
ビクトーザのペンは、使用前に製品名と薬液の状態を確かめ、新しいペンの初回使用時には空打ちをしてから注入します。注入ボタンを押して表示が0に戻った後も、針を皮膚に刺したままゆっくり6秒数えるのが基本です。
空打ちは体に薬を注射する操作ではなく、針先まで薬液が通るかを確かめる操作です。薬液が出ないまま注入へ進んだり、不足したと思って自己判断でもう一度打ったりせず、取扱説明書に沿って原因を1つずつ切り分けます。
初めてペンを扱うと、表示の読み方やボタンを押し切れたかが気になりやすいものです。手順に迷った時点でいったん止め、実物を持って処方元や薬剤師に確認すれば、誤った量を注入する危険を抑えられます。
この記事では、ペン各部の見方、使用前の確認、空打ちから注入後までの操作、異常時の対応を解説しています。
ビクトーザのペンを扱う前に押さえたい各部
ビクトーザは、薬液を入れたカートリッジと注入量を操作する部分が一体になったペン型注入器です。各部の名前と動きを先に結び付けると、確認する場所を取り違えにくくなります。
キャップと薬液確認窓は使用前に見る場所
ペンキャップは本体を覆う部品で、外すと薬液の入った部分を外側から確認できます。確認窓から見える液体は無色澄明、すなわち濁りや色のない透明な状態が基準です。
窓は残量の大まかな確認に使い、実際に選べる量は表示窓の数字で判断します。残量が少ないように見えるときほど、無理にダイヤルを回さず表示の動きを確かめることが大切です。ひび、変形、液漏れがある場合は操作を続けず、ペンを分けて保管して処方元か薬剤師へ相談してください。
表示窓とポインターで選択値を読む
本体後方の表示窓には、選択している値や空打ち用の印が示されます。表示窓の数字を読む位置がポインターであり、斜めからではなく正面から一致を確かめるのが安全です。
操作中に聞こえる音だけで量を判断すると、回し過ぎや戻し過ぎに気づけないおそれがあります。処方された量と表示が合わないまま注入せず、ボタンを押す前に数字を見直します。
| ペンの部分 | 見て分かる内容 | 操作時の注意 |
|---|---|---|
| 薬液確認窓 | 薬液の色、濁り、残量の目安 | 正確な残量は外観だけで決めない |
| 表示窓とポインター | 選択中の印や数字 | 真正面から位置を合わせる |
| 注入ボタン | 押し込むと表示が0へ戻る | 表示を見ながら最後まで押す |
注入ボタンは薬液を送り出す部分
注入ボタンを押し込むと、選択された分の薬液が針側へ送り出され、表示が0へ戻ります。指を表示窓にかけると動きを見失うため、ペンを握る位置と押す指の位置を分けます。
針先から薬液が出るのは、薬液確認窓、内部のカートリッジ、取り付けた針が1本の通り道としてつながるためです。このつながりを注入前に確かめる操作が空打ちに当たります。
使用前の確認で異常を見落とさない
使い始める前は、手元のペンが処方された製品か、使用期限内か、薬液と本体に異常がないかを確認します。いつもと違う状態を見つけたら、注入前に止めるのが基本です。
製品名と使用期限をラベルで照合
外観が似た注入器を家族が使っている場合でも、色や形だけで区別せず、本体ラベルの製品名を読みます。使用期限は未開封のまま適切に扱われた製品に示される期限なので、期限を過ぎたペンは使わないでください。
ラベルがはがれて製品名を読めない場合や、どのペンを使用中だったか分からない場合も注入を保留します。推測で選ばず、処方時の箱や記録と照合したうえで、判別できなければ薬剤師へ確認します。使用中のペンを置く場所や記録を決めておくと、未使用のペンとの取り違えも防ぎやすくなります。
透明な薬液かを明るい場所で確認
ビクトーザの薬液は、明るい場所で確認窓を見て、濁り、着色、浮遊物がない状態かを確かめます。細かな気泡だけなら直ちに異常を示すとはいえませんが、判断しにくい外観であれば使わずに相談するほうが安全です。
| 確認対象 | 通常の目安 | 異常時の行動 |
|---|---|---|
| 本体ラベル | 製品名を判読できる | 判別できるまで使用を保留 |
| 薬液 | 無色で透明 | 濁りや着色があれば使用しない |
| ペン本体 | 破損や液漏れがない | 別にして処方元へ相談 |
温度など周囲の条件は薬液の状態に影響し得るため、見た目が正常でも扱いに問題が残る可能性があります。保管に不安が生じたペンは、外観だけで使用可否を決めず、箱や説明書を手元に置いて確認します。
手を洗って平らな場所に必要品を置く
操作前に手を洗い、水分を拭き取ってから、転がりにくい明るい場所へペンと必要品を置きます。急いで空中に持ったまま準備すると、針を斜めに取り付けたり、外したキャップを見失ったりしやすくなります。
- 本体の照合 … 製品名と使用期限をラベルで確認
- 外観の観察 … 破損、変形、液漏れの有無を確認
- 薬液の観察 … 濁り、着色、浮遊物の有無を確認
- 作業面の準備 … 明るく平らで清潔な場所を確保
確認後は適合する新しい針をまっすぐ取り付け、注射の直前に内側の針キャップを外します。針の交換と使用後の廃棄には別の安全上の決まりがあるため、処方時に渡された案内に従います。
ビクトーザの空打ちで確かめる薬液の流れ
空打ちの目的は、新しいペンの内部から針先まで薬液が流れる状態を作り、実際に滴が出るかを見る点にあります。通常は新しいペンを初めて使うときだけ行い、使用中の同じペンでは毎回繰り返さない操作です。
新しいペンの初回だけ流れを確認
新しいペンには、薬液が針先へ届くまでの空間が残っている可能性があるため、最初の注入前に流れを確かめ、ボタンを押したのに薬液が針先へ届いていなかったという事態を避けやすくします。
使用途中のペンで空打ちを繰り返すと、そのたびに薬液を消費します。ただし、落下や詰まりが疑われるなど通常と違う状況では、自己流で進めず取扱説明書と処方元の指示を確認します。普段どおりの初回確認と、異常時に必要な確認を分けて覚えると、不要な空打ちを避けやすくなります。
空打ち用の印を合わせて針先を上へ向ける
針を取り付けて両方の針キャップを外したら、選択部分を回し、空打ち用の印をポインターに合わせます。処方量を示す数字と空打ち用の印は目的が異なるため、表示を正面から見て取り違えないようにします。
針先を上へ向け、薬液確認窓の部分を指で軽く数回たたくと、内部の気泡が上へ集まりやすくなります。強く振ったり机に打ち付けたりせず、ペンを安定して垂直に保つ操作です。
ボタンを押して針先の滴と0表示を見る
針先を上にしたまま注入ボタンを押し切り、表示が0に合った状態で薬液の滴が針先に現れるかを見ます。滴が確認できれば、薬液の通り道がつながったと判断して実際の注入準備へ進めます。
- 印の選択 … 空打ち用の印をポインターへ合わせる
- ペンの向き … 針先を真上に保つ
- 気泡の移動 … 薬液確認窓を軽く数回たたく
- ボタン操作 … 0表示まで押し切る
- 流れの判定 … 針先に薬液の滴が出たかを見る
針先に小さな滴が残るのは、流れを確認した結果として起こり得ます。空打ちでは薬液を皮膚へ入れず、滴の大きさもそろえずに、滴が現れた事実を確認します。滴を拭おうとして針先に指や物を近づけると危険なので、そのまま触れずに扱います。
空打ちで薬液が出ないときの対処
薬液が出ないときは、表示、針の取り付け、ペンの向きを順に見直します。原因を確認できないまま体へ刺しても、処方された量が入ったか判断できないため、実際の注入へ進まないでください。確認した順序と結果をメモしておくと、同じ確認を重ねずに済み、相談時にも状況を正確に伝えられます。
まず表示と押し込みを同じ位置から見直す
空打ち用の印がポインターからずれていないか、ボタンを最後まで押して表示が0へ戻ったかを確かめ、押し込みの途中で指を離した場合は、取扱説明書に記載された空打ちの操作を最初から見直します。
次に針先を上へ向けた状態で、内部の気泡を上へ集めてから流れを再確認します。ペンを横向きや下向きにしたままでは、針先に滴が現れたかを正しく観察しにくくなります。表示を合わせる、針先を上にする、ボタンを押し切るという順序を保てば、どの段階で止まったかも伝えやすくなります。
針の取り付け不良や詰まりを疑う場面
針が斜めに付いている、根元まで固定されていない、内側の針キャップが残っている状態は、薬液が出ない原因になります。外から見て取り付けに問題があれば、安全な方法で新しい針に替えてから、説明書どおりに流れを再確認します。
| 観察した状態 | 考えられる確認点 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 表示が0に戻らない | 押し込み不足や表示のずれ | 注入せず操作を見直す |
| 滴が見えない | 向き、気泡、針の装着 | 説明書の空打ちを再確認 |
| 新しい針でも出ない | 本体側の不具合 | そのペンを使わず相談 |
針の扱いでは、針先に指を近づけず、曲げたり無理に押し込んだりしない配慮が必要です。交換しても滴が出なければ、何度も操作を重ねるより本体側の異常を疑います。
改善しなければ使用を止めて相談
説明書で定められた確認を行い、新しい針でも薬液が出ない場合は、そのペンの使用を中止します。製品名、使用開始時期、表示の動き、どこまで操作したかを伝えられるようにして、処方元または薬剤師へ連絡します。表示が止まった位置や試した針の本数も控えると、ペン側と針側のどちらを確認すべきか整理しやすくなります。
薬液が出なかった分を補おうとして、別のペンで推測した量を追加すると過量になる危険があります。すでに皮膚へ刺してボタンを押した後なら、追加注入はせず、その時点の表示と操作内容を伝えて対応を確認してください。
自己注射の手順は、教わった後も一部が省略されたり、記憶と実物の動きがずれたりし得ると報告されています。うまく出ない状況を自分の不器用さだけで片付けず、実物を使った再確認を依頼できます。
注入後に6秒待つのはなぜ?
表示が0になっても、薬液が針を通って皮下へ移動し終えるまでには短い時間が必要です。針を刺したままゆっくり6秒数えると、選択した量を最後まで注入しやすくなります。
0表示は待ち時間の開始点
注入ボタンを押し続け、表示窓の数字が0に合ったのを確認してから6秒を数え始めることで、押し始めた瞬間から薬液を送り出している時間まで数え、0になった直後に抜く事態を避けられます。「0を確認してから6秒」と一続きの手順にすると、待ち始める時点を取り違えにくくなります。
数えている間はボタンを押したままにし、ペンの向きを大きく変えないように保ちます。速く数えて時間を短くするのではなく、「1、2、3」と落ち着いて6まで進めます。
早く抜くと針先から薬液が漏れるおそれ
0表示の直後に針を抜くと、針先から薬液が流れ出し、選択した全量が入っていない可能性があります。皮膚の表面や針先に薬液が多く見えた場合も、見た目から不足量を計算するのは困難です。
そのため、漏れが気になっても同じ回の注入をやり直さず、いつ抜いたか、0表示を確認したか、薬液がどの程度見えたかを記録します。次の予定分をどう扱うかは、処方元へ連絡して指示を受けてください。
抜く前に表示と指の位置を再確認
6秒後は、表示が0のままかを見てから針をまっすぐ抜きます。ボタンに置いた指が途中で緩んだ、表示が0まで戻っていない、抵抗が普段と違うと感じた場合は、追加で押し直す前に操作を止めます。違和感に気づいた時点の表示を覚えておけば、注入後に相談するときも経過を説明しやすくなります。
| 確認する時点 | 見る内容 | 問題がある場合 |
|---|---|---|
| 押し込み中 | 表示が0へ動いている | 無理に力を加えない |
| 0表示の後 | 針を刺したまま6秒数える | 途中で抜いたら追加注入しない |
| 針を抜く前 | 表示が0で指がボタン上にある | 操作内容を記録して相談 |
注入後に針先へごく小さな滴が付く場合でも、それだけを根拠に注入失敗と判断するのは避けます。毎回目立つ漏れが続く、表示が途中で止まる、ボタンの動きが不安定という場合は、ペンを持参して操作を見てもらうと原因を切り分けやすくなります。
ペンの設計が変われば操作も変わります
ペン型注入器は外見が似ていても、針の準備、空打ちの有無、表示方法、ボタンの動きは製品ごとに違います。別の注射薬を使った経験だけでビクトーザを操作せず、手元の製品に対応した説明書を基準にします。
複数回使う型と1回で使い切る型の違い
ビクトーザのペンは、内部の薬液から処方された分を選び、複数回に分けて使う型です。一方、ほかの注射薬には1回分があらかじめ入った型もあり、準備から作動確認までの順序が異なります。使い切り型の経験があっても、針の装着や空打ちが必要かどうかをビクトーザの説明書で確かめる必要があります。
ペン型という呼び名は形状を示す名称にすぎず、共通の操作方法を保証するものではない点に注意が必要です。使いやすさを調べた研究でも、作動方式や表示の設計によって間違えやすい箇所が変わると指摘されています。
音や手応えだけに頼らず表示を確認
回す音、押した感触、作動音は操作の手掛かりになる一方、正しい完了には目視確認も必要です。ビクトーザでは空打ち時の滴、選択した数字、注入後の0表示を、それぞれ必要な場面で目で確認します。
手指の力が入りにくい、細かな表示を読みにくい、片手で安定させにくいといった事情があれば、初回だけでなく使用中にも伝える価値があります。照明や眼鏡で表示を見やすくし、それでも難しければ家族だけに任せず、処方元へ安全な補助方法を相談します。
製品が変わったら実物で手順を確認
処方された製品やペンの仕様が変わったときは、以前の操作をそのまま当てはめず、新しい説明書を最初から確認します。名称が似ていても、空打ち用の印、ボタンを保つ時間、使用開始の合図が異なる可能性があるためです。
説明を受ける際は、見本を見るだけで終えず、自分の手で製品名の確認から0表示まで再現して迷う場所を明確にすることが大切で、注射器の使用性を扱った研究でも、機器ごとの指導と実際の操作確認が安全な使用を支える観点として評価されています。
日々の操作では、最初に製品名と薬液を見て、空打ちでは表示と滴、注入後は0表示と6秒を確認します。確認する時点を分けて覚えると、似た項目を一度に追う必要がなくなり、見落としを防ぎやすくなります。少しでも動きが違えばそこで止まり、ペンと説明書をそろえて相談できる状態にしておきます。
よくある質問
空打ちは毎回の注入前に必要ですか?
通常、空打ちを行うのは新しいペンを初めて使うときだけで、使用中の同じペンでは毎回繰り返さない操作です。落下させた、表示や薬液の流れが普段と違うなどの事情があれば、取扱説明書を確認し、判断できなければ処方元へ相談します。
空打ちの薬液は体に注入するのですか?
空打ちは針先を上へ向けて薬液の滴を確認する操作であり、皮膚に刺さずに行います。滴を確認した後に、処方された量の表示を別に確認して実際の注入へ進みます。
空打ちをしても薬液が出ない場合はどうすればよいですか?
空打ち用の印、0表示までの押し込み、針先の向き、針の取り付けを順に確認します。説明書の範囲で操作をやり直し、新しい針でも滴が出なければ、そのペンで注入しないでください。
製品名と表示の状態、試した操作を記録し、ペンを手元に置いて処方元か薬剤師へ連絡します。すでに皮膚へ刺した後なら、不足分を推測して追加せず、その状況も合わせて伝えます。
0表示になったらすぐに針を抜いてもよいですか?
0表示を確認した後も、針を皮膚に刺したまま注入ボタンを押し続け、ゆっくり6秒数えてから抜きます。0になった直後に抜くと、薬液が針先から漏れて全量が入らないおそれがあります。
早く抜いてしまった場合は、自己判断で追加注入を行わず、0表示の確認状況と漏れの様子を処方元へ伝えてください。
別のペン型注射薬を使った経験があれば同じ方法で操作できますか?
ペン型注入器は製品ごとに針の準備、空打ち、表示、ボタンの動きが異なり、操作方法にも違いがあります。ビクトーザに対応する説明書と処方時の指導を基準にします。
製品が変わった際は、実物を使って薬液の確認から注入後の表示まで一連の動きを確認し、不明点があれば初回の注入前に尋ねると安全です。
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