「最近、抜け毛が増えた気がする」「生え際が後退してきたかもしれない」「頭頂部が薄くなってきたのでは?」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

薄毛や抜け毛の悩みは、多くの方が抱えるデリケートな問題です。はげ方にはいくつかのパターンがあり、その種類や進行度によって適切な対処法が異なります。

この記事では、代表的なはげ方の種類、パターン、進行度について解説し、それぞれの状態に応じた治療アプローチを紹介します。

目次

あなたのはげ方はどのタイプ?主な種類

薄毛や抜け毛といっても、その原因や症状の現れ方は一つではありません。まずは、どのような種類のはげ方があるのかを知ることが大切です。

男性型脱毛症(AGA)とは

男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia、以下AGA)は、成人男性に最も多く見られる脱毛症です。主な原因は男性ホルモンと遺伝的要因と考えられています。

思春期以降に発症して徐々に進行するのが特徴で、生え際の後退や頭頂部の毛髪が薄くなるなどの症状が現れます。

日本人男性の約3人に1人がAGAを発症するといわれていて、進行性のため放置すると薄毛が徐々に広がっていく可能性があります。

女性の薄毛(FAGA/FPHL)の特徴

女性の薄毛は男性のAGAとは異なり、特定のパターンで進行するケースは少なく、頭部全体の毛髪が均等に薄くなるびまん性脱毛症の形をとることが多いです。

これはFAGA(Female Androgenetic Alopecia)やFPHL(Female Pattern Hair Loss)とも呼ばれます。原因は加齢による女性ホルモンの減少やホルモンバランスの乱れ、ストレスや生活習慣など多岐にわたります。

男性のように完全に禿げてしまうのは稀ですが、髪のボリュームダウンや分け目の透け感が気になる方が多いです。

円形脱毛症とその原因

円形脱毛症は、ある日突然、コインのような円形または楕円形の脱毛斑が発生する病気です。単発で終わる場合もあれば、多発したり、頭部全体や体毛にまで及んだりする方もいます。

自己免疫疾患の一つと考えられており、免疫細胞が誤って毛根を攻撃してしまうことで発症します。

ストレスや疲労、感染症や遺伝的要因などが引き金となる例もありますが、明確な原因はまだ完全には解明されていません。年齢や性別に関わらず誰にでも発症する可能性があります。

その他の脱毛症(牽引性、脂漏性など)

上記以外にも、さまざまな原因による脱毛症が存在します。

例えば、ポニーテールなど髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで起こる牽引(けんいん)性脱毛症や、頭皮の皮脂分泌異常や炎症が原因となる脂漏(しろう)性脱毛症などがあります。

また、薬剤の副作用や特定の病気(甲状腺疾患など)が原因で脱毛が起こるケースもあります。これらの脱毛症は、原因に応じた適切な対処が必要です。

はげ方の代表的なパターン(AGA)

男性型脱毛症(AGA)の進行パターンには、いくつかの典型的な形があります。これらのパターンを確認すると、ご自身のAGAの進行度を把握する手がかりになります。

M字型(生え際の後退)

額の左右の生え際、いわゆる「剃り込み」部分から後退していくパターンです。

正面から見たときに、生え際がアルファベットの「M」のような形に見えることからM字型と呼ばれます。AGAの初期段階で見られることが多いパターンの一つです。

O字型(頭頂部の薄毛)

頭頂部、いわゆる「つむじ」周辺から円形に薄毛が進行していくパターンです。

上から見たときにアルファベットの「O」のように見えるため、O字型と呼ばれます。自分では気づきにくく、他人からの指摘で発覚することもあります。

U字型(M字とO字の混合・進行)

M字型とO字型の両方が同時に進行する、あるいはどちらか一方が進行した後に、もう一方も進行して最終的に繋がった状態です。

生え際全体が後退し、頭頂部の薄毛も広がるため、側頭部と後頭部の毛髪が「U」の字のように残ることからU字型と呼ばれます。AGAがかなり進行した状態といえます。

AGA進行度の目安(ハミルトン・ノーウッド分類に基づく)

AGAの進行度は、国際的に用いられるハミルトン・ノーウッド分類で評価されます。この分類は、薄毛のパターンと範囲によって段階分けするものです。

進行段階(目安)主な特徴
初期生え際がわずかに後退、または変化なし
中期M字、O字のいずれか、または両方が明確
後期M字とO字が繋がり、U字型に進行

上記は簡略化した目安です。正確な診断は専門医が行います。

薄毛はどのように進行するのか

薄毛、特にAGAは進行性の脱毛症です。放置すると症状は徐々に悪化していく可能性があります。

薄毛がどのように進行するのか、その背景にあるメカニズムとリスクについて理解しておきましょう。

初期症状を見逃さないために

薄毛の進行は多くの場合、ゆっくりと始まります。

「最近、枕元の抜け毛が増えた」「髪のハリやコシがなくなった気がする」「スタイリングが決まりにくくなった」といった些細な変化が、実は薄毛の初期サインである可能性があります。

これらの変化に早期に気づき、対処することが進行を遅らせる鍵となります。

ヘアサイクルの乱れとは

髪の毛には、成長期、退行期、休止期という一定の周期(ヘアサイクル)があります。通常、成長期は数年間続き、髪が太く長く成長します。

しかし、AGAなどの影響を受けると、この成長期が著しく短縮してしまいます。十分に成長する前に髪が抜け落ちてしまうため細く短い毛が増え、全体として薄毛が目立つようになります。

正常なヘアサイクルと乱れたヘアサイクル

段階正常な状態AGAなどによる乱れ
成長期2~6年程度、毛髪が太く長く成長数ヶ月~1年程度に短縮、毛髪が細く短い
退行期約2週間、毛根が退縮期間はほぼ同じ
休止期約3~4ヶ月、毛髪の成長が停止し、脱毛する期間はほぼ同じ、割合が増加

進行を放置するリスク

AGAは進行性の脱毛症であり、自然治癒することはほとんどありません。初期段階で適切な対策を講じなければ薄毛は徐々に進行し、治療の効果が得られにくくなる可能性があります。

治療開始が遅れるほど、毛髪を回復させるのが難しくなる傾向があります。そのため、薄毛のサインに気づいたら、できるだけ早く専門医に相談することが重要です。

進行速度の個人差について

薄毛の進行速度には個人差があります。遺伝的要因や生活習慣、ストレスの度合いなど、さまざまな要因が影響します。

数年かけてゆっくり進行する方もいれば、比較的短期間で急速に薄毛が目立つようになる方もいます。

ご自身の進行速度を把握するためにも、定期的なセルフチェックや専門医による診断が役立ちます。

遺伝や生活習慣などのはげ方の原因

薄毛やはげ方がなぜ起こるのか、その原因を知ることは、適切な対策を講じる上で非常に重要です。遺伝的な要因から生活習慣まで、さまざまな要素が関与しています。

遺伝的要因の影響

AGAの発症には、遺伝的な要因が大きく関わっていると考えられています。

特に、男性ホルモンに対する感受性の高さは遺伝しやすい性質の一つです。ご家族に薄毛の方がいる場合、ご自身もAGAを発症する可能性が高まる傾向があります。

ただし、遺伝的素因があるからといって必ず発症するわけではなく、他の要因も複合的に影響します。

男性ホルモン(DHT)の関与

AGAの直接的な引き金となるのが、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)です。

男性ホルモンのテストステロンは、毛根付近に存在する還元酵素「5αリダクターゼ」によってDHTに変換されます。

このDHTが毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結合すると、毛髪の成長期を短縮させる信号が出され、ヘアサイクルが乱れて薄毛が進行します。

生活習慣(食生活、睡眠、ストレス)

不規則な生活習慣も、頭皮環境や毛髪の成長に悪影響を与える可能性があります。

栄養バランスの偏った食事や睡眠不足、過度なストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れを引き起こし、毛髪の健全な成長を妨げる要因となり得ます。

頭皮・毛髪に影響を与える生活習慣

生活習慣の乱れ影響
栄養バランスの偏り髪の主成分(タンパク質、亜鉛、ビタミン)不足
睡眠不足成長ホルモンの分泌低下、血行不良
過度なストレス自律神経の乱れ、血管収縮による血行不良

その他の要因(病気、薬剤など)

特定の病気(甲状腺機能の異常、膠原病など)や、服用している薬剤の副作用によって脱毛が引き起こされるケースもあります。

また、過度なダイエットによる栄養不足や、誤ったヘアケアによる頭皮へのダメージも、抜け毛や薄毛の原因となりやすいです。原因がAGA以外にある場合は、その原因に対する治療や対策が必要です。

自宅でできるセルフチェック

「もしかして薄毛が始まっているかも?」と感じたら、まずはご自身で状態を確認してみましょう。自宅で簡単にできるセルフチェックの方法を知っておくと、早期発見の手がかりになります。

ただし、セルフチェックはあくまで目安であり、正確な診断は専門医に委ねることが大切です。

抜け毛の本数と質の変化を確認

健康な人でも1日に50~100本程度の髪の毛は自然に抜けます。しかし、シャンプー時や起床時の枕元の抜け毛が明らかに増えたと感じる場合は注意が必要です。

また、抜け毛の中に細く短い毛や、毛根部分が細くなっている毛が多く含まれている場合、ヘアサイクルが乱れているサインかもしれません。

頭皮の状態を観察する(色、硬さ、フケ)

健康な頭皮は青白い色をしていますが、血行が悪くなると赤っぽくなったり、炎症を起こすと赤みが出たりします。

頭皮を指で軽く動かしてみて、硬く突っ張った感じがする場合も血行不良の可能性があります。また、フケやかゆみがひどい場合は、脂漏性皮膚炎など頭皮トラブルの可能性も考えられます。

頭皮の状態チェックポイント

チェック項目健康な状態注意が必要な状態
青白い赤みがある、黄色っぽい
硬さ柔らかく動く硬く突っ張っている
フケ・かゆみほとんどない大量に出る、かゆみが強い、湿ったフケが多い

生え際や頭頂部の視覚的チェック

鏡を使って、額の生え際や頭頂部の状態を定期的に確認しましょう。以前と比べて生え際が後退していないか、頭頂部の地肌が透けて見えやすくなっていないかをチェックします。

可能であれば、スマートフォンのカメラなどで定期的に写真を撮っておくと、変化を客観的に比較しやすくなります。

セルフチェックの限界と注意点

セルフチェックは、あくまでご自身の状態を把握するための簡易的な方法です。

薄毛の原因や進行度を正確に判断することはできません。自己判断で誤ったケアをしてしまうと、かえって症状を悪化させる可能性もあります。

気になる症状がある場合はセルフチェックの結果にとらわれず、早めに専門のクリニックを受診して、医師の診断を受けましょう。

クリニックでの診断と検査

薄毛や抜け毛の悩みは、専門のクリニックで相談することが解決への第一歩です。

クリニックでは医師が薄毛の原因や種類、進行度を正確に診断し、一人ひとりに合った治療方針を提案します。

専門医による問診の重要性

まず、患者さんの悩みや症状について詳しく話を聞きます。

いつから薄毛が気になり始めたか、どのような進行パターンか、生活習慣や既往歴、家族歴(家族に薄毛の人がいるか)や現在服用中の薬など多岐にわたる情報を得て、診断の手がかりとします。

些細なことでも、気になる点は遠慮なく医師に伝えましょう。

視診と触診による評価

医師が実際に頭皮や毛髪の状態を目で見て(視診)、手で触れて(触診)評価します。薄毛の範囲やパターン、毛髪の太さや密度、頭皮の色や硬さ、炎症の有無などを確認します。

これによりAGAの進行度や、他の脱毛症(円形脱毛症、脂漏性皮膚炎など)の可能性を判断します。

マイクロスコープでの頭皮・毛髪診断

多くのクリニックでは、マイクロスコープ(拡大鏡)を用いて頭皮や毛髪の状態をより詳細に観察します。

肉眼では見えない毛穴の詰まりや頭皮の炎症、毛髪の太さのばらつきや細く短い毛(軟毛)の割合などを確認できるのがメリットです。

これにより、ヘアサイクルの乱れ具合や頭皮環境の問題点を客観的に評価できます。

マイクロスコープで確認できる主な項目

観察対象確認する点
頭皮色、炎症の有無、皮脂量、毛穴の詰まり
毛髪太さの均一性、軟毛の割合、毛髪密度
毛根形状、毛根周囲の状態

必要に応じた血液検査など

問診や診察の結果、AGA以外の原因(例えば、甲状腺機能異常、貧血、栄養不足など)が疑われるときには、血液検査を行う場合があります。

血液検査によって、全身的な健康状態やホルモンバランスなどを評価し、脱毛の原因特定に役立てます。必要に応じて、他の専門科との連携も検討します。

はげ方の種類に応じた治療アプローチ

薄毛治療は、その原因や種類、進行度や患者さん自身の希望に応じて、さまざまな選択肢の中から適切な方法を選びます。

AGA治療の基本(内服薬・外用薬)

AGA治療の基本は、進行を抑制して発毛を促すための薬物療法です。

主に、5αリダクターゼの働きを阻害してDHTの生成を抑える内服薬(フィナステリド、デュタステリドなど)と、毛母細胞を活性化させて発毛を促す外用薬(ミノキシジル)が用いられます。

主なAGA治療薬

種類代表的な薬剤(成分名)主な作用
内服薬フィナステリド5αリダクターゼ(II型)阻害、DHT生成抑制
内服薬デュタステリド5αリダクターゼ(I型・II型)阻害、DHT生成抑制
外用薬ミノキシジル毛母細胞活性化、血行促進による発毛促進

女性の薄毛治療の選択肢

女性の薄毛(FAGA/FPHL)治療では、男性とは異なる方法が取られます。ミノキシジル外用薬は女性にも有効性が認められていますが、濃度が男性用とは異なる場合があります。

また、ホルモンバランスを整える治療や、毛髪の成長に必要な栄養素を補うサプリメントなどが用いられるケースもあります。原因が多岐にわたるため、個々の状態に合わせた治療計画が重要です。

女性の薄毛治療で考慮される主な方法

  • ミノキシジル外用薬
  • スピロノラクトン内服(男性ホルモンの影響を抑える目的 ※適応外使用の場合あり)
  • 栄養補助(パントガールなど)
  • ホルモン補充療法(医師の判断による)

円形脱毛症の治療法

円形脱毛症の治療は、脱毛斑の範囲や数、進行度によって異なります。軽症の場合は自然治癒することもありますが、ステロイド外用薬や局所注射、抗ヒスタミン薬などが用いられます。

範囲が広い場合や進行が早い場合は、紫外線療法(PUVA、ナローバンドUVB)やステロイド内服、局所免疫療法(SADBE、DPCP)などが検討されます。

円形脱毛症の主な治療法

  • ステロイド外用薬・局所注射
  • 抗ヒスタミン薬
  • 紫外線療法
  • 局所免疫療法

その他の治療法(注入療法、自毛植毛など)

薬物療法以外にも、さまざまな治療法があります。

発毛を促す成分(成長因子、ミノキシジルなど)を頭皮に直接注入する注入療法(メソセラピー)や、LEDの光を照射して毛母細胞を活性化させる低出力レーザー治療などがあります。

また、薄毛が進行した場合には、ご自身の後頭部などの毛髪を薄毛部分に移植する自毛植毛も選択肢の一つです。これらの治療は、薬物療法と組み合わせて行う方もいます。

薬物療法以外の主な治療選択肢

治療法治療法主な対象
注入療法頭皮に発毛促進成分を直接注入AGA、女性の薄毛
低出力レーザー治療特定の波長の光を照射し毛母細胞を活性化AGA、女性の薄毛
自毛植毛自身の毛髪を薄毛部分に移植AGA(進行がある程度落ち着いた状態)など

よくある質問

薄毛治療を検討されている方から、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q
治療はいつから始めるべきですか?
A

薄毛、特にAGAは進行性のため、気になり始めたらできるだけ早く治療を開始することをおすすめします。

早期に治療を始めると薄毛の進行を効果的に抑制できて、良好な結果を得やすくなります。自己判断せずに、まずは専門医に相談しましょう。

Q
治療の効果はいつ頃から現れますか?
A

治療効果が現れるまでの期間には個人差がありますが、一般的には治療開始から3ヶ月~6ヶ月程度で抜け毛の減少や産毛の発生などの変化を感じ始める方が多いです。

目に見える効果を実感するには、最低でも6ヶ月以上の継続的な治療が必要です。焦らず、根気強く治療を続けましょう。

Q
治療の副作用はありますか?
A

どのような治療にも副作用のリスクは伴います。例えばAGA治療薬では、まれに性機能障害(内服薬)やかぶれ(外用薬)などが報告されています。

ただし、副作用の頻度は高くなく、多くの場合は軽度です。治療開始前に医師から副作用の可能性について十分な説明がありますので、不安な点があれば、遠慮なく医師に質問してください。

Q
保険は適用されますか?
A

AGAや女性の薄毛(FAGA/FPHL)の治療は容姿を改善する目的とみなされるため、原則として健康保険の適用外となり、自由診療(自費診療)です。

ただし、円形脱毛症や他の病気が原因の脱毛症については、保険適用となる場合があります。詳細については、受診するクリニックにご確認ください。

参考文献

OLSEN, Elise A., et al. Evaluation and treatment of male and female pattern hair loss. Journal of the American Academy of Dermatology, 2005, 52.2: 301-311.

MANABE, Motomu, et al. Guidelines for the diagnosis and treatment of male‐pattern and female‐pattern hair loss, 2017 version. The Journal of Dermatology, 2018, 45.9: 1031-1043.

YORK, Katherine, et al. A review of the treatment of male pattern hair loss. Expert opinion on pharmacotherapy, 2020, 21.5: 603-612.

YIP, Leona; RUFAUT, Nick; SINCLAIR, Rod. Role of genetics and sex steroid hormones in male androgenetic alopecia and female pattern hair loss: an update of what we now know. Australasian Journal of Dermatology, 2011, 52.2: 81-88.

PRICE, Vera H. Treatment of hair loss. New England Journal of Medicine, 1999, 341.13: 964-973.

KATZER, Tatiele, et al. Physiopathology and current treatments of androgenetic alopecia: going beyond androgens and anti‐androgens. Dermatologic therapy, 2019, 32.5: e13059.

SHAPIRO, Jerry; WISEMAN, Marni; LUI, Harvey. Practical management of hair loss. Canadian Family Physician, 2000, 46.7: 1469-1477.

GENTILE, Pietro; GARCOVICH, Simone. Advances in regenerative stem cell therapy in androgenic alopecia and hair loss: Wnt pathway, growth-factor, and mesenchymal stem cell signaling impact analysis on cell growth and hair follicle development. Cells, 2019, 8.5: 466.