生まれて間もない赤ちゃんの肌にポツポツとした発疹ができると、「私の母乳が原因なのかもしれない」「ケアの方法が間違っていたのではないか」と、自分を責めて不安になってしまうお母さんは少なくありません。

しかし、生後間もない時期に起こる肌トラブルの多くは、一時的なホルモンバランスの影響や、赤ちゃんの皮膚機能が未熟であることによるものであり、お母さんの食事内容や愛情不足が原因ではありません。

この記事では、多くのママを悩ませる「新生児ニキビ」と「乳児湿疹」の明確な違いやそれぞれの原因、そしていつ頃治るのかという目安について詳しく解説していきます。正しい知識を持つことで不要な不安を取り除き、赤ちゃんのすべすべお肌を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。

目次
  1. 赤ちゃんの肌荒れはどっち?新生児ニキビと乳児湿疹を見分けるポイント
    1. 見た目の特徴とできる場所の違いは?
    2. 発症する時期で判断する
    3. 痒がっているかどうかの確認
  2. ママのホルモンが影響している?生後間もない時期にニキビができる本当の理由
    1. 胎盤を通じて届くホルモンの働き
    2. なぜ顔に集中してできるのか
    3. 母乳やミルクの質は関係ある?
  3. いつまで続くか心配なママへ。症状が落ち着く時期と長引くケースの目安
    1. 新生児ニキビのピークと収束
    2. 乳児湿疹が長引くパターンとは
    3. 受診を検討すべきタイミング
  4. お家でのケアはどうする?毎日の沐浴と保湿で肌を守る正しいスキンケア
    1. たっぷりの泡で洗うことが基本
    2. すすぎ残しが肌荒れの原因に
    3. 入浴後の保湿は「5分以内」が勝負
  5. カサカサやジュクジュクは要注意?乳児湿疹の種類とそれぞれの特徴
    1. 黄色いかさぶたができる脂漏性湿疹
    2. カサカサして痒がる乾燥性湿疹
    3. よだれや汗も湿疹の原因に
  6. 薬は必要?病院に行くべきタイミングと受診の目安
    1. 自宅ケアで改善しない場合
    2. ステロイド薬への不安と正しい付き合い方
    3. アレルギーの可能性を探る
  7. 悪化させないために気をつけることは?衣類や寝具など生活環境の整え方
    1. 直接肌に触れる衣類の選び方
    2. 爪を短く切ってひっかき傷を防ぐ
  8. よくある質問

赤ちゃんの肌荒れはどっち?新生児ニキビと乳児湿疹を見分けるポイント

赤ちゃんの顔に湿疹が出たとき、それが一時的な「新生児ニキビ」なのか、それともアトピー性皮膚炎などを含む「乳児湿疹」の一種なのかを判断することは、その後のスキンケアの方針を決める上で非常に大切です。

どちらも一見すると赤くポツポツしていて似ていますが、発生する時期や場所、症状の見た目には明確な違いがあります。まずは、赤ちゃんの肌の状態をよく観察し、それぞれの特徴を正しく捉えることから始めましょう。

見た目の特徴とできる場所の違いは?

新生児ニキビの最大の特徴は、思春期にできるニキビと同じように「芯」があるような見た目をしていることです。主に頬やおでこを中心に、赤いポツポツとした発疹ができ、時には中心が白く膿をもったようになることもあります。

このニキビは顔に集中して発生するのが特徴で、顔以外の体にはあまりできません。もし体に発疹がなく、顔だけに赤いポツポツがある場合は、新生児ニキビである可能性が高いと言えます。

一方、乳児湿疹(特に乳児脂漏性湿疹やアトピー性皮膚炎の初期)は、ニキビのような粒状だけでなく、肌全体が赤くカサカサしたり、黄色いフケのようなものがこびりついたり、あるいはジュクジュクとした汁が出たりと、形状が様々です。

また、できる場所も顔だけにとどまりません。首のしわの中、耳の裏、頭皮、お腹や背中など、広範囲に広がる傾向があります。全身の肌の状態をチェックすることで、ある程度の見当をつけることができます。

新生児ニキビと乳児湿疹(脂漏性・乾燥性)の特徴比較

特徴新生児ニキビ乳児湿疹(脂漏性・乾燥性など)
主な原因母親からの移行ホルモンによる皮脂分泌過剰皮脂分泌過剰、または乾燥、バリア機能低下
発症時期生後1週間~1ヶ月頃がピーク生後2週間頃~数ヶ月(種類による)
好発部位頬、おでこなどの顔中心頭皮、眉毛、耳の裏、首、体全体
見た目赤いポツポツ、芯がある、白ニキビ黄色いかさぶた、カサカサ、ジュクジュク
痒みほとんどないことが多い痒みを伴うことが多い

発症する時期で判断する

いつ頃から症状が出始めたかという点も、見分けるための大きな手掛かりになります。新生児ニキビは、その名前の通り「新生児期(生後4週間以内)」にできることが多く、生後1週間から1ヶ月頃に症状のピークを迎えます。

通常、生後2〜3ヶ月を過ぎると自然に落ち着くことがほとんどです。生まれた直後から1ヶ月健診くらいの間に症状が強くなるのが典型的なパターンです。

対して乳児湿疹は、生後2〜3ヶ月頃から目立ち始めるケースが多く見られます。もちろん個人差はありますが、生後すぐにできて短期間で治るなら新生児ニキビ、少し大きくなってから発症し、症状が長引いたり繰り返したりする場合は乳児湿疹の可能性が高いと言えます。

痒がっているかどうかの確認

赤ちゃんが不機嫌だったり、顔をこすりつけたりしているかどうかも重要な判断材料です。一般的に、新生児ニキビは痒みを伴わないことが多いと言われています。そのため、ニキビができていても赤ちゃん自身はケロッとしていて、機嫌が良いことがほとんどです。

しかし、乳児湿疹の場合は痒みを伴うことが多く、赤ちゃんが顔を布団や抱っこしている人の服にこすりつけたり、手でひっかこうとしたりする仕草が見られます。

痒みは赤ちゃんにとって大きなストレスとなり、睡眠の妨げにもなるため、痒がっている様子があれば早めの対処が必要です。「眠りが浅い」「よく泣く」といった様子が見られる場合は、痒みが原因である可能性も疑ってみましょう。

ママのホルモンが影響している?生後間もない時期にニキビができる本当の理由

「生まれたばかりの赤ちゃんにニキビができるなんて、私の妊娠中の食生活が悪かったのかしら?」と自分を責めてしまうお母さんがいますが、決してそうではありません。

新生児ニキビの主な原因は、お母さんのお腹の中にいた時に受け取った「ホルモン」の影響による生理的な現象です。これは赤ちゃんの成長過程で起こる自然な反応であり、病気や育て方のミスではないのです。

胎盤を通じて届くホルモンの働き

赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる間、へその緒を通じて酸素や栄養だけでなく、様々なホルモンも受け取っています。その中には、アンドロゲンという皮脂の分泌を促す働きを持つホルモンも含まれています。

このホルモンの影響は、生まれた後もしばらくの間、赤ちゃんの体内に残っています。生後間もない赤ちゃんは、毛穴がまだ未発達で非常に小さい状態です。

そこに、お母さんから受け取ったホルモンの影響で過剰に分泌された皮脂が詰まってしまうことで、ニキビのような炎症が起きてしまうのです。これが新生児ニキビの正体です。つまり、これは「お母さんと繋がっていた証」とも言える一時的な体の変化なのです。

なぜ顔に集中してできるのか

新生児ニキビが頬やおでこに集中してできるのには理由があります。それは、顔面には皮脂腺が多く分布しているからです。大人のTゾーンがテカリやすいのと同様に、赤ちゃんの顔も皮脂の分泌が非常に活発なエリアです。

お腹の中にいた時のホルモンは全身に巡っていますが、皮脂腺の数が多い顔にだけ顕著に症状が現れるのです。一方で、体の方はまだ皮脂腺の働きがそれほど活発ではないため、新生児ニキビは体に広がらず、顔だけに留まることが多いのです。

母乳やミルクの質は関係ある?

「脂っこいものを食べたから母乳を通じてニキビができたのでは?」と心配する声もよく聞かれますが、医学的にはお母さんの食事内容が直接的に新生児ニキビの原因になることは少ないと考えられています。

もちろん、極端に偏った食事は避けるべきですが、ケーキを一つ食べたからといって、翌日に赤ちゃんのニキビが急増するというような単純な因果関係ではありません。

過度に食事制限をしてストレスを溜めるよりも、この時期特有のホルモンの影響だと割り切り、適切なスキンケアで肌を清潔に保つことの方が、改善への近道となります。ママが笑顔でいることが、赤ちゃんにとっても一番の薬になるはずです。

いつまで続くか心配なママへ。症状が落ち着く時期と長引くケースの目安

毎日のように赤ちゃんの顔を見ては一喜一憂していると、「この肌荒れは一生治らないのではないか」と不安になるかもしれません。しかし、新生児ニキビに関しては「終わり」が必ず来ます。

ここでは、一般的な治癒のタイムラインと、もし長引いた場合に考えるべき可能性についてお伝えします。見通しを持つことで、心に余裕を持ってケアに取り組めるようになります。

新生児ニキビのピークと収束

新生児ニキビは、生後2週間頃から目立ち始め、生後1ヶ月健診の頃にピークを迎える赤ちゃんが多いです。この時期は皮脂の分泌量が一生のうちで最も多い時期の一つでもあります。

その後、お母さんから受け取ったホルモンの影響が徐々に薄れていくにつれて、皮脂の分泌量も自然と落ち着いてきます。多くの場合は、生後2ヶ月から3ヶ月頃までには自然ときれいな肌に戻っていきます。

「ある日気づいたらツルツルになっていた」という先輩ママの声が多いのも、ホルモンバランスの変化による自然治癒力が働いているからです。生後3ヶ月頃までは、焦らずに正しいケアを続けることが大切です。

乳児湿疹が長引くパターンとは

もし生後3ヶ月を過ぎても症状が改善しない、あるいは一度治ったと思ったのに再発を繰り返す場合は、単なる新生児ニキビではなく、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが関与している可能性があります。

また、乾燥性湿疹の場合は、季節や湿度によって良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあります。特に冬場の乾燥する時期は症状が長引きやすい傾向にあります。

痒みが強くて夜も眠れない、ジュクジュクした液が出ている、全身に広がっているといった場合は、小児科や皮膚科で専門的な診断を受けるべきタイミングです。自己判断で市販薬を使い続けるよりも、医師の指導の下で適切な治療を行うことで、早くきれいな肌を取り戻すことができます。

受診を検討すべきタイミング

「たかが湿疹で病院に行ってもいいのかな?」と迷うお母さんもいますが、赤ちゃんの肌は非常にデリケートで、バリア機能が低下した状態を放置すると、そこからアレルゲンが侵入し、将来のアレルギー体質につながるリスクも指摘されています。

スキンケアを1週間続けても良くならない、範囲が広がってきた、黄色い膿が出ているといった変化が見られたら、遠慮なく受診してください。

医師に肌の状態を見てもらうことで、それがホルモンによる一時的なものなのか、治療が必要な湿疹なのかをはっきりさせることができ、お母さんの心の安定にもつながります。専門家のアドバイスを受けることは、決して大げさなことではありません。

月齢別・肌トラブルの推移目安

月齢主な肌の状態親の対応目安
生後0ヶ月~1ヶ月皮脂分泌が活発。新生児ニキビができやすい。清潔と保湿を徹底する。焦らず様子を見る。
生後2ヶ月~3ヶ月皮脂が減り始める。ニキビは自然に治癒へ向かう。乾燥し始める時期。保湿剤をたっぷり塗る。
生後4ヶ月以降肌が乾燥しやすくなる。トラブルが続く場合はアトピー等の疑いも。治らない場合は皮膚科を受診し、原因を特定する。

お家でのケアはどうする?毎日の沐浴と保湿で肌を守る正しいスキンケア

赤ちゃんの肌トラブルを改善・予防するために、家庭でできる最も効果的な方法は「清潔」と「保湿」の2つです。

しかし、良かれと思ってやっていた洗い方が、実は肌への負担になっていることもあります。ここでは、今日から実践できる具体的で優しいスキンケアの手順を紹介します。

たっぷりの泡で洗うことが基本

赤ちゃんの肌を洗うとき、ガーゼでこすったり、指に力を入れたりしていませんか?新生児ニキビや湿疹がある肌は炎症を起こしている状態なので、摩擦は厳禁です。

洗浄料は必ずよく泡立てて、ホイップクリームのような弾力のある泡を作りましょう。最近では、最初から泡で出てくるタイプのベビーソープも便利ですので、積極的に活用してください。

洗い方は「手で洗う」というよりも「泡を転がす」イメージです。お母さんの手が赤ちゃんの肌に直接触れないくらいのたっぷりの泡を乗せ、くるくると優しくなじませるだけで汚れは十分に落ちます。

特に皮脂の多い頭皮やおでこ、鼻の周りは丁寧に洗う必要がありますが、決して力は入れず、泡のクッションを利用して洗うように心がけましょう。

すすぎ残しが肌荒れの原因に

洗うことと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが「すすぎ」です。せっかく汚れを浮かせても、洗浄成分が肌に残っていると、それが刺激となって新たな湿疹の原因になります。

特に、首のしわの間や耳の裏、脇の下などは泡が残りやすい場所です。シャワーの水圧を弱めにするか、手にお湯をすくって、ぬるつきがなくなるまで丁寧に流してください。

ガーゼで拭き取るだけでは洗浄成分が残りやすいので、きれいなお湯で流してあげることが重要です。お風呂上がりには、柔らかいタオルで「こすらず、押さえるように」水分を拭き取りましょう。

スキンケア用品を選ぶ際のチェックリスト

  • 無香料・無着色であること
    赤ちゃんの敏感な肌に不要な刺激を与えないため、シンプルな成分のものを選びましょう。
  • 泡立ちが良いもの(または泡タイプ)
    摩擦を防ぐため、キメの細かい泡が作れるものを選びましょう。
  • 月齢や肌質に合っているか
    新生児から使える低刺激なものを選び、肌に合わないと感じたらすぐに使用を中止しましょう。
  • 保湿剤のテクスチャ(ローション・クリーム・ワセリン)
    夏場や広範囲にはローション、乾燥が強い部分にはクリームやワセリンなど、季節や部位で使い分けるのがおすすめです。

入浴後の保湿は「5分以内」が勝負

お風呂から上がった直後から、赤ちゃんの肌の水分は急速に蒸発していきます。タオルで水分を優しく押さえるように拭いたら、できるだけ早く、理想的には5分以内に保湿剤を塗りましょう。

肌が少し湿っているうちに保湿剤を塗ることで、水分を閉じ込め、バリア機能を高めることができます。保湿剤の量は「ティッシュが肌に貼り付くくらい」が目安です。

少量を薄く伸ばすのではなく、たっぷりと手に取り、肌に乗せるように塗ってください。新生児ニキビがある部分にも、基本的には保湿が必要です(医師の指示がある場合はそれに従ってください)。乾燥はあらゆる肌トラブルの大敵ですので、ためらわずに保湿を行いましょう。

カサカサやジュクジュクは要注意?乳児湿疹の種類とそれぞれの特徴

「乳児湿疹」というのは、実は一つの病名ではなく、赤ちゃんの時期に起こる湿疹の総称です。そのため、症状によって原因や対処法が微妙に異なります。

我が子の湿疹がどのタイプに近いのかを知ることで、より適切なケアができるようになります。代表的な「脂漏性湿疹」と「乾燥性湿疹」について見ていきましょう。

黄色いかさぶたができる脂漏性湿疹

生後1〜2ヶ月頃によく見られるのが「乳児脂漏性湿疹」です。これは新生児ニキビと同様に、お母さんのホルモンの影響で皮脂分泌が過剰になることが原因で起こります。

特徴的なのは、頭皮や眉毛のあたりに、黄色っぽい油分を含んだかさぶたや、フケのようなものがこびりつくことです。見た目が少し驚くような状態になることもありますが、無理に剥がそうとするのは禁物です。

入浴前にベビーオイルなどを浸したコットンでパックをしてふやかしてから、たっぷりの泡で優しく洗うことで、徐々にきれいになっていきます。ニオイが気になることもありますが、清潔にしていれば自然に治まっていきますので安心してください。

カサカサして痒がる乾燥性湿疹

生後3ヶ月を過ぎて皮脂の分泌が減ってくると増えるのが「乾燥性湿疹(皮脂欠乏性湿疹)」です。赤ちゃんの肌は大人に比べて皮膚が薄く、水分を保持する力が弱いため、すぐに乾燥してバリア機能が壊れてしまいます。

肌がカサカサと白く粉を吹いたようになり、ひび割れのような赤みが出ることがあります。このタイプは痒みを伴うことが多く、放っておくと赤ちゃんが掻きむしってしまい、そこから細菌が入って「とびひ」になることもあります。

とにかく保湿が最優先です。冬場だけでなく、エアコンの効いた室内などでは一年中ケアが必要です。ローションだけでなく、クリームやワセリンなどの油分の多い保湿剤を重ね塗りして、しっかりと蓋をしてあげましょう。

よだれや汗も湿疹の原因に

皮脂や乾燥以外にも、外部からの刺激が原因で湿疹ができることがあります。その代表が「よだれかぶれ」と「あせも」です。

離乳食が始まったり、指しゃぶりをしたりする時期は、口の周りが常によだれで濡れてふやけ、刺激を受けやすくなります。また、赤ちゃんは体温が高く汗っかきなので、首のしわや背中に汗が溜まり、それが刺激となって赤いブツブツができます。

これらは「接触性皮膚炎」の一種とも言えます。こまめに濡れたガーゼで優しく拭き取る(こすらない)、着替えを頻繁にする、ワセリンを塗って肌を保護膜で覆うといった対策が効果的です。少しの手間で劇的に改善することもあります。

薬は必要?病院に行くべきタイミングと受診の目安

自宅でのケアで様子を見るべきか、すぐに病院へ連れて行くべきか、その判断は難しいものです。特に初めての子育てでは、少しの赤みでも心配になってしまうのが親心です。

ここでは、医療機関を受診する具体的な目安と、処方薬に対する考え方について解説します。迷ったときの判断基準として参考にしてください。

自宅ケアで改善しない場合

まず一つの基準となるのが、「正しいスキンケア(洗浄と保湿)を1週間続けても改善が見られない場合」です。清潔にして保湿もしっかりしているのに、赤みが引かない、あるいは範囲が広がっているという場合を指します。

このようなケースでは、自己流のケアでは対応できない原因があるか、炎症が強すぎて薬の助けが必要な状態であると考えられます。無理に自宅ケアを続けるよりも、専門家の力を借りたほうが早く治ります。

また、ジュクジュクとした黄色い汁が出ている場合や、出血している場合は、細菌感染を起こしている可能性があるため、数日様子を見るのではなく、早めに受診しましょう。

ステロイド薬への不安と正しい付き合い方

皮膚科で処方されることが多い「ステロイド外用薬」に対して、怖いイメージを持っているお母さんもいるかもしれません。

しかし、医師の診断のもと、適切な強さの薬を適切な期間使うことは、赤ちゃんにとって最も負担の少ない治療法になります。炎症を素早く抑えることで、痒みによるストレスからも解放されます。

怖いからといって勝手に塗る量を減らしたり、少し良くなったからといって自己判断でやめてしまったりすると、かえって症状がぶり返し、治療期間が長引く原因になります。医師の指示通りに「しっかりと塗って、スパッと治す」ことが、結果的に薬を使う量を最小限に抑えることにつながります。

アレルギーの可能性を探る

湿疹の原因として、食物アレルギーを心配される方も多いでしょう。確かに、重度の湿疹が続く場合、食物アレルギーが関与していることもあります。

しかし最近の研究では、食べてアレルギーになるだけでなく、「肌荒れからアレルゲンが侵入してアレルギーになる」という経皮感作のメカニズムも注目されています。

つまり、肌をきれいに保つことこそが、将来のアレルギー予防につながるのです。自己判断で離乳食を制限するのではなく、まずは皮膚科で肌の状態を整え、必要であればアレルギー検査を行うという順序が大切です。

悪化させないために気をつけることは?衣類や寝具など生活環境の整え方

赤ちゃんの肌は非常に敏感なセンサーのようなものです。直接肌に触れるものや、部屋の環境が少し変わるだけで、湿疹が良くなったり悪くなったりすることがあります。

スキンケアと合わせて、赤ちゃんを取り巻く環境を見直すことで、肌トラブルのリスクを減らすことができます。意外な盲点がないかチェックしてみましょう。

直接肌に触れる衣類の選び方

化学繊維の服は乾きやすくて便利ですが、敏感肌の赤ちゃんにとってはチクチクとした刺激になることがあります。肌着や直接肌に触れる服は、吸湿性が高く肌触りの柔らかい「綿100%」のものを選ぶのが安心です。

また、洗濯洗剤にも注意が必要です。大人の衣類と一緒に洗う際、蛍光増白剤や強い香料が入った洗剤、柔軟剤を使用していると、その成分が繊維に残り、肌への刺激となることがあります。

赤ちゃんの肌が安定するまでは、ベビー用洗剤を使用するか、「さらさ」などの無添加系の洗剤を選び、洗剤残りのないようにしっかりとすすぎを行うことが大切です。洗剤を変えただけで肌荒れが治ったというケースも少なくありません。

爪を短く切ってひっかき傷を防ぐ

湿疹があるとどうしても痒みが出るため、赤ちゃんは無意識に顔をひっかいてしまいます。その傷からバイ菌が入ると症状が悪化してしまうため、爪はこまめにチェックし、短く切っておきましょう。

角がないようにやすりをかけてあげるとなお良いです。お風呂上がりなど、爪が柔らかくなっている時にケアするのがおすすめです。

寝ている間に掻きむしってしまう場合は、ミトン(手袋)を使うのも一つの手ですが、手の感覚を育てる妨げにならないよう、長時間つけっぱなしにするのではなく、必要な時だけ上手に活用しましょう。

生活環境チェックリスト

  • 室温と湿度の管理
    暑すぎると汗で痒くなり、乾燥しすぎるとバリア機能が低下します。冬場は加湿器を活用し、湿度50〜60%を目安に保ちましょう。
  • 寝具の清潔さ
    赤ちゃんは顔をシーツにこすりつけます。枕カバーやシーツはこまめに洗濯し、ダニやホコリを除去しましょう。天日干しも効果的です。
  • 親の服の素材
    抱っこした時に、お母さんのニットやウールの服が赤ちゃんの顔に当たって刺激になることがあります。抱っこする際はガーゼを一枚挟むなどの工夫をしましょう。
  • 掃除の徹底
    ホコリやダニの死骸はアレルギーの原因になります。赤ちゃんが過ごす部屋はこまめに掃除機をかけ、清潔な空間を保ちましょう。

よくある質問

Q
新生児ニキビに保湿剤を塗っても悪化しませんか?
A

基本的に、新生児ニキビができている肌も保湿が必要です。

ニキビは皮脂が多い状態ですが、洗いっぱなしにすると肌の水分が失われ、バリア機能が低下して逆に炎症が悪化することがあるからです。

ただし、油分の多いクリームやオイルをニキビの上に厚塗りすると毛穴を塞いでしまう可能性があります。ニキビができている部分は、さっぱりとしたローションタイプを選ぶか、医師の指示に従ったケアを行ってください。

Q
新生児ニキビは潰したほうが早く治りますか?
A

絶対に潰さないでください。大人のニキビと同様、無理に潰すと雑菌が入って化膿したり、跡が残ったりする原因になります。

白い芯が見えて気になっても、自然に排出されるのを待ちましょう。洗顔の際に強くこするのも厳禁です。

泡で優しく包み込むように洗うだけで、余分な皮脂や汚れは十分に落ちていきます。触りすぎないことが一番の近道です。

Q
乳児湿疹とお風呂の温度に関係はありますか?
A

大いに関係があります。お湯の温度が高すぎると、肌に必要な皮脂まで溶け出して乾燥を招くだけでなく、痒みが増して赤ちゃんが不機嫌になる原因になります。

大人にとっては少しぬるいと感じる38度〜39度くらいが適温です。冬場は寒くないか心配になるかもしれませんが、浴室暖房などを活用して室温を上げておくのがコツです。

また、長湯も肌のふやけや乾燥につながるため、お風呂は短時間で済ませ、入浴後は速やかに保湿を行いましょう。

Q
新生児ニキビと乳児湿疹の違いを見分けるために病院に行っても良いですか?
A

もちろんです。お母さんが見て判断がつかない場合や、ケアをしていても心配な場合は、遠慮なく小児科や皮膚科を受診してください。

「こんな軽い症状で」と思う必要はありません。専門家の目で診断してもらい、正しいスキンケアの指導を受けることは、その後の肌トラブル予防にもつながります。

何より、お母さんの安心感が育児には大切です。一人で悩まず、専門家に頼ってください。

Q
新生児ニキビは跡に残りますか?
A

新生児ニキビは、適切にケアをして自然に治癒すれば、跡に残ることはほとんどありません。

赤ちゃんの皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)は非常に活発なため、一時的に赤みがあっても、成長とともにきれいな肌に戻っていきます。

ただし、不潔な状態で化膿させてしまったり、かきむしって傷を作ってしまったりすると、跡が残るリスクが出てきますので、清潔と爪のケアを心がけてください。

参考文献