背中や胸元(デコルテ)のぶつぶつが、ニキビ用の薬や顔と同じ洗い方では良くならないときは、ニキビに似たマラセチア毛包炎が混ざっていることがあります。背中は皮脂が多く蒸れやすいため、顔とは違う原因も重なります。

大きさのそろった赤いぶつぶつが広がり、痛みよりかゆみがあるのが手がかりです。皮膚科では問診と視診に加え、必要に応じて顕微鏡で真菌の有無を調べ、原因に合った薬を選びます。

このページでは、2つの違いと診断の流れ、治療薬、胸元やお尻のぶつぶつ、入浴と衣類の工夫、跡と結婚式前の準備についてまとめました。

背中の上部や胸元は皮脂腺が多く、衣服の中で蒸れやすい場所です。下着や縫い目の摩擦も症状に影響します。

皮膚の厚さと塗りにくさ

顔のニキビ薬が効きにくい理由の一つは、背中の皮膚は顔より角質層が厚く、塗り薬の成分が患部に届きにくいことです。手が届かず塗り残す範囲を診察で伝え、塗り方を相談しましょう。

背中にできるニキビとマラセチア毛包炎のぶつぶつの大きさや広がり方を左右で見比べた図

ニキビには毛穴の詰まりや皮脂、アクネ菌が関わります。マラセチア毛包炎は、皮膚にもともといる真菌(カビの一種)が毛包という毛の根元を包む部分で増え、炎症を起こす病気です。

比較する点ニキビマラセチア毛包炎
原因毛穴の詰まり・皮脂・アクネ菌マラセチアという真菌
見た目大小が混ざり、膿を持つものも大きさのそろった赤いぶつぶつ
かゆみと痛み炎症が強いと痛む軽いかゆみを伴う傾向
できやすい場所顔・首・背中上部背中・胸・肩・二の腕
使う薬毛穴の詰まりや炎症を抑える薬抗真菌薬

そろった赤いぶつぶつとかゆみ

顔より体に多く出て、夏や汗をかく時期にかゆみが増すなら、マラセチア毛包炎も疑われます。背中ニキビ用の薬を1か月以上使っても変化が乏しい場合も手がかりですが、両者が混ざる例もあり、診断は見た目だけでは決まりません。

問診、視診、顕微鏡検査によって背中の発疹を見分ける診断の流れ

皮膚科では、問診でかゆみの有無や薬を使った経過を聞き、視診で発疹の形や広がり、毛穴の詰まりを確かめます。

顕微鏡で真菌の有無を調べる

直接鏡検は、ぶつぶつの中身を少量採り、顕微鏡で真菌の有無を調べる検査です。検査そのものにかかる時間は数分ほどです。

受診前に整理したい症状と薬

  • 発症時期 … いつから、どの場所に出たか
  • 自覚症状 … かゆみと痛みの程度、季節や汗による変化
  • 薬の使用歴 … 薬の名前と使用期間、抗菌薬を飲んだあとに出たか(真菌が原因かを考える手がかり)

薬の使用歴を伝えるには、容器や薬の説明書が役立ちます。

ニキビには詰まりと炎症への薬、マラセチア毛包炎には抗真菌薬を選ぶ治療の分岐図

一般的な皮膚科では、ニキビか毛包炎かの診断と、炎症の強さや範囲に応じて治療薬を選びます。

ニキビには毛穴の詰まりと炎症への薬

ニキビの治療は、アダパレンや過酸化ベンゾイルの塗り薬が中心です。背中は範囲が広いため、量や塗る場所、刺激が出たときの使い方を処方時に確認しておくと安心です。

過酸化ベンゾイルには布を脱色する作用があるため、塗った部分から衣類や寝具に薬が付かないように気をつけます。赤く腫れたニキビが多いときは、医師が示す期間、抗菌薬の飲み薬を併用します。

マラセチア毛包炎には抗真菌薬

マラセチア毛包炎は抗真菌薬の塗り薬で治療を始め、広い範囲に及ぶ例や繰り返す例では飲み薬を検討します。肝機能への影響や飲み合わせを確認するため、肝臓の病気や服用中の薬を医師に伝えましょう。

抗真菌薬の塗り薬は、症状がなくなってからも2週間〜1か月ほど続けるのが目安ですが、実際にいつまで使うかは医師の指示に従います。

市販薬で変化がないときは皮膚科へ

軽い症状に市販薬を使っても改善しない、広がる、かゆみが強い場合は、製品を次々に替える前に皮膚科へ相談しましょう。

背中のニキビに届きやすいスプレータイプの市販薬も、保険適用の皮膚科治療で使う薬とは成分が異なる場合があります。外用薬(塗り薬)は使いやすさだけで選ばず、効果を判断する際には塗り方と使用期間も確かめるのが基本です。

体にできるぶつぶつはすべてがニキビとは限らず、皮膚科では胸元やお尻でも汗疹や毛包炎などを見分けて対処します。

汗疹と毛包炎にも注意

汗疹(あせも)は汗の出口が詰まり、細かいぶつぶつが面状に広がる病気です。チクチクとかゆくなり、涼しくすると引きやすい特徴があります。

胸元・デコルテのニキビや汗疹は蒸れで悪化し、お尻では長時間の圧迫から毛包炎や角化、黒ずみが生じることがあります。角化とは、角質が厚くなる変化です。

洗髪後によく流す、泡でやさしく洗う、汗をかいたら着替えるという背中のケア方法

入浴と衣類の工夫で、肌への刺激と蒸れを減らします。

  • 洗う順番 … シャンプーやリンスの洗い残しを背中に残さないよう、髪を先に洗い、最後に体を洗い流す
  • 洗い方 … ナイロンタオルで強くこすらない
  • 汗と衣類 … 汗をかいたら早めに着替え、通気性のよい肌着を選ぶ

シャンプーやリンスの洗い残しを減らすことは背中への刺激を抑える工夫ですが、入浴法は背中ニキビの治療の代わりにはなりません。

茶色い色素沈着が気になるときも、まず新しいニキビを抑え、跡が増えるのを防ぎます。結婚式など背中を出す予定があるなら、早めに受診しましょう。

塗り薬の変化は月単位で判断

塗り薬で肌の変化が見えてくるまでは2〜3か月が目安で、予定日までにニキビが落ち着くとは限りません。挙式の6か月前から始めると経過を見る余裕を取りやすく、予定日を伝えて治療を組み立てられます。

ピーリングを検討する前に

ケミカルピーリングは薬剤で古い角質の除去を促す方法で、ニキビやニキビ跡には保険適用外の選択肢です。刺激が出る場合もあるため、結婚式直前に新しい施術や薬を自己判断で追加するのは避けましょう。

背中ニキビの跡や茶色い色素沈着は、炎症とは別に経過を見ていきます。結婚式前のブライダルケアでピーリングを加えるかどうかは、診察で医師が炎症の残り方と色の状態を見て判断します。

Q
背中ニキビの薬を一人で塗れないときはどうしますか?
Q
背中ニキビとマラセチア毛包炎は同時にできますか?
Q
マラセチア毛包炎は治療後に再発しますか?
Q
背中ニキビの治療中にドレスを試着してもよいですか?
Q
マラセチア毛包炎は家族にうつりますか?

大木皮ふ科クリニックは、小田急線の相模大野駅北口から徒歩1分の皮膚科・アレルギー科のクリニックです。女性医師と皮膚科専門医が在籍し、医師の指名も可能なため、希望がある場合は受付で伝えられます。

背中や胸元のぶつぶつが繰り返してお悩みの方、ご自身の症状に合う治療を知りたい方は、お気軽にご相談ください。

院長 オオキカズオ 大木和
大木皮ふ科クリニック 副院長 大木沙織

院長の大木和は日本皮膚科学会の皮膚科専門医です。虎の門病院で皮膚科学を学んだ後に当院を開業し、大学ではステロイドとヘルペスを研究してきました。

副院長の大木沙織は皮膚科医で、日本内科学会の内科専門医と公認心理師の資格を持ちます。順天堂大学卒業後、三井記念病院と国際医療福祉大学病院で学び、他科疾患も含めた総合的な診療を得意分野としています。