ビクトーザ使用中はタンパク質が重要、筋肉を保ち代謝を落とさない食べ方

ビクトーザ使用中はタンパク質が重要、筋肉を保ち代謝を落とさない食べ方

ビクトーザ(リラグルチド)の使用中に体重が減ると、脂肪だけでなく除脂肪量も変わり得ます。筋肉を保つためには、タンパク質を夕食だけに寄せず、朝食と昼食にも分け、体調に合わせた筋力運動を組み合わせる視点が大切です。なお、ビクトーザ皮下注18mgは2026年後半を目途に出荷終了(販売終了)となる予定です。

必要な量は体格だけで決まらず、年齢、普段の活動量、腎機能、糖尿病を含む治療内容によって変わります。自己判断で一律の量を目指すより、普段の食事を記録し、主治医や管理栄養士と自分用の目安を決めるほうが安全です。

体重計の数字だけでは、筋肉が過剰に減ったかを判断する情報が不足します。体重の推移に加え、食べられた主菜、立ち上がりや歩行の変化、体組成を測った条件まで一緒に見ると、相談すべき変化を整理しやすくなります。

この記事では、除脂肪量の捉え方からタンパク質の配分、食品の選び方、運動との組み合わせ、受診時の確認点までを解説しています。

ビクトーザ皮下注18mgは2026年後半を目途に販売終了(出荷終了)となります。

ビクトーザで体重が減ると除脂肪量も動く

ビクトーザを含むGLP-1受容体作動薬による減量では、脂肪量とともに除脂肪量も変化したという報告があります。ただし、減った体重の内訳には個人差があり、薬を使えば誰もが同じ割合で筋肉を失うという意味ではありません。

体重計だけでは減った中身が分からない

一般的な体重計が示すのは体全体の重さであり、脂肪、水分、筋肉などの内訳までは区別できません。数日で数値が動いたときは、水分量、排便、測る時刻、衣服の違いも影響します。

体組成計は内訳を考える手がかりになりますが、多くは電気の流れやすさから脂肪量などを推定する機器です。飲食や運動の直後、入浴の前後では値が揺れやすいため、同じ機器を使い、なるべく近い条件で経過を比べます。

確認する値分かる内容読み方の注意
体重体全体の重さ短期間は水分などでも動く
体脂肪量脂肪と推定された重さ測定条件で誤差が出る
除脂肪量脂肪以外をまとめた重さ筋肉だけの値ではない
日常動作力や体力の変化の手がかり痛みや体調の影響も受ける

除脂肪量が示す範囲

除脂肪量は体重から脂肪量を除いた値で、骨格筋だけでなく体内の水分、骨、臓器なども含みます。そのため、除脂肪量が減ったという結果を、そのまま同じ重さの筋肉が失われたと読み替えるのは正確ではありません。

筋肉について詳しく確かめる場合は、体組成の測定法や部位別の値、握力などの身体機能を組み合わせて評価します。家庭では精密な判定まで目指さず、同じ条件で測った推移と生活上の変化を受診時に伝えられる形で残せば十分です。

変化の見方は1回の測定で決めない

1回の測定値が予想より低くても直ちに食事や薬を変える判断材料にはならないため、週や月の単位で体重と体組成の流れを見て、食事量や活動量が落ちた時期と重なっていないかを確かめます。

比較するときは、測定日と時刻に加え、食事の前後、運動や入浴の有無も記録します。条件が大きく違う値を一直線に並べるのではなく、似た条件の測定結果を見比べると、日ごとの揺れと続いている変化を区別しやすくなります。家庭の機器で出た数字は診断そのものではないため、変化の理由まで決めつけずに記録として使いましょう。

また、測定値だけでなく、椅子から立つ、階段を上る、買い物袋を持つといった普段の動きも記録に値します。以前できていた動作が続けて難しくなった場合は、次の予約日を待つべきかも含めて主治医へ相談してください。

筋肉の減少はどこまで心配すべき?

体重が減る過程で除脂肪量がある程度動く現象と、体力低下を伴う望ましくない筋肉減少は分けて捉えます。何kg減ったかだけではなく、減る速さ、体脂肪との比率、食事、身体機能を合わせた判断が必要です。

減量に伴う変化と望ましくない低下を分ける

GLP-1受容体作動薬による体組成の研究では、除脂肪量の減少が報告される一方、その変化を生理的な適応と見るか、対策すべき損失と見るかには議論があります。研究ごとに対象者、薬の種類、測定方法、治療期間が異なるため、平均値を個人へそのまま当てはめられません。

注目したいのは、食事量が大きく落ちた状態が続く、体重が想定以上の速さで減る、力が入りにくいなどの変化が重なる場面です。体重減少だけを成功や失敗の印にせず、治療の目的と日常生活を保てているかを受診で共有します。

体重に占める割合だけでは安全性を判断できない

体重が減れば、筋肉の重さが少し減っていても、計算上は体重に占める筋肉の割合が上がる場合があります。反対に、割合がほぼ同じでも、短期間に大きく減って生活動作が落ちていれば見過ごせない変化です。

そのため、割合だけを目標にせず、開始前からの実際の重さと経過を確認します。体組成計の表示名は機種により「筋肉量」「骨格筋量」「除脂肪量」などと異なるので、同じ項目同士を比べるのが基本です。

日常の動きの変化も手がかりになる

筋肉の重さと筋力は同じ指標ではなく、片方だけで状態は決まりません。立ち上がりに手を使うようになった、歩く速度が落ちた、休む回数が増えたという変化は、数値とは別の手がかりです。

もっとも、関節痛、貧血、睡眠不足などでも同じような変化は起こり得るため、原因を自分で筋肉だけに絞らず、いつから何が難しくなったか、食事と運動がどう変わったかを主治医へ伝えると評価につながります。

ビクトーザ使用中のタンパク質は3食に分ける

1日分を夕食でまとめて摂るより、朝食、昼食、夕食のそれぞれにタンパク源を置く組み方が実践的です。1食の量を急に増やさず、今の食事で主菜が空白になっている時間帯から整えます。

見直しの最初の一歩は、3日程度の食事を朝・昼・夕に分けて書き出すことです。食品名だけでなく、「全部」「半分」「数口」のように実際に食べた量も添えます。

主菜を用意していても残す日が続けば、献立上は配置できていても摂取できていないと分かります。反対に、間食で牛乳やヨーグルトを摂った日は、その分も含めて相談時に伝えます。

朝食が空白にならない組み方

朝食が飲み物やパンだけなら、卵、牛乳、無糖ヨーグルト、豆腐などから普段受け入れやすい1品を添えます。和食では納豆や魚、洋食では卵や乳製品のように、いつもの献立から離れすぎない選択が続けやすさにつながります。

朝に固形物が入りにくい日は、量を増やすより形を変える方法があります。牛乳を温める、ヨーグルトを少量にする、卵をやわらかく調理するなど、普段の食品を食べやすい状態へ調整します。

昼食は主菜の有無を先に確認

昼食では品数より先に、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品のどれかが含まれているかを見ます。麺やパンだけで終わりやすいなら、ゆで卵、豆腐、無糖ヨーグルトなど、準備しやすい食品を組み合わせる方法があります。

  • 朝食 … 空白なら食べやすいタンパク源を1品追加
  • 昼食 … 主食だけで終わらず主菜の有無を確認
  • 夕食 … 1日分を取り戻そうとして量を集中させない

「主菜を食べ切れたか」まで短く記録すると、どの時間帯で偏るかが見えます。完璧な献立を毎回作るより、欠けやすい食事を見つけ、準備できる範囲で補うほうが現実的です。

夕食への偏りを見直す記録

夕食に肉や魚があっても、朝食と昼食がほぼ主食だけなら、1日の配分は後半に偏っています。夕食を削るのではなく、まず朝か昼へ少量のタンパク源を移せるかを考えます。

食事記録する項目見直す目安
朝食タンパク源の有無飲み物や主食だけの日が続く
昼食主菜と食べた量主食だけで終わる日が多い
夕食主菜の量と食後の負担まとめ食いになっている

1回で多く食べると胃の負担を感じる人では、分配は摂取しやすさの面でも役立ちます。GLP-1受容体作動薬は胃の動きに影響し得るため、満腹感や胃もたれが強いときは無理に量を詰め込まず、症状を主治医へ伝えてください。

食べる量が少ない日に選びやすいタンパク源

食事の量が少ない日は、大皿の肉を無理に食べるより、少量でも主菜として数えやすく、調理や保存の負担が小さい食品を選び、食べられる量と胃の感じ方に合わせて固さ、温度、1回量を調整するのが基本です。

少量で主菜になりやすい食品

大豆製品では豆腐や納豆、動物性食品では卵や魚、鶏肉などが、家庭で1食分を分けやすいタンパク源です。無糖ヨーグルトや牛乳といった乳製品も候補になります。どれか1種類へ固定せず、食べ慣れていて準備しやすい食品を数種類持っておくと、体調や予定に合わせて替えられます。

魚や肉は、焼いた大きな切り身が重ければ、ほぐす、蒸す、ひき肉を使うなどで食感を変えられます。豆腐や卵は汁物へ加えやすく、主菜を別皿で食べるのが難しい日にも分けて取り入れやすい食品です。

候補を決めるときは、食べやすさだけでなく準備後に食べ切れる量かも確認します。大容量の商品を買って余らせる日が多いなら、小分けの商品や保存しやすい形へ替える方法があります。食欲が落ちる時間帯が決まっている場合は、その時間に新しい食品を試すより、食べられた実績のある候補を置くと記録と振り返りがしやすくなります。

温度・硬さ・においを変える

同じ食品でも、熱さや硬さで食べやすさは変わります。熱い料理のにおいが負担なら少し冷まし、硬い肉が進まないなら薄切りやひき肉へ変えると、タンパク源を残しながら調整できます。

ただし、食べやすさを優先して特定の食品だけに偏ると、献立全体が単調になります。乳製品、大豆、卵、魚、肉の中から体調に合う候補を入れ替え、何なら食べられたかを短く残しましょう。

困る場面形の変え方食品の例
量が多く見える小皿へ分ける豆腐、卵、ヨーグルト
硬くて進まない蒸す、ほぐす、刻む魚、鶏肉
熱い料理が重い少し冷まして温度を下げる卵料理、豆腐料理
調理が負担開封後すぐ使える食品を選ぶ納豆、豆腐、無糖ヨーグルト

加工品は栄養成分表示で比べる

包装された食品は、表面の健康的な印象だけで選ばず、栄養成分表示の「たんぱく質」を1包装当たりで確認します。表示が100g当たりなら、実際に食べる重量へ読み替えないと摂取量を多く見積もるおそれがあります。

塩分や脂質に個別の指示がある人は、たんぱく質の数字だけで決められません。食品表示を写真に撮るか包装を持参し、自分の治療内容に合うかを管理栄養士や主治医へ確認します。

運動を合わせると筋肉へ別の刺激が加わる

筋肉を保つ対策はタンパク質だけで完結せず、筋肉へ負荷をかける運動との組み合わせが軸になります。食事だけを増やして活動量が落ちたままでは、日常の力を保つ対策として片手落ちです。

有酸素運動だけに偏らせない

歩行や自転車などの有酸素運動は心肺機能や活動量を保つ助けになりますが、筋肉へ抵抗をかける運動とは刺激が異なるため、椅子からの立ち座り、かかとの上げ下げ、ゴムバンド運動など体力に合う筋力運動を組み合わせます。

運動習慣がない人が急に強い負荷をかけると、関節痛や転倒につながるおそれがあります。心臓病、網膜症、神経障害、足の傷などがある人は、始めてよい種目と強さを主治医へ先に確かめてください。

筋力運動は続けられる範囲から始める

初めから回数や重さを競う必要はなく、姿勢を保って終えられ、翌日の生活に強い支障が残らない範囲から始めます。運動中の胸痛、強い息切れ、めまい、冷汗が出た場合は中止し、必要な受診先を確認してください。

運動後の軽い張りと、鋭い痛みや腫れは分けて考えます。痛みを我慢して同じ部位へ負荷を重ねず、種目や強さの調整を理学療法士などへ相談できると安心です。

食事と運動の記録を同じ時系列で残す

体重だけを記録すると、食事と運動のどちらが変わった時期か分かりにくくなります。同じ記録欄へ主菜の有無、運動の種類、普段より強かった疲労を残すと、変化の前後関係をたどれます。

記録短い書き方確認できる変化
食事朝は卵、昼は主菜なしタンパク源が空く時間帯
運動立ち座り、散歩筋力運動と有酸素運動の偏り
体調階段で休憩、ふらつきなし生活動作と安全面
測定朝食前、同じ体組成計条件をそろえた推移

数字を細かく埋めるより、後から読んで食事と活動の様子が分かる記録を優先します。体重や力の低下が続いたときは、その記録が摂取量や運動内容を調整する材料になります。

腎機能や治療内容で摂り方の目安は変わる

タンパク質の目安は全員共通ではなく、腎機能や年齢、体格と活動量を踏まえて決めます。併用薬やほかの病気も判断材料です。特に腎臓病について食事の指示を受けている人は、筋肉が心配でも自己判断で摂取量を増やさないでください。

腎臓病がある人は自己判断で増やさない

腎機能が低下している場合、病期や治療内容によってタンパク質への指示が変わります。体重1kg当たりの量をインターネットで見つけても、自分の腎機能へ当てはまるとは限りません。

一方、食べる量を控えすぎれば必要なエネルギーまで確保しにくくなるため、増やすか減らすかを自分だけで決めず、血液検査や尿検査を踏まえた指示を確認する必要があります。

体重が急に落ちるときは食事量も共有

予定より速い体重減少に加えて、主菜がほとんど食べられない、力が入らない、立つとふらつく状態が続くなら、次回予約まで様子を見るかを主治医へ確認します。薬の量を自分で変えたり、注射を中断したりせず、いつからどの程度変わったかを伝えてください。

不安があると、食べた量を実際より曖昧に伝えてしまうかもしれません。責められる情報ではないので、食べられなかった日も含めてそのまま共有するほうが、治療と栄養の調整に役立ちます。

受診で確認したい情報

受診前には、摂取量の正解を自分で計算するより、判断に必要な材料をそろえます。直近の変化が分かる記録があれば、普段の食事からどこを調整するか話しやすくなります。

記録期間を尋ねられていなければ、まず普段どおりの日と食べにくかった日が分かる範囲を持参します。注射した時刻、食欲や胃もたれが変わった時期も同じ時系列に置くと、単に「食べられない」と伝えるより状況が具体的です。家庭で量を量れない食品は、皿の写真や商品の包装でも大きさを共有する手がかりになります。

  • 体重と体組成 … 測定日、機器、測った時間帯
  • 食事 … 3食それぞれのタンパク源と食べた量
  • 身体機能 … 立ち上がり、歩行、階段で変わった点
  • 運動 … 種類、頻度、痛みや強い疲労の有無
  • 治療情報 … 併用薬、腎臓病などの診断、過去の食事指示

確認したい質問は、「1日の目安」「3食への分け方」「腎機能による制限」「運動の強さ」に絞ると具体的です。数値の指示を受けたら、何を基準にした量か、体重や検査値が変わったときに再確認する時期も聞いておきましょう。

よくある質問

ビクトーザ使用中はタンパク質を多く摂るほどよいですか?

多ければよいとは限らず、必要量は腎機能や体格、活動量と治療内容で変わります。

まず3食の主菜と実際に食べた量を記録し、主治医や管理栄養士から示された自分用の目安と照らし合わせてください。腎臓病の食事指示がある場合は、筋肉が気になっても先に量を増やさず相談します。

夕食でまとめて食べても同じですか?

1日分を夕食へ集中させず、朝食と昼食にもタンパク源を置く組み方が実践的です。

夕食を急に減らすのではなく、朝か昼で主菜が空いている食事へ、卵や豆腐など食べやすい1品を移します。3食を記録し、用意したかだけでなく食べ切れたかも確認しましょう。

体組成計で筋肉量が減ったらビクトーザを中止すべきですか?

1回の表示だけを理由に、ビクトーザを自己判断で中止しないでください。体組成計の値は水分や測定条件でも動くため、同じ条件での推移、体重、食事、生活動作をまとめて主治医へ伝えます。

力が入りにくい状態や急な体重減少も続く場合は、次の予約日を待つべきか早めに相談します。

食事量が少ない日は何を選べばよいですか?

豆腐や納豆などの大豆製品、卵や魚、無糖ヨーグルトなど、少量に分けやすく食べ慣れた食品が候補です。

硬さや温度を変え、1度に詰め込まず、食べられた食品と量を記録します。食事量の低下が続く場合や、急な体重減少やふらつきもある場合は主治医へ伝えてください。

筋肉を保つには運動も必要ですか?

食事に加え、筋肉へ抵抗をかける運動を体調に合わせて組み合わせる視点が大切です。持病や関節痛がある人は安全な種目と強さを主治医へ確認し、無理なく続けられる範囲から始めます。

運動中に胸痛、強い息切れ、めまい、冷汗が出たら中止し、必要な受診先を確認してください。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会