ビクトーザは新世代の薬に劣る?新しいGLP-1製剤との比較と選び方

ビクトーザは新世代の薬に劣る?新しいGLP-1製剤との比較と選び方

「新しい薬が出たのだからビクトーザは劣る」という並べ方は、比べる軸を決めないまま順位をつけているだけで、実際の選択にはあまり役立ちません。

週1回で済む注射、飲み薬、GIPとGLP-1の両方に働く薬と、選べる幅は確かに広がりました。ただし日本で承認された効能は薬ごとに違い、そもそも同じ土俵に並ばない組み合わせもあります。

ビクトーザ(リラグルチド)は2型糖尿病の薬として承認されており、肥満症やダイエットの効能では承認されていません。

血糖、体重、投与間隔、費用という軸ごとに何がどう違うのかを並べ、どんな人にどちらが向くのかまで見ていきます。

目次 Outline

ビクトーザが新世代のGLP-1製剤に劣ると言い切れない理由

優劣は、比べる軸を1つに固定したときにだけ決まります。日本で承認された効能が薬ごとに違う以上、まず同じ目的の土俵に載るのかどうかを確かめないと、順位づけそのものが成り立ちません。

製品名(一般名)日本で承認された効能投与間隔と用量
ビクトーザ(リラグルチド)2型糖尿病1日1回・0.3mgから最大1.8mg
トルリシティ(デュラグルチド)2型糖尿病週1回・0.75mg
オゼンピック(セマグルチド)2型糖尿病週1回・0.25mgから最大1.0mg
リベルサス(セマグルチド)2型糖尿病1日1回の内服・3mgから最大14mg
マンジャロ(チルゼパチド)2型糖尿病週1回・2.5mgから最大15mg
ウゴービ(セマグルチド)肥満症(条件つき)週1回・2.4mgまで増量
ゼップバウンド(チルゼパチド)肥満症(条件つき)ほか週1回・2.5mgから増量

こうして並べると、投与の間隔も用量の幅もばらばらで、承認された効能に至っては2型糖尿病と肥満症の2つに分かれています。この分かれ目が、選び方の出発点になります。

新世代と呼ばれているのはどの薬か?

新しいと呼ばれているのは、週1回で済む注射と飲み薬、そしてGIPとGLP-1の両方に働く薬です。ビクトーザより後に登場し、投与の間隔か、剤形か、結びつく受け皿のいずれかが変わっています。

チルゼパチドはGLP-1受容体だけでなくGIP受容体にも結びつく二重の作動薬で、血糖や食欲の調節に関わる経路へ2方向から働きかけます。単一の受け皿に働く従来型とは、設計の発想が違う薬です。

ビクトーザは2型糖尿病の薬として承認されている

ビクトーザは1日1回0.3mgから始めて0.9mgを維持用量とし、効果が足りないときには1週間以上の間隔をあけて最大1.8mgまで増やす設計になっています。効能・効果の欄にあるのは2型糖尿病だけです。

肥満症やダイエットの効能では承認されていないため、体重を減らす目的で使うと承認された範囲を外れた使い方にあたります。その場合は自由診療となり、公的医療保険は使えません。

成分が同じリラグルチドでも、1日3.0mgまで使うサクセンダは日本では承認されておらず、当院を含めて自由診療で扱われています。用量も対象も入手の経路も別物だと押さえておくと、比較の話が混ざりません。

比べる軸を決めないと優劣は決まらない

血糖の下がり方、体重の変化、投与の間隔、費用、続けやすさというように、見る軸を変えれば前に出る薬も入れ替わります。どれか1つだけを取り出して全体の順位を決めてしまうと、判断を誤りやすくなるでしょう。

2型糖尿病の治療として血糖を安定させたい人と、肥満症の治療として体重を落としたい人では、そもそも候補に挙がる薬が重ならない場面もあります。目的を先に決めておくほうが、診察での話は早く進みます。

軸の話とは別に、供給の面でも動きがあります。製造販売元であるノボ ノルディスク ファーマの発表により、ビクトーザ皮下注18mgは2026年後半に販売終了となります。

発表の時点では通常どおりの出荷が続いており、同社は2026年以降に順次切り替えを進めるよう呼びかけています。

販売終了の理由は発表に示されておらず、新しい薬より劣ると判断された結果だと読み取れる材料もありません。供給側の事情と、どの薬が自分に合うかという判断は、別の軸として切り分けて見るほうが混乱しにくくなります。

投与間隔と剤形で分かれるビクトーザと新世代GLP-1製剤

ビクトーザは1日1回、トルリシティ・オゼンピック・マンジャロは週1回、リベルサスは1日1回の内服です。この差は効きめの強弱ではなく、生活のどこに薬を組み込むかという設計の違いにあたります。

毎日1回打つか、週に1回で済ませるか?

週1回の製剤は注射の回数が7分の1で済むため、外出や出張が多い人ほど負担は軽くなります。反対に、毎日決まった時間に打つほうが習慣として定着しやすい人もいます。

1日1回のビクトーザは、体調や食事の状況に合わせて量を調整しながら進めやすい面もあります。増量の刻みが0.3mgと細かく、体の反応を見ながら止めどころを探れるからです。

注射を避けたい人に飲み薬という選択肢

リベルサスは有効成分がセマグルチドの錠剤で、1日1回3mgから始め、7mgを維持用量とし、効果が足りなければ14mgまで増やせます。針を使わずに済む点が、注射に強い抵抗がある人には大きな違いになります。

ただし飲み方の制約はむしろ厳しく、起床後すぐ、空腹の状態で少量の水とともに飲み、その後しばらく飲食を控える必要があります。朝の予定が日によって変わる人には、かえって続けにくい場合もあるでしょう。

打ち忘れたときの扱いも薬ごとに違う

週1回の製剤は同じ曜日に打つ決まりで、忘れた場合の対応も添付文書に細かく書かれています。次の予定日までの日数によって、気づいた時点で打つのか、その回を飛ばすのかが分かれます。

  • 注射に使える時間帯が毎日そろうか
  • 出張や外泊の頻度
  • 冷蔵庫での保管が続けられる環境か
  • 飲み忘れ・打ち忘れの起こりやすさ
  • 同居する家族に知られたくないかどうか

どれも薬の強さとは無関係ですが、途中でやめてしまう理由の上位に並ぶ項目でもあります。続けられる形かどうかは、効きめと同じくらい重い判断材料になります。

血糖の指標で新世代の薬とビクトーザを比べた研究

HbA1cの下がり方だけを見れば新しい薬のほうが数字は大きく出ますが、心臓や腎臓に起きた出来事まで含めると差は縮まります。研究が答えようとしている問いが、それぞれ違うためです。

ネットワークメタ解析が示したHbA1cの序列

2型糖尿病の治療を対象に40試験をまとめたネットワークメタ解析では、HbA1cの低下でチルゼパチド15mgが最も大きく、インスリンとの配合剤を含む他の組み立てを上回りました。

インスリンとの配合剤に対する差は、デグルデクとリラグルチドの組み合わせで-0.40%(95%信頼区間 -0.66〜-0.14)と報告されています。

グラルギンとリキシセナチドの組み合わせに対しては-0.48%(95%信頼区間 -0.75〜-0.21)で、どちらも確からしさは低いと評価されました。

体重ではチルゼパチド15mgとセマグルチド2mgの差が-6.56kg(95%信頼区間 -7.38〜-5.73)でした。ただしこの解析が扱った高用量には、日本では承認されていない用量も含まれており、そのまま国内の処方に置き換えられません。

腎臓と心血管の結果は3剤で同程度だった

米国退役軍人省のデータを使い、メトホルミンを使っている2型糖尿病の21,790人を追った比較研究があります。平均年齢は63.5歳(標準偏差10.8)で、リラグルチド5,425人、セマグルチド10,838人、デュラグルチド5,527人が対象でした。

セマグルチドと比べたリラグルチドのハザード比は、腎不全が0.93(95%信頼区間 0.60〜1.44)、腎と心血管を合わせた複合が0.96(95%信頼区間 0.84〜1.10)、主要心血管イベントが0.95(95%信頼区間 0.83〜1.09)でした。

全死亡ではリラグルチドが低い側に出た解析もありましたが、解析の方法を変えると差は消えています。観察研究であり、割り付けを行った試験ではない点も踏まえて読む必要があります。

チルゼパチドと従来のGLP-1受容体作動薬を並べた記録

2型糖尿病のある人の診療記録をもとに、チルゼパチド14,834人とGLP-1受容体作動薬125,474人を比べた研究では、追跡期間の中央値10.5か月でチルゼパチド側の全死亡が調整ハザード比0.58(95%信頼区間 0.45〜0.75)と報告されました。

HbA1cの差は-0.34ポイント(95%信頼区間 -0.44〜-0.24)、体重の差は-2.9kg(95%信頼区間 -4.8〜-1.1)にとどまります。数字としては確かに差がありますが、桁が変わるほど離れているわけではありません。

研究の種類比べた薬主な結果
40試験のネットワークメタ解析チルゼパチド15mgと高用量の各薬HbA1cの低下でチルゼパチドが最大
退役軍人21,790人の記録リラグルチド・セマグルチド・デュラグルチド腎不全と心血管の発生は同程度
診療記録14万人超の比較チルゼパチドとGLP-1受容体作動薬HbA1cで-0.34ポイントの差

血糖の数字を軸にすればチルゼパチドが前に出ますが、腎臓や心血管の出来事を軸にすると差は見えにくくなります。どちらを重く見るかで、同じデータの読み方が変わってきます。

体重を軸にするとビクトーザと新世代製剤の見え方が変わる

体重を軸にすると新しい薬の数字は大きく出ます。ただしその数字は肥満のある人を対象にした試験から来ており、2型糖尿病の効能に沿って使うビクトーザの1日1.8mgを調べたものではありません。

同じ手順で3つの成分を評価したコクランの3本

2025年に、同じ研究チームが同じ手順でリラグルチド・セマグルチド・チルゼパチドをそれぞれ評価した3本の系統的レビューが公表されました。対象はいずれも肥満のある成人で、比較の相手はプラセボです。

成分プラセボとの体重変化率の差確からしさ
リラグルチド-4.72%(95%信頼区間 -5.32〜-4.12)非常に低い
セマグルチド-10.73%(95%信頼区間 -12.24〜-9.21)高い
チルゼパチド-16.03%(95%信頼区間 -18.91〜-13.14)中程度

5%以上体重が減った人の割合も、リラグルチドがリスク比2.10(95%信頼区間 1.80〜2.45)、セマグルチドが2.68(95%信頼区間 2.30〜3.12)、チルゼパチドが3.60(95%信頼区間 2.44〜5.30)と並びます。

リラグルチドの解析は用量を限定せずにまとめており、チルゼパチドの試験は週1回5mgから15mgの範囲で行われました。ビクトーザの用量と対象をそのまま映した数字ではない点に注意が要ります。

肥満症の効能で承認されているのはウゴービとゼップバウンド

日本で肥満症の効能を持つのは、セマグルチドのウゴービとチルゼパチドのゼップバウンドです。どちらも高血圧・脂質異常症・耐糖能障害のいずれかがあり、食事療法と運動療法で十分な効果が得られない人が対象になります。

そのうえでBMIが27kg/m2以上あって肥満に関連する健康障害を2つ以上持つか、BMIが35kg/m2以上であるかのどちらかを満たす必要があります。扱う医療機関や医師の要件も、国の指針で別に定められています。

体重が目的ならビクトーザは承認の外に出る

ビクトーザを体重の管理を目的に使う場合、それは承認された効能から外れた使い方になります。試験で確かめられているのは2型糖尿病の血糖に対する働きであり、その根拠を体重の目的へそのまま持ち込めません。

肥満のある人を対象にした試験は肥満症の用量で組まれており、日本のビクトーザが取りうる範囲とは別の設計です。同じ成分でも、量と対象が変われば結果の読み方まで変わります。

体重の数字だけで薬を決められない理由

肥満があり2型糖尿病のない13,846人を12か月追った研究では、体重の変化がチルゼパチドで-7.7kg(95%信頼区間 -6.8〜-8.5)、セマグルチドで-4.8kg(95%信頼区間 -3.9〜-5.6)でした。

2型糖尿病の新規発症はチルゼパチド側が少なく、ハザード比0.73(95%信頼区間 0.58〜0.92)と報告されています。

もっとも、コクランの3本では確からしさの評価が分かれており、リラグルチドが非常に低い、セマグルチドが高い、チルゼパチドが中程度とされています。数字の大きさと、その数字の確かさは別の話です。

不利益の重さをどう感じるかは人によって違うため、こうした比較は本人の優先順位を入れ替えると答えも動きます。数字の大小だけで決着がつく問いではないのです。

副作用と続けやすさで見るビクトーザと新世代GLP-1製剤

消化器の症状はどの製剤でも起こります。差が出るのは症状の種類より、増量の速さに体が追いつくかどうかと、つらさをどこまで受け入れられるかのほうです。

吐き気や便通の変化はどの製剤でも起こる

胃の内容物が先へ送られる速さがゆるむため、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛といった症状は、ビクトーザでも新しい製剤でも共通して起こりえます。多くは使い始めや増量の直後に出て、体が慣れるにつれて落ち着いていきます。

頻度は低いものの、製品ごとの添付文書には急性膵炎や胆嚢炎、低血糖などが重大な副作用として記載されています。強い腹痛が続くときや、食事も水分も取れないほどつらいときは、次の診察を待たずに連絡する場面です。

利益と不利益を同じ物差しに載せた研究

糖尿病のない過体重・肥満の7試験8,673人をもとにした解析では、10%以上の減量に届く割合がプラセボの4.03倍(95%信頼区間 3.35〜4.85)、5%以上では2.52倍(95%信頼区間 2.38〜2.67)と計算されています。

この解析は不利益の側も同じ物差しに載せており、10%の減量を目標に置いた場合に利益が上回る確率は1年目で0.97、2年目で0.88でした。5%の減量では確率が大きく下がるため、何を目標に置くかで結論が反転します。

中止に至るほどの有害事象という点では、リラグルチドのリスク比1.98(95%信頼区間 1.30〜3.02)、セマグルチド1.84(95%信頼区間 1.53〜2.21)、チルゼパチド2.06(95%信頼区間 1.21〜3.52)と並びます。

やめたあとに戻る変化まで含めて考える

中止後に12週以上追った18試験3,771人をまとめた解析では、肥満のある人で体重が5.63kg(95%信頼区間 3.52〜7.73)戻り、HbA1cも0.25%(95%信頼区間 0.18〜0.32)上がりました。

中止した人の状態体重の戻りHbA1cの上昇
肥満がある5.63kg(95%信頼区間 3.52〜7.73)0.25%(95%信頼区間 0.18〜0.32)
2型糖尿病がある2.03kg(95%信頼区間 1.63〜2.42)0.65%(95%信頼区間 0.22〜1.08)

追跡が26週を超えた群では戻りが7.31kg、それ以下の群では2.51kgでした。成分別ではセマグルチドが8.21kg、リラグルチドが4.29kgという結果でした。

減り幅が大きい薬ほど、やめたあとの戻りも大きく出る傾向が読み取れます。始めるときの比較だけでなく、いつまで続けるのかまで含めて相談しておくと、後から慌てずに済みます。

費用と保険の扱いが分かれるビクトーザと新世代の薬

費用の差は薬価だけでは決まりません。2型糖尿病の治療として使うのか、体重を目的に使うのかで、公的医療保険が使えるかどうかが変わるからです。

保険が使えるのは承認された効能に沿うとき

ビクトーザを2型糖尿病の治療として処方する場合、公的医療保険の枠内で扱われ、窓口では自己負担割合に応じた金額を支払います。トルリシティ、オゼンピック、リベルサス、マンジャロも同じ効能で承認されています。

肥満症の効能で承認されているウゴービとゼップバウンドは、対象となる人の条件に加えて、扱う医療機関や医師の要件まで国の指針で定められています。自分が該当するかどうかは診察で確かめる部分になります。

使う目的日本での扱い費用の出どころ
2型糖尿病の治療承認された効能に沿う公的医療保険が使える
肥満症の治療ウゴービ・ゼップバウンドが該当条件と医療機関の要件を満たす場合
体重を目的にビクトーザ承認された範囲の外全額自己負担の自由診療

自由診療で扱うときに確かめる費用の内訳

自由診療では価格を医療機関がそれぞれ決めるため、同じ薬でも金額が一律ではありません。診察料、薬剤の費用、注射針の代金、必要に応じた血液検査といった項目に分かれています。

薬剤の費用は用量が上がるほど増えるので、増量の途中で月々の負担が変わる点も見ておく必要があります。総額がいくらになるのかは、公表されている料金表と診察時の説明を突き合わせて確かめると確実です。

自費であるうえに、吐き気や下痢などの症状が出る可能性もある治療です。費用とリスクの両方を見たうえで続けるかどうかを決める形になります。

個人輸入や未承認の製品に手を出さない

安さを理由に個人輸入へ流れると、偽造品や温度管理の崩れた製品をつかむ危険があります。健康被害が生じても、国内の救済制度の対象から外れる点が大きな問題です。

どんな人に向くのか、ビクトーザと新世代製剤の選び方

選び方を決めるのは薬の新しさではなく、目的、生活のリズム、併存する病気の3つです。この順に当てはめていくと、候補はかなり絞られます。

目的が血糖か体重かで入り口が変わる

2型糖尿病の血糖を安定させたい人には、ビクトーザを含む2型糖尿病の効能を持つ薬が候補に並びます。すでにビクトーザで血糖が落ち着いているなら、あえて変える理由が見当たらない場面も多いでしょう。

販売終了が決まっている薬をこの先どう扱うかも、同じ診察のなかで確かめる項目に入ります。継続の見通しも切り替えの時期も、血糖の経過や体調を見ている担当の医師が判断する部分です。

肥満症の治療として体重を落としたい人は、まず肥満症の効能を持つ薬の条件に当てはまるかどうかを確かめる流れになります。条件から外れる場合の選択肢は、また別に考える必要があります。

生活のリズムと注射の頻度を合わせる

毎日決まった時間を作れる人には1日1回の製剤が合い、平日の予定が読めない人には週1回の製剤が合いやすくなります。針そのものに抵抗が強ければ、飲み薬を選ぶ道も残っています。

併存する病気と使っている薬を並べる

腎臓の働き、心臓の状態、膵炎や胆石の既往、そして今使っている薬の顔ぶれによって、選べる薬も増量の速さも変わります。インスリンやスルホニル尿素薬を併用している場合は、低血糖への配慮も必要です。

  • 直近の血糖値・HbA1cと健診の結果
  • 体重の推移と、目標にしている数字
  • 今使っている薬とサプリメント
  • 吐き気や下痢が出たときの様子
  • 注射や通院に使える時間帯
  • どこまで費用をかけられるか

この6つがそろっていれば、限られた診察時間でも話は具体的なところまで進みます。新しいか古いかではなく、自分の条件に合うかどうかで薬を選ぶ形に近づけます。

よくある質問

ビクトーザは新世代のGLP-1製剤より効果が弱いのですか?

何を効果と呼ぶかで答えが変わります。HbA1cの下がり方や体重の減り幅を軸にすれば新しい薬の数字が大きく出ますが、腎臓や心血管に起きた出来事を軸にすると差が見えにくくなります。

退役軍人21,790人を追った比較では、セマグルチドと比べたリラグルチドのハザード比が腎不全0.93、主要心血管イベント0.95で、いずれも大きな差はありませんでした。

ビクトーザから週1回の製剤へ切り替えられますか?

切り替えを検討する場面はありますが、判断は診察のなかで行います。血糖の経過、腎臓や心臓の状態、併用している薬、これまでに出た症状を見たうえで、切り替える意味があるかを確かめる流れです。

切り替え後は開始用量からやり直す設計になっており、途中で吐き気などが出れば増量の速さを調整します。自己判断で残っている薬を使い分けるやり方は勧められません。

ビクトーザを体重を減らす目的で使えますか?

日本でビクトーザに認められている効能は2型糖尿病だけで、肥満症やダイエットの効能では承認されていません。体重を目的とした使い方は、承認された範囲の外に出る使い方にあたります。

肥満症の効能を持つ薬は別にあり、対象となる人の条件も国の指針で決まっています。自分が該当するかどうかは、診察で状態を確かめたうえで判断する内容です。

ビクトーザと新世代の製剤では副作用の出かたが違いますか?

起こる症状の種類はよく似ています。吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛はどの製剤でも報告されており、多くは使い始めや増量の直後に強く出て、体が慣れるにつれて和らいでいきます。

違いが出やすいのは調整のしやすさです。週1回の製剤は効果が数日続くため、つらさが出たときの対応も1日1回の製剤とは変わってきます。

ビクトーザを新しい薬に変えると体重はさらに減りますか?

減り幅の平均が大きい薬はありますが、個人がどう動くかは事前には決まりません。肥満のある成人を対象にした系統的レビューでも、プラセボとの差はリラグルチドが-4.72%、セマグルチドが-10.73%、チルゼパチドが-16.03%と幅がありました。

これらは肥満症の治療として組まれた試験の数字で、ビクトーザの使い方を映したものではありません。やめたあとに戻る量も薬によって違うため、続ける期間まで含めて相談する内容になります。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会