サクセンダ注射での赤みや腫れ、痒みの原因と正しい処置、予防の方法

サクセンダ注射での赤みや腫れ、痒みの原因と正しい処置、予防の方法

サクセンダ(リラグルチド3.0mg)の注射のあとに出る赤みや腫れ、痒みは、その多くが打った場所だけにとどまる一時的な反応で、数時間から数日のうちに薄れていきます。

原因は薬そのものだけではありません。針が皮膚を通るときの刺激、消毒液が乾かないうちに刺したこと、同じ場所を続けて使ったことなど、打ち方に関わる要素も重なります。

一方で、打った場所を越えて広がる赤みや、全身に出るじんましんは、様子を見てよい反応と切り分けて考える必要があります。原因ごとの見分け方と当座の手当て、繰り返さないための工夫、そして急いで受診すべきサインを整理しました。

目次 Outline

サクセンダの注射で赤みや腫れが出る4つの原因

注射のあとに残る赤みの多くは、針と薬液が皮膚に加えた刺激への一時的な反応で、打った場所の周りだけにとどまります。どの原因に当たるかによって、見え方も引くまでにかかる時間も変わります。

原因出やすい見え方引くまでの目安
針による刺激小さな赤い点と軽い腫れ数時間から1日
薬液への反応円い赤みと強い痒み数日
消毒液の乾き不足刺した瞬間のしみる痛み数時間
同じ場所の使いすぎ硬いしこりと残る赤み数週間

これらの原因は単独で起きるとは限らず、針の刺激に薬液への反応が重なると、赤みが濃く出て引くまでに時間がかかる場合もあります。自分の反応がどれに近いかを見当づけるところから始まります。

針が皮膚を通るときの物理的な刺激

サクセンダの針は細く短いものですが、それでも皮膚と皮下組織にはごく小さな傷ができ、その周りで一時的な炎症が起こります。赤い点や軽い盛り上がり、チクチクした痒みは、この傷が治る過程で出る自然な反応です。

刺す角度が浅すぎたり、針を進める途中で手が動いたりすると、組織への負担が増えて赤みも広がりやすくなります。毛細血管に当たれば少量の出血が皮下に広がり、青あざのような色が残る場合もあるでしょう。

この種類の刺激による赤みは、注射のあと数時間から1日ほどで薄れていくのが一般的で、痒みも長くは続きません。翌日になっても同じ濃さで残っているなら、別の原因が重なっていないかを考えます。

薬液そのものに皮膚が反応する場合

リラグルチドや製剤に含まれる添加物へ皮膚が過敏に反応する場合があり、打った直後ではなく半日から1日ほど遅れて現れる点が特徴です。境界のはっきりした円い赤みと強い痒みが、注射した場所を囲むように出ます。

実際に、サクセンダを始めて1か月後、投与のおよそ24時間後に注射部位を囲む円形の紅斑と痒みが出た56歳女性の症例が報告されています。この方は皮膚の検査と病理で、リラグルチドによる遅延型の過敏反応と確認されました。

GLP-1受容体作動薬による皮膚の有害反応は、報告例そのものが少ないまれな部類に入ります。まれであっても起こりうる以上、痒みの強い赤みが繰り返すときは医師に伝えておくほうが安心でしょう。

消毒液が乾く前に刺していませんか?

消毒用アルコールが皮膚の上に残ったまま針を刺すと、アルコールが針とともに皮下へ持ち込まれ、しみるような痛みと赤みが出ます。拭いた直後の湿った皮膚は、見た目よりも乾いていません。

アルコールが蒸発して皮膚が乾くまでには数十秒ほどかかるため、その間に薬液の準備や空打ちを済ませておくと、待たされている感覚もありません。乾いたかどうかは、指で触らずに見た目のつやで判断します。

この原因による赤みは、刺した瞬間の痛みを伴い、数時間のうちに引いていきます。同じ手順を続けるかぎり毎回同じように出るので、心当たりがあれば次の1本から待ち方を変えてみるとよいでしょう。

同じ場所を続けて使ったあとの皮膚

同じ点に繰り返し針を刺すと、皮膚の下に硬いしこりができ、その周りに赤みや痒みが残りやすくなります。触ると弾力の違いが分かり、見た目では気づけない段階から始まっています。

インスリン療法では、この硬いふくらみをリポハイパートロフィーと呼びます。42か国13,289人を対象にした調査では、部位の回し方が正しくない人や針を再使用する人で、血糖の指標であるHbA1cが高いと報告されました。

サクセンダはインスリンとは薬の種類が違いますが、毎日皮下へ打つ点は共通しており、同じ場所の使いすぎが皮膚に負担をかける事情も変わりません。硬くなった場所を避けて打つだけでも、赤みの出方は落ち着きます。

サクセンダの注射あとの赤みは何日で引くのか

打った場所だけに出た赤みは、日をまたぐごとに色が薄れ、多くは数時間から数日のうちに目立たなくなっていきます。ただし反応の種類によって引き方の速さは違っており、しこりだけは数週間にわたって残る場合もあります。

数時間で薄れる反応と、翌日に出てくる反応

針の刺激による赤みは打った直後がいちばん目立ち、時間がたつにつれて輪郭がぼやけ、色も薄くなっていきます。夕方に打ったのであれば、翌朝には打った場所を探さないと分からないほど薄れているでしょう。

一方で、薬液への過敏な反応は打ってから半日以上たって現れ、翌日にかけて濃くなる動きを見せます。出るタイミングそのものが、原因を見分ける手がかりになります。

打った直後に出て、翌日にはさらに広がっているという経過をたどるなら、両方が重なっている可能性を考えます。日付と時刻を書き添えておくと、あとから振り返るときに役立ちます。

痒みが強くなる時間帯

痒みは体が温まったときに強く感じられ、入浴後や就寝時に気になりやすいのは、皮膚の血流が増えて反応が目立つためです。日中は忘れていた場所が、夜になって急に気になる場合もあります。

熱いお湯に長くつかると痒みが増すため、赤みが出ている間はぬるめの湯で短く済ませるほうが楽に過ごせます。洗うときも、その部分をこすらずに泡で流す程度にとどめます。

掻いてしまうと一時的には楽になっても、皮膚の表面が傷ついてしまい、かえって痒みがぶり返してきます。爪を短く整えておく、寝るときに薄い衣類で覆うといった工夫が、眠っている間の掻き壊しを減らします。

青あざやしこりが混じるのはなぜ?

針が毛細血管に当たると少量の血が皮下へ広がり、赤みの中心に青紫の色が混じって見えてくるでしょう。この内出血は黄色みを帯びた色に変わりながら、1週間から2週間ほどで消えていきます。

しこりは、同じ場所への注射が重なった皮下組織の変化で、指で押すと硬く盛り上がって感じられます。赤みが引いたあとも残るので、次に打つ場所を決めるときには、そこを外すための目印にもなるはずです。

内出血もしこりも、それ自体が急を要する変化ではありません。ただし、しこりが月単位で増えていく、あるいは押すと強く痛むといった変化があれば、診察で確かめてもらう価値があります。

皮膚の変化出るタイミング引くまでの目安
赤みと軽い腫れ打った直後数時間から1日
円い赤みと強い痒み半日から1日後数日
青あざ打った直後1週間から2週間
しこり繰り返した部位数週間以上

この目安から外れて長引く場合は、別の原因が重なっているか、同じ場所を使い続けている可能性があります。打った日と場所を控えておくと、経過が目安どおりかを自分で確かめられます。

サクセンダの注射部位に赤みが出たときの手当て

赤みが打った場所にとどまっているなら、冷やして掻かずに様子を見るのが基本の手当てになります。塗り薬を使うかどうかは自己判断で決めず、次の受診で皮膚の状態を見せたうえで相談するのがよいでしょう。

まず冷やして刺激を減らす

痒みや熱っぽさがあるときは、清潔なタオルで包んだ保冷剤をそっと当てて冷やすと、感覚が和らいできます。冷たさによって皮膚の血流が落ち着くと、痒みを伝える信号も届きにくくなり、掻きたい衝動も弱まります。

当てる時間は5分から10分ほどを目安にし、いったん離してから間隔をあけて繰り返すようにします。氷を直接押し当てたり、長い時間冷やし続けたりすると、今度は冷えそのものが皮膚を傷める原因になりかねません。

  • 保冷剤は必ず布で包む
  • 1回5分から10分程度にとどめる
  • 皮膚の感覚が鈍いときは長く当てない
  • 冷やしても痒みが増すなら中止する

冷やしても楽にならない、あるいは冷やしている間だけ楽で戻ると繰り返すなら、皮膚の反応が強く出ているサインと受け取れます。無理に自宅で抑え込まず、受診の予定を早めるほうが安心でしょう。

掻き壊すと跡が残りやすい

痒いところを掻くと表面の皮膚がはがれ、そこから細菌が入り込む入り口ができあがってしまいます。掻いた跡が茶色い色素沈着として残ると、元の色に戻るまでに数か月かかってしまう場合もあります。

どうしても我慢しにくいときは、掻く代わりに冷やす、上から軽く押さえるといった置き換えが役に立ちます。衣類でこすれる位置に出ているなら、ゆとりのある服に替えるだけでも受ける刺激はかなり減るはずです。

塗り薬を自己判断で使わない

手元にある塗り薬を思いつくまま使ってしまうと、何が赤みを起こしているのかの見極めが難しくなります。赤みの原因が薬への反応なのか、掻き壊しによる炎症なのかによって、必要な手当ても変わってきます。

市販の外用薬にはさまざまな成分が入っており、その中には、弱った皮膚への刺激になるものもあります。使ってよいかどうかは、症状を見た医師が判断する領域です。

別の症状で処方された薬を、手元にあるからという理由で注射部位へ流用するのも避けたいところです。受診までに何日か間があるようなら、写真を撮って経過を残しておくと、診察での説明も短く済みます。

いつ、どこに、どんな症状が出たかを控える

赤みが出た日付と時刻、打った場所、見た目の大きさを短く書き留めておくと、次の診察で伝えやすくなります。記憶だけに頼ると、出た順番があいまいになりがちです。

写真は明るい場所で、定規や指を並べて写し、大きさが分かるように撮っておくと比べやすくなります。薄れていく様子まで数日おきに残しておけば、経過が順調なのかどうかも見せるだけで伝わります。

サクセンダの注射で赤みを繰り返さない予防

赤みを繰り返している方の多くは、打ち方のどこかに同じ癖を持っています。場所の回し方、消毒の待ち方、針の交換、薬液の温度という4点を見直すと、出方が変わってきます。

見直す点具体的な内容見込める違い
打つ場所前回と違う面へずらすしこりと赤みが繰り返しにくい
消毒乾いてから針を進めるしみる痛みが出にくい
毎回新しいものに替える組織への負担が小さい
薬液の温度常温に戻してから打つ冷たさによる刺激が出にくい

どれも特別な道具は要らず、いつもの手順の順番を少し変えるだけで実行できるものばかりです。心当たりのある点から一つずつ直していけば、余計な負担を感じることもなく、毎日の手順に組み込めます。

打つ場所を毎回ずらす

前回と同じ点に重ねないよう、打つたびに位置をずらしていくと、皮膚が休む時間を確保できます。お腹の右と左、太もも、二の腕といった面の間で順番を決めておくと迷いません。

ずらす幅は、前回打った場所から指の幅ぶんほど離れていれば足り、大きく移動させる必要はありません。同じ面の中でも打つ位置を少しずつ移していけば、狭い範囲へ集中して打ち込む形にはなりません。

赤みやしこりが残っている場所は、その変化が完全に消えるまで、いったん使わずに休ませておきます。硬くなった皮膚へ打つと薬の入り方も一定しにくくなるため、その面を外して選んでおくほうが無難です。

消毒液が乾いてから針を進める

消毒したあと、皮膚のつやが消えて乾いたのを見てから刺すと、しみる痛みも赤みも出にくくなります。拭いてすぐ刺す癖がついている方ほど、この差は大きく感じられます。

消毒に使う綿は1回ごとに新しいものを使い、同じ面で何度も拭き直さないようにします。力を入れてこすると皮膚の表面が荒れてしまい、その荒れ自体が次の赤みを呼び込む原因になります。

針は毎回新しいものに替える

一度使った針は先端が変形しており、2回目以降は皮膚を切るのではなく押し広げる形で入っていきます。組織が受ける負担が増えるぶん、赤みや痛み、しこりといった変化も出やすくなってしまいます。

13,289人を対象にした国際調査でも、針の再使用は誤った部位の回し方と並び、血糖の指標が高い群に多く見られました。使い回しは費用の節約にならず、皮膚の負担として跳ね返ってきます。

打ち終わったらその場で針を外す習慣にしておくと、次回に使い回す余地そのものがなくなります。針を付けたまま保管すると、薬液が漏れ出したり、ペンの中へ空気が入ったりする不具合も起こります。

薬液は冷たいまま打っても大丈夫?

冷蔵庫から出した直後の冷たい薬液は、皮下に入るときの刺激が強く、痛みや赤みにつながる場合があります。使用中のペンを室温で保管しているなら、この点は気にしなくてかまいません。

新しいペンを冷蔵庫から出して初めて使うときは、しばらく室温に置いてから打つと、入り方の感じが変わります。手のひらで温めたり、湯につけたりする必要はありません。

サクセンダの注射あとの赤みで受診したほうがよいサイン

打った場所を越えて広がる、強い痛みや熱を持つ、膿が出る、何日も引かない、毎回繰り返す。この5つのどれかに当てはまるなら、次の受診を待たずに相談します。

注射した場所を越えて広がる赤み

打った点を中心に、手のひらほどの範囲まで赤みが広がるときは、皮膚の下で炎症が強まっている可能性があります。輪郭がぼやけたまま外へ伸びていく広がり方は、様子見に向きません。

赤みの境目にペンで印を付けておくと、数時間後にそこを越えて広がったかどうかが目で分かります。印を越えて広がっていく速さが早いほど、受診を急いだほうがよいという判断の材料になります。

発熱やだるさが重なってくる場合は、皮膚の表面だけの問題にとどまっていない可能性が出てきます。その日のうちに連絡し、指示を受けるほうが確実です。

強い痛みや熱感、膿が出てきたとき

触れると熱を持っていて、押すと強く痛むという状態は、傷口から細菌が入り込んだときにも起こります。じくじくとした液や膿が出てきた時点で、自宅で様子を見ていてよい段階はすでに過ぎています。

掻き壊した跡から始まる場合が多いため、痒みの段階で掻かずに済ませておく意味は大きいといえます。爪の間の細菌が入ると、赤みは短時間で強くなります。

消毒液を重ね塗りしたり、絆創膏で密閉したりして、自宅で処理を続けようとするのは避けるほうがよいでしょう。そのまま受診して皮膚の状態を見てもらい、そのうえで必要な手当てを決めていく流れになります。

何日も引かない、毎回同じように繰り返す

1週間たっても濃さが変わらない赤みは、針が通ったときの刺激だけでは説明がつかなくなります。薬液そのものへの反応が起きているのか、同じ場所の使いすぎが続いているのかを考えていきます。

打つたびに同じ反応が出て、打ち方を見直しても変わらなければ、薬そのものへの反応を疑う段階になります。診察では、いつからどの部位で出ているかを合わせて伝えます。

自己判断で注射をやめたり、量を減らしたりする前に相談してください。治療をどう続けるかは、皮膚の反応と体重の経過の両方を見ながら、診察のたびに決めていきます。

  • 赤みが手のひらほどの範囲へ広がる
  • 押すと強く痛み、熱を持っている
  • 膿やじくじくした液が出てくる
  • 1週間たっても濃さが変わらない
  • 打つたびに同じ場所で繰り返す

どれも自宅だけで判断しきれない変化なので、迷った時点で連絡するほうが、結果として早く済みます。受診までの間は、掻かずに冷やして経過を控えておきます。

サクセンダの注射後に全身へ広がる症状は救急の対象

注射した場所を離れて症状が広がったときは、皮膚だけの問題ではなくなり、体全体が反応している段階に入っています。全身のじんましん、唇や瞼の腫れ、息苦しさやめまいはアレルギー反応の可能性があり、救急での対応が必要です。

全身のじんましんと、唇や瞼の腫れ

注射した場所と関係のない胸やお腹、背中にまでみみず腫れのような発疹が広がるときは、体全体が反応しています。打ってから数分から30分ほどの間に出る場合が多く、強い痒みを伴います。

唇や瞼、舌が腫れてくるという変化は、皮膚だけではなく粘膜にまで反応が及んでいるサインです。声がかすれる、のどが詰まる感じがあるといった訴えが加われば、気道の腫れも疑う場面になります。

この段階で自宅にとどまる判断は危険を伴います。ためらわずに救急車を呼ぶか、すぐに受診できる医療機関へ向かってください。

息苦しさやめまいが重なったとき

息苦しさ、ゼーゼーという呼吸音、めまいやふらつき、冷や汗が重なる場合、血圧が下がり始めている可能性があります。皮膚の症状と合わせて起こるアナフィラキシーでは、進み方が速いという点がなにより問題です。

横になって足を少し高くし、できるだけ動き回らずにその場で助けを待つ姿勢が勧められています。立ち上がった瞬間に血圧が下がる場合があるため、自分で歩いて移動しようとしないほうがよいでしょう。

119番へ連絡するときは、サクセンダを注射した直後である点と、出ている症状を順番に伝えます。使っているペンや薬の名前が分かる物を手元に置いておけば、搬送先での説明も短い時間で済みます。

次の注射をどうするかは自己判断で決めない

全身の症状がいったん落ち着いたあとであっても、次の1本を自分の判断で打つのは避けておきます。次に打ったときに同じ反応がより強い形で出る場合があり、その前に確認を挟んでおく必要があります。

診察では、症状が出るまでにかかった時間と続いた長さ、その日に使った薬をすべて伝えておきます。アレルギーの検査で原因を確かめたうえで、この治療を続けるかどうかを決めていく流れです。

リラグルチドで反応が出ても、別の薬に替えられる場合があります。実際に、リラグルチドで遅延型の反応が出た方がセマグルチドは問題なく使えたという報告もあります。

見る点打った場所だけの反応全身に広がる反応
出る範囲針を刺した周囲だけ胸や背中など離れた場所にも
出るまでの時間直後から1日後数分から30分
呼吸と血圧変化なし息苦しさ、めまい
とる行動冷やして経過を見るすぐ救急へ連絡

見分けの要点は、症状が注射した場所にとどまっているかどうかにあります。離れた場所へ広がる、あるいは呼吸や意識に影響が出ているなら、迷わず救急の判断へ切り替えます。

よくある質問

サクセンダの注射あとの赤みは何日ほどで消えますか?

針の刺激による赤みは数時間から1日ほど、薬液に反応して出た赤みは数日を目安に薄れていきます。青あざが混じった場合は、色が変わりながら1週間から2週間ほどかけて消えていきます。

1週間たっても濃さが変わらない、あるいは範囲が広がっているなら、別の原因が重なっている可能性があります。その状態で様子を見続けず、診察で確かめてもらってください。

サクセンダの注射部位が痒いとき、塗り薬を自分で使ってもよいですか?

手元にある塗り薬を自己判断で使うと、赤みの原因が分かりにくくなり、成分によっては刺激が加わる場合もあります。使ってよいかどうかは、皮膚の状態を見た医師が判断します。

受診までは、冷やす、掻かない、こすれない服を選ぶという範囲にとどめておくと無理がありません。痒みで眠れない日が続くようなら、予約を待たずに連絡してください。

サクセンダの注射でできたしこりに、また打っても問題ありませんか?

硬くなった場所は皮膚も皮下組織も普段とは状態が違っているため、そこを避けて打つほうが無難です。薬の入り方が一定しにくくなるうえに、赤みやしこりといった変化も重なって出やすくなります。

しこりが消えるまでには数週間かかる場合もあるため、その間は別の面を使って休ませておきます。だんだん大きくなる、押すと痛むといった変化があるようなら、次の診察のときに見てもらいます。

サクセンダの注射で赤みが出たら、注射をやめたほうがよいですか?

打った場所だけの赤みで数日のうちに引くなら、続けながら経過を見る場合が多くなります。ただし、続けるかどうかを自分だけで決めず、次の受診で皮膚の状態を伝えてください。

全身のじんましんや唇の腫れ、息苦しさを伴った場合は話が別で、次の注射を打たずにすぐ連絡します。同じ反応がより強く出る場合があるためです。

サクセンダの注射前に、薬液を常温に戻す必要はありますか?

使用中のペンを室温で保管しているなら、そのまま打ってかまいません。冷蔵庫から出した新しいペンを初めて使うときだけ、しばらく室温に置いてから打つと刺激が減ります。

湯につけたり手のひらで強く温めたりする必要はなく、卓上にしばらく置いておくだけで足ります。保管の条件は説明書と医師の指示に沿って守ります。

参考文献

Meza, N., Bracchiglione, J., Escobar Liquitay, C. M., Madrid, E., Varela, L. B., Guo, Y., Urrutia, G., Er, S., Tiller, S., Shokraee, K., Alvarez Busco, F., Sola, I., Ocara Vargas, M., Novik A, V., Poloni, D., & Franco, J. V. A. (2025). Liraglutide for adults living with obesity. Cochrane Database of Systematic Reviews, 10(10), CD016017. https://doi.org/10.1002/14651858.CD016017

Ichikawa, M., Akiyama, T., Tsujimoto, Y., Anan, K., Yamakawa, T., & Terauchi, Y. (2022). Efficacy of education on injection technique for patients diagnosed with diabetes with lipohypertrophy: Systematic review and meta-analysis. BMJ Open, 12(3), e055529. https://doi.org/10.1136/bmjopen-2021-055529

Pi-Sunyer, X., Astrup, A., Fujioka, K., Greenway, F., Halpern, A., Krempf, M., Lau, D. C. W., le Roux, C. W., Violante Ortiz, R., Jensen, C. B., & Wilding, J. P. H. (2015). A randomized, controlled trial of 3.0 mg of liraglutide in weight management. New England Journal of Medicine, 373(1), 11–22. https://doi.org/10.1056/NEJMoa1411892

Moiz, A., Filion, K. B., Toutounchi, H., Tsoukas, M. A., Yu, O. H. Y., Peters, T. M., & Eisenberg, M. J. (2025). Efficacy and safety of glucagon-like peptide-1 receptor agonists for weight loss among adults without diabetes: A systematic review of randomized controlled trials. Annals of Internal Medicine, 178(2), 199–217. https://doi.org/10.7326/ANNALS-24-01590

Klonoff, D. C., Berard, L., Franco, D. R., Gentile, S., Gomez, O. V., Hussein, Z., Jain, A. B., Kalra, S., Anhalt, H., Mader, J. K., Miller, E., O’Meara, M. A., Robins, M., Strollo, F., Watada, H., & Heinemann, L. (2025). Advance insulin injection technique and education with FITTER Forward expert recommendations. Mayo Clinic Proceedings, 100(4), 682–699. https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2025.01.004

Frid, A. H., Hirsch, L. J., Menchior, A. R., Morel, D. R., & Strauss, K. W. (2016). Worldwide injection technique questionnaire study: Population parameters and injection practices. Mayo Clinic Proceedings, 91(9), 1212–1223. https://doi.org/10.1016/j.mayocp.2016.06.011

Mader, J. K., Fornengo, R., Hassoun, A., Heinemann, L., Kulzer, B., Monica, M., Nguyen, T., Sieber, J., Renard, E., Reznik, Y., Rys, P., Stozek-Tutro, A., & Wilmot, E. G. (2024). Relationship between lipohypertrophy, glycemic control, and insulin dosing: A systematic meta-analysis. Diabetes Technology & Therapeutics, 26(5), 351–362. https://doi.org/10.1089/dia.2023.0491

Salazar, C. E., Patil, M. K., Aihie, O., Cruz, N., & Nambudiri, V. E. (2024). Rare cutaneous adverse reactions associated with GLP-1 agonists: A review of the published literature. Archives of Dermatological Research, 316(6), 248. https://doi.org/10.1007/s00403-024-02969-3

Barroso, B., Gomez-Lopez, A., Valverde-Monge, M., Betancor, D., de Las Heras, M., & Sastre, J. (2024). Hypersensitivity reactions to the GLP-1 receptor agonists liraglutide and semaglutide: A case series. Journal of Investigational Allergology and Clinical Immunology, 34(2), 133–135. https://doi.org/10.18176/jiaci.0932

Moreno-Borque, R., Guhl-Millan, G., Mera-Carreiro, S., Pazos-Guerra, M., Cortes-Toro, J. A., & Lopez-Bran, E. (2024). Delayed type hypersensitivity reaction induced by liraglutide with tolerance to semaglutide. JCEM Case Reports, 2(6), luae105. https://doi.org/10.1210/jcemcr/luae105

この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会