ビクトーザとサクセンダの効果を比較する、成分が同じでも違う点はどこ?

ビクトーザとサクセンダの効果を比較する、成分が同じでも違う点はどこ?

ビクトーザとサクセンダは有効成分がどちらもリラグルチドですが、効果を比べようとすると、そもそも測っている物差しが違うと分かります。

日本で承認されているのはビクトーザの2型糖尿病だけで、1日の上限は1.8mgです。サクセンダの3.0mgは国内で承認されておらず、当院を含め自由診療の枠で扱われます。

同じ試験の中で1.8mgと3.0mgを並べて割り付けた研究があり、そこでは用量の差が体重の減り幅の差として現れました。

一方、血糖の指標を主要評価項目に置いた試験は別に組まれており、片方の成績をもう片方へ移せません。用量と対象疾患ごとに数字を切り分けると、両者の関係が見えてきます。

目次 Outline

ビクトーザとサクセンダの効果を比べる前に押さえる用量と対象疾患

材料をそろえないまま数字だけを並べると、読み違えが起こります。日本での承認の範囲、1日に使える量の上限、誰を対象にした薬なのかを先に確かめておくと、後から出てくる数字の意味が定まります。

日本で承認されているのはビクトーザの2型糖尿病だけです

ビクトーザ(リラグルチド)は日本で2型糖尿病の効能で承認された注射薬で、1日1回の皮下注射を0.9mgから始め、必要に応じて1.8mgまで上げる使い方が認められています。

添付文書に書かれた効能・効果は2型糖尿病であって、肥満症や体重の管理という記載はありません。ダイエットを目的に使えば承認された範囲を外れた適応外使用にあたり、公的医療保険は使えません。

もう一方のサクセンダ(リラグルチド3.0mg)は日本では承認されておらず、当院を含めて自由診療の枠で扱われています。成分が重なっていても、制度のうえでの立ち位置はかなり違うといえます。

1日の上限はビクトーザが1.8mg、サクセンダが3.0mg

同じリラグルチドでも、1日に使える量の上限は製品ごとに別々に置かれています。ビクトーザは1.8mg、サクセンダは3.0mgで、どちらも少量から始めて段階的に上げる組み立てです。

量が違えば体に届く成分の量も変わるため、現れる変化の大きさまで同じにはなりません。効果を比べるという話は、実のところ用量を比べる話とほとんど重なっています。

どの量まで上げるかは、目的に合わせて試験で確かめられた範囲の中で決まります。自分の判断で上限を超えて増やす使い方には、頼れる根拠が残っていません。

英国の診療データベースを用いた調査では、サクセンダを開始した604人とビクトーザを開始した4,853人が比べられました。

サクセンダ側は女性の割合が86.4%(ビクトーザ側は52.1%)、平均年齢が46.5±11.7歳(ビクトーザ側は57.5±12.0歳)で、実際に使っている層まで分かれていました。

この報告は、用量と製剤が似ているために適応を取り違えて使われる危険を挙げたうえで、多くは承認された適応に沿って処方されていたと述べています。

サクセンダは国内未承認で自由診療として扱われます

国内で承認されていない薬なので、処方を受ける場合は自由診療となり、診察料も薬剤費も注射針の代金も全額が自己負担になります。

金額の設定は医療機関ごとに違うため、開始前に1か月あたりの総額と、続けたときの負担を確かめておくと計画が立てやすくなります。

国内で承認されていない薬による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外とされています。承認された薬との違いは、効きめの大きさだけにとどまりません。

効果を比べる前にそろえておく条件

2つの数字を並べるときは、どの人を対象にしたのか、どの量を使ったのか、どれだけの期間追ったのか、何を主要評価項目に置いたのかを毎回そろえます。

  • 対象になった人の状態(2型糖尿病の有無・BMI)
  • 使われた1日の用量
  • 追跡した期間
  • 主要評価項目に置かれた指標
  • 比べた相手がプラセボか実薬か

どれか1つでも違えば、出てきた数字は別の問いへの答えになります。同じリラグルチドという理由だけで並べても、比べたとはいえません。

見ている点ビクトーザサクセンダ
有効成分リラグルチドリラグルチド
1日の上限用量1.8mg3.0mg
日本での承認2型糖尿病で承認未承認
公的医療保険2型糖尿病の治療なら対象対象外(全額自己負担)
主に確かめられた指標HbA1c体重

ビクトーザとサクセンダでは効果を測る主要評価項目が違います

臨床試験は、あらかじめ決めた1つの問いに答えるために組まれます。その問いが主要評価項目で、血糖を見るのか体重を見るのかによって、試験の設計そのものが変わってきます。

ビクトーザ側の試験が中心に置くのはHbA1c

2型糖尿病を対象とした試験では、過去1〜2か月の血糖の平均を映すHbA1cの変化が主要評価項目に置かれるのが通例です。日本人でリラグルチドの用量を比べた試験も、主要評価項目はHbA1cの変化でした。

体重は測られていても副次的な位置にとどまり、試験の成否を決める指標にはなっていません。血糖を整えるという目的から逆算して、確かめる項目が決まっているからです。

サクセンダの用量を調べた試験が置いたのは体重

リラグルチド3.0mgを調べた試験は、体重に関する3つの項目を同格の主要評価項目に置いています。56週後の体重の変化率、5%以上減った人の割合、10%を超えて減った人の割合の3つです。

2型糖尿病がある人を集めた試験であっても、主要評価項目は体重の側に置かれました。対象疾患ではなく、答えようとしている問いが指標を決めています。

物差しが違う数字を並べても優劣は出ません

HbA1cが何%下がったかという数字と、体重が何%減ったかという数字は、単位も意味も別々です。どちらが大きいかを見比べても、薬の優劣にはつながりません。

比べられるのは、同じ試験の中で同じ指標を使って測られた値だけでしょう。だからこそ、1つの試験に1.8mgと3.0mgが同時に置かれた研究が手がかりになります。

試験の対象主要評価項目比べた用量
日本人の2型糖尿病 466人HbA1cの変化0.9mgと1.8mg
2型糖尿病がある過体重・肥満 846人体重の変化率と減量の達成率1.8mgと3.0mg
2型糖尿病のない過体重・肥満 3,731人体重の変化と減量の達成率3.0mg

同じ成分でも、置かれた問いが違えば別々の答えが返ってきます。

同じ試験の中でビクトーザとサクセンダの用量を比べた結果

1.8mgと3.0mgを同じ試験の中で並べて割り付けた研究があり、用量の差がそのまま結果の幅として現れました。多くの試験は各用量をプラセボと照らすだけなので、この設計は数少ない手がかりになります。

2型糖尿病がある846人を3群に割り付けた56週間の試験

9か国126施設で2011年6月から2013年1月にかけて行われた56週間の無作為化二重盲検試験では、1,361人が適格性を評価され、846人が2対1対1の割合で割り付けられました。

参加の条件はBMIが27.0以上、18歳以上、経口の血糖降下薬を0〜3剤使いながら体重が安定していること、HbA1cが7.0〜10.0%の範囲にあることでした。

割り付けはリラグルチド3.0mg群423人、1.8mg群211人、プラセボ群212人で、全群が1日500kcalの食事の削減と週150分以上の身体活動を併せて行っています。開始時の体重は順に105.7kg、105.8kg、106.5kgでした。

56週後の体重は3.0mgで6.0%、1.8mgで4.7%減りました

56週後の体重減少は3.0mg群が6.0%(6.4kg)、1.8mg群が4.7%(5.0kg)、プラセボ群が2.0%(2.2kg)と報告されています。

プラセボとの差は3.0mg群で-4.00%(95%信頼区間 -5.10〜-2.90)、1.8mg群で-2.71%(95%信頼区間 -4.00〜-1.42)で、いずれもP値は0.001未満でした。

この試験は3群を同時に置いていますが、公表されている主要な比較はそれぞれをプラセボと照らした差です。3.0mgと1.8mgを直接突き合わせた検定の値までは示されていません。

群(人数)56週後の体重減少プラセボとの差(95%信頼区間)
リラグルチド3.0mg(423人)6.0%(6.4kg)-4.00%(-5.10〜-2.90)
リラグルチド1.8mg(211人)4.7%(5.0kg)-2.71%(-4.00〜-1.42)
プラセボ(212人)2.0%(2.2kg)

5%以上・10%を超えて減った人の割合

5%以上体重が減った人は3.0mg群で54.3%、1.8mg群で40.4%、プラセボ群で21.4%でした。

プラセボとの差は3.0mg群で32.9%(95%信頼区間 24.6〜41.2)、1.8mg群で19.0%(95%信頼区間 9.1〜28.8)と報告されています。

10%を超えて減った人は3.0mg群で25.2%、1.8mg群で15.9%、プラセボ群で6.7%です。

その差は3.0mg群で18.5%(95%信頼区間 12.7〜24.4、P値0.001未満)、1.8mg群で9.3%(95%信頼区間 2.7〜15.8、P値0.006)でした。

平均値だけでなく達成率で見ても、用量が高いほうが多くの人を目標へ届けていました。それでも3.0mg群の半数近くは5%に届いておらず、量を上げれば誰でも減るという読み方は成り立ちません。

用量が上がると消化器の訴えも増えました

同じ試験では、消化器に関する不都合な反応が3.0mg群のほうが1.8mg群やプラセボ群より多く報告されました。膵炎の報告はありませんでした。

効果の伸びと体への負担が同じ向きに動くため、量の設計は得られる変化だけで決められません。吐き気や嘔吐で食事も水分も取れない状態が続くときは、次の診察を待たずに連絡する場面です。

サクセンダ3.0mgの効果は対象が変わると数字も変わります

用量をそろえても、対象になる人が変われば結果は動きます。同じ3.0mgでも、2型糖尿病がある集団とない集団とでは、報告されている減り幅がはっきり違っています。

2型糖尿病のない3,731人では平均8.4kg減りました

2型糖尿病がなく、BMIが30以上、あるいは脂質異常症か高血圧を伴ってBMIが27以上の3,731人を対象にした56週間の試験があります。

参加者は2対1でリラグルチド3.0mg群2,487人とプラセボ群1,244人に割り付けられ、両群とも生活の見直しについて助言を受けました。

開始時の平均年齢は45.1±12.0歳、平均体重は106.2±21.4kg、平均BMIは38.3±6.4で、78.5%が女性、61.2%が前糖尿病の状態です。

56週後の体重はリラグルチド群が平均8.4±7.3kg、プラセボ群が2.8±6.5kg減り、群間差は-5.6kg(95%信頼区間 -6.0〜-5.1、P値0.001未満)でした。

5%以上減った人は63.2%対27.1%、10%を超えて減った人は33.1%対10.6%と報告されています。

試験の対象1日の用量56週後の体重の変化
2型糖尿病がある846人3.0mg-6.0%(-6.4kg)
2型糖尿病がある846人1.8mg-4.7%(-5.0kg)
2型糖尿病のない3,731人3.0mg-8.4±7.3kg

同じ3.0mgなのに数字が動くのはなぜ?

2型糖尿病がある集団での6.0%と、糖尿病がない集団での8.4kgという数字は、単位も対象も別々なので直接は比べられません。それでも、同じ用量で報告される幅がこれだけ開く点は押さえておきたいところです。

血糖を下げる治療が進むと、尿へ逃げていた糖が体内にとどまるようになり、体重の下がり方が相殺される場面があります。併用しているインスリンやスルホニル尿素薬が体重を増やす方向へ働く点も、数字に影響します。

報告された数字を自分に当てはめる前には、その試験に自分と似た状態の人が入っていたかどうかを確かめます。

実際の診療で15%以上減った人の割合

英国とアイルランドの5つの専門外来で行われた実地の無作為化試験では、BMIが35以上で前糖尿病、2型糖尿病、高血圧、睡眠時無呼吸のいずれかを伴う成人392人が対象になりました。

リラグルチド3.0mgを、16週で5%以上、32週で10%以上、52週で15%以上という中止規則とともに処方する経路へ260人、通常の外来診療だけの群へ132人が割り付けられています。

52週の解析対象294人のうち15%以上減った人は、介入群で201人中51人(25.4%)、対照群で93人中6人(6.5%)、オッズ比は5.18(95%信頼区間 2.09〜12.88、P値0.0001未満)でした。

有害事象は介入群260人中238人(91.5%)、対照群132人中89人(67.4%)に起こり、介入群では2人が亡くなっています。

ビクトーザの効果は血糖の指標で積み上がっています

ビクトーザの側で積み上がっているのは、体重ではなく血糖の指標に関する成績です。日本で認められている1.8mgという上限も、血糖を整える目的で組まれた試験から出てきた数字になります。

日本人466人で0.9mgと1.8mgを比べた26週間の試験

国内47施設で行われた26週間の無作為化試験では、HbA1cが7.5〜10.0%の日本人成人が対象になり、インスリンを使っている人は除かれました。

全員がまず12週間リラグルチド0.9mgを使い、その後もHbA1cが7.0%以上だった466人を、0.9mgのまま続ける群と1.8mgへ増やす群へ1対1で割り付けています。

26週後、1.8mg群は0.9mg群よりHbA1cが0.40%大きく下がりました(95%信頼区間 -0.55〜-0.24、P値0.0001未満)。

HbA1cが7.0%未満に届いた推定オッズ比は3.87(95%信頼区間 2.12〜7.08、P値0.0001未満)、6.5%以下では3.78(95%信頼区間 1.36〜10.54、P値0.0109)で、どちらの用量も忍容性は良好と報告されています。

HbA1cの下がり幅は薬剤と用量で大きく違います

2型糖尿病の成人16,660人が参加した第3相・第4相の38試験・104群をまとめた解析では、参加者の平均年齢が57±10歳、罹病期間が8±6年、BMIが31.9±5.8、HbA1cが8.2%±0.9%でした。

HbA1cの低下幅は、リキシセナチド20μg/日の-0.63%±0.03%からチルゼパチド15mg/週の-1.79%±0.09%まで開いており、体重の減り幅も-0.75±0.10kgから-9.65±0.56kgまで幅がありました。

同じ解析で、効果が大きい薬ほど消化器の不都合な反応や中止が増えるという関係は見られませんでした。効果と負担は必ずしも一対一で結びつかないわけです。

見ている指標主に確かめてきた用量代表的な報告値
HbA1cリラグルチド1.8mg0.9mgより0.40%大きく低下
体重リラグルチド3.0mg56週で6.0%減(2型糖尿病あり)
体重リラグルチド1.8mg56週で4.7%減(2型糖尿病あり)

血糖の成績を体重の根拠へ持ち込めません

HbA1cを主要評価項目に置いた試験の結果は、体重がどれだけ動くかという問いの答えにはなりません。逆に、体重を主要評価項目に置いた試験の結果を血糖の根拠として持ち出す読み方も成り立たないでしょう。

数字を移して読めない以上、どちらが効くのかという問いは立てにくくなります。下げたいのが血糖なのか体重なのかを先に決めておけば、見るべき試験も自然に絞られてきます。

ビクトーザ皮下注18mgは2026年後半に販売終了となります

ここまで見てきた1.8mgの成績は、ビクトーザ皮下注18mgという製品を通して積み上げられたものです。この製品は、製造販売元であるノボ ノルディスク ファーマの発表により、2026年後半に販売終了となります。

発表で終了の対象とされたのは、ビクトーザ皮下注18mgです。発表の時点では通常どおりの出荷が続いており、同社は2026年以降に順次変更していくよう呼びかけています。

販売が終わっても、公表された試験の数字がさかのぼって書き換わるわけではありません。変わるのは、その数字を根拠として同じ製品を使い続けられる期間のほうです。

一方で、承認された薬の販売が終わることが、国内未承認の薬へ移る理由になるわけでもありません。サクセンダが自由診療として扱われる立ち位置は、この発表によって変わってはいないからです。

今後どうするかは、処方を受けている医療機関と相談しながら決めていく事柄です。手元の残りの本数と次の受診の予定を確かめておくと、診察の場で落ち着いて話を進められます。

ビクトーザとサクセンダの効果の数字を自分に引き寄せて読む

試験で出た平均値は、そのまま自分に起こる変化の予告ではありません。同じ用量を同じ期間使っても結果には幅が出るので、数字は目安として扱うほうが実際に近くなります。

用量が同じなら効果も同じ?

同じではありません。カナダの肥満外来で、セマグルチドかリラグルチドを新たに処方されたBMI30以上の成人483人を平均17.3か月追った報告があります。

平均の総体重減少率は12.2%でしたが、内訳を見ると5%未満にとどまった人が17.8%、5〜15%の人が48.4%、15%を超えた人が33.8%と分かれていました。

この解析で高い反応と独立して関連したのは女性であるという点だけで(調整オッズ比1.92、95%信頼区間 1.01〜3.65、P値0.048)、年齢、糖尿病の有無、開始時のBMI、座りがちな生活、不安やうつは関連しませんでした。

効果と一緒に見ておきたい副作用と自費の負担

肥満のある成人にリラグルチドを用いた24件の試験・9,937人をまとめた解析があります。

5%以上の減量に届く人が増える一方(リスク比2.10、95%信頼区間 1.80〜2.45)、有害事象による中止も増えていました(リスク比1.98、95%信頼区間 1.30〜3.02)。

24件のうち22件は製造販売元から資金提供を受けており、13件では設計や実施、解析、報告にも関与がありました。数字は背景まで含めて眺める必要があります。

262試験・99,791人・19種類の薬をまとめた2026年の解析でも、有害事象による中止が多い側にリラグルチドが挙げられました。自由診療では全額が自己負担になるため、続けられなくなる要因を先に見積もっておくと計画が崩れにくくなります。

診察で伝えると話が早く進む材料

効果の数字をどう読むかは、開始時の状態によって変わります。次の材料を手元にそろえておくと、限られた診察時間でも中身の濃い相談ができます。

  • 同じ条件で測った体重と腹囲の推移
  • 直近の健診で出たHbA1cと血糖の値
  • 使っている糖尿病の薬とほかの内服薬
  • 吐き気や便通の変化が出た時期と程度
  • 血糖と体重のどちらを先に動かしたいか

目的が血糖にあるのか体重にあるのかで、見るべき数字も選べる手立ても変わってきます。そこを最初に共有しておくと、途中で判断がぶれにくくなるでしょう。

よくある質問

ビクトーザとサクセンダでは、どちらのほうが体重が減りますか?

1.8mgと3.0mgを同じ試験の中で並べた56週間の研究では、体重減少が3.0mg群で6.0%(6.4kg)、1.8mg群で4.7%(5.0kg)、プラセボ群で2.0%(2.2kg)と報告されています。

ただし2つは対象疾患も承認の範囲も違う製品で、優劣を決める比べ方が成り立ちません。どちらを使うかは、血糖と体重のどちらを目標に置くかによって変わります。

ビクトーザとサクセンダの効果を直接比べた試験はあるのですか?

1.8mgと3.0mgを同じ試験の中で別々の群に割り付けた研究はあります。ただし公表されている主要な比較は、それぞれをプラセボと照らした差のほうです。

プラセボとの差は3.0mg群で-4.00%(95%信頼区間 -5.10〜-2.90)、1.8mg群で-2.71%(95%信頼区間 -4.00〜-1.42)でした。2つの用量を直接突き合わせた検定の値までは示されていません。

ビクトーザを1.8mgまで上げると効果はどう変わりますか?

日本人成人466人を対象にした26週間の試験では、1.8mgへ増やした群のHbA1cが0.9mgのままの群より0.40%大きく下がりました(95%信頼区間 -0.55〜-0.24、P値0.0001未満)。

この試験が主要評価項目に置いたのはHbA1cであって、体重ではありません。増量の狙いが血糖の側にある点は、数字の読み方としても押さえておきたいところです。

サクセンダは用量が高いぶん、副作用も強く出るのですか?

1.8mgと3.0mgを並べた試験では、消化器に関する不都合な反応が3.0mg群で1.8mg群やプラセボ群より多く報告されました。膵炎の報告はありませんでした。

肥満のある成人にリラグルチドを用いた24件・9,937人の解析でも、有害事象による中止が増える側に置かれています(リスク比1.98、95%信頼区間 1.30〜3.02)。増量の途中でつらさが強いときは、次の診察を待たずに連絡する場面です。

報告されている効果の数字は、そのまま自分に当てはめられますか?

試験の平均値は集団の傾向であって、個人への予告ではありません。483人を平均17.3か月追った報告では、平均の総体重減少率が12.2%だった一方、5%未満にとどまった人も17.8%いました。

開始時の体重や血糖、併用している薬、続けられた期間によって幅が出ます。手元の数字を他人と比べるより、自分の経過を並べて眺めるほうが判断の材料になるでしょう。

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この記事を書いた人 Wrote this article

大木 沙織 大木皮ふ科クリニック 副院長

皮膚科医/内科専門医/公認心理師 略歴:順天堂大学医学部を卒業後に済生会川口総合病院、三井記念病院で研修。国際医療福祉大学病院を経て当院副院長へ就任。 所属:日本内科学会