ウゴービで10%以上減量できる確率は?治療成功率のデータ

ウゴービで10%以上減量できる確率は?治療成功率のデータ

ウゴービ(セマグルチド)で本当に10%以上痩せられるのか、気になっている方は多いでしょう。大規模な臨床試験のデータによると、ウゴービ2.4mgを68週間使用した方のうち、約7割が10%以上の体重減少を達成しています。

さらに半数以上の方が15%以上の減量にも成功しており、従来の肥満症治療薬とは一線を画す結果が報告されました。一方で、効果には個人差があり、食事や運動の併用が成果を大きく左右します。

この記事では、STEP試験をはじめとする複数の臨床データをもとに、ウゴービの減量率や治療成功率を具体的な数値で丁寧に解説していきます。

目次 Outline

ウゴービの減量率はどのくらい?臨床試験が示した平均データ

ウゴービ2.4mgを約1年4か月(68週間)使い続けた場合、平均で体重の約15%が減少するというのが、臨床試験で示された結果です。体重100kgの方であれば、およそ15kgの減量に相当します。

STEP 1試験で確認された体重減少の平均値

ウゴービの効果を検証した代表的な研究がSTEP 1試験です。この試験は糖尿病のない成人1,961名を対象に行われ、食事指導と運動指導を併用しながら68週間にわたってウゴービ2.4mgまたはプラセボ(偽薬)を投与しました。

結果としてウゴービ群の平均体重減少率は14.9%だったのに対し、プラセボ群はわずか2.4%にとどまりました。両群の開始時の平均体重が約105kgだったことを考えると、ウゴービ群では約15.3kg、プラセボ群では約2.6kgの減少という明確な差が見られたことになります。

2年間継続したSTEP 5試験の長期データ

68週間よりも長期間にわたる効果を調べたのがSTEP 5試験です。304名を対象に104週間(約2年間)の投与を行った結果、ウゴービ群の平均減量率は15.2%でした。

STEP試験ごとの平均減量率

試験名投与期間平均減量率
STEP 168週14.9%
STEP 368週16.0%
STEP 5104週15.2%
STEP 6(東アジア)68週13.2%
STEP 868週15.8%

プラセボとの差はどれだけあるのか

どの試験においても、プラセボ群の減量率は2〜6%程度にとどまっています。ウゴービの減量効果は、プラセボとの差で約12ポイントという結果であり、薬の力だけで得られる効果の大きさが数値で裏付けられています。

食事や運動を組み合わせた生活習慣の改善だけでは実現が難しい水準の減量を、ウゴービが後押ししてくれるという点が、多くの医療専門家から評価されている理由でしょう。

10%以上の減量を達成した割合|ウゴービの治療成功率は約7割

ウゴービ2.4mgを68週間使用した方の約69〜79%が、体重の10%以上の減量を達成しています。肥満症治療において10%の体重減少は、健康面に大きな恩恵をもたらす節目とされており、約7割の方がこの水準に到達できたことは注目に値します。

STEP 1試験で10%以上減量できた参加者の割合

STEP 1試験のデータでは、ウゴービ群で10%以上の体重減少を達成した参加者は69.1%でした。一方、プラセボ群では12.0%にとどまっており、その差は歴然としています。

つまり、ウゴービを使った方の約7割が10%以上の減量に成功したのに対し、生活習慣の改善だけでは1割程度しか同じ水準に達しなかったことを意味しています。

15%以上・20%以上の減量を達成した割合も高い

さらに踏み込んだ数字を見ると、15%以上の体重減少を達成した方は50.5%、20%以上の減量に成功した方は32.0%でした。半数の方が15%以上減量できているのは、従来の肥満症治療薬では考えられなかった水準です。

複数の試験で一貫した高い減量達成率

STEP 1だけでなく、STEP 3やSTEP 8など他の試験でも同様の傾向が確認されています。STEP 3では集中的な行動療法を組み合わせたことで、10%以上の減量達成率は79%にまで上昇しました。STEP 8ではリラグルチド(別のGLP-1製剤)との比較が行われ、ウゴービ群の10%以上減量達成率は70.9%と、リラグルチド群の25.6%を大きく上回っています。

減量達成率の比較(STEP 1・68週時点)

減量達成目標ウゴービ群プラセボ群
5%以上86.4%31.5%
10%以上69.1%12.0%
15%以上50.5%4.9%
20%以上32.0%1.7%

日本人にも効果はある?STEP 6試験で確認された東アジア人のデータ

日本人を含む東アジア人を対象としたSTEP 6試験でも、ウゴービは有意な体重減少効果を示しました。欧米の試験とは対象者の体格に違いがあるものの、東アジア人にもしっかり効くことが臨床的に確認されています。

STEP 6試験の概要と対象者

STEP 6試験は日本、韓国などの東アジア地域で実施されました。対象はBMI27以上で体重に関連した合併症を2つ以上持つ方、またはBMI35以上で合併症を1つ以上持つ方(糖尿病を含む)の401名です。

東アジア人はBMIが欧米人ほど高くなくても内臓脂肪型肥満になりやすいという特徴があり、この試験はそうした背景を考慮した設計になっていました。

ウゴービ2.4mgで13.2%の平均減量を記録

STEP 6試験におけるウゴービ2.4mg群の平均体重減少率は13.2%でした。プラセボ群は2.1%だったため、薬剤による純粋な減量効果は約11ポイントに及びます。

STEP 6試験の減量達成率(68週時点)

項目ウゴービ2.4mgプラセボ
5%以上達成83%21%
10%以上達成61%5%
15%以上達成41%3%

STEP 1との違いと日本人が押さえるべきポイント

STEP 1(欧米中心)の10%以上達成率が69.1%なのに対し、STEP 6では61%とやや低めの数値です。ただし、STEP 6の参加者には糖尿病を持つ方も含まれており、糖尿病がある方はセマグルチドによる体重減少幅がやや小さくなる傾向が知られています。

そのため、糖尿病を持たない日本人の場合は、STEP 1に近い成績が期待できると考える専門家も少なくありません。日本人の体格や食生活を踏まえたうえでも、ウゴービの減量効果は十分に期待できるでしょう。

ウゴービで減量に成功する人・あまり効果が出にくい人の特徴

同じウゴービを使っても、10%以上減量できる方もいれば、効果が限定的な方もいます。臨床データと専門家の見解から、成果を左右する要因を整理しました。

効果が出やすい方に見られる共通点

STEP試験の解析によると、減量幅が大きかった方にはいくつかの傾向が見られます。まず、糖尿病を合併していない方は、糖尿病がある方に比べて体重減少率が高い傾向にありました。

加えて、食事のカロリー管理と定期的な運動を続けた方ほど成果が大きく出ています。薬だけに頼るのではなく、生活全体を見直す姿勢が減量成功の後押しをしてくれたと考えられます。

効果が出にくいケースとその背景

STEP 2試験は2型糖尿病を持つ方を対象にしており、平均減量率は9.6%とSTEP 1の14.9%を下回りました。糖尿病がある場合、インスリン抵抗性や血糖コントロールの影響で、体重が落ちにくいことが報告されています。

加えて、途中で投与を中断した方や、用量を維持できなかった方は減量効果が低下する傾向にありました。ウゴービは0.25mgから徐々に2.4mgまで増量する設計のため、副作用が強く出て増量が困難な場合は、十分な効果を得られないケースもあります。

治療を続けることが減量成功のカギになる

STEP 4試験は「ウゴービを中止するとどうなるか」を検証した試験です。20週間のウゴービ投与後にプラセボに切り替えた群は、その後48週間で体重が再増加しました。

一方、ウゴービの投与を68週間続けた群は、そのまま体重減少を維持しています。肥満症は慢性疾患であるため、長期的に治療を続ける意識が重要です。自己判断での中止は体重のリバウンドにつながりやすいでしょう。

  • 糖尿病の有無で減量幅に差が出やすい
  • 食事管理と運動の併用が成功率を高める
  • 副作用で増量が困難だと効果が限定される場合がある
  • 自己判断で中止すると体重が戻りやすい

ウゴービの副作用と安全性|GLP-1受容体作動薬で気をつけたい症状

ウゴービの副作用としてもっとも多いのは、吐き気や下痢などの消化器症状です。多くは軽度から中等度で、投与開始の初期に集中し、数週間で軽減する傾向にあります。

消化器症状が多い理由と頻度

GLP-1受容体作動薬は、胃の動きをゆるやかにすることで満腹感を持続させます。この作用そのものが消化器系の副作用として現れることがあり、とりわけ吐き気は臨床試験で約44%の方に発現しています。

下痢、便秘、嘔吐なども報告されていますが、いずれも投与の初期や増量のタイミングに多く見られました。0.25mgから段階的に増量するスケジュールは、こうした症状を抑えるための工夫です。

消化器以外で注意が必要な副作用

頻度は低いものの、膵炎、胆石症(胆嚢炎)、低血糖といった重い副作用も報告されています。とくに急激な体重減少は胆石のリスクを高めるとされるため、定期的な検査が大切です。

ウゴービの主な副作用と発現頻度(STEP試験より)

副作用ウゴービ群プラセボ群
吐き気約44%約17%
下痢約30%約16%
嘔吐約24%約6%
便秘約24%約11%
頭痛約14%約12%

副作用を理由に治療をやめた方の割合

STEP 1試験では、副作用を理由にウゴービの投与を中止した方の割合は約7%でした。プラセボ群の中止率が約3%だったことを考えると、やや高めではありますが、9割以上の方が治療を継続できています。

医師と相談しながら用量を調整することで、副作用を抑えつつ治療を続けられるケースがほとんどです。不安な症状が出た場合は、我慢せずに早めに主治医へ伝えることが大切でしょう。

ウゴービの使い方|週1回の皮下注射と段階的な増量スケジュール

ウゴービは週1回、自分で皮下注射する薬です。最初は0.25mgの少量からスタートし、4週間ごとに段階的に増量して、最終的に2.4mgの維持量に到達します。

0.25mgからスタートして4週間ごとに増やす仕組み

急に高用量から始めると消化器系の副作用が強く出てしまうため、ウゴービでは5段階の増量スケジュールが設定されています。0.25mg → 0.5mg → 1.0mg → 1.7mg → 2.4mgの順に、4週間ごとに増やしていきます。

維持量の2.4mgに到達するまでには約16週間(約4か月)かかります。この期間中に体が薬に慣れていくため、焦らずスケジュール通りに進めることが望ましいでしょう。

注射の方法と痛みに対する不安への回答

ウゴービはペン型の注入器で、お腹や太ももの皮下に注射します。針は非常に細く、痛みはほとんど感じないという方が大半です。初回は医師や薬剤師から使い方の説明を受けるため、自己注射が初めてでも安心して始められます。

毎週同じ曜日に注射するのがルールですが、打ち忘れた場合の対応も明確に決まっています。次の注射日まで48時間以上あれば気づいた時点ですぐに注射し、48時間未満であれば次の予定日まで待つという判断基準です。

増量が難しいときは医師と相談して調整する

体質や副作用の出方によっては、予定どおりに増量できないこともあります。その場合は無理に増量せず、医師の判断で1つ前の用量にとどめたり、増量のタイミングを遅らせたりすることが可能です。

STEP 6試験でも1.7mg群の平均減量率が9.6%と十分な結果を出しているため、必ずしも2.4mgに到達しなくても減量効果は得られます。自分の体に合った用量を見つけることが治療を続けるうえで大切です。

  • 0.25mg → 0.5mg → 1.0mg → 1.7mg → 2.4mgの5段階
  • 各用量で4週間ずつ、約16週間かけて増量
  • 注射は週1回、同じ曜日にお腹か太ももへ
  • 副作用が強ければ減量や増量延期も選択できる

ウゴービで減量効果を高めるために実践したい生活習慣

ウゴービを使いながら食事管理と運動を組み合わせた方は、薬だけの場合よりも大きな減量効果を得ています。STEP 3試験のデータがそれを明確に示しています。

食事管理はカロリー制限より「内容の見直し」が続けやすい

ウゴービの食欲抑制効果によって、自然と食事量は減りやすくなります。その状態を活かして、たんぱく質を意識した食事や野菜中心のメニューに切り替えることで、筋肉量を維持しながら体脂肪を減らしやすくなるでしょう。

STEP 3で示された行動療法の上乗せ効果

項目STEP 3STEP 1
生活介入の内容集中的行動療法標準的食事・運動指導
平均減量率16.0%14.9%
10%以上達成率79%69.1%

有酸素運動と筋トレの組み合わせが効果的

体重が減るときには筋肉も一緒に落ちやすいため、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動に加えて、週2〜3回の筋力トレーニングを取り入れることが推奨されています。筋肉量を保つことで基礎代謝の低下を防ぎ、減量後のリバウンドを抑えやすくなります。

無理のない範囲で構いません。まずは1日30分のウォーキングから始めて、体力がついてきたら少しずつ強度を上げていくのが現実的な方法でしょう。

睡眠とストレス管理も体重に影響する

睡眠不足やストレスは食欲を増進させるホルモンの分泌を促し、せっかくのウゴービの効果を打ち消してしまう場合があります。1日7時間程度の睡眠を確保し、ストレスを溜め込まない工夫をすることも、減量を成功させる土台となります。

趣味の時間や入浴、軽いストレッチなど、自分なりのリラックス方法を持っておくと、長期にわたる治療期間中の精神的な負担を和らげられるかもしれません。

よくある質問

ウゴービで体重が減り始めるのはいつ頃から?

個人差はありますが、多くの方が投与開始から4〜8週間ほどで体重の減少を実感し始めます。ウゴービは0.25mgから段階的に増量するため、初期の数週間は薬の効果がまだ十分に発揮されません。

食欲の変化を感じ始めるのは0.5mgや1.0mgに増量した頃からという方が多く、本格的な体重減少は1.7mg〜2.4mgに到達してから加速する傾向があります。焦らず継続することが大切です。

ウゴービをやめたあとに体重はリバウンドする?

STEP 1試験の延長研究では、ウゴービの投与を中止した後の52週間で、減少した体重の約3分の2が戻ったという報告があります。肥満症は慢性的な疾患であるため、薬をやめると体重が元に戻りやすいのは事実です。

ただし、投与中に身につけた食事や運動の習慣を維持できれば、リバウンドの幅を抑えられるとも考えられています。中止のタイミングは必ず医師と相談のうえで判断してください。

ウゴービの副作用で治療を中止する方はどのくらいいる?

STEP 1試験のデータでは、副作用が原因でウゴービの投与を中止した方は全体の約7%でした。もっとも多い中止理由は吐き気や嘔吐などの消化器症状です。

9割以上の方が治療を継続しており、副作用の多くは投与初期や増量時に一時的に現れるものです。症状が強い場合には用量を下げたり、増量のペースを遅らせたりする対応が取られるため、医師と密に連携しながら治療を進めることが大切でしょう。

ウゴービと他のGLP-1受容体作動薬では減量率に違いがある?

STEP 8試験でウゴービ(セマグルチド2.4mg)とサクセンダ(リラグルチド3.0mg)を直接比較したところ、68週間の平均体重減少率はウゴービが15.8%、サクセンダが6.4%という結果でした。10%以上の減量達成率もウゴービが70.9%に対しサクセンダは25.6%と、大きな差が出ています。

同じGLP-1受容体作動薬というカテゴリーであっても、成分や用量によって効果には違いがあります。どの薬が自分に合っているかは、BMIや合併症の状況に応じて医師と相談しながら決めることが望ましいでしょう。

ウゴービは糖尿病がなくても使える肥満症治療薬なの?

ウゴービは糖尿病のない方でも使える肥満症治療薬として、日本で2023年に承認されました。従来の肥満症治療薬であるサノレックス(マジンドール)はBMI35以上の高度肥満症にしか使用できませんでしたが、ウゴービはBMI27以上から使用の対象となります。

ただし、肥満症と診断されたうえで高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを合併していることなど、投与にはいくつかの条件があります。美容目的やダイエット目的での使用は対象外であり、必ず医師の診断を受けたうえで治療を開始してください。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会