
「食べたい気持ちが止められない」「ダイエットを始めても空腹に負けてしまう」――そんな悩みを持つ方にとって、食欲そのものに働きかける肥満治療薬ゼップバウンドは大きな関心の的でしょう。
ゼップバウンドの有効成分チルゼパチドは、GIPとGLP-1という2つの受容体を同時に刺激し、脳の食欲中枢と消化管の両面から「もう十分」というシグナルを強めます。臨床試験では平均20%を超える体重減少が報告されており、従来の薬にはなかった手応えが期待できます。
同じ成分のマンジャロとは承認された目的が異なるため、混同しやすい点も丁寧に整理しました。この記事では、食欲抑制の仕組みから副作用対策、処方までの流れを医師の視点で解説します。
ゼップバウンドはなぜ食欲を強力に抑えるのか|GIPとGLP-1の二重作用が生む満腹感
ゼップバウンドが食欲を抑える力の源は、GIP受容体とGLP-1受容体という2つの経路を1つの分子で同時に活性化する「デュアルアゴニスト」としての構造にあります。従来のGLP-1受容体作動薬と比べて満腹シグナルの増幅経路が多い点が大きな特徴です。
ゼップバウンド(チルゼパチド)が脳に届ける「もう食べなくていい」のサイン
ゼップバウンドの有効成分チルゼパチドは、皮下注射後に血液を介して視床下部など食欲の調節に関わる脳領域に到達します。そこでGLP-1受容体を刺激し、満腹感を高めると同時に空腹感を和らげます。
臨床試験では、投与3週目の時点で昼食時の摂取カロリーがプラセボと比べて約525kcalも低下したというデータが報告されています。さらに、食べ物への渇望感や過食傾向も有意に減少しており、単なる食欲の抑制にとどまらず、食行動そのものに変化をもたらすことがわかっています。
GIP受容体とGLP-1受容体を同時に刺激すると食欲はどう変わる
チルゼパチドはネイティブGIPと同等のGIP受容体親和性を持ちながら、GLP-1受容体への結合力はネイティブGLP-1の約5分の1に抑えられています。このバランスのおかげで、GIP経路をフルに活性化しつつGLP-1由来の消化器症状を軽減できるよう設計されています。
GLP-1受容体ではcAMPシグナルを優先的に活性化するバイアスを持ち、β-アレスチン経路を相対的に抑えることで、受容体の内在化を抑制しシグナルを長く維持するとされています。2つの受容体を介した複合的な作用が、従来にない強い満腹感と体重減少をもたらす基盤です。
ゼップバウンドとGLP-1受容体作動薬の受容体親和性の違い
| 項目 | ゼップバウンド(チルゼパチド) | GLP-1受容体作動薬 |
|---|---|---|
| GIP受容体親和性 | ネイティブGIPと同等 | なし |
| GLP-1受容体親和性 | ネイティブGLP-1の約5分の1 | ネイティブGLP-1と同等以上 |
| 作用する受容体の数 | 2つ(デュアル) | 1つ(シングル) |
食事量が自然に減るから無理な我慢がいらない
チルゼパチドは胃排出を一時的に遅らせる作用も持っています。食べたものが胃に長くとどまるため、少量でも満足感を得やすくなります。この効果はGLP-1受容体を介したもので、投与初期に強く現れ、慢性投与により徐々に減弱する傾向が報告されています。
つまり、意志の力で食事を我慢するのではなく、生理的に「もう十分」と感じやすくなる環境が体の中に整えられるのです。食欲との闘いに疲れてきた方にとって、この変化は治療を続けるうえで大きな支えになるでしょう。
脂質への嗜好が選択的に低下するという動物実験の報告
げっ歯類を用いた研究では、チルゼパチドが高脂肪食への嗜好を選択的に低下させる一方、通常食の摂取量にはあまり影響しなかったと報告されています。この脂質嗜好の変化はGLP-1受容体を介した作用であり、GIP受容体の単独刺激では食物嗜好の変化は認められませんでした。
高カロリーな脂質を避けるようになれば、総摂取エネルギーが自然と減り、体重減少につながりやすくなります。ヒトでも同様の変化が起きているかは今後の研究課題ですが、動物モデルの結果は臨床で観察される体重減少を裏づける有力な手がかりといえます。
ゼップバウンドとマンジャロは同じ成分なのに何が違うのか
ゼップバウンドとマンジャロの有効成分はどちらもチルゼパチドですが、承認された適応症が異なるため、処方の対象や目的はまったく別物です。混同されやすいこの2つの違いを正確に整理しておきましょう。
有効成分チルゼパチドは共通、でも承認された目的がまったく異なる
マンジャロは2型糖尿病の血糖コントロールを主な目的として承認された薬です。一方、ゼップバウンドは肥満症あるいは体重関連合併症を伴う過体重の治療に特化して承認されています。
同じ有効成分であっても、臨床試験のデザインや対象患者が異なるため、薬事上は別の医薬品として扱われます。「マンジャロを痩せるために使いたい」という希望を持つ方もいますが、適応外処方に該当する場合があるため注意が必要です。
ゼップバウンドは肥満治療、マンジャロは糖尿病治療に特化している
ゼップバウンドの承認を支えたのはSURMOUNT試験シリーズで、糖尿病を持たない肥満患者を対象に体重減少効果を検証しています。マンジャロの承認根拠はSURPASS試験シリーズで、2型糖尿病患者のHbA1c低下を主要評価項目としています。
どちらの試験でも体重減少は確認されていますが、主目的が違うことで処方の判断基準も変わってきます。自分がどちらの薬の対象になるかは、主治医と相談して確認するのが確実です。
用量設定と処方ルールにも細かな差がある
チルゼパチドの用量は2.5mgから開始し、4週間ごとに増量するという段階的な設計が共通しています。ただし、維持用量の範囲や増量の目安は各国の承認内容によって異なる場合があります。
また、ゼップバウンドの処方にあたっては、BMIの基準や体重関連の合併症の有無が要件に含まれることが一般的です。マンジャロの場合はHbA1cの値や併用薬の状況が処方の判断材料になります。目的が違えば、同じ薬でも処方に至るまでの道筋がまったく異なることを覚えておいてください。
ゼップバウンドとマンジャロの主な相違点
| 項目 | ゼップバウンド | マンジャロ |
|---|---|---|
| 承認適応 | 肥満症・過体重(体重管理) | 2型糖尿病 |
| 主な臨床試験 | SURMOUNTシリーズ | SURPASSシリーズ |
| 主要評価項目 | 体重変化率 | HbA1c変化量 |
ゼップバウンドの体重減少効果はどれくらい期待できるのか|臨床試験データで確認
ゼップバウンドは、72週間の臨床試験で15mg投与群が平均約20.9%の体重減少を達成しており、既存の肥満治療薬を大幅に上回る効果が確認されています。
SURMOUNT-1試験で確認された平均20%超の体重減少
SURMOUNT-1試験は、糖尿病のない肥満または過体重の成人2539名を対象とした第3相試験です。チルゼパチド5mg、10mg、15mgの3用量とプラセボを比較し、72週後の体重変化率を主要評価項目としました。
その結果、5mg群で約16%、10mg群で約21%、15mg群で約23%の体重減少が確認されました。15mg群では参加者の半数以上が20%以上の体重減少を達成しています。プラセボ群の約3%と比べると、その差は歴然です。
食欲の変化だけでは説明しきれない体重減少の仕組み
チルゼパチドとセマグルチドの食欲スコアを直接比較した研究では、両薬の食欲低下度に統計的な差はありませんでした。それにもかかわらず体重減少幅にはチルゼパチドの方が大きな差がついたのです。
SURMOUNT-1試験における用量別の体重減少率
| 投与群 | 72週後の体重減少率 | 20%以上減少した割合 |
|---|---|---|
| チルゼパチド 5mg | 約16.0% | 約32% |
| チルゼパチド 10mg | 約21.4% | 約50% |
| チルゼパチド 15mg | 約22.5% | 約57% |
| プラセボ | 約3.1% | 約3% |
治療をやめると体重はどうなるのか|SURMOUNT-4の結果
SURMOUNT-4試験では、36週間のチルゼパチド投与で平均20.9%の体重減少を達成した参加者を、継続群とプラセボ切替群に無作為割付しました。52週間の二重盲検期間終了時、継続群はさらに5.5%の追加減量を達成したのに対し、プラセボ群は14.0%のリバウンドを経験しています。
この結果は、肥満が慢性疾患であり継続的な治療が体重維持に必要であることを示すものです。投薬を中止する判断は安易にせず、医師と十分に話し合って決めることが大切でしょう。
ゼップバウンドとセマグルチド(オゼンピック系)を食欲抑制で比べてみた
食欲抑制という観点ではゼップバウンドとセマグルチドに大きな差はありませんが、最終的な体重減少幅ではゼップバウンドが一貫して上回っています。両者の違いを臨床データから整理しましょう。
SURPASS-2試験が示した食欲スコアの変化
SURPASS-2試験は、2型糖尿病患者を対象にチルゼパチドとセマグルチド1mgを直接比較した大規模試験です。28週時点の空腹時VAS(視覚的アナログスケール)を用いた食欲評価では、両薬ともにプラセボに対して有意な食欲低下を示しました。
一方で、チルゼパチドとセマグルチドの間には食欲スコアの統計的な差はなく、自由摂取食での昼食エネルギー摂取量にも有意差はみられませんでした。つまり、食欲の主観的な変化だけでは体重減少の差を十分に説明できないのです。
体重減少幅ではゼップバウンドがセマグルチドを上回った
同じSURPASS-2試験において、40週時点の体重減少量はチルゼパチド5mg群で約7.6kg、10mg群で約9.3kg、15mg群で約11.2kgでした。セマグルチド1mg群は約5.7kgの減量にとどまり、全用量でチルゼパチドが統計的に有意な差をつけています。
さらに、2025年に結果が公表されたSURMOUNT-5試験では、糖尿病のない肥満患者を対象にチルゼパチドとセマグルチド2.4mgを直接比較し、72週後の体重減少率はチルゼパチド群で20.2%、セマグルチド群で13.7%と、やはり有意な差が確認されています。
脂肪量の減り方にも差がついた理由
チルゼパチド15mg群ではセマグルチド1mg群に比べて脂肪量の絶対減少量が約3.8kg多かったと報告されています。体重減少の大部分が脂肪由来であった点は両薬に共通しますが、その減少幅に差がついた背景にはGIP受容体を介した脂肪代謝への直接的な作用が関与すると考えられています。
GIP受容体は脂肪組織にも発現しており、脂肪細胞の脂質取り込みや分解に関わっています。チルゼパチドのGIP経路が脂肪酸化を促進する可能性は前臨床・臨床の両方で示唆されており、食欲抑制以外の経路が体重差に寄与しているといえるでしょう。
チルゼパチドとセマグルチドの体重減少比較
| 比較項目 | チルゼパチド 15mg | セマグルチド 1mg |
|---|---|---|
| 体重減少量(SURPASS-2、40週) | 約11.2kg | 約5.7kg |
| 脂肪量減少(28週) | 約9.7kg | 約5.9kg |
| 食欲スコアの変化 | 有意な低下 | 有意な低下(両群間に差なし) |
ゼップバウンドの副作用と安全性|食欲が落ちすぎて困ることはないのか
ゼップバウンドの副作用は主に消化器症状で、大半が軽度から中等度です。食欲低下は治療効果の一部ですが、行き過ぎた食欲不振による栄養不足には注意が必要です。
胃腸症状は増量期に起きやすく、大半は軽度から中等度
SURMOUNT-1試験やSURPASS試験シリーズの安全性データによると、チルゼパチドで報告される副作用の上位は悪心、下痢、便秘、嘔吐といった消化器症状です。これらの多くは投与開始直後や増量時に集中し、体が薬に慣れてくると軽減される傾向があります。
副作用による治療中止率は5mg群で約4.3%、10mg群で約7.1%、15mg群で約6.2%と報告されており、大半の方は投与を継続できています。増量のスピードを2.5mgずつ4週間ごとに段階的に設定していることが、消化器症状の軽減に貢献しています。
食欲低下による栄養不足を防ぐためにできること
- たんぱく質を毎食意識して摂取し、筋肉量の減少を抑える
- ビタミンDや鉄分など不足しやすい微量栄養素を意識する
- 少量でも栄養密度の高い食品を選ぶ
- 定期的な血液検査で栄養状態をチェックする
食欲が大幅に低下している期間は、つい食事そのものをおろそかにしがちです。しかし、体重が減っている間こそ栄養バランスを意識することが、健康的な減量を続けるうえで欠かせません。
投与中に注意したい検査値と体調の変化
チルゼパチドの投与中は、膵酵素(リパーゼ・アミラーゼ)の上昇が報告されることがあります。急性膵炎の既往がある方は慎重な経過観察が求められます。また、甲状腺髄様癌の家族歴がある方には使用が推奨されていません。
体重が急激に減少した場合は胆石のリスクも高まるため、右上腹部の痛みなどの症状がみられたら早めに医師に相談してください。治療は薬だけで完結するものではなく、定期的な診察と検査で安全性を確認しながら進めることが大切です。
ゼップバウンドの食欲抑制を活かして痩せるための生活習慣
ゼップバウンドは食欲を抑えて摂取カロリーを減らす強力な後押しになりますが、薬だけに頼るのではなく、日々の生活習慣を見直すことで減量効果をさらに引き出せます。
食欲が落ちているときこそ栄養バランスを見直すチャンス
チルゼパチドの作用で「食べたい」という衝動が和らいでいるうちに、食生活を根本から見直す絶好の機会です。空腹感が弱まった状態では、ジャンクフードや高脂肪食への手を伸ばしにくくなります。
この時期に野菜、魚、大豆製品など栄養密度の高い食品を中心とした食事パターンを定着させておけば、将来的に薬の減量や中止を検討する際にもリバウンドしにくい土台を築けます。
筋肉量を守るためのたんぱく質摂取と適度な運動
体重が大幅に減少する際、脂肪だけでなく筋肉量も一部失われることが臨床試験で確認されています。筋肉の減少は基礎代謝の低下につながるため、たんぱく質を体重1kgあたり1.2〜1.5g程度を目安に摂取し、レジスタンストレーニングを週2〜3回取り入れることが推奨されます。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動も脂肪燃焼を後押しします。運動が苦手な方は、まず1日10分の散歩から始めてみてください。小さな積み重ねが長期的な成果につながります。
主治医と相談しながら自分に合った減量ペースを見つける
減量ペースが速すぎると体に負担がかかりますし、遅すぎるとモチベーションが下がりやすくなります。理想的には月に2〜4kg程度の体重減少が安全な範囲とされていますが、個人差があるため一律の目標は設定しにくいものです。
チルゼパチドの用量調節も減量ペースをコントロールする手段の一つです。体調の変化や副作用の程度に合わせて増量のタイミングを医師と話し合い、無理のない範囲で継続することが、結果的に大きな成果を手にするための近道になるでしょう。
減量を長続きさせるための生活習慣チェックリスト
| 生活習慣の分野 | 具体的なアクション | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 食事 | たんぱく質を毎食1品以上取り入れる | 筋肉量維持・基礎代謝の保持 |
| 運動 | 週150分以上の有酸素運動を目標にする | 脂肪燃焼の促進 |
| 睡眠 | 7時間以上の質の良い睡眠を確保する | 食欲ホルモンの安定 |
ゼップバウンドを始める前に知っておきたい処方までの流れ
ゼップバウンドの処方を受けるには、まず医療機関で肥満症の診断を受け、医師の判断のもとで治療計画を立てる必要があります。
まずは肥満症の診断を受けることが出発点
ゼップバウンドは市販薬ではなく、医師の処方が必要な医療用医薬品です。肥満外来や内分泌内科を受診し、身長・体重・血液検査・合併症の有無などを総合的に評価してもらうことが第一歩になります。
- BMI測定と体組成の評価
- 血液検査(血糖、脂質、肝機能、腎機能、甲状腺機能など)
- 合併症(高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など)のスクリーニング
- 食事・運動・睡眠の生活習慣に関する問診
対象となるBMIや合併症の基準
一般的に、BMI30以上の方、またはBMI27以上で体重に関連する合併症(高血圧、脂質異常症、2型糖尿病など)を1つ以上持つ方がゼップバウンドの処方対象として検討されます。ただし、具体的な基準は各国の承認内容や医療機関の方針によって異なる場合があります。
日本では肥満症の診断基準がBMI25以上と定められており、欧米とは異なる基準が適用される可能性もあります。自分が対象になるかどうかは、自己判断せず医師に確認してください。
医師との信頼関係が減量成功のカギになる
肥満治療は数か月から数年にわたる長期戦です。薬の効果を感じられるまでに時間がかかることもあれば、副作用への不安から治療を中断したくなることもあるかもしれません。
そうした局面で支えになるのが、主治医との信頼関係です。体重の増減だけでなく、体調の変化や精神面の不安も率直に伝えられる関係を築くことで、治療の質は格段に向上します。薬はあくまでも道具であり、使いこなすのは医師と患者の協力関係であることを忘れないでください。
よくある質問
ゼップバウンドの食欲抑制効果はいつごろから実感できますか?
ゼップバウンドの有効成分チルゼパチドによる食欲の変化は、投与開始から比較的早い段階で感じ始める方が多いとされています。臨床試験では、投与3週目の時点ですでに昼食時の摂取カロリーがプラセボ群と比べて大幅に減少したという報告があります。
ただし、用量は2.5mgから段階的に増やしていくため、効果の実感には個人差があります。低用量の期間中は変化を感じにくいこともありますが、増量に伴い食欲の抑制が強まる傾向がみられます。焦らず、主治医と相談しながら適切な用量に到達することが大切です。
ゼップバウンドとマンジャロを同時に使うことはできますか?
ゼップバウンドとマンジャロは有効成分が同じチルゼパチドであるため、両方を同時に使用することはありません。同一成分の薬を重複して投与すると過量投与のリスクが生じるため、医学的に禁忌とされています。
糖尿病の治療中の方がゼップバウンドの使用を検討する場合は、主治医がマンジャロからの切り替えや併用薬の調整を総合的に判断します。自己判断での薬の変更や追加は危険ですので、必ず医師にご相談ください。
ゼップバウンドで食欲がなくなりすぎた場合はどう対処すればよいですか?
チルゼパチドの食欲抑制作用が強く出すぎて、食事をほとんど摂れないと感じる場合は、早めに担当医へ相談してください。用量を一段階下げる、あるいは増量のペースを緩やかにすることで改善するケースが多くあります。
食事量が極端に減ると、必要な栄養素やエネルギーが不足し、筋力低下や貧血、倦怠感などにつながる恐れがあります。少量でも栄養価の高い食事を心がけ、水分補給もこまめに行ってください。一時的に食欲が落ちること自体は薬の作用として想定されていますが、生活に支障が出る場合は医師の判断を仰ぐことが重要です。
ゼップバウンドの食欲抑制はGLP-1受容体作動薬と比べてどこが違いますか?
ゼップバウンドはGLP-1受容体だけでなくGIP受容体にも作用する「デュアルアゴニスト」である点が、従来のGLP-1受容体作動薬との決定的な違いです。食欲スコアの変化自体はGLP-1受容体作動薬と大きく変わらないという報告がありますが、体重減少幅ではゼップバウンドが上回っています。
これは、GIP受容体を介した脂肪代謝の改善やエネルギー消費の調節など、食欲抑制以外の経路が体重減少に寄与しているためと考えられています。つまり、「食べる量を減らす力」が同じでも、体の中で脂肪を効率よく使う力が加わることで、より大きな減量効果につながる仕組みです。
ゼップバウンドの投与を中止した後、食欲は元に戻りますか?
SURMOUNT-4試験の結果によると、チルゼパチドの投与を中止してプラセボに切り替えた参加者は、52週間で平均14.0%の体重リバウンドを経験しています。投与中に得られていた食欲抑制効果は、薬の中止とともに徐々に薄れていくと考えられます。
肥満は高血圧や糖尿病と同様に長期的な管理が求められる慢性疾患です。治療の継続・中止はご自身の体調や生活状況を踏まえて医師と一緒に判断するものであり、中止を検討する際は食事や運動習慣の定着度も含めて慎重に検討することをおすすめします。
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