フィナクスは、AGA(男性型脱毛症)治療薬として知られています。

この記事では、その主成分フィナステリドの効果や、気になる副作用について詳しく解説します。

プロペシアなどの他のフィナステリド系薬剤との違いや、ミノキシジル(ミノクソール)との併用療法(フィナクスミノクソール療法)についても触れます。

目次

フィナクスとは?AGA治療における効果と役割

フィナクスは、AGA(男性型脱毛症)の進行を抑える治療薬の一つです。

有効成分としてフィナステリドを含有し、多くのクリニックで処方されています。

まずはAGAの基本的な情報と、フィナクスがどのように作用するのかを確認しましょう。

AGA(男性型脱毛症)の基礎知識

AGAは、成人男性によく見られる進行性の脱毛症です。主な原因は男性ホルモンや遺伝が関与していると考えられています。

生え際の後退や頭頂部の薄毛が特徴で、何も対策をしなければ症状は徐々に進行します。

早期に治療を開始することが、効果的な改善への鍵となります。

フィナクスがAGA治療で選ばれる理由

フィナクスがAGA治療薬として選択される背景には、いくつかの理由があります。

主成分であるフィナステリドは、AGAの原因物質の生成を抑制する効果が臨床試験で確認されており、その有効性が広く認知されています。

また、ジェネリック医薬品であるため、先発医薬品と比較して費用を抑えられる点も大きな理由の一つです。

  • AGAの原因に直接作用する
  • 継続しやすい価格帯
  • 多くの実績とデータ

フィナクスの位置づけと期待される効果

フィナクスは、AGAの進行遅延や現状維持を目的として用いられる「守りの治療薬」と位置づけられます。

抜け毛を減らし、毛髪の成長サイクルを正常化して薄毛の進行を食い止める効果が期待できます。

発毛を主目的とする場合は、ミノキシジルなどの「攻めの治療薬」との併用を検討するのが一般的です。

国内未承認薬である

フィナクスは、インドのシプラ社が製造するフィナステリドを主成分とする薬剤で、日本では未承認薬の扱いです。

国内未承認薬とは、厚生労働省の承認を受けていない医薬品を指します。そのため、入手するには医師の処方が必要であり、医療機関を通じてのみ提供されます。

個人輸入なども存在しますが、偽造薬や品質の劣る製品のリスクがあるため、必ず信頼できる医療機関で相談しましょう。

フィナクスの主成分フィナステリドの作用機序

フィナクスの効果を理解するためには、主成分であるフィナステリドがどのようにしてAGAの進行を抑えるのかを知ることが重要です。

ここでは、AGAの主な原因とフィナステリドの働きについて解説します。

AGAの主な原因 DHT(ジヒドロテストステロン)とは

AGAの主な原因物質とされるのが、DHT(ジヒドロテストステロン)という強力な男性ホルモンです。

DHTは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、毛乳頭細胞などに存在する還元酵素「5αリダクターゼ」によって変換されることで生成されます。

このDHTが毛乳頭細胞の受容体に結合すると、毛母細胞の増殖を抑制し、毛髪の成長期を短縮させます。

その結果、髪の毛が太く長く成長する前に抜け落ちてしまい、薄毛が進行します。

DHTが毛髪に与える影響

影響詳細
成長期の短縮髪が十分に成長する前に抜ける
毛髪の軟毛化髪が細く、弱々しくなる
休止期毛の増加抜け毛が増え、全体のボリュームが減る

5αリダクターゼの働きとフィナステリド

5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類が存在し、AGAの発症には特にⅡ型5αリダクターゼが強く関与していると考えられています。

Ⅱ型5αリダクターゼは主に前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に多く存在します。

フィナステリドは、このⅡ型5αリダクターゼの働きを選択的に阻害する作用を持ちます。

フィナステリドがDHTの生成を抑制する仕組み

フィナステリドがⅡ型5αリダクターゼの働きを阻害するため、テストステロンからDHTへの変換が抑制されます。

その結果、頭皮中のDHT濃度が低下し、毛母細胞への攻撃が弱まります。

このDHT生成抑制作用が、フィナステリドによるAGA治療の核となる働きです。

ヘアサイクルの正常化とフィナステリド

DHTの影響が軽減されると、乱れていたヘアサイクル(毛周期)が徐々に正常化に向かいます。

短縮されていた毛髪の成長期が延長され、髪の毛が太く長く成長する時間が増えます。

これにより抜け毛の減少や毛髪の質の改善が期待できます。

ただし、ヘアサイクルの改善には時間がかかるため、効果を実感するまでには継続的な服用が必要です。

フィナクスの具体的な効果と期待できる改善期間

フィナクスを服用し始めたらいつ頃から効果が現れるのか、多くの方が気にする点ではないでしょうか。

焦らずに治療を続けるために、一般的な効果発現の目安や、効果を実感できない場合の対処法について確認しておきましょう。

抜け毛の減少を実感するまで

フィナクスの服用を開始して、最初に変化を感じやすいのは抜け毛の減少です。

個人差はありますが、一般的には服用開始から3ヶ月~6ヶ月程度で、シャンプー時や起床時の枕元の抜け毛が減ってきたと感じる方が多いようです。

これは、フィナステリドによってヘアサイクルの乱れが改善し始める兆候と考えられます。

発毛効果が現れるまでの目安

抜け毛の減少に続き、うぶ毛の発生や既存毛のハリ・コシの改善といった発毛効果を期待する場合、一般的には6ヶ月~1年程度の継続服用が目安となります。

髪の毛が太く長く成長するには時間がかかるため、じっくりと治療に取り組む姿勢が大切です。

期待される効果と期間の目安

効果目安期間ポイント
抜け毛の減少3~6ヶ月初期変化として実感しやすい
うぶ毛の増加6ヶ月~細く短い毛の発生
毛髪の質の改善6ヶ月~1年ハリ・コシが出て太くなる

効果の持続と継続服用

フィナクスの効果を持続させるためには、原則として継続的な服用が必要です。服用を中止すると再びDHTの生成が活発になり、AGAが進行する可能性があります。

医師の指示に従い、自己判断で服用を中止したり、量を変更したりしないようにしましょう。

効果を実感できない場合の対処法

推奨される期間服用を継続しても効果が実感できない場合、いくつかの原因が考えられます。

AGAの進行度や体質、生活習慣などが影響する場合もあります。

まずは処方を受けた医師に相談し、治療方針の見直しや、ミノキシジル(ミノクソール)など他の治療薬との併用療法(フィナクスミノクソール療法)を検討するのも一つの方法です。

注意すべきフィナクスの副作用とその対策

フィナクスは効果的なAGA治療薬ですが、全ての人に副作用が出ないわけではありません。

主な副作用の症状や頻度、そして副作用が疑われる場合の対処法について正しい知識を持っておくと良いでしょう。

主な副作用の症状と発現頻度

フィナステリドの臨床試験データによると、副作用の発現頻度はそれほど高くありませんが、以下のような症状が報告されています。

これらの症状は服用初期に現れやすく、継続服用するうちに軽減・消失する場合もありますが、気になるときは速やかに医師に相談してください。

フィナステリドの主な副作用

副作用の種類主な症状国内臨床試験での発現頻度※
性機能障害リビドー減退(性欲減退)1.1%
性機能障害勃起機能不全(ED)0.7%
肝機能障害肝機能検査値異常 (AST, ALT上昇など)頻度不明(市販後調査)
精神神経系抑うつ症状、不安感まれ(市販後調査)

性機能に関する副作用について

フィナステリドの副作用として最も懸念されるのが、性欲減退や勃起機能不全(ED)といった性機能に関するものです。

これらの副作用は、フィナステリドが男性ホルモンに作用するために起こり得ると考えられています。

しかし、発現頻度は低く、多くの場合は一過性であったり、服用を中止すると改善します。

不安なときは医師に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。

精神的な副作用の可能性

稀ではありますが、抑うつ気分や不安感といった精神的な副作用が報告されるケースもあります。

フィナステリドとこれらの症状との直接的な因果関係は明確には確立されていませんが、服用中に気分の落ち込みや意欲の低下などを感じたときは、自己判断せずに医師に相談しましょう。

副作用が出た場合の対処法と医師への相談

フィナクスの服用中に何らかの体調変化を感じた場合は、まず副作用の可能性を考え、速やかに処方を受けた医師に相談するのが最も重要です。

自己判断で服用を中止したり、量を調整したりするのは避けましょう。

  • 気になる症状があればすぐに医師に連絡する。
  • 症状の種類、程度、発現時期などを具体的に伝える。
  • 医師の指示に従い、服薬継続の可否や対処法について判断を仰ぐ。

医師は症状に応じて、減量、一時的な休薬、あるいは他の治療法への切り替えなどを検討します。

フィナクス副作用の不安を抱えたまま治療を続けると精神的な負担にもなるため、遠慮なく相談しましょう。

フィナステリド系薬剤の比較(プロペシア・フィンペシア等)

フィナクスはフィナステリドを主成分とするジェネリック医薬品の一つですが、他にも先発医薬品であるプロペシアや、他のジェネリック医薬品(例:フィンペシア)が存在します。

それぞれの薬剤にはどのような違いがあるのか、比較してみましょう。

先発医薬品プロペシアとの違い

プロペシアは、フィナステリドを有効成分とするAGA治療薬として最初に開発・承認された先発医薬品です。

フィナクスは、このプロペシアのジェネリック医薬品(後発医薬品)にあたります。

ジェネリック医薬品は、有効成分や用法、用量や効果・効能が先発医薬品と同等であると認められた医薬品です。

主な違いは価格で、一般的にジェネリック医薬品の方が安価に提供されます。添加物などが異なる場合はありますが、治療効果に大きな差はないとされています。

他のジェネリック医薬品(フィンペシア等)との比較

フィナクス以外にも、フィンペシア(同じくシプラ社製)など、様々なフィナステリドのジェネリック医薬品が存在します。

これらは製造メーカーや国が異なる場合がありますが、有効成分としてフィナステリドを含んでいる点は共通です。

品質や価格には若干の違いがある可能性がありますが、いずれも医師の処方のもとで使用することが前提です。

主なフィナステリド系薬剤の比較

薬剤名区分特徴
プロペシア先発医薬品MSD社製、国内承認薬。豊富な臨床データ。
フィナクスジェネリックシプラ社製(インド)。プロペシアのジェネリックの一つ。
フィンペシアジェネリックシプラ社製(インド)。フィナクス同様ジェネリック。

価格は医療機関によって異なります。上記は一般的な特徴です。

価格と入手のしやすさの比較

一般的に、先発医薬品であるプロペシアに比べて、フィナクスやフィンペシアなどのジェネリック医薬品は価格が抑えられています。

AGA治療は長期にわたるケースが多いため、薬剤費は重要な選択基準の一つです。

ただし、どの薬剤を処方しているかは医療機関によって異なるため、事前に確認が必要です。また、国内未承認薬の場合、入手は医師の処方に限られます。

薬剤選択で考慮すべき点

フィナステリド系薬剤を選択する際には価格だけでなく、薬剤の信頼性や入手経路、医師の説明などを総合的に考慮することが大切です。

先発品への安心感を重視するのか、コストパフォーマンスを重視するのか、ご自身の価値観や経済状況に合わせて医師とよく相談し、納得のいく薬剤を選びましょう。

フィナクスとミノキシジル(ミノクソール)の併用療法について

AGA治療において、フィナクス(フィナステリド)とミノキシジル(製品名例:ミノクソール)の併用療法は、より効果を期待できる治療法として広く行われています。

「フィナクスミノクソール」という言葉でこの併用療法を指すときもあります。ここでは、その理由やメリット、注意点について解説します。

ミノキシジル(ミノクソール)の役割と効果

ミノキシジルは元々高血圧の治療薬として開発されましたが、副作用として多毛が見られたため発毛剤として転用された成分です。

外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬、通称ミノタブ)があります。

ミノキシジルは毛母細胞を活性化させ、血行を促進して発毛を促す「攻めの治療薬」とされています。フィナステリドとは異なる作用機序で発毛をサポートします。

なぜ併用療法が推奨されるのか

フィナステリドがAGAの進行を抑える「守り」の役割を担うのに対し、ミノキシジルは発毛を促す「攻め」の役割を果たします。

AGAは進行性の脱毛症であるため、抜け毛を抑えるフィナステリドと、積極的に発毛を促すミノキシジルを組み合わせると、より効果的な薄毛改善が期待できるのです。

この異なる働きかけの組み合わせが、フィナクスミノクソール療法の基本的な考え方です。

フィナクスとミノキシジル(ミノクソール)の作用の違い

薬剤主な作用期待される効果
フィナクス(フィナステリド)DHT生成抑制抜け毛抑制、AGA進行遅延
ミノキシジル(ミノクソール)毛母細胞活性化、血行促進発毛促進、毛髪の成長

併用療法のメリットと期待される相乗効果

併用療法の最大のメリットは、単剤治療よりも発毛効果が期待できる点です。

フィナステリドで抜け毛の進行を食い止めつつ、ミノキシジルで新たな髪の成長を促すことで、薄毛の状態をより効果的に改善できる可能性があります。

特に、ある程度進行したAGAの方や、より積極的な改善を望む方にとって有力な選択肢となります。

「守り」と「攻め」の相乗効果により効率的な薄毛改善を目指しますが、副作用のリスクも考慮し、必ず医師の管理下で行う必要があります。

併用療法の注意点と副作用

フィナクスとミノキシジル(ミノクソール)を併用する場合、それぞれの薬剤が持つ副作用のリスクを理解しておきましょう。

フィナステリドには前述のような副作用が、ミノキシジル(特に内服薬)には動悸やむくみ、めまいや初期脱毛などの副作用が報告されています。

併用すると、これらの副作用が同時に現れる可能性も考慮しなければなりません。治療は医師の診察と指導のもとで行い、定期的な健康チェックを受けてください。

フィナクス治療を始める前に知っておきたいこと

フィナクスによるAGA治療を効果的かつ安全に進めるためには、治療開始前にいくつかの点を理解しておくことが大切です。

ここでは、準備や心構え、医師の診断の重要性などについて解説します。

治療開始前の準備と心構え

AGA治療は多くの場合、長期的な視点が必要です。すぐに劇的な変化が現れるわけではない点を理解し、焦らずじっくりと取り組む心構えが大切です。

また、治療効果や副作用には個人差があることも認識しておきましょう。

治療開始前にはご自身のAGAの進行度や期待する効果、許容できる費用などを整理しておくと、医師との相談がスムーズに進みます。

医師による正確な診断の重要性

薄毛の原因はAGAだけではありません。他の脱毛症の可能性も考慮し、適切な治療法を選択するためには、医師による正確な診断が不可欠です。

自己判断でフィナクスなどの薬剤を使用するのではなく、専門のクリニックを受診し、頭皮の状態や既往歴などを総合的に診てもらいましょう。この診断が、治療の第一歩となります。

  • 問診(生活習慣、家族歴、既往歴など)
  • 視診(頭皮、毛髪の状態確認)
  • 必要に応じた検査(マイクロスコープ検査など)

定期的な通院と経過観察

フィナクス治療を開始した後も、定期的な通院と医師による経過観察が必要です。

これにより治療効果の確認、副作用の早期発見と対処、必要に応じた治療方針の調整などが可能になります。

医師の指示に従い、決められた間隔で受診しましょう。

生活習慣の見直しと治療効果

フィナクスの効果を最大限に引き出すためには薬物治療だけでなく、バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動やストレス管理といった生活習慣の見直しも重要です。

これらは、髪の成長に必要な栄養を供給し、頭皮環境を健やかに保つ上で役立ちます。

健康な髪のための生活習慣

項目ポイント具体例
食事バランスの取れた栄養摂取タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識
睡眠質の高い睡眠の確保十分な睡眠時間、規則正しい生活リズム
ストレス管理適度なストレス発散趣味、リラックスできる時間を作る

フィナクスに関するよくある質問(FAQ)

フィナクス治療に関して、患者さまからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q
フィナクスは女性も使用できますか?
A

フィナクス(フィナステリド)は男性専用のAGA治療薬であり、女性は使用できません。

特に妊娠中または妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性は、胎児(特に男児)の生殖器に影響を与える可能性があるため、絶対に服用しないでください。

また、薬剤に触れるのも避けるべきです。

Q
服用を中止するとどうなりますか?
A

フィナクスの服用を中止するとDHTの生成抑制効果がなくなり、AGAが再び進行する可能性があります。

一般的には、服用中止後数ヶ月~1年程度で、治療前の状態に戻ると言われています。効果を維持するためには、医師の指示に従い継続的な服用が必要です。

Q
フィナクス副作用は必ず出ますか?
A

全ての人に副作用が出るわけではありません。臨床試験では、副作用の発現率は低いと報告されています。

しかし、性欲減退や勃起機能不全、肝機能障害などの可能性はゼロではありません。

気になる症状が現れた場合は、速やかに医師に相談してください。

Q
個人輸入で購入しても大丈夫ですか?
A

個人輸入による医薬品の購入は、推奨できません。

偽造薬や品質の劣る製品を入手するリスクがあり、健康被害に繋がる可能性があります。また、副作用が発生した場合に適切な対処が受けられないこともあります。

フィナクスは国内未承認薬であるため、必ず医師の診察・処方のもと、信頼できる医療機関で入手するようにしてください。

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