ビクトーザを内科の専門医で処方、糖尿病専門医による安全な治療の進め方

ビクトーザを内科の専門医で処方、糖尿病専門医による安全な治療の進め方

ビクトーザの処方で糖尿病専門医が担う仕事の中心は、薬を出すという判断そのものよりも、その手前と後ろに置かれた確認の作業にあります。併存する病気や飲み合わせを洗い直し、低血糖と合併症の見通しを立てたうえで量を決めていきます。

糖尿病専門医は、学会が定めた研修と試験を経て認定され、5年ごとに更新を重ねる資格です。医療機関が掲げる診療科名とは別の枠組みなので、看板の文字だけでは見分けがつきません。

開始前の評価から増量の区切り、減量や中止の見極めまで、ビクトーザの診療は一本の線としてつながっています。その線がどこで曲がるのかを、順を追って整理します。

目次 Outline

ビクトーザを扱う糖尿病専門医は何を満たして認定されるのか

糖尿病専門医は、日本糖尿病学会が定めた研修歴と症例、そして試験を通って認定される資格で、認定後も5年ごとの更新が続きます。診療科の看板とは別に置かれた仕組みだと考えてください。

認定の要件学会が定めている内容
会員歴申請の時点で連続3年以上
基本領域の資格内科では認定内科医・総合内科専門医または内科専門医
研修歴学会が認定した教育施設で常勤として3年以上
症例入院10例と外来30例
業績糖尿病臨床に関する筆頭の学会発表または論文が2編以上
更新5年ごと

学会員としての年数と研修施設が入口になる

申請にたどり着くには、まず学会員としての年数が要ります。申請の時点で連続3年以上の会員歴が求められ、そのうえで内科なら認定内科医や総合内科専門医、あるいは内科専門医といった基本領域の資格を土台に置きます。

研修の場所も指定されており、学会が認定した教育施設で常勤として3年以上働いた経歴が要件に入ります。糖尿病の診療は入院と外来の両方にまたがるため、症例の集まる施設で経験を積む設計になっているのでしょう。

症例と業績をそろえてから試験に進む

研修を終えただけでは申請できず、実際に受け持った症例をそろえる必要があります。入院10例と外来30例を提出し、外来については最終受診日が申請から6ヶ月以内という条件も付いています。

加えて、糖尿病臨床に関する筆頭者としての学会発表または論文が2編以上求められ、診療だけでなく検討の結果を外へ出した経験も問われます。そこまでそろえたうえで、ようやく筆記の試験に進みます。

5年ごとの更新と、標榜科名との違い

認定は取得して終わりではなく、5年ごとの更新審査が続きます。更新では外来症例の報告や、勤務先で自ら行った患者教育の実績を示す資料が求められ、学会や講演への参加で単位も積み上げていきます。

一方、医療機関が掲げる「糖尿病内科」といった科名は、届け出によって表示できる標榜科であり、専門医の認定とは別の仕組みです。両者は混同されやすく、看板の文字だけでは判断できません。

ビクトーザを始める前に糖尿病専門医が確かめる病態と適応

ビクトーザの処方が動き出すかどうかは、2型糖尿病という診断が付いているかどうかで最初に分かれます。国内で承認された効能から外れる使い方では、前提そのものが入れ替わります。

2型糖尿病の診断が処方の出発点

日本でビクトーザ(リラグルチド 最大1.8mg/日)が承認されているのは、2型糖尿病の治療に対してです。そのため診察では、血糖値やHbA1cの数値に加えて、症状の出方や体重の推移、家族歴までさかのぼって診断を固めます。

すでに糖尿病と分かっている人でも、罹病期間や現在使っている薬によって組み立ては変わってきます。診断名が同じでも中身は一人ひとり違うため、既往歴の聞き取りに時間を割く場面は少なくありません。

  • 空腹時血糖とHbA1c
  • 経口ブドウ糖負荷試験の結果
  • 膵島に関する自己抗体
  • 血中Cペプチドの値
  • これまでの治療歴と体重の推移

これらの数字は単独ではなく、組み合わせで読み解かれます。1回の採血だけで足りないときには日を改めて測り直し、判断を急がない進め方が取られます。

1型糖尿病との区別に使う検査

2型と1型を取り違えると、治療の向きが正反対になってしまいます。1型糖尿病では自分のインスリンがほとんど出なくなるため、インスリン注射をやめるとケトアシドーシスという危険な状態へ進む恐れがあります。

その区別に使われるのが、抗GAD抗体などの自己抗体と、インスリン分泌の残り具合を映す血中Cペプチドです。発症年齢や体格だけでは見分けきれないので、成人でも抗体を測る場面があります。

体重を落とす目的で使うときは適応外の自由診療

ダイエット目的でビクトーザを使う場合は、承認された効能から外れた適応外使用にあたり、公的医療保険が使えません。診察料も検査料も含めて全額が自己負担となり、自由診療の枠で扱われます。

同じリラグルチドでも、サクセンダ(最大3.0mg/日)は日本では承認されておらず、用量も入手の経路も別の薬として扱われます。成分が共通だからといって、データや注意点をそのまま置き換えられるわけではありません。

ビクトーザの処方前に糖尿病専門医が並べる併存疾患の確認

ビクトーザを始められるかどうかは、血糖の数値よりも併存する病気の並びで決まる場面があります。膵臓と胆のう、甲状腺、腎臓、そして胃腸の動きが、開始前に確かめられる代表的な領域です。

膵炎の既往と胆のうの状態

急性膵炎を起こした経験があるかどうかは、開始前に必ず聞かれる項目です。米国の退役軍人の医療データでは、GLP-1受容体作動薬を始めた132,551人とSU薬を始めた201,136人が比べられました。

1年間の急性膵炎の率差は10万人あたり-3.64(95%信頼区間 -30.76〜23.48)でした。全体として大きな差は出ていません。

ただし薬剤が原因と疑われる急性膵炎は増える向きに出ており(率差 23.45、95%信頼区間 14.27〜33.85)、その4割ほどが開始から3ヶ月以内に集まっていました。

胆のうについては韓国の全国規模の調査があり、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬を45,443組で比べたところ、胆のう・胆道の病気のハザード比は1.27(95%信頼区間 1.07〜1.50)でした。

いずれもGLP-1受容体作動薬全体をまとめた数字であって、リラグルチド単剤の成績ではありません。胆石を指摘された経験があれば、その情報は開始前に共有しておきたいところです。

甲状腺についてはどこまで聞かれるのでしょうか?

甲状腺については、げっ歯類の実験で腫瘍の発生が報告された経緯があり、添付文書でも注意が促されています。そのため問診では、甲状腺の手術歴や指摘された異常、家族に甲状腺の病気があるかどうかまで踏み込みます。

本人が忘れている情報も少なくないので、健診の結果票やお薬手帳を持参すると聞き取りが早く進みます。首の腫れや声のかすれといった自覚症状があれば、その時点で伝えておくと判断の材料が増えます。

腎臓と肝臓の働き

腎臓の働きが落ちている人でも、GLP-1受容体作動薬は使われてきました。慢性腎臓病と糖尿病を併せ持つ48,148人を対象にした42試験のまとめが、その根拠のひとつです。

そのまとめでは、プラセボと比べて全死亡が減る向きに出ました(相対危険 0.85、95%信頼区間 0.74〜0.98、中程度の確実性)。追跡期間の中央値は26週なので、長期の見通しまで示した数字ではありません。

とはいえ、吐き気や嘔吐が続いて脱水に傾けば、腎臓には別の負担がかかります。開始前に血清クレアチニンや推算糸球体濾過量を押さえておくと、途中で数値が動いたときに比べる相手ができます。

胃腸の動きが落ちているとき

ビクトーザは胃から腸へ食べ物が送られる速さをゆるめるので、もともと胃の動きが鈍い人では症状が重なりやすくなります。糖尿病が長い方に見られる胃不全麻痺は、その代表といえるでしょう。

逆流性食道炎や慢性の便秘を抱えている場合も、開始してからの変化を細かく追う対象になります。もともとの症状と薬の影響を切り分けるため、開始前の状態を記録に残しておく意味は大きいはずです。

開始前に確かめられる領域と着眼点

確かめる領域見ている内容判断への影響
膵臓急性膵炎の既往、腹痛の経過開始の可否と経過観察の密度
胆のう・胆道胆石の指摘、胆のう摘出の有無腹痛が出たときの鑑別の順序
甲状腺手術歴、健診での指摘、家族歴問診と説明の深さ
腎臓・肝臓クレアチニン、推算糸球体濾過量、肝酵素脱水時の注意と再検査の間隔
胃腸胃不全麻痺、逆流、便通の状態増量の速さと中止の目安

ビクトーザと併用薬の組み合わせで糖尿病専門医が見る低血糖

ビクトーザ単独では低血糖が起こりにくい一方、SU薬やインスリンと組み合わせた瞬間にリスクの高さが変わります。併用薬の棚卸しは、開始前にいちばん時間をかけたい作業です。

併用する薬低血糖の起こりやすさ診療で取られる対応
ビクトーザ単独まれ症状の説明と自己測定の指導
メトホルミンとの併用大きくは変わらない消化器症状の重なりを確認
SU薬との併用高まるSU薬を先に減量してから上乗せ
インスリンとの併用高まる単位数を下げ、測定回数を増やす

単独では低血糖が起こりにくい理由

リラグルチドは、血糖が高い場面でインスリンの分泌を後押しし、血糖が下がってくるとその働きが弱まる設計です。だからこそ、単独で使うかぎり低血糖はまれにとどまります。

慢性腎臓病と糖尿病を併せ持つ人を対象にしたまとめでも、GLP-1受容体作動薬とプラセボで重症低血糖に大きな差は見られませんでした(相対危険 0.82、95%信頼区間 0.54〜1.25、6,292人)。

ただし、この評価の確実性は低いと位置づけられています。起こりにくい薬だからといって、まったく起こらないと読み替えるのは行きすぎでしょう。

SU薬やインスリンと併せるときは減量から

SU薬やインスリンは血糖の高さに関わりなく働くため、ビクトーザを上乗せすると血糖が下がりすぎる場面が出てきます。そこで併用を始める段階から、SU薬やインスリンの量を先に減らす調整が行われます。

メトホルミンとSU薬の併用を検証したまとめでも、低血糖の起こりやすさは組み合わせによって動きます。どの薬をどれだけ減らすかは体格や腎機能、生活の時間割によって変わるので、一律の正解はありません。

低血糖のサインと、その場での対応

低血糖では、冷や汗や動悸、手のふるえ、強い空腹感が先に出て、進むと集中しにくくなったり意識がぼんやりしたりします。高齢の方では自律神経の症状が出にくく、いきなり意識の変化から始まる場合もあります。

ブドウ糖を持ち歩き、症状が出たらすぐ口にする備えが基本になります。運転や高所での作業を日常的に行う人は、その事情も含めて診察で共有しておくと、薬の組み立てそのものが変わってきます。

韓国の約184万人を追った研究では、所得の低い層で重症低血糖の危険が高いという結果が出ています(ハザード比 2.50、95%信頼区間 2.33〜2.57)。費用の負担が受診や自己測定の頻度を左右する事情も、背景にあるのかもしれません。

処方全体を薬剤師と一緒に見直す

低血糖の危険が高い人に薬剤師が計画的に働きかけた試験では、6ヶ月後に低血糖を起こしにくい処方へ切り替わった割合が28.1%と、通常の診療の15.8%を上回りました(リスク差 12.3%、95%信頼区間 0.6%〜24.0%)。

対象は191人で、平均年齢は71.3歳でした。同じ試験では低血糖に関連した救急受診や入院が介入した群で0件、通常の群で5件(5.3%)と差が付き、HbA1cの悪化も見られていません。

医師ひとりで抱えるより、複数の目で処方を見るほうが漏れは減るといえます。薬剤師や看護師、管理栄養士が横に並ぶ形は、日本の診療でも広がってきました。

ビクトーザの治療中に糖尿病専門医が追いかける合併症

血糖が下がっても、糖尿病の合併症が自動的に止まるわけではありません。目と腎臓、神経、そして心臓と血管は、治療を続けるあいだ別々の間隔で確かめていく対象です。

目の合併症は眼科と組んで見ていく

2型糖尿病の185,066人を2年追った米国の研究では、GLP-1受容体作動薬の使用と糖尿病網膜症の発症にわずかな関連が見られました(ハザード比 1.07、95%信頼区間 1.03〜1.11)。数字としては小さな差にとどまります。

一方、もともと網膜症のあった32,695人では、硝子体出血(ハザード比 0.74、95%信頼区間 0.68〜0.80)や失明(ハザード比 0.77、95%信頼区間 0.73〜0.82)がむしろ少なく出ています。

増殖網膜症への進行(ハザード比 1.06、95%信頼区間 0.97〜1.15)にも差は見られませんでした。視力を脅かす段階へ進む人が増えたわけではない、と読める結果でしょう。

いずれにせよ、治療の前後で眼底を確認する流れは変わりません。血糖が急に下がった時期に網膜症が動く場合があるため、眼科と時期を合わせて診ていく組み立てが取られます。

腎臓の数値と尿のアルブミン

腎臓は、血液の数値だけでなく尿の検査と組み合わせて評価します。尿中アルブミンは早い段階の変化を捉えやすく、推算糸球体濾過量と並べて見ると全体像がつかみやすくなります。

先ほどの42試験のまとめでは、GLP-1受容体作動薬は透析や移植に至る腎不全に対しては大きな差を示しませんでした(相対危険 0.86、95%信頼区間 0.66〜1.13)。腎臓を守る力を過大に見積もらない姿勢も、経過を追ううえでは必要になります。

心臓と血管のできごとをどう見積もるか

米国の6つの医療システムで2型糖尿病の241,981人を比べた研究では、2.5年間の主要心血管イベントの危険がGLP-1受容体作動薬でもっとも低く、SGLT2阻害薬、SU薬、DPP-4阻害薬が続きました。

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬を比べた累積リスク差は1.5%(95%信頼区間 1.1%〜1.9%)で、動脈硬化性心血管疾患や心不全がある人、65歳以上の人ほど差がはっきりしていました。50歳未満では差が見られていません。

こうした違いがあるからこそ、心臓や血管の既往をどれだけ丁寧に拾えるかが薬の選択を左右します。足の血流や感覚の確認も、同じ流れの中に置かれています。

  • 眼底検査による網膜症の確認
  • 尿中アルブミンと推算糸球体濾過量
  • 足の感覚と皮膚、爪の状態
  • 血圧と脂質の数値
  • 心電図など心臓に関する検査

ビクトーザの効果判定と増量の区切りを糖尿病専門医はどこに置くか

ビクトーザの増量は、体調の確認とセットで一段ずつ進みます。国内の用法は0.3mgから始まり、1週間以上の間隔をあけて0.3mgずつ上げていく形が決められています。

段階1日量診療で確かめる内容
開始0.3mg吐き気や嘔吐の有無、食事量の変化
1段階目の増量0.6mg症状の落ち着き方、自己測定の記録
維持量0.9mgHbA1cと体重、低血糖の有無
さらに増やす場合1.2mg・1.8mg効果が足りない理由の見直し

0.3mgから始めて段階的に上げる国内の用法

最初から効く量で始めない理由は、吐き気などの消化器症状を和らげるためです。少量から入って体を慣らしていくと、途中でやめずに続けられる人が増えると考えられています。

維持量は1日0.9mgに置かれ、効果が足りないときには0.9mgで4週間以上続けたうえで、0.3mgずつ最大1.8mgまで増やせる用法になっています。増量のたびに間隔をあける決まりも、そのまま守られます。

HbA1cの変化はいつごろ読めるようになる?

HbA1cは過去1〜2ヶ月の平均を映す指標なので、増量した翌週に測っても変化は読み取れません。効果判定の目安が3ヶ月前後に置かれるのは、この時間差があるからです。

その手前では、自己測定の血糖値や食後の張り具合、体重の動きが手がかりになります。GLP-1受容体作動薬を軸にした治療戦略を40試験で比べたネットワークメタ解析でも、HbA1cの下がり方は戦略ごとに幅がありました。

消化器の症状が強いときは増量を止める

吐き気や嘔吐、下痢が強く出ているときに量を上げると、症状はさらに重くなります。そうした場面では増量を見送り、同じ量のまま様子を見るか、いったん前の量へ戻す判断が取られます。

数字の上では順調でも、日常生活が立ち行かないほど症状が出ていれば治療としては行き詰まります。食事量が落ちて脱水に傾いていないかどうかも、同時に確かめる対象です。

ビクトーザの減量や中止を糖尿病専門医が判断する場面

中止や減量の判断が動くのは、大きく3つの場面です。効果が乏しいとき、体に別のできごとが起きたとき、そして生活の予定が変わったときで、いずれも始めるときと同じ重さで扱われます。

効果が乏しいときにいったん立ち止まる

増量しきってもHbA1cが動かない場合、量が足りないのか、それとも別の要因が働いているのかを切り分けます。注射の手技や打ち忘れ、食事や睡眠の変化が隠れている例は珍しくありません。

そこまで確かめても反応が乏しければ、薬を変える相談に入ります。漫然と続けるより、いったん立ち止まって組み立て直すほうが遠回りにならない場合もあるでしょう。

手術や検査で絶食するときと、体調を崩した日

手術や内視鏡の予定が入ると、絶食の期間や胃の中に食べ物が残る影響を考えて、事前に扱いを決めます。麻酔科や施行する診療科と情報を合わせるため、予定が決まった時点で伝えておくと調整が間に合います。

発熱や下痢で食事が取れない日の対応も、あらかじめ決めておく項目です。脱水に傾きやすい状況では、自己判断で打ち続けるより連絡を入れたほうが安全でしょう。

妊娠を望む場合と、他科へつなぐ判断

妊娠を希望する段階では、薬の組み立てを見直す必要があります。妊娠中の血糖管理はインスリンが中心になるため、産婦人科と歩調を合わせて切り替えの時期を決めていきます。

眼科や腎臓内科、管理栄養士や糖尿病療養指導士へつなぐ判断も、日々の診療の一部です。診療の質を高める工夫を集めた大規模な検討でも、担当を分けて役割を組み替える取り組みが上位に並んでいました。

立ち止まる場面と、そこで取られる対応

場面確かめる内容取られる対応
効果が乏しい注射の手技、打ち忘れ、食事と睡眠原因を切り分けてから薬を見直す
消化器の症状が強い食事量、体重、脱水の兆候増量の見送り、または減量
手術や内視鏡の予定絶食の期間、麻酔の方法関係する科と休薬の可否を決める
発熱や下痢で食べられない水分の量、血糖値、尿の出方連絡したうえで扱いを決める
妊娠を希望する希望の時期、併用薬産婦人科と組んで切り替える

表に並べた場面は、いずれも体調や予定の変化から生じるものです。これとは別に、薬の供給そのものが動く事情も加わりました。

ビクトーザ皮下注18mgをめぐっては、製造販売元のノボ ノルディスク ファーマが2025年10月20日に、2026年後半での販売終了を明らかにしています。出荷は発表の時点で通常どおり続いており、2026年以降に順を追って変更を進めてほしいと同社は伝えています。

切り替えるかどうかの見極めは、これまで専門医が引き受けてきた判断の延長線上にあります。血糖の経過、併用している薬、合併症の進み具合を並べたうえで決める話なので、価格の比較や自己判断でどうにかなる領域ではありません。

定期の受診を続けている方ほど、次の診察で処方を受けている医療機関に相談しておくと計画を立てやすくなります。増量や中止を決めるときと同じで、経過を知る医師と一緒に組み立てるのが確実です。

よくある質問

ビクトーザを処方する医師が糖尿病専門医かどうかは、どこで確かめられますか?

日本糖尿病学会は認定した専門医の名簿を公開しており、氏名や勤務先から検索できます。医療機関の掲示や医師の経歴欄に記載がある場合も多く、受診前に確認する手立てはいくつかあります。

診察の場で直接尋ねてもかまいません。資格の有無だけでなく、開始前にどの検査を行い、どの間隔で経過を見るのかを聞いておくと、診療の中身が具体的に見えてきます。

ビクトーザは糖尿病専門医でなければ処方できない薬ですか?

処方そのものに専門医の資格は必要とされておらず、医師の判断で行われます。専門医制度は診療の内容を学会が定めた基準で確かめる仕組みであって、処方権を分ける制度ではありません。

大切なのは、併存する病気や併用薬をどこまで拾い、経過をどう追うかという中身の部分です。資格の有無に関わらず、その手順が示されるかどうかを見ていくと判断しやすくなります。

ビクトーザを使っているあいだ、通院の間隔はどのくらいになりますか?

増量している時期は体調の変化を追う必要があるため、間隔を詰めて受診する形が一般的です。量が定まって症状も落ち着いてくると、1〜2ヶ月ごとの受診へ移っていく場合が多くなります。

血液検査や合併症の確認は、項目ごとに間隔が違います。眼底検査のように年単位で組まれるものもあるので、次に何をいつ確かめるのかを診察のたびに共有しておくと予定が立てやすくなります。

ビクトーザで低血糖が起きたとき、医師にはどのように伝えればよいですか?

起きた時刻と食事や運動との前後関係、出た症状、そのとき測れた血糖値をまとめて伝えると、原因の見当が付きやすくなります。ブドウ糖を口にしてから何分で回復したかも手がかりになります。

頻度も重要な情報です。1回きりなのか、特定の時間帯に繰り返しているのかで、減らす薬も変える量も違ってきます。メモや記録アプリに残しておくと再現しやすくなるでしょう。

ビクトーザをやめたいと思ったとき、いつ相談すればよいですか?

やめたいと感じた時点で相談するのがいちばん早い道です。自己判断で中断すると血糖が戻りやすく、併用している薬とのつり合いも崩れてしまいます。

理由が副作用なのか、続けにくさなのか、効果への疑問なのかによって打つ手は変わります。量を下げる、間隔を見直す、別の薬へ移すといった選択肢を並べたうえで決めていく形になります。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会