ニキビ治療におけるプロアクティブ療法は、目に見えるニキビが治った後も薬の使用を継続し肌の奥に潜む微小なニキビ予備軍を鎮静化させることで、根本的な完治を目指す新しい治療スタンダードです。

従来の対症療法とは異なり、再発を繰り返す悪循環を断ち切りニキビができにくい健康的で滑らかな肌質へと改善することが最大の特徴といえます。

この記事ではプロアクティブ療法の具体的な進め方、薬を減らす適切なタイミング、そして治療終了後の再発予防期間に必要なスキンケアについて専門的な知見に基づき詳しく解説します。

正しい知識を持って根気強く治療に取り組むことで長年の肌悩みから解放され、自信を持って過ごせる日々を取り戻す一助となるでしょう。

目次
  1. プロアクティブ療法の基本概念と従来法との違い
    1. 急性期の治療と寛解維持期の治療の役割分担
    2. リアクティブ療法(対症療法)との決定的な差
    3. 目指すべきゴールはニキビができない肌質への改善
  2. プロアクティブ療法が必要とされる理由と肌内部の状態
    1. 見た目が治っても肌の奥に残る微小面皰の存在
    2. 繰り返す炎症が引き起こすニキビ跡のリスク
    3. バリア機能の低下とアクネ菌増殖の悪循環
  3. 治療開始から薬を減らすまでの具体的な流れ
    1. 毎日塗布する急性期から維持期への移行手順
    2. 塗布間隔を隔日から週2回へと徐々に空ける方法
    3. 週末療法などの維持療法におけるスケジュールの組み方
    4. 医師の指示に基づく定期的な診察の重要性
  4. 外用薬の種類とそれぞれの特徴および副作用への対処法
    1. アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの主要な薬剤
    2. 乾燥やヒリヒリ感などの随伴症状への対応策
    3. 長期間の使用における安全性と耐性の問題
  5. 再発予防期間におけるスキンケアと生活習慣のポイント
    1. 洗顔と保湿によるバリア機能の正常化
    2. 紫外線対策とノンコメドジェニック製品の選択
    3. 食事と睡眠がホルモンバランスに与える影響
  6. 薬をやめるタイミングを見極める重要な判断基準
    1. 新しいニキビが長期間できない状態の継続確認
    2. 肌の赤みやざらつきが完全に消失したかのチェック
    3. 自己判断での中止が招く早期再発の危険性
  7. 治療を中断してしまうリスクと継続するための工夫
    1. 治療効果を実感するまでにかかる期間の理解
    2. モチベーションを維持するための目標設定
    3. 副作用がつらい時の医師への相談と調整
  8. よくある質問

プロアクティブ療法の基本概念と従来法との違い

プロアクティブ療法とは、症状が出ている時だけ薬を使うのではなく症状が治まった後も予防的に薬の使用を継続することで、寛解状態を長期的に維持するための治療戦略です。

これまでの治療法はニキビができたら薬を塗り治ったらやめるというサイクルの繰り返しでしたが、それでは肌内部に残る炎症の火種を完全に消し去ることができませんでした。

プロアクティブ療法は、この「再発の芽」を事前に摘み取ることで最終的に治療からの完全な離脱を目指すという点で、従来の方法とは一線を画しています。

急性期の治療と寛解維持期の治療の役割分担

ニキビ治療には、赤みや腫れが強く出ている「急性期」と、見た目は落ち着いているものの再発のリスクを抱えている「寛解維持期」という、大きく分けて2つの段階が存在します。

急性期には抗炎症作用や強力な抗菌作用を持つ薬剤を集中的に使用し、今起きている炎症を速やかに鎮めることが最優先事項となります。

一方で寛解維持期においては、肉眼では見えないレベルの毛穴の詰まり(微小面皰)を解消し続けることが重要になります。

プロアクティブ療法ではこの寛解維持期に特に焦点を当て、薬の塗布頻度や種類を細かく調整しながら、肌の状態をコントロールしていきます。

この時期の適切な管理こそが将来的な肌質を決定づける要因となり、二度とニキビに悩まない肌を作るための土台となります。

リアクティブ療法(対症療法)との決定的な差

従来の治療法であるリアクティブ療法は、症状が出現した際に反応(リアクション)して治療を行う、いわゆる対症療法的なアプローチです。

この方法では、表面的なニキビが治ったように見えても、肌の内部ではすでに次のニキビの準備が進んでいることが多く、結果として再発を繰り返してしまいます。

多くの患者様が「薬を使えば治るが、やめるとすぐに出る」という悩みを抱えていたのは、このリアクティブ療法の限界によるものでした。

対してプロアクティブ療法は、先回りして予防的な処置を行うため、常に肌をクリーンな状態に保つことが可能になります。

この「先回り」の意識こそが、慢性的なニキビ肌からの脱却には大切であり、治療のパラダイムシフトとも呼べる重要な変化です。

プロアクティブ療法とリアクティブ療法の比較

比較項目プロアクティブ療法リアクティブ療法(従来法)
治療のタイミング症状がない時も計画的に継続する。炎症が起きる前に対処する。ニキビができた時だけ行う。炎症が起きてから対処する。
目的再発予防と肌質の根本改善。ニキビのできない肌を作る。現在の症状の鎮静化。今あるニキビを治すことのみに注力。
長期的な結果ニキビができにくい肌になる。治療終了後も良い状態が続く。再発を繰り返し、ニキビ跡が残るリスクが高い。

目指すべきゴールはニキビができない肌質への改善

プロアクティブ療法の最終的な目標は、単に今ある赤いポツポツを消すことではなく、ニキビが全くできない健やかで強靭な肌質へと作り変えることにあります。

継続的な治療によって毛穴の角化異常を正常化し、皮脂がスムーズに排出される土壌を整えることで、ニキビの原因となる詰まりが発生しにくい環境を作ります。

肌質そのものが改善すれば、最終的には薬に頼らない生活を送ることが可能になり、毎日の鏡を見る時間が憂鬱なものから楽しみなものへと変わるはずです。

一時的な対処ではなく、人生を通じた肌の健康を手に入れることこそが、この治療法が目指す真のゴールといえるでしょう。

プロアクティブ療法が必要とされる理由と肌内部の状態

なぜ一見きれいに治った肌に薬を塗り続けなければならないのか、疑問に思う方も多いでしょうし、面倒だと感じることもあるかもしれません。

その理由は、私たちの肉眼では確認できない肌内部の微細な変化にあり、ここを理解することが治療継続のモチベーションになります。

ニキビが治癒した直後の肌は、炎症の余韻が色濃く残っており、外部刺激に対するバリア機能も完全には回復していない不安定な状態です。

この状態で治療を中断することは、無防備な肌を再び危険に晒すことと同義であり、再発へのカウントダウンを再開させることになってしまいます。

見た目が治っても肌の奥に残る微小面皰の存在

ニキビの始まりは「微小面皰(びしょうめんぽう)」と呼ばれる、毛穴の極めて小さな詰まりからスタートします。

これは肉眼では見えませんが、皮膚の下ではすでに発生しており、顕微鏡レベルで観察すると無数の予備軍が存在していることが分かります。

急性期の治療で表面的な赤いニキビが消えたとしても、この微小面皰は依然として多数残存していることが、多くの皮膚科学的研究で明らかになっています。

プロアクティブ療法を継続することは、この隠れた微小面皰を成熟させずに排出させ、炎症を伴うニキビへと成長させないために不可欠なプロセスです。

繰り返す炎症が引き起こすニキビ跡のリスク

同じ場所に何度もニキビができると、皮膚組織が深く傷つき、真皮層にまでダメージが及ぶことで修復困難な傷跡が残ります。

これがクレーター状の凹凸や、茶色く残る色素沈着といったニキビ跡の原因となり、一度できてしまうと治療には多大な時間と費用がかかります。

深いニキビ跡を元の滑らかな状態に戻すことは現代の医療でも非常に困難であるため、予防こそが最大の治療といえます。

新しいニキビを作らせないことこそが、最も効果的かつ経済的なニキビ跡対策となり、将来の肌の美しさを守ることにつながります。

肌内部で起きている炎症の連鎖要因

  • 角化異常の残存
    毛穴の出口付近の皮膚が異常に厚くなり、皮脂の排出がスムーズに行われない状態が水面下で続いています。
  • 潜在的な炎症
    表面の赤みが引いた後も、細胞レベルでは炎症性サイトカインなどの物質が放出され続けており、再燃の機会を窺っています。
  • 皮脂組成の変化
    ニキビ肌特有の、酸化しやすく炎症を起こしやすい成分を含んだ皮脂が分泌され続けているため、ケアが必要です。
  • 常在菌バランスの乱れ
    アクネ菌が必要以上に増殖しやすい環境が整ったままであり、治療中断によってすぐに菌バランスが悪化してしまいます。

バリア機能の低下とアクネ菌増殖の悪循環

ニキビを繰り返す肌は、角層のバリア機能が著しく低下しており、外部からの刺激に対して非常に脆弱になっています。

バリア機能が弱いと、肌内部の水分が蒸発しやすくなり、乾燥を防ごうとして生体防御反応により過剰な皮脂分泌が起こります。

この過剰な皮脂がアクネ菌の格好の餌となり、さらに炎症が悪化するという負の連鎖(悪循環)が生じてしまいます。

プロアクティブ療法によって肌状態を安定させることは、この悪循環を断ち切り、バリア機能を正常な状態へと修復する時間を肌に与えることでもあります。

治療開始から薬を減らすまでの具体的な流れ

プロアクティブ療法は、漫然と薬を塗り続けるのではなく、肌の状態を細かく見極めながら段階的に使用頻度を減らしていく、非常に計画的な治療法です。

この「減薬」の手順を誤ると、せっかく改善した肌が逆戻りしてしまうリスクがあるため、慎重に進める必要があります。

医師の指導のもと、焦らずゆっくりとステップを踏むことが成功の鍵であり、自己判断での急な変更は避けなければなりません。

毎日塗布する急性期から維持期への移行手順

治療開始直後は、ニキビの新しい発生を徹底的に抑え込むために、処方された外用薬を毎日全顔(またはニキビができやすいエリア全体)に塗布します。

この期間は症状の重さにもよりますが、通常は3ヶ月から半年程度続き、肌のターンオーバーを数回繰り返す時間が必要です。

重要なのは、今あるニキビの部分だけでなく、予備軍が潜んでいる周辺の正常に見える皮膚も含めて、面で広く塗ることです。

「赤いニキビが一つもないツルツルの状態」が一定期間続いたことを医師と確認して初めて、次のステップである維持期へと移行することができます。

塗布頻度を減らすスケジュールの目安

フェーズ塗布頻度判断基準とアクション
急性期導入期毎日
(1日1回)
新しいニキビができなくなるまで継続する。赤みやざらつきが完全に消えるのを待つ。最低3ヶ月は維持。
維持期前期隔日
(2日に1回)
急性期の良い状態が1ヶ月以上続いた場合に移行する。もし再発があれば、すぐに毎日の塗布に戻す。
維持期後期週2回
(例:週末)
隔日塗布で数ヶ月間トラブルがない場合に移行する。この頻度で長期間(半年〜1年)の維持を目指す。

塗布間隔を隔日から週2回へと徐々に空ける方法

維持期に入ると、薬を塗る回数を少しずつ減らしていきますが、まずは「毎日」から「1日おき(隔日)」へと変更するのが一般的です。

この状態で数ヶ月様子を見て、生理前やストレスがかかる時期でも再発がないことをしっかりと確認します。

順調であれば、次は「2日おき(週2〜3回)」、さらに「週末のみ(週2回)」へと、徐々に間隔を空けていきます。

このように段階を踏んで徐々に肌を薬のない状態に慣れさせていくことで、リバウンドのリスクを最小限に抑えることができます。

週末療法などの維持療法におけるスケジュールの組み方

最終的な維持療法の段階では、例えば土曜日と日曜日だけ薬を塗る「週末療法」などが推奨されることが多くあります。

固定の曜日に塗ることで「今日は塗る日だっけ?」という迷いをなくし、塗り忘れを防ぎながら生活リズムに自然に組み込むことができます。

この段階まで来れば、薬の使用量は大幅に減りますが、予防効果はしっかりと持続し、コストパフォーマンスも良くなります。

完全にやめるのではなく、最小限の頻度で最大限の予防効果を得ることが、この時期の最大の目的となります。

医師の指示に基づく定期的な診察の重要性

自己判断で勝手に薬を減らしたりやめたりすることは、再発の最大のリスク要因となるため避けてください。

肌の状態は季節や体調、環境の変化、ストレスなどによって日々繊細に変化しており、自分では気づかない予兆があるものです。

定期的に医師の診察を受け、プロの目で肌状態を客観的にチェックしてもらうことが、治療成功への近道です。

医師は微細な変化を察知し、その時々の肌に合わせた最適な塗布頻度やスキンケアのアドバイスを提供してくれます。

外用薬の種類とそれぞれの特徴および副作用への対処法

プロアクティブ療法で使用される主な外用薬にはいくつかの種類があり、それぞれ異なるメカニズムでニキビにアプローチします。

それぞれの薬は作用の仕組みが異なり、患者の肌質やニキビのタイプ、重症度によって医師が最適なものを選択し使い分けます。

また、これらの薬には特有の副作用が現れることがありますが、正しい知識と対処法を知っていれば、過度に恐れる必要はありません。

薬の特性を深く理解し、自分の肌と上手に付き合っていくことが、途中で挫折せずに治療を継続する大きな助けとなります。

アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの主要な薬剤

現在、ニキビ治療の世界的スタンダードとなっているのは「アダパレン」と「過酸化ベンゾイル」という成分、あるいはその配合剤です。

アダパレンはビタミンA誘導体の一種で、角層の薄さを調整し、毛穴の詰まりを取り除くことで面皰の形成を強力に抑制します。

過酸化ベンゾイルは強力な酸化作用による抗菌作用に加え、マイルドな角質剥離作用(ピーリング作用)も併せ持つ優れた成分です。

これらは単独で使われることもあれば、より高い相乗効果を求めて組み合わせて処方されることもあり、医師の判断によります。

代表的な外用薬の特徴と注意点

成分名主な作用使用時の注意点
アダパレン毛穴の詰まりを改善し、面皰形成を抑制する。角化を正常化させる。乾燥や赤みが出やすい。妊娠中、授乳中は使用できないため注意が必要。
過酸化ベンゾイルアクネ菌への直接的な抗菌作用と、角質剥離作用のダブル効果。漂白作用があるため、髪や服、寝具に付かないよう注意する。稀にかぶれが生じる。
配合剤上記2つや抗生物質を組み合わせ、多角的に作用し高い効果を発揮。効果が高い分、刺激を感じることもある。医師の指示通りの量を厳守する。

乾燥やヒリヒリ感などの随伴症状への対応策

これらの薬剤を使用し始めると、多くの人で肌の乾燥、赤み、皮剥け、ヒリヒリ感といった症状が現れることがあります。

これは副作用というよりも、薬が効いている証拠(随伴症状)であることが多く、肌が生まれ変わろうとしているサインでもあります。

通常は使用開始から2週間〜1ヶ月程度で肌が慣れて治まりますが、この時期を乗り越える工夫が必要です。

保湿を普段よりも入念に行うことが大切で、洗顔後すぐに保湿剤を塗り、その上から薬を塗ることで刺激を和らげることができます。

長期間の使用における安全性と耐性の問題

「長く使い続けて大丈夫なのか」「耐性菌ができないか」と心配する声も聞かれますが、これらは長期使用に適した設計になっています。

アダパレンや過酸化ベンゾイルは、一般的な抗生物質とは異なり、長期間使用しても耐性菌が出現しにくいという大きな特徴があります。

そのため、プロアクティブ療法のような、年単位に及ぶ長期的な維持療法において安心して使用し続けることができます。

ただし、漫然と使用するのではなく、副作用のモニタリングを行いながら、医師の管理下で継続することが重要です。

再発予防期間におけるスキンケアと生活習慣のポイント

プロアクティブ療法で薬の力を借りつつも、日々のスキンケアや生活習慣が乱れていては、治療効果は半減してしまいます。

再発予防期間においては、薬に頼り切りになるのではなく、肌の基礎体力を底上げするような生活を心がけることが求められます。

特別な高価なケアをするというよりは、当たり前のことを丁寧に、毎日積み重ねることが、ニキビのできない肌への近道です。

洗顔と保湿によるバリア機能の正常化

スキンケアの基本は「こすらない洗顔」と「十分な保湿」であり、これがバリア機能を守るための鉄則です。

洗顔時に手でゴシゴシと肌を摩擦すると、未熟な角層が剥がれ落ちてバリア機能が破壊され、逆にニキビが悪化する原因になります。

たっぷりの泡でクッションを作り、手が直接肌に触れないように優しく洗い、ぬるま湯で丁寧にすすぐことを徹底してください。

洗顔後は、ノンコメドジェニックテスト済みの保湿剤を使用し、水分と油分のバランスを整え、乾燥から肌を守ります。

「ニキビ肌だから保湿は不要」というのは誤りで、乾燥は過剰な皮脂分泌を招くため、ベタつきを嫌って保湿を省略することは避けてください。

日常生活で意識すべき予防習慣

  • 摩擦レスな生活
    洗顔、タオルドライ、寝具との接触など、あらゆる場面で物理的な刺激を減らすよう意識してください。
  • 定期的な寝具の交換
    枕カバーやシーツをこまめに交換し清潔に保つことで、睡眠中の雑菌の繁殖と付着を防ぎます。
  • ストレスコントロール
    ストレスは皮脂分泌を促すホルモンを増やすため、自分なりのリラックス方法を持つことが肌のためになります。
  • 髪型の工夫
    前髪やサイドの髪が顔にかからないようにし、整髪料や髪の汚れが肌に付着するのを防ぐことも有効です。

紫外線対策とノンコメドジェニック製品の選択

紫外線は肌の酸化ストレスを増やし、皮脂を酸化させて毛穴の詰まりを誘発する強力な悪化因子です。

また、紫外線は現在あるニキビの炎症を悪化させるだけでなく、ニキビ跡の色素沈着を濃くし、消えにくくする原因にもなります。

外出時はもちろん、窓から入る紫外線にも注意し、室内でも日焼け止めを使用することが美肌を守るためには大切です。

化粧品や日焼け止めを選ぶ際は、「ノンコメドジェニック」と表記された、ニキビのもとになりにくい処方の製品を選んでください。

食事と睡眠がホルモンバランスに与える影響

皮膚は内臓の鏡とも言われるように、私たちが口にする食事や日々の睡眠の質が、肌の状態にダイレクトに影響します。

糖質や脂質の過剰摂取は皮脂の性状を悪化させる可能性があるため、バランスの良い食事を心がけることが必要です。

特にビタミンB群やビタミンC、腸内環境を整える食物繊維を意識して摂取することで、内側からのケアを行います。

また、睡眠不足はホルモンバランスを乱し、肌のターンオーバーを阻害する最大の敵であるため、質の良い睡眠を確保してください。

薬をやめるタイミングを見極める重要な判断基準

「いつまで薬を続ければいいのか」は、長く治療を続ける患者様にとって最大の関心事の一つであり、不安の種でもあります。

しかし、治療のゴールは「期間」で決まるものではなく、あくまで「肌の状態」によって決まるということを理解する必要があります。

期間で区切ってやめてしまうと、まだ治りきっていない微小面皰が再燃し、これまでの努力が水の泡になる可能性があります。

医師と密に相談しながら、客観的な基準に基づいて慎重に判断することが、最終的な成功への鍵となります。

新しいニキビが長期間できない状態の継続確認

最も分かりやすく重要な指標は、新しいニキビ(新生面皰)の発生状況を長期間モニタリングすることです。

生理前や試験期間中などのストレスがかかった時期も含め、数ヶ月から半年以上にわたって新しいニキビが一つもできない状態を確認します。

時々ポツポツとできる状態では、まだ肌の内部環境が安定していない証拠であり、治療を終了する時期ではありません。

完全に沈静化し、どんな状況でも揺らがない肌状態になっていることが、卒業への第一条件となります。

治療終了を検討できる肌状態チェックリスト

チェック項目チェックポイントの詳細判定基準
新生ニキビ直近6ヶ月間で新しいニキビができたか。生理前などの揺らぎも含める。1つもできていない状態が理想。小さな白ニキビも含めて確認する。
肌の触感洗顔時などに指で触れてざらつきを感じるか。凹凸がなく、ツルツルとした均一な感触であること。
医師の所見拡大鏡などで見て微小面皰がないか。専門的な視点での確認。医学的に毛穴の詰まりがないと診断されること。

肌の赤みやざらつきが完全に消失したかのチェック

大きなニキビそのものがなくても、肌全体に赤みが残っていたり、手で触れた時にざらつきを感じたりする場合は注意が必要です。

これはまだ毛穴の中で微細な炎症がくすぶっていたり、角栓の詰まりが解消されきっていなかったりするサインだからです。

肌の手触りが滑らかになり、色ムラのない均一なトーンになるまで治療を続けることが、再発防止の観点から推奨されます。

このレベルまで改善して初めて、再発のリスクを最小限に抑えることができ、真の意味での「完治」に近づきます。

自己判断での中止が招く早期再発の危険性

多くの人が、見た目が良くなった時点で自己判断で通院をやめてしまいますが、これは非常にリスクの高い行為です。

これは「寛解(症状が一時的に治まっている状態)」であって「治癒(完治)」ではないことが多く、火種が残っている状態です。

自己中断したケースの多くが、数ヶ月以内に再発しており、再び最初から治療をやり直すことになってしまいます。

薬をやめる時は、スパッとやめるのではなく、塗布頻度を極限まで減らしてからフェードアウトする方法をとるのが定石です。

治療を中断してしまうリスクと継続するための工夫

ニキビ治療は短距離走ではなくマラソンのようなもので、長期戦になることが一般的であり、忍耐が試されます。

そのため、途中でモチベーションが低下したり、副作用に耐えかねて脱落してしまったりする人が少なくありません。

しかし、中途半端な治療は時間と費用の無駄になるだけでなく、難治性のニキビへと悪化させる原因にもなりかねません。

ここでは、治療を長く続けるための心構えや、挫折しそうになった時に役立つ工夫についてお伝えします。

治療効果を実感するまでにかかる期間の理解

皮膚のターンオーバーは約28日周期ですが、ニキビ治療の効果が目に見えて現れるには、その数倍の期間が必要です。

つまり、治療を開始してから効果を実感できるまでには、最低でも3ヶ月程度かかることが一般的であると知っておく必要があります。

最初の1ヶ月は副作用がつらいだけで効果が感じられないことも多く、ここで「合わない」と判断して諦めてしまう人が多いのが実情です。

「効果が出るまでには時間がかかるものだ」と予め理解し、長期的な視点を持つことが心の余裕につながります。

モチベーションを維持するための目標設定

出口の見えないトンネルを歩くように、漠然と薬を塗るだけでは継続が難しいため、具体的な目標を設定することをお勧めします。

「友人の結婚式までに綺麗にする」「夏にはマスクを外して堂々と歩く」など、ポジティブなイメージを持つことが原動力になります。

また、定期的に肌の写真を撮って記録することで、自分では気づきにくい小さな変化に気づきやすくなり、改善の実感が湧いてきます。

過去の自分と比較して「良くなっている」ことを確認作業は、治療を続ける上で非常に大きな励みになります。

治療継続を阻害する要因と対策

阻害要因具体的な対策と心構え
効果が見えない焦り肌の改善には最低3ヶ月かかると割り切る。写真記録をつけて客観的に比較し、小さな変化を見つける。
副作用の不快感我慢せず医師に相談する。使用量や頻度を一時的に減らす、保湿を強化するなどで緩和が可能。
通院の面倒くささ通いやすい場所のクリニックを選ぶ。オンライン診療や予約システムを活用し、負担を減らす。

副作用がつらい時の医師への相談と調整

副作用が強すぎて生活に支障が出る場合は、決して我慢せずに医師に相談してください。

塗る量や頻度を調整したり、保湿剤の種類を変えたり、薬のランクを変更したりすることで、症状を緩和できる方法はたくさんあります。

辛いからといって黙って治療をやめてしまうのが一番の損失であり、せっかくの改善の機会を逃すことになります。

医師と二人三脚で、自分に合ったペースや方法を見つけることが大切であり、それが完治への近道となります。

よくある質問

プロアクティブ療法に関して、日々の診察の中で患者様から頻繁に寄せられる疑問について、分かりやすく回答します。

Q
薬を塗っていない日にスキンケアはどうすればよいですか?
A

薬を塗らない日であっても、スキンケアは通常通り行ってください。洗顔で汚れや余分な皮脂を落とし、化粧水や乳液で十分に保湿をすることが重要です。

特別なケアを追加する必要はありませんが、保湿を怠らないことが肌のバリア機能を維持し、次の塗布時の刺激を和らげることにつながります。

Q
再発してしまった場合は最初からやり直しになりますか?
A

維持療法中にニキビが再発してしまった場合は、一時的に急性期の治療に戻す必要があります。薬の塗布頻度を「毎日」に戻し、炎症を確実に鎮火させます。

ただし、治療を完全にやめてしまっていた場合に比べて、早期に対応すれば回復も格段に早くなる傾向があります。再発に気づいたら、すぐに医師の診察を受けてください。

Q
プロアクティブ療法はずっと続けなければなりませんか?
A

一生続ける必要はありませんが、年単位での継続が必要になるケースは多いです。特にニキビができやすい体質の方は長期間の管理が推奨されます。

ニキビができやすい思春期から青年期の間は維持療法を続け、年齢とともに皮脂分泌が落ち着いてくれば、徐々に卒業できる可能性が高まります。

Q
化粧や日焼け止めは治療中も使えますか?
A

使用可能です。むしろ、紫外線防御のために日焼け止めは積極的に使用してください。紫外線はニキビ悪化の大きな要因となります。

化粧品については、油分が少なく毛穴を塞ぎにくいノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶことを強く推奨します。

参考文献