
ビクトーザ(リラグルチド)を使うメリットとして語られる話は、血糖の管理だけにとどまりません。低血糖の起こりにくさ、体重の動き、心臓や腎臓へのはたらきまで、報告の幅は広がっています。
ただし日本で承認されているのは2型糖尿病の治療としての使い方で、1日あたりの上限は1.8mgと定められています。減量だけを目的にした使用は適応外にあたり、公的医療保険は使えません。
利点として挙げられる数字には、どんな人を対象に、どれだけの期間で確かめられたのかという条件が必ず付いてきます。
主な副作用や続けるための負担もあわせて、報告された数値のまま並べていきましょう。
ビクトーザのメリットを整理すると、血糖の外側にも広がっている
この薬は2型糖尿病の治療薬として組み立てられており、語られる利点もその土台の上に乗っています。血糖以外の話題が増えたのは、心血管や腎臓のできごとを数える試験が積み重なったためです。
承認されているのは2型糖尿病の治療という枠組み
日本で認められているビクトーザの効能は2型糖尿病で、1日1回の皮下注射として1.8mgまで使う設計になっています。肥満症やダイエットの効能では承認されていません。
成分の同じリラグルチドでも、1日3.0mgまで使うサクセンダは日本では未承認で、当院を含め自由診療の枠で扱われます。用量も対象も入手の道筋も分かれるため、両者の数字は混ぜて読めません。
体重を減らす目的でビクトーザを使う場合は承認された効能の外側にあたる適応外使用となり、診察料も薬剤費も注射針の代金もすべて自費です。金額の設定は医療機関ごとに幅があるので、続ける期間を含めた総額を先に確かめておくと迷いが減ります。
承認の枠組みとは別に、供給の側でも予定が動いています。製造販売元であるノボ ノルディスク ファーマの発表により、ビクトーザ皮下注18mgは2026年後半に販売終了となります。
発表の時点では通常の出荷が続いており、同社は2026年以降に順次の切り替えを進めるよう呼びかけています。
ここから並べていく利点は、これまでの試験や診療の記録から出てきた数字です。販売終了は供給の側の話であって、報告された内容がさかのぼって書き換わるわけではありません。
血糖・体重・血管・続けやすさという4つの方向
報告されている利点は、大きく4つの方向に分けると整理しやすくなります。血糖を下げる力そのもの、低血糖の起こりにくさ、体重が増えにくい点、そして心臓や腎臓のできごとに関わる数字です。
どの方向にも、確かめられた条件と引き換えの負担がぶら下がっています。
| 語られる方向 | おおまかな中身 | 同じ場所にある負担 |
|---|---|---|
| 血糖の管理 | 目標の水準を保つ期間が長め | 吐き気など消化器の症状 |
| 低血糖 | 単独では起こしにくい | 他剤との併用で前提が変わる |
| 体重 | 増えにくい方向へ動く | 減り幅の個人差が大きい |
| 心臓・腎臓 | 集団単位での差が報告されている | 胆のう疾患などの増加 |
利点の隣にはいつも副作用が並んでいる
頻度が高いのは吐き気や嘔吐、下痢や便秘といった消化器の症状で、量を増やした直後に出やすくなります。多くは時間とともに落ち着きますが、水分がとれないほど強いときは受診が要ります。
まれではあるものの急性膵炎や胆のうの病気も報告されており、持続する強い腹痛や背中へ抜ける痛みが出た場面では自己判断で様子を見ない対応が安全側です。膵炎の既往がある人や甲状腺に病気のある人では、使用そのものを慎重に検討します。
低血糖を起こしにくい点がビクトーザのメリットの土台にある
血糖を下げる薬を続けるうえで、下がりすぎの心配がどれだけ小さいかは暮らしやすさに直結します。この薬で最初に挙がる利点も、たいていこの性質です。
血糖が高いときだけ強く働くという性質
リラグルチドはインスリンの分泌を押し上げる働きを持ちますが、その押し上げは血糖の高さに応じて強さが変わります。血糖が下がってくると働きも自然に弱まるため、薬の量だけで際限なく下がる形にはなりません。
血糖の高さに関係なくインスリンを増やすタイプの薬とは、ここが違います。ただし単独で使ったときの話であって、組み合わせが増えれば前提は動きます。
5,047人を5年追った試験で低血糖はどう出たのか?
メトホルミンを使っている2型糖尿病の5,047人を対象に、2剤目としてインスリングラルギン・グリメピリド・リラグルチド・シタグリプチンのいずれかを無作為に加えた試験があります。追跡は平均5.0年(標準偏差1.3年)におよびました。
実際に服用していた4,830人に絞った解析では、重い低血糖が起きたのはグラルギン10人(0.8%)、グリメピリド16人(1.3%)、リラグルチド6人(0.5%)、シタグリプチン4人(0.3%)で、群間の差はp<0.05でした。
低血糖と思われる症状を訴えた人の割合は、同じ順に54.2%・68.3%・32.4%・29.1%(p<0.001)でした。重い発作だけでなく、日常的な自覚症状の面でも差が開いています。
| 2剤目として加えた薬 | 重い低血糖 | 低血糖の症状 |
|---|---|---|
| インスリングラルギン | 10人(0.8%) | 659人(54.2%) |
| グリメピリド | 16人(1.3%) | 833人(68.3%) |
| リラグルチド | 6人(0.5%) | 375人(32.4%) |
| シタグリプチン | 4人(0.3%) | 361人(29.1%) |
いずれの群でも重い低血糖そのものはまれで、絶対数としては1%前後にとどまります。差が目立つのは、むしろ日常的な症状の側でした。
併用する薬しだいで前提が入れ替わる
スルホニル尿素薬やインスリン製剤は血糖の高さと関係なくインスリンを増やす方向に働くため、ビクトーザと組み合わせるなら低血糖の起こりやすさを別に見積もる必要があります。食事を抜いた日や、いつもより体を動かした日にも起こりやすくなるでしょう。
冷や汗・手のふるえ・動悸・我慢しにくい強い空腹感といったサインを家族とも共有しておくと、気づいたときにすぐ動けます。使っている薬をすべて把握したうえで、量の調整を主治医と決めていきましょう。
体重が増えにくいこともビクトーザのメリットに数えられる
血糖を下げる薬のなかには体重が増える側へ働くものもあり、そこと比べたときの違いが利点として語られてきました。ただし実際にどれだけ動くのかは、期待されがちな幅よりも控えめです。
実際の診療で1年後の体重はどう動いたか
オハイオ州とフロリダ州の医療システムの記録から、BMIが30以上でセマグルチドかリラグルチドの注射を始めた3,389人を追った研究があります。平均年齢は50.4歳(標準偏差12.2)、1,835人(54.7%)が女性でした。
1年後の体重の変化は、セマグルチドが平均-5.1%(標準偏差7.8)、リラグルチドが平均-2.2%(標準偏差6.4)で、p<0.001と報告されています。処方の目的別に見ると、2型糖尿病では-3.2%(6.8)、肥満では-5.9%(9.0)でした。
ここに挙げた数字はリラグルチドとセマグルチドという別々の薬のもので、しかも肥満症向けの用量を含んでいます。ビクトーザの上限である1.8mgだけを取り出した成績ではない点は押さえておきたいところです。
続けられた人とそうでない人で差が開く
同じ研究では、薬が手元にあった期間の長さでも結果が分かれました。1年を通してほぼ途切れなかった人は平均-5.5%(標準偏差7.5)、90〜275日の人は-2.8%(7.0)、90日に満たない人は-1.8%(6.7)と報告されています。
10%以上の減量に届く見込みを多変量で調べると、途切れなかった人は90日に満たなかった人の3.36倍(95%信頼区間2.52〜4.54)でした。薬そのものの差より、続けられたかどうかが大きく効いている場面もあります。
| 区分 | 1年後の体重変化 | 備考 |
|---|---|---|
| セマグルチド | -5.1%(標準偏差7.8) | 別の薬の成績 |
| リラグルチド | -2.2%(標準偏差6.4) | 肥満症向けの用量を含む |
| 2型糖尿病が目的 | -3.2%(6.8) | — |
| 途切れず続いた人 | -5.5%(7.5) | 90日未満は-1.8%(6.7) |
減量薬として期待しすぎない線引き
肥満のある成人を対象にリラグルチドを調べた24試験9,937人分をまとめたコクランのレビューでは、26〜68週の時点で5%以上の減量に届いた人がプラセボの2.10倍(95%信頼区間1.80〜2.45)と評価されました。確実性は中等度です。
一方、体重の変化率そのものは平均差-4.72%(-5.32〜-4.12)ながら、確実性は非常に低いと評価されました。主要心血管イベントも0.86(0.66〜1.10)にとどまり、意味のある差は乏しいと結論づけられています。
有害事象はリスク比1.07(1.04〜1.11)、中止に至った有害事象は1.98(1.30〜3.02)と、いずれも増える側に振れていました。減量の見込みと引き換えに、途中でやめざるをえない人が増える形です。
このレビューが扱ったのは肥満症を対象とした用量を含む試験群で、24試験のうち22試験は製造販売元の資金で行われていました。ビクトーザの承認された使い方とは前提が異なるため、そのまま重ねて読める数字ではありません。
心臓や腎臓へのはたらきはビクトーザのメリットとしてどこまで言えるのか
心血管への保護作用という言い方は、GLP-1受容体作動薬というまとまりで集めた数字を土台にしています。個々の薬ごとに同じ強さで確かめられているわけではありません。
GLP-1受容体作動薬というまとまりで見た数字
すでに心血管疾患のある人を対象とした31試験を集め、うち20試験129,465人分を統合したコクランのネットワークメタ解析があります。
GLP-1受容体作動薬をプラセボと比べると、心血管が原因の死亡はオッズ比0.87(95%信頼区間0.79〜0.95)、あらゆる原因による死亡は0.88(0.82〜0.95)で、いずれも確実性は高いと評価されました。
脳卒中は0.87(0.77〜0.98)と減る側に振れた一方、心筋梗塞は0.89(0.78〜1.01)、心不全による入院は0.95(0.85〜1.06)でした。腎機能の悪化は0.61(0.44〜0.84)ながら、確実性は低いとされています。
| 評価項目 | オッズ比(95%信頼区間) | 確実性 |
|---|---|---|
| 心血管が原因の死亡 | 0.87(0.79〜0.95) | 高い |
| あらゆる原因による死亡 | 0.88(0.82〜0.95) | 高い |
| 脳卒中 | 0.87(0.77〜0.98) | 高い |
| 心筋梗塞 | 0.89(0.78〜1.01) | 中等度 |
| 腎機能の悪化 | 0.61(0.44〜0.84) | 低い |
膵炎については0.96(0.68〜1.35)で、増える向きにも減る向きにも振れていません。低血糖と骨折への影響は不確かなままだと、著者らは明記しています。
足の血流を測った小さな試験
2型糖尿病と末梢動脈疾患を併せ持ち、経皮的酸素分圧が30〜49mmHgだった55人を、リラグルチド1.8mgと従来治療に振り分けた6か月の試験があります。平均年齢は67.5歳(標準偏差8.5)で、43人(78%)が男性でした。
6か月後の経皮的酸素分圧はリラグルチド群のほうが11.2mmHg高く(95%信頼区間8.0〜14.5、p<0.001)、10%以上の上昇に届いたのは24人(89%)対13人(46%)でした。6分間歩行距離も25.1m伸びています。
ただし55人という規模で、割り付けを隠さない非盲検の設計です。ビクトーザと同じ1.8mgを使った点は参考になるものの、これ1本で足の予後まで語れる材料ではないでしょう。
血管の数字をそのまま自分に当てはめない
ここまで挙げた心血管の数字は、すでに心血管疾患を抱えている人や、危険因子の多い人を集めた試験から出ています。健診で血糖を指摘された段階の人とは、もともとできごとの起きやすさが違います。
集団としての差が示されたからといって、自分ひとりの経過が同じように動くとは限りません。数字は「同じような人が大勢いたときに何人分の差が出たか」を語っているだけです。
そして胆のうや胆道のできごと、消化器の症状といった負担は、心血管の利点と同じ薬から同時に生まれます。片方だけを取り出して受け取る読み方は避けたいところです。
続け方と通院から見たビクトーザのメリットと負担
1日1回の注射という使い方は、慣れれば生活に組み込みやすい一方で、毎日手を動かす手間が残ります。利点がどれだけ届くかは、この続けやすさに大きく左右されます。
1日1回という頻度を患者はどう受け止めているか
2型糖尿病のある人が注射薬を始めるときに何を重んじるかを調べた系統的レビューでは、17研究7,296人分が集められました。うち5研究2,662人がGLP-1受容体作動薬と他の血糖降下薬を、12研究4,634人が製剤や注入器どうしを比べています。
好まれた条件として挙がったのは、心血管の危険を下げる点、血糖を下げる力、週1回で済む頻度、そして簡便な投与の形でした。他の薬と比べた場面では、1日1回のリラグルチドよりDPP-4阻害薬が選ばれた研究もあったと記されています。
やめたり空けたりすると数字はどう動くか?
米国退役軍人省の記録から、GLP-1受容体作動薬を始めた132,551人とスルホニル尿素薬を始めた201,136人を3年追った解析があります。3年間続けた群では、心筋梗塞・脳卒中・全死亡をまとめた指標のリスク比が0.82(0.78〜0.85)でした。
これに対し、0.5年・1年・1.5年でやめた群のリスク比はいずれも1.0前後にとどまり、有意な低下は見られていません。差がはっきりしたのは2年(0.93、0.88〜0.98)や2.5年(0.85、0.81〜0.90)まで続けた群からでした。
続けた群を基準にすると、0.5年やめた場合のリスク比は1.04(1.01〜1.08)、1年で1.14(1.09〜1.18)、2年で1.22(1.16〜1.27)と上がっていきます。利点は積み上がる形で現れ、途切れると目減りしていくと著者らは述べています。
自己管理で実際に手を動かす場面
続けるという言葉には、注射以外の作業もいくつか含まれています。始める前に生活のどこへ収まるかを思い描いておくと見通しが立ちます。
- 毎日ほぼ同じ時間帯に打つ習慣をつくる
- 注射部位を変えながら、赤みやしこりを確かめる
- 未開封のペンを冷蔵庫で保管し、使用中は温度に気をつける
- 使い終えた針を自治体や薬局の決まりに沿って処分する
- 体重・血糖・吐き気の有無を記録し、受診時に持参する
どれも小さな作業ですが、毎日となると重さが変わります。負担が大きい部分は抱え込まずに診察の場へ出しておきましょう。
ビクトーザのメリットは誰にでも同じようには出ない
試験が示すのは集団の平均であって、目の前の一人がどう動くかを言い当てるものではありません。同じ薬を同じ量で使っても、届き方には幅があります。
体重の減り方は人によって大きく違う
カナダのバンクーバーにある肥満外来で、セマグルチドかリラグルチドの注射を新たに始めたBMI30以上の成人483人を追った解析があります。平均の追跡は17.3か月で、体重減少率の平均は12.2%でした。
内訳は5%未満にとどまった人が17.8%、5〜15%の人が48.4%、15%を超えた人が33.8%と大きく散らばっています。多変量解析で関連が示されたのは女性であること(調整オッズ比1.92、1.01〜3.65、p=0.048)だけでした。
年齢・糖尿病の有無・開始時のBMI・運動習慣・不安や抑うつは、いずれも独立した関連を示していません。始める前に効き方を見分ける手がかりは、まだ乏しいのが実情です。
心血管の数字も集団によって振れる
心血管アウトカム試験11本96,580人分を年齢・性別・人種・BMI・糖尿病の罹病期間で層別に見直したメタ解析があります。参加者の内訳は白人が74,982人(77.6%)、アジア系が7,760人(8.0%)、黒人が4,023人(4.2%)でした。
GLP-1受容体作動薬の7試験では、主要心血管イベントのハザード比がアジア系で0.71(95%信頼区間0.58〜0.87)、白人で0.87(0.81〜0.94)となり、交互作用のp値は0.07でした。
2試験に限った検討では、75歳以上が0.78(0.63〜0.95)、75歳未満が0.87(0.75〜1.01)です。年齢の層によっても、届き方に幅が生まれていました。
性別・65歳未満の年齢層・罹病期間・BMIによる違いは、いずれもはっきりしませんでした。交互作用のp値も0.07や0.37と幅があり、偶然の揺らぎと切り分けきれない水準にとどまります。
血糖の持ちの良さはどう測られたのか?
米国の保険請求データを使い、メトホルミン単剤または未治療の状態から2剤目を始めた人を薬ごとに比べた解析があります。対象はグリメピリド20,511人、リラグルチド5,569人、シタグリプチン13,039人、カナグリフロジン5,290人でした。
HbA1cが7.0%以上へ戻るまでの期間の中央値は、リラグルチドが624日(95%信頼区間567〜731)と最も長く、シタグリプチン461日(442〜482)がこれに続きました。
グリメピリドは439日(426〜453)、カナグリフロジンは439日(400〜489)です。1年時点で7.0%以上に達した割合も、リラグルチドが0.37(0.35〜0.40)と低い側でした。
| 2剤目の薬 | 7.0%以上へ戻るまで | 1年時点の割合 |
|---|---|---|
| リラグルチド | 624日(567〜731) | 0.37(0.35〜0.40) |
| シタグリプチン | 461日(442〜482) | 0.44(0.43〜0.45) |
| グリメピリド | 439日(426〜453) | 0.45(0.44〜0.45) |
| カナグリフロジン | 439日(400〜489) | 0.46(0.44〜0.48) |
ただし細小血管と大血管の合併症の発生率には、群間で違いが見られませんでした。目標を保つ期間が長かったからといって、合併症まで減ったと読み替えられる結果ではありません。
診察で伝えておくと判断が早く進む情報
利点がどれだけ届きそうかは、いまの体の状態と使っている薬で変わります。次のような材料がそろうと、話が具体的になります。
- 服用中の薬すべて。血糖降下薬とインスリンは名前と量まで
- 心筋梗塞・脳卒中・心不全・狭心症で治療を受けた経験の有無
- 直近の血液検査。HbA1c・腎機能・尿のアルブミンの値
- 胆石や膵炎、甲状腺の異常を指摘された経験があるか
- 2型糖尿病の治療として使うのか、減量を目的にするのか
最後の一つで、保険が使えるのか自費になるのかも含めて枠組みが変わります。強い腹痛や嘔吐が続く、意識がもうろうとするといった変化が出たときは、次の予約を待たずに処方元へ連絡するのが安全側の選択です。
販売終了が決まっている点も、次の診察で確かめておきたい材料の一つです。心筋梗塞や脳卒中を経験している人ほど、続け方をどう組み直すかが利点の届き方に直結してきます。
先に見たとおり、途中でやめた群のリスク比は続けた群より高い側へ動いていました。知らせを受けて自分の判断で間隔を空けるより、処方元と今後の道筋を相談しておくほうが確かでしょう。
この先どうするかは、いまの血糖の状態や心血管の既往、併用している薬によって変わります。あわてて何かを決める場面ではないので、次の受診までに聞きたいことを書き出しておくと話が早く進みます。
よくある質問
ビクトーザを使うメリットはどこにあるとされていますか?
血糖の目標を保つ期間が比較的長い点、単独では低血糖を起こしにくい点、体重が増えにくい方向へ動く点、そして心血管や腎臓のできごとに関わる報告がある点が挙げられます。
いずれも吐き気などの消化器症状や胆のうの病気といった負担と同じ薬から生まれます。利点だけを切り離して受け取る読み方にはなりません。
ビクトーザは低血糖を起こしにくいというのは本当ですか?
メトホルミンに2剤目を加えた5,047人の試験では、実際に服用していた人のうち重い低血糖が起きたのはリラグルチド6人(0.5%)で、グリメピリド16人(1.3%)やインスリングラルギン10人(0.8%)より少ない結果でした。
低血糖の症状を訴えた人の割合も32.4%と、グリメピリドの68.3%より低くなっています。ただしスルホニル尿素薬やインスリンと併用する場面では、起こりやすさを別に見積もる必要があります。
ビクトーザを使うと体重はどのくらい減りますか?
実際の診療記録を1年追った研究では、リラグルチドを始めた人の体重変化は平均-2.2%(標準偏差6.4)でした。2型糖尿病を目的とした処方に限ると-3.2%(6.8)です。
肥満外来の解析では5%未満にとどまった人が17.8%、15%を超えた人が33.8%と散らばっており、減り方の個人差は大きいといえます。効き方を事前に見分ける手がかりは、まだ乏しい状況です。
心臓や腎臓へのメリットは誰にでも当てはまりますか?
報告の多くは、すでに心血管疾患を抱えている人や危険因子の多い人を集めた試験から出ています。集団の平均としての差であって、一人ひとりの経過を言い当てるものではありません。
層別に見直したメタ解析でも、主要心血管イベントのハザード比はアジア系0.71(0.58〜0.87)と白人0.87(0.81〜0.94)で振れていました。年齢や人種によって届き方が変わりうる点は、数字を読むときの前提になります。
ビクトーザを途中でやめると、それまでの利点はどうなりますか?
米国の大規模な記録を使った解析では、3年間続けた群の主要心血管イベントの発生リスク比が0.82(95%信頼区間0.78〜0.85)だったのに対し、1年でやめた群では1.0前後にとどまりました。
続けた群を基準にすると、1年やめた場合は1.14(1.09〜1.18)、2年では1.22(1.16〜1.27)と上がっています。利点は積み上がる形で現れると理解しておくとよいでしょう。
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