は医師の判断で1000〜2000IU程度が処方されることもあります。

脂溶性ビタミンであるため、少量の脂質を含む食事と一緒に摂取すると吸収率が上がります。食欲がないときでもヨーグルトやナッツなど軽い脂質源と一緒に飲むことで効果を高められます。

ビタミンDサプリの形態と特徴

形態特徴向いている方
錠剤・カプセル高含有量で1日1粒で済む胃腸の調子が安定している方
液体(ドロップ)用量の微調整がしやすい錠剤が飲みにくい方
グミ・チュアブル味つきで続けやすいサプリに抵抗がある方

プロテインパウダーで効率的にタンパク質を補給

固形の肉や魚を食べる気力がないときでも、プロテインパウダーを水や牛乳に溶かせば手軽にタンパク質を摂取できます。ホエイプロテインはロイシン含有量が高く、筋タンパク質の合成を刺激するアミノ酸を効率よく供給してくれます。

1回あたり20〜30gのタンパク質を摂れる製品を選び、朝食や間食に取り入れるのがおすすめです。味つきのプロテインは飲みやすい反面、糖質や人工甘味料が多い場合もあるため、成分表を確認してカロリーと糖質量を把握しておきましょう。

鉄分サプリは飲むタイミングに注意する

鉄分は空腹時に飲んだほうが吸収率が高い一方、胃への刺激が気になる場合は少量の食事と一緒に摂る方法もあります。オゼンピック使用中は吐き気が出やすいため、胃の調子と相談しながらタイミングを調整することが大切です。

カルシウムや食物繊維は鉄の吸収を妨げることが知られています。鉄分サプリとカルシウムサプリを飲む場合は、2時間以上の間隔を空けると相互の吸収への影響を減らせます。反対に、ビタミンCは鉄の吸収を促進するため、オレンジジュースなどと一緒に飲むのも有効な工夫です。

オゼンピックとカロリー管理を両立させる食事の考え方

カロリーを制限しながらも栄養密度の高い食品を優先して食べることが、オゼンピック使用中の食事管理で最も大切な考え方です。少ない食事量で「質の高いカロリー」を摂取する意識が、栄養不足の予防につながります。

1日の摂取カロリーの目安と栄養バランス

オゼンピック使用中の適切なカロリー量は、年齢・性別・活動量・減量目標によって異なります。一般的には基礎代謝量を下回らないカロリー(女性で約1200kcal、男性で約1500kcal)を最低ラインとし、極端な低カロリー食にならないよう注意が必要です。

四つの学会が合同で発表したガイドラインでは、GLP-1受容体作動薬使用中の食事について、タンパク質・食物繊維・微量栄養素・水分の4つを重点的に確保することが推奨されています。カロリーの「数字」だけを追うのではなく、その中身にも意識を向けてください。

栄養密度の高い食品を優先する食べ方

栄養密度とは、同じカロリーあたりに含まれるビタミン・ミネラル・タンパク質の量を指します。カロリーは低くても栄養素が乏しいジャンクフードと、同じカロリーでも多くの栄養を含む卵やサバでは、体への貢献度がまったく違います。

  • 卵(1個約80kcalでタンパク質6g・ビタミンD・B12・鉄を含む万能食品)
  • サバやサケなどの脂ののった魚(良質な脂質とビタミンDを同時に摂取可能)
  • 納豆や豆腐などの大豆食品(植物性タンパク質・カルシウム・鉄分を補給)
  • 緑黄色野菜(ほうれん草・ブロッコリーなどで鉄分・葉酸・ビタミンKをカバー)

食べられる量が限られているときは、上記のような食品を優先的に選ぶことで、少量でも効率よく栄養を確保できます。

食事のタイミングと順番を工夫する

オゼンピック使用中は食事の途中で満腹になりやすいため、先にタンパク質のおかずから食べ始めるのが賢い方法です。ごはんやパンなどの炭水化物を後に回すことで、たとえ途中で箸を置くことになっても必要な栄養が確保されやすくなります。

1日3食にこだわる必要はありません。無理に3回食べようとして吐き気がひどくなるよりも、4〜5回に分けて少量ずつ摂るほうが胃への負担を減らしながら総栄養量を維持できます。間食にプロテインドリンクやナッツを取り入れると、カロリーを大幅に増やさずにタンパク質とミネラルを補えるでしょう。

オゼンピック使用中のサプリで注意すべき副作用とリスク

サプリメントは正しく使えば心強い味方ですが、飲み方を誤ると体に負担をかけることもあります。オゼンピック特有の消化器症状との兼ね合いや、まれに報告されている重篤な栄養欠乏症について知っておきましょう。

消化器症状がつらいときのサプリの飲み方

オゼンピックの代表的な副作用は吐き気・嘔吐・下痢・便秘といった消化器症状で、使用者の約20〜40%に何らかの胃腸の不快感が現れます。こうした症状がある状態でサプリメントを空腹時に飲むと、胃への刺激が増して吐き気が悪化することがあります。

鉄分やマグネシウムなど胃に負担のかかりやすいサプリは、少量の食事と一緒に摂取するか、症状が落ち着いている時間帯を選ぶとよいでしょう。液体タイプやチュアブルタイプのサプリは錠剤に比べて胃への刺激が少なく、消化器症状がある方にとって飲みやすい選択肢です。

ウェルニッケ脳症というまれだが深刻な合併症

ウェルニッケ脳症はビタミンB1(チアミン)の深刻な欠乏によって起こる神経疾患で、眼球運動障害・運動失調・意識障害といった症状が現れます。もともとアルコール依存症との関連で知られていましたが、近年セマグルチド使用者での発症例が報告され注目されています。

世界保健機関(WHO)の副作用データベースの分析によると、セマグルチドやチルゼパチドなどGLP-1受容体作動薬全体でウェルニッケ脳症の報告件数が統計的に多いことがわかっています。嘔吐が続いて食事がほとんど摂れない状態が数週間以上続くと、チアミンが急速に枯渇する危険性があります。激しい嘔吐や極端な食欲低下が長引く場合は、すみやかに受診してください。

脂溶性ビタミンの過剰摂取を防ぐには

ビタミンA・D・E・Kは水溶性ビタミンと違って体内に蓄積されるため、長期にわたる過剰摂取は肝障害や高カルシウム血症などのリスクを伴います。マルチビタミンとビタミンDサプリを同時に飲む場合は、ビタミンDの合計摂取量が上限を超えていないか確認してください。

日本人の成人におけるビタミンDの耐容上限量は1日100μg(4000IU)です。マルチビタミンにすでに含まれている量を差し引いたうえで、単体のビタミンDサプリの用量を決めることが過剰摂取防止の基本となります。不安がある場合は、血液検査で血中25(OH)D濃度を測定してもらうと適正量を判断しやすくなるでしょう。

脂溶性ビタミン耐容上限量(成人)過剰摂取時のリスク
ビタミンA2700μgRAE/日肝障害・頭痛・吐き気
ビタミンD100μg(4000IU)/日高カルシウム血症・腎障害
ビタミンE650〜900mg/日出血傾向の増加

サプリだけに頼らずに取り入れたい栄養管理と運動習慣

サプリメントはあくまで「補助」であり、食事と運動の土台があってこそ効果を発揮します。筋肉を守りながら体脂肪を落とすためには、栄養管理と運動の両輪が欠かせません。

筋力トレーニングで筋肉の減少を食い止める

GLP-1受容体作動薬による減量中に筋力トレーニングを並行して行うと、除脂肪体重の減少を抑えられる可能性があります。週に2〜3回、スクワットやダンベル運動などの抵抗運動を取り入れることで、タンパク質の摂取効果を最大限に引き出せます。

運動直後にタンパク質を摂取すると筋タンパク質の合成がより活発になります。トレーニング後30分以内にプロテインドリンクを飲むか、ゆで卵やチーズなどの手軽なタンパク質源を口にする習慣をつけるとよいでしょう。

水分補給を意識して脱水を予防する

オゼンピックの副作用である嘔吐や下痢は体内の水分を奪います。食事量が減ると食品由来の水分摂取も減るため、意識的に水分を摂らないと脱水に陥りやすくなります。

1日あたり1.5〜2リットルの水分摂取を目安にし、一度に大量を飲むよりもこまめに少量ずつ補給するのがコツです。吐き気があるときは常温の水やスポーツドリンクを少しずつ口に含むと、冷たい飲み物よりも胃への刺激が抑えられます。

定期的な血液検査で栄養状態を客観的に把握する

自覚症状が出てからでは栄養不足がかなり進行していることも少なくありません。オゼンピックを使用している間は、3〜6か月に1回の頻度で血液検査を受け、ビタミンD・B12・フェリチン(鉄の貯蔵量)・亜鉛・アルブミン(栄養状態の指標)をチェックしましょう。

検査項目基準値の目安チェックの頻度
25(OH)D(ビタミンD)30ng/mL以上が望ましい6か月ごと
ビタミンB12300pg/mL以上6〜12か月ごと
フェリチン女性12ng/mL以上・男性20ng/mL以上6か月ごと
血清亜鉛80〜130μg/dL12か月ごと

検査結果をもとに、担当医や管理栄養士と相談しながらサプリメントの種類や用量を調整すると、過不足のないピンポイントな栄養補給が実現できます。

オゼンピックとサプリの併用を安全に続けるための受診ガイド

体重が減っているからといって安心せず、以下のようなサインが現れたら早めに医療機関を受診してください。栄養不足のサインは見過ごされやすく、気づいたときには深刻な状態まで進んでいることも珍しくありません。

体重減少が急すぎるとき、何が起きている?

1か月に体重の5%を超える減少や、3〜6か月の間に月3.5〜13.3kgもの急激な体重減少が続くケースでは、栄養欠乏のリスクが格段に高まります。過度な体重減少はウェルニッケ脳症の発症リスクとも関連しており、嘔吐が止まらない状態が2週間以上続く場合はただちに受診が必要です。

体重計の数字だけを見て「順調」と判断するのは危険な場合があります。減っている体重の内訳が脂肪なのか筋肉なのかを把握するため、体組成計を利用したり、定期的に体脂肪率を測定したりする習慣をつけてください。

脱毛・倦怠感・手足のしびれは栄養不足のサイン

急激な体重減少に伴う栄養不足は、さまざまな形で体に警告を出します。鉄分や亜鉛・ビオチンの不足はテロゲン脱毛(休止期脱毛)という広範な抜け毛を引き起こし、ビタミンB12の不足は手足のしびれや記憶力の低下として現れることがあります。

  • 抜け毛が急に増えた(鉄・亜鉛・ビオチン不足の可能性)
  • 手足のしびれや感覚の鈍さ(ビタミンB12不足の可能性)
  • 極端な倦怠感や集中力の低下(鉄欠乏性貧血の可能性)
  • 口角のひび割れや舌の炎症(ビタミンB群不足の可能性)

こうした症状はストレスや加齢のせいだと見過ごされがちですが、オゼンピック使用中に突然現れた場合は栄養不足を疑うべきでしょう。症状を感じたら自己判断でサプリを増やすのではなく、まず医師に相談して血液検査を受け、原因を特定することが回復への近道です。

管理栄養士との連携が食事の質を底上げする

肥満治療の分野では、管理栄養士による栄養指導を受けた患者のほうが栄養欠乏の早期発見率が高いという報告があります。管理栄養士は血液検査の数値と日々の食事内容を照らし合わせ、不足している栄養素を食事とサプリの組み合わせで効率的に補う提案をしてくれます。

オゼンピックを処方してもらっているクリニックに管理栄養士がいる場合は、積極的に食事相談を利用してみてください。薬で食欲をコントロールしつつ、食事で栄養を確保し、サプリで隙間を埋めるという三段構えが、健康的な減量を長く続けるための土台となります。

よくある質問

オゼンピック使用中にマルチビタミンを飲んでも吸収されますか?

オゼンピックは胃の排出を遅らせるため、サプリメントの吸収タイミングが通常とは異なる可能性がありますが、吸収そのものが完全に阻害されるわけではありません。マルチビタミンは食事と一緒に摂取することで吸収効率が高まりやすくなります。

とくに脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は少量の脂質と一緒に摂ることが大切です。吐き気が強い時間帯を避け、体調が安定しているタイミングで飲む工夫をすると、胃への負担も軽減できるでしょう。

オゼンピックでカロリー制限中にプロテインを飲むと太りませんか?

プロテインパウダー自体のカロリーは1杯あたり約100〜150kcal程度で、適切な量であれば体重増加の原因にはなりにくいです。むしろタンパク質の摂取量が不足すると筋肉が減り、基礎代謝が低下してかえって太りやすい体質に近づいてしまいます。

食事全体のカロリーバランスの中でプロテインの分を計算に入れ、炭水化物や脂質の過剰摂取を避けるようにすれば、筋肉を維持しながら体脂肪を効率よく減らす助けになります。糖質の少ないプロテイン製品を選ぶことも一つのポイントです。

オゼンピックの副作用で嘔吐が続くときにサプリは中止すべきですか?

嘔吐が続いている状態でサプリメントを無理に飲み続けると、胃への刺激が増して症状を悪化させる場合があります。嘔吐が2日以上続くときは一時的にサプリの服用を中断し、主治医に連絡してください。

とくに2週間以上嘔吐が止まらず食事がほとんど摂れない状況ではビタミンB1の欠乏が進み、ウェルニッケ脳症のリスクが高まります。こうした場合は自己判断でサプリを調整するのではなく、医療機関で点滴による栄養補給を検討してもらうことが安全な対応です。

オゼンピックとビタミンDサプリを一緒に飲むタイミングはいつが良いですか?

ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、脂質を含む食事と一緒に飲むと吸収率が上がります。朝食や昼食で魚・卵・乳製品などを食べるタイミングに合わせて服用するのが効率的です。

オゼンピックの注射日は消化器症状が出やすいことがありますので、注射日以外の胃腸の調子が良い日にサプリの飲み方を安定させるとよいでしょう。寝る直前の服用は胃もたれの原因になることがあるため、できるだけ日中の摂取がおすすめです。

オゼンピック使用中にサプリの効果を確認するにはどんな検査が必要ですか?

血液検査でビタミンD(25(OH)D)、ビタミンB12、フェリチン(貯蔵鉄)、血清亜鉛、アルブミンの値を定期的にチェックすることをおすすめします。これらの数値をモニタリングすることで、サプリメントの効果が出ているか、用量の調整が必要かを客観的に判断できます。

検査の頻度は3〜6か月に1回が目安です。オゼンピックを処方している医師に「栄養面の検査もしてほしい」と伝えれば、通常の血液検査に追加して測定してもらえる場合が多いでしょう。検査結果を管理栄養士と共有すれば、食事内容やサプリの見直しにも活かせます。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会